日本語論38 語源、語誌
語源について、はなす を考えたことがある。話す、と表記し、語る という語に入れ替わる現象が、日本語の、語、話、そして、言を文字とすることばである。説ということばも 文字によって、話すことであったのであろうが、説話というジャンルにして取り入れたこともあり、説よりも、話となった。しかし、話す となるには、はなす という語に、咄、噺の語を文字に作り出した経緯があり、はなす というのは、どういう意味内容をもたせることとなったか。はなつ はなる、そして、はなす が語源にあるのではないかと類推をした。
いま、もちいている、使われる、話すというのは、語るということであった。語る について、その言語行為が渡り合う意味内容に、そのうちの、談話にあたる見聞を相手に伝える、これが、話す のことに、いわば交代する。語ることと話すことと、ふたつのことは重なり合うが、12世紀、16世紀と、中央語が畿内から広がることによって、使い方が、話者によって、話しひろめことと、交替をしたのである。
日本国語大辞典
語源説
(1)なかなか応諾しない精霊をなだめすかし、克服する際の呪言カツ(克)を再活用させた語〔文学以前=高崎正秀〕。
(2)カタはコト(言)の転。リは活用語尾〔日本古語大辞典=松岡静雄〕。
(3)コトテル(言出)の義〔言元梯〕。
(4)カタ(形)の活用語。カタは事象の意〔和訓栞・大言海〕。
(5)カタアル(形生)の約〔国語本義〕。
(6)カタアル(象有)の約。カタはカタドル意〔名言通〕。
(7)カタ(方)ヲリルか〔和句解〕。
(8)話の別音Ka の入声音Kat が転化したもの〔日本語原考=与謝野寛〕。
"かた・る【語】", 日本国語大辞典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2018-06-15)
語源説
(1)端無の義〔名言通・和訓栞〕。
(2)ハナシは放シの義か〔玉勝間・俚言集覧・言元梯〕。心事をハナス(放)の義〔紫門和語類集・大言海〕。言語を口外に離スの義〔国語の語根とその分類=大島正健〕。
"はな・す【話・咄】", 日本国語大辞典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2018-06-15)