ニューヨークで活躍するジャーナリストのエリザベス(ジュリア・ロバーツ)。
30代に突入した彼女は、夫も財産も捨て、イタリア~インド~バリへと世界を巡る“自分探し”の旅に出る。
女性作家エリザベス・ギルバートが自らの経験を綴り、全世界40カ国以上で翻訳され、700万部のベストセラーとなった自伝的小説を映画化。
結婚8年目、郊外に家を建て、仕事も順調。
誰もがうらやむような生活をおくるエリザベスだが、漠とした虚無感に襲われ、夫との仲も何となくしっくりいかなくなる。
取材で訪れたバリで占い師から、
「短い結婚と長い結婚の2度結婚する、全財産を失うがまた取り戻す、全世界を旅し、再びバリに戻ってくる」
と言われた彼女。
ニューヨークに戻り、相変わらずしっくりとしない夫との仲を清算することにしたエリザベスは、全財産を夫に渡して離婚。
その後若い舞台俳優と新たな恋に落ちるが、それでも心に広がる虚しさは消えることはなく、ついに彼女は決心する。
「15歳のときから男とひっついたり別れたり、自分自身を見つめる時間は、2週間も無かった!」
恋愛依存症だった自分に決別すべくアメリカを飛び出し、自分探しのワールド・ツアーへと旅立った。
イタリアでは、心ゆくまでパスタを食べてピザを頬張り、ワインを飲んでデザートを楽しむ。
イタリア人の友人とその仲間や家族と過ごす中でエリザベスは、今このときを楽しむことを大切にし、何もしないことを楽しむという生き方に触れる。
次に、自分の内面を見つめるべく瞑想にふけるため、インドへとやって来る。
道場に入り、さっそく瞑想の時間を持つが、1分とじっとしていられない。
同じく道場で修業中の、言いたいことを遠慮なしにぶつけてくるアメリカ人のバツイチ男に、最初は嫌悪感を抱くエリザベスだったが、どことなく“似た者同士”な二人は次第に打ち解ける。
様々に語り合いながら日々を過ごす中で、彼女は自身の内面と向き合い、精神的な安定を得る。
そして取材旅行以来、およそ1年ぶりに訪れたバリ。
心の平穏を取り戻したエリザベスは占い師と再会して喜びを伝えるが、相手は自分のことなど知らないという。
以前に占ってもらって再び戻ってきたことを伝えると、占い師は彼女を思い出してこう言う。
「穏やかな顔に変わっていて分からなかった。」
1年前にバリを訪れたときのエリザベスは、様々なものを“背負っていた”のだろう。
仙人のようなバリの占い師にしてみれば、その顔はまるで夜叉のように怖かったのかもしれない。
それが菩薩のごとく平穏な顔になっていれば、相手を認識できないのも当然。
イタリアでは好きなものを好きなだけ食べて、インドで自分自身に素直に向き合い、自分の中に澱のようにたまっていたものを出し切り、内面のデトックスに成功した。
ここへきてようやく、“ありのままの自分”を取り戻すことができたのである。
そうして、“ありのままの自分”を受け入れることができた彼女は、その彼女を“ありのまま”受け入れてくれる相手と出会うことになる。
いろいろなものを身にまとっていた以前の彼女は、本当に自分にとって必要な相手と巡りあっていたとしても気付いてこなかったのではないだろうか。
バリ島での出会いは、運命などという「偶然」の産物であるかのようなものではなく、「必然」だったのである。
世の中の働く女性を巻き込んだ「カツマー」の嵐は凄まじいものだった。
自分の主張を貫くべく肩で風を切り、効率的で有効な時間の活用に神経をすり減らし、「カツマー」となって成功を収めるためにがむしゃらに働き続ける!
世の女性の全てが「カツマー」になれるはずもないのに、雨後の筍のように増殖を続ける「カツマー」に対して異を唱えたのが香山リカだった。
「カツマー」とは対極にある主張によって、自分の実力以上の頑張りに疲弊していた人々は、正に反動として今度は一挙に休息をとったことだろう。
極端な二軸によって、振り子のように大きく振れて疲れ果てたワーキング・ガールズにとって、本作は大きな示唆を与えてくれるに違いない。
それは決して、イタリアへ行ってインドで修行しなければならない、ということではないので念のため。
エリザベスがたどった足跡を、身近に置き換えて実践すればいいのである。
女性同士で観に行けば、エリザベスに大いに感情移入して盛り上がれること請け合い。
カップルで観に行くならば、男性諸君は彼女の“疲労”に思いをめぐらせつつ、彼女の感想をしっかりと受け止めながら、大いに語り合うべし。
女性がお一人でご覧になれば、ポンと背中を押してもらえるかも。
野郎が一人で観に行くならば…まずはエリザベスを“受け入れる”ことこそが肝要。
何となく疲れてるなぁ…と感じている“頑張る女性”に、ジュリア・ロバーツがお届けする癒しの指南書。
「食べて、祈って、恋をして」
2010年/アメリカ 監督:ライアン・マーフィー
原作:エリザベス・ギルバート
出演:ジュリア・ロバーツ、ハビエル・バルデム、リチャード・ジェンキンス、ジェームズ・フランコ、ビリー・クラダップ、ヴィオラ・デイヴィス
30代に突入した彼女は、夫も財産も捨て、イタリア~インド~バリへと世界を巡る“自分探し”の旅に出る。
女性作家エリザベス・ギルバートが自らの経験を綴り、全世界40カ国以上で翻訳され、700万部のベストセラーとなった自伝的小説を映画化。
結婚8年目、郊外に家を建て、仕事も順調。
誰もがうらやむような生活をおくるエリザベスだが、漠とした虚無感に襲われ、夫との仲も何となくしっくりいかなくなる。
取材で訪れたバリで占い師から、
「短い結婚と長い結婚の2度結婚する、全財産を失うがまた取り戻す、全世界を旅し、再びバリに戻ってくる」
と言われた彼女。
ニューヨークに戻り、相変わらずしっくりとしない夫との仲を清算することにしたエリザベスは、全財産を夫に渡して離婚。
その後若い舞台俳優と新たな恋に落ちるが、それでも心に広がる虚しさは消えることはなく、ついに彼女は決心する。
「15歳のときから男とひっついたり別れたり、自分自身を見つめる時間は、2週間も無かった!」
恋愛依存症だった自分に決別すべくアメリカを飛び出し、自分探しのワールド・ツアーへと旅立った。
イタリアでは、心ゆくまでパスタを食べてピザを頬張り、ワインを飲んでデザートを楽しむ。
イタリア人の友人とその仲間や家族と過ごす中でエリザベスは、今このときを楽しむことを大切にし、何もしないことを楽しむという生き方に触れる。
次に、自分の内面を見つめるべく瞑想にふけるため、インドへとやって来る。
道場に入り、さっそく瞑想の時間を持つが、1分とじっとしていられない。
同じく道場で修業中の、言いたいことを遠慮なしにぶつけてくるアメリカ人のバツイチ男に、最初は嫌悪感を抱くエリザベスだったが、どことなく“似た者同士”な二人は次第に打ち解ける。
様々に語り合いながら日々を過ごす中で、彼女は自身の内面と向き合い、精神的な安定を得る。
そして取材旅行以来、およそ1年ぶりに訪れたバリ。
心の平穏を取り戻したエリザベスは占い師と再会して喜びを伝えるが、相手は自分のことなど知らないという。
以前に占ってもらって再び戻ってきたことを伝えると、占い師は彼女を思い出してこう言う。
「穏やかな顔に変わっていて分からなかった。」
1年前にバリを訪れたときのエリザベスは、様々なものを“背負っていた”のだろう。
仙人のようなバリの占い師にしてみれば、その顔はまるで夜叉のように怖かったのかもしれない。
それが菩薩のごとく平穏な顔になっていれば、相手を認識できないのも当然。
イタリアでは好きなものを好きなだけ食べて、インドで自分自身に素直に向き合い、自分の中に澱のようにたまっていたものを出し切り、内面のデトックスに成功した。
ここへきてようやく、“ありのままの自分”を取り戻すことができたのである。
そうして、“ありのままの自分”を受け入れることができた彼女は、その彼女を“ありのまま”受け入れてくれる相手と出会うことになる。
いろいろなものを身にまとっていた以前の彼女は、本当に自分にとって必要な相手と巡りあっていたとしても気付いてこなかったのではないだろうか。
バリ島での出会いは、運命などという「偶然」の産物であるかのようなものではなく、「必然」だったのである。
世の中の働く女性を巻き込んだ「カツマー」の嵐は凄まじいものだった。
自分の主張を貫くべく肩で風を切り、効率的で有効な時間の活用に神経をすり減らし、「カツマー」となって成功を収めるためにがむしゃらに働き続ける!
世の女性の全てが「カツマー」になれるはずもないのに、雨後の筍のように増殖を続ける「カツマー」に対して異を唱えたのが香山リカだった。
「カツマー」とは対極にある主張によって、自分の実力以上の頑張りに疲弊していた人々は、正に反動として今度は一挙に休息をとったことだろう。
極端な二軸によって、振り子のように大きく振れて疲れ果てたワーキング・ガールズにとって、本作は大きな示唆を与えてくれるに違いない。
それは決して、イタリアへ行ってインドで修行しなければならない、ということではないので念のため。
エリザベスがたどった足跡を、身近に置き換えて実践すればいいのである。
女性同士で観に行けば、エリザベスに大いに感情移入して盛り上がれること請け合い。
カップルで観に行くならば、男性諸君は彼女の“疲労”に思いをめぐらせつつ、彼女の感想をしっかりと受け止めながら、大いに語り合うべし。
女性がお一人でご覧になれば、ポンと背中を押してもらえるかも。
野郎が一人で観に行くならば…まずはエリザベスを“受け入れる”ことこそが肝要。
何となく疲れてるなぁ…と感じている“頑張る女性”に、ジュリア・ロバーツがお届けする癒しの指南書。
「食べて、祈って、恋をして」
2010年/アメリカ 監督:ライアン・マーフィー
原作:エリザベス・ギルバート
出演:ジュリア・ロバーツ、ハビエル・バルデム、リチャード・ジェンキンス、ジェームズ・フランコ、ビリー・クラダップ、ヴィオラ・デイヴィス