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何かきっかけはないのか?

平成18年慶應湘南の問題。

まずは問題に挑戦してみてください。


1から16の番号が書かれた16枚のパネルが、図1のようにならんでいる。ひとつひとつのパネルは、次のようなしくみでランプが点灯するようになっている。



・ランプは、ついているか消えているかのどちらかである。番号に○がついているパネルは、ランプがついていることにする。
                       
・ひとつのパネルにふれると、それをふくむ縦と横の列にあるすべてのランプが、ついているものは消え、消えているものはつく。
  たとえば、図2の状態で7番のパネルにふれると、図3のようになる。



(1)図1を最初の状態として、1から5まで順にパネルにふれたとき、ランプがついているパネルの番号に○をつけなさい。
(2)図1を最初の状態として、1、2、3、 ‥・の順にパネルにふれていくと、図4のような状態になった。何番のパネルまでふれましたか。

(3)図2を最初の状態として、1、3、5、‥‥‥、15の順に奇数番号のパネルにふれたとき、ランプがついているパネルの番号に○をつけなさい。


昨日の過去問特訓で取り上げた問題ですが、多くの子どもたちは作業を始めてしまいます。これは最後の問題なので、快調に最後の問題に取り組んで、「ええい、やってしまおうか」と思いがちなのですが。

範囲で言えば規則性の問題になるのではないかという予想はつくのですが、ではいったいどんな規則が?ということになるでしょう。

(1)はまあ、作業をしていい問題だと思うのですが、その作業の中から何か規則を見つけられないか、ということを考えながらやる必要がありますね。

1を押せば、234と15913が○になります。
2を押せば、1234と61014が変わる。
となると4まで押したところで1234は偶数回おされるので、消えている。
一方残りの5~16までは1回しか変わらないのでランプが点灯しています。

で5を押せば1が○234は× 5678は× 9が× 101112は○
13が× 141516は○となるので以下のようになります。



(2)さて図4を見てみると、左上3列3行がついています。そこで、16番まですべて押したとするとどうなるだろうかと考えますと、7回押される。自分を含めて同じ行、同じ列にいる数は7個あるわけですから、奇数回おされるので、最後まで押されれば全部つくわけです。ということは、図4はその1個前。すなわち16を押せば全部つく状態になっているわけだから、15番まで押したことになります。

(3)奇数だけ押すのですから、奇数と偶数に分けて考えてみようという発想がおこれば大したものです。

たとえば1は同じ列行に1を含めて5個の奇数がありますから、5回変わるので、奇数回ですから消えます。2は同じ列行に13しかないので変わりません。
そうです。奇数は同じ列行に自分を含めて5個の奇数があり、偶数は自分の列行に2個の奇数があるので、奇数は変わり、偶数は変化がないということになるわけですね。

あとはそのルールで変えていくので、答えは以下のようになります。



単に書き出すという作業も大事なことなのですが、問題はそれだけが解法というわけではない。何かある、規則がある。つまりきっかけをどう考えるか、ということなのです。

私がパターンで問題を解くことを嫌うのは、このためです。

もちろん算数の問題にも知識が必要で、公式を覚えることも大事です。しかし、今の入試問題はそれをどう使うのか、どう考えるのかということが必要で、だからたくさんやりすぎるのはいけない。

たくさんの問題を解くだけで疲れてしまえば、こういう問題を考える気にならないでしょう。

発想力というか、突破口はひとつの問題にじっくり取り組むことで作られてくるものなのです。
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