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国語の勉強の仕方

国語の勉強はとてもむずかしいと思います。母国語ですから毎日使っているので、何が足りないのかわかりにくいからです。

 今までの経験で言うと、国語のできない子にはボキャブラリー不足の子が多いようです。よく国語の授業でやったことなのですが、文章を読みながら、このことばはわからないかなと思うと、子供たちに質問します。
「敷地ってわかるかい?」
「土地のこと!」
とすぐ、答が返ってくれば先に進みますが、そうでなければ、その場で説明します。これを自宅でやるのがとても難しい。だって辞書を引かなければならないからです。多くのみなさんが語学で挫折するのは、この辞書引き。面倒ですからね。私もそのひとりかもしれません。ですから、このときはぜひ力を貸してあげてほしいのです。子供たちが国語の問題集をやるときは、なるべきそばにいてあげて、知らないかもしれないという言葉はその場で教えてあげてください。

 辞書を引くのは、もう少しあとになってからでよいと思います。特に3年生、4年生あたりまでは辞書をひいたけれど、その辞書にでてくる別のことばがわからない、それでまたそのことばを辞書でひくと、もとにもどってしまったということが多々あるものなのです。そうやってわからないことばを一通り、理解できたら文章もそこそこわかってくるでしょう。

 そこで問題をといてもらいます。ここでも、またひとつ壁がでてきます。子供たちは記号を選択したり、ことばを書き抜く問題は比較的よくやりますが、自分の文章で答えるということは、あまりやりたがりません。

 国語力は3つの要素からできています。1つが読む力、1つが考える力、もう1つが書く力です。読んで、考えられれば、記号式は答えられます。でも、記述式の問題になると、書く力が備わっていないとだめなのです。最近の入試問題では、記述式が増えました。大学の入試でも小論文が多く出題されています。自分の考えを自分の文章で述べるということは、社会に入ってからもとても重要です。したがってこの力を養っていかなければならないのですが、これは好き嫌いがあります。

 女の子は、日記を書いたり、手紙を書いたり(最近はe-mailをやる子供を多いですね。)するので、文章を書くことに抵抗感があまりないようですが、男の子はそうではありません。私も今まで、何人も記述式の問題の前でピクリとも動かない子供たちを見てきました。

 ただ記述式の問題に対応する力は、どの子供にも備わっています。こと語学に関して言えば、小さい時から使いなれている言葉ですから、それなりの文章力は身についているのです。ただ、それを文章にする練習をしていないので、抵抗感が出てきてしまいます。不得意だと思っている子供もたくさんいるでしょう。でも心配はいりません。書けない子供はいないのです。

 ではどうすればよいでしょうか。うまく書こうとするから、失敗するのです。私がよくやった指導は、字数制限なし。なるべくたくさん書いた子供ほどごほうびが大きいというやり方でした。クラスでやると、
「400字突破!」
とか
「3枚書いたよ」とかいう声に乗せられて、とにかく書き始めます。

となりで読むと、なかなかすさまじい文章であることが多いのですが、それでもかまいません。文章を直すのは、十分書きなれるようになってからでよいのです。それに不思議なことですが、書きなれてくるとすさまじかった文章が、だんだんこなれてきます。私が、量をかけるようになった子供たちに注意することは3つだけ。

1 1文は短く。1つの文は1つのことを言えばよい。

2 字をていねいに。

3 結論は先に書く。


3は入試だからいえることですね。本来結論は最後にくることが多いのですが、子供たちは最初答えを考え付いても、文章を書いていくうちに、どんどん離れてしまうことが多々あるのです。ですから、結論を先に書いて、その説明をあとから書いていくようにすると、そこから大きく離れていくのを防げるのです。

 この練習の効果はかなりありました。たいていの子供たちはこれで書けるようになります。でも、それでもピクリとも動かない子もいるものです。

「まだ、書けないかい?」
「うん。」
「じゃ、こうしよう。僕がいくつか質問するからさ、その答えを書いてよ。」
最初は、文章の内容を聞きます。主人公の名前は?このお話は、いつの話?場所はどこ?
お母さんはどんな人などなど。ひとつ聞いてはひとつ書く。そうやって書いていくうちに、書いた内容がたまってきます。そしてここが大切ですが、
「おや、ずいぶん書いたね。」
このとき、うしろの誰かが
「すげェ、書いた!」
なんて言ってくれたらしめたものです。もうおわかりだと思いますが、書けないと決めているのは、本人だけなのであって、書ける力は備わっているのです。教育は教えることだと思っておられる方が多いのですが、本当は引き出すことのほうが多いのです。子供たちにはたくさんの引出しがあって、そこに可能性がいっぱいつまっています。そこから、何かを取り出してあげて、ほらと見せるだけでよいのです。

 さて、今度は記号式の問題です。うちの息子は大変、国語が苦手でした。塾の5択のテストなんて、もうメタメタ。本人はよく、
「2つにしぼるまではできるんだ。でも最後のところで間違えるんだ。」
といってました。担任の先生は
「じゃあ、これだと思った反対の方を書けば」
と笑っていたそうですが。

これはかなり感性の問題があって、同じ育て方をしたと思う娘は、結構勘どころよく、答えていました。あまり決め手はないのでしょうが、子供たちに指導していたことは、これもひとつだけ。

 「この答えだと説明できる理由が本文にあれば正解」

ということでした。母国語ですし、読むのは本人ですから、こちらがこうだと思っていても、本人がそういう読み方をしていなければ、なかなか正解にいたりません。とすれば、本人が何を根拠にそういう考え方をしたのか、明確にするしかありません。子供は勝手に読んでしまうものです。
「どこに書いてあった?」
と聞いてあげれば、間違いは自分で気がつきます。

 ポイントはそういう根拠を、知らず知らずに感じながら読めるようになるかということです。そのためには、やはり日々の練習しかありませんね。1週間に1度か2度は、ていねいに問題集に取り組む時間を作ってください。

 最後に知識問題について。最近は知識の問題は減少しています。文法もほとんど出題されなくなってきました。一番頻出するのは漢字の書き取りです。これは、どんどんやっていくことだと思います。教科書の漢字は早いうちから覚えてもらったほうがよいでしょう。学年にとらわれることなく、どんどん進んでよいのです。書き順も正確に覚えましょう。
いったん身についてしまうとなかなか、直りません。私もよく子供たちに指摘されました。


ポイント

1 子供のしらない言葉はどんどん教える。

2 記述式はまず、書くことを優先。中身の吟味は後で。

3 選択式は根拠を探す。

4 漢字はどんどん覚える。


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