夏目漱石、夢十夜、1908年の7月から8月にかけて朝日新聞紙上で10回連載されたそうだ。それを、現代によみがえらせる、小説本文は現代仮名遣いの岩波文庫版に準拠ということである。朝日デジタルより。
夏目漱石
夢十夜 第一夜
枕元(まくらもと)に
坐(すわ)って
仰向(あおむき)
輪廓(りんかく)
瓜実顔(うりざねがお)
真白(まっしろ)な
頰(ほお)
程(ほど)よく
判然(はっきり)
確(たしか)に
覗(のぞ)き込む
潤(うるおい)
睫(まつげ)
真黒(まっくろ)
眸(ひとみ)
鮮(あざやか)に
透(す)き
徹(とお)る
色沢(つや)
傍(そば)
睜(みはっ)たま
私(わたし)
埋(う)めて
真珠貝(しんじゅがい)
破片(かけ)
墓標(はかじるし)
傍(そば)
逢(あ)いに
何時(いつ)
行(ゆ)く
首肯(うなずい)た
思い切(きっ)た
私(わたく)
頰(ほお)
滑(なめら)かな
縁(ふち)
度(たび)に
匂(におい)
毎(たび)
破片(かけ)
間(ま)に
角(かど)
苔(こけ)
唐紅(からくれない)
天道(てんとう)
上(のぼ)って
風(ふう)に
欺(だま)された
斜(はす)
留(と)まった
揺(ゆら)ぐ
頂(いただき)
傾(かたぶ)けて
蕾(つぼみ)
瓣(はなびら)
百合(ゆり)
徹(こた)える
遥(はるか)
露(つゆ)
滴(したた)る
花瓣(はなびら)
接吻(せっぷん)した
瞬(またた)いて
夏目漱石
夢十夜 第一夜
枕元(まくらもと)に
坐(すわ)って
仰向(あおむき)
輪廓(りんかく)
瓜実顔(うりざねがお)
真白(まっしろ)な
頰(ほお)
程(ほど)よく
判然(はっきり)
確(たしか)に
覗(のぞ)き込む
潤(うるおい)
睫(まつげ)
真黒(まっくろ)
眸(ひとみ)
鮮(あざやか)に
透(す)き
徹(とお)る
色沢(つや)
傍(そば)
睜(みはっ)たま
私(わたし)
埋(う)めて
真珠貝(しんじゅがい)
破片(かけ)
墓標(はかじるし)
傍(そば)
逢(あ)いに
何時(いつ)
行(ゆ)く
首肯(うなずい)た
思い切(きっ)た
私(わたく)
頰(ほお)
滑(なめら)かな
縁(ふち)
度(たび)に
匂(におい)
毎(たび)
破片(かけ)
間(ま)に
角(かど)
苔(こけ)
唐紅(からくれない)
天道(てんとう)
上(のぼ)って
風(ふう)に
欺(だま)された
斜(はす)
留(と)まった
揺(ゆら)ぐ
頂(いただき)
傾(かたぶ)けて
蕾(つぼみ)
瓣(はなびら)
百合(ゆり)
徹(こた)える
遥(はるか)
露(つゆ)
滴(したた)る
花瓣(はなびら)
接吻(せっぷん)した
瞬(またた)いて