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日本語と人口

2013-08-31 | 日本語どうなるの?
2050年の日本語はどうなる?というタイトルの講演録がある。NINJALフォーラムの第6回目、この3月に行われている。日本語はどうなるかというと、日本型移民政策によって受け入れる人材を定着させるには言語のコミュニケーションがどうなるかということのようだ。国内に日本語非母語話者が増える予測を立てて居住地域の少数言語のほかに。

日本国内の公用語を複数に持つか、日本語が公用語となるか、と述べている。日本語はどうなるかと言っていて、日本語が公用語となるという可能性を一つに挙げている。これはありうるのだろうかと、この講演の趣旨が変だと思う。まるで公用語と言語権がわたしたちの内にない発想だからである。言語政策を言い、日本語に触れている、その話が揺れる。

ちょうど2050年の世界はどうなる?というタイトルの記事を読んでいた。日本人に必要な、虫の眼、鳥の眼とあって、2050年の世界地図、せまりくるニュー・ノースの時代という本を紹介している。週末にこの1冊をどうぞというわけである。それはまた、週末に、2050年の世界に関する思考実験をしましょうというすすめだ。

虫の眼、鳥の目のたとえはその通りで、地を這う視点と上から俯瞰する視点だ。思考実験の前提には基本原則があるのだけれど、なによりも、コンピュータによるデータ解析をもって予測しているらしい。虫の眼・鳥の眼の視点が何をどうするかは明らかだ。この記事には環北極圏のNORCに注目する未来像がある。

そこで2050年の予測に、日本語はどうなるか、世界はどうなるか、このふたつでは対照にならないが、そこにあらわれた視点についてはかかわり合いそうだ。さきの日本の人口動態はその予測をシミュレーションし生産年齢人口の減少についての経団連の提言を踏まえている。わかりよい鳥の眼でもあろうけれど、よく見えていないところがある。

それは移民政策が言語政策に反映し言語計画をそこに持つというような趣旨で、向こう受けするような、そこに公用語の議論のとらえ方があって、日本語のコミュニケーションにいきなり虫の眼を用いて提案をしていくが、鳥の目が人口推移による労働市場に向けられているので、ここではなんら公用語が日本語であることに変わりがないであろう。

鳥の目が何を見て虫の眼が何を見ているか、それはいまから30数年さきの予測であるだけに、日本語の支え手の年代層がどう言語を学び取っていくかについて、将来も現実も見ておかなければならない。


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