中学受験で疲弊しないために、親子で楽しむ受験になるヒントを綴っていきたいと思います。
中学受験で子どもと普通に幸せになる方法
合格点をとる勉強法
入試に満点は必要ありません。合格点をとればよいのです。最近の試験データ-を見ますと、だいたい合否ラインは5割から6割の間でしょう。意外に低いと思われるかもしれませんが、子どもが思うほど、実際の入試ではできていないものです。しかも模擬試験と違い、答案は返却されません。どのような採点になっているのか、受ける側は知る由もないのですが、学校側のお話を伺うとだいたいその辺に落ち着いてきますから、模擬試験よりはやや辛い採点がなされていると思われたほうが無難でしょう。
さて、合格点をとるということは、どういうことなのでしょうか。私がよく申し上げていたのは、人のできた問題を間違えないということです。入試は人のできない問題ができたから受かるという感覚のものではありません。むしろ、人のできたところは間違えないということが重要なのです。
例えば70点という点数があったとします。すべての問題を解いて、3割間違えた70点と7割の問題に手をつけてとった70点があります。点数としては同じ70点ですが、実際の入試を見てみると、後者の子どもの方が合格しやすい傾向にあります。どうしてでしょうか。
前者の子どもは、つねに3割の間違いがあるのです。したがって8割の問題に手をつけた場合、5割強の得点にしかならなくなってしまうのです。こういうタイプは成績の上下動が激しくなってしまうので、実際の入試では下にぶれてしまう可能性が高くなり、合格しにくいのです。
合格しやすいのは、やはりていねいで確実なタイプ。絶対に合格するだろうなと思うのは、決して派手にできる子どもではなく、地道に解くタイプなのです。では、そのような力を養うのにはどうすればよいでしょうか?
基本的なことですが、やはり字を丁寧に書く、問題を丁寧に読むということが重要です。そのくせを日頃からつけていないと、やはりうまくありません。ところが、量多く勉強させたり、時間を気にさせながら勉強させたりすると、その過程を飛ばしてしまう傾向があります。これは、決して良いことではないのです。一つ一つの問題を丁寧に解き上げるくせをいかにつけるかが、大事だと思います。
以前に、典型的に雑な子どもがいました。決して頭は悪くないのですが、とにかく雑。問題を読むのも字を書くのもいいかげん。さらに言えば、机の周りもすぐきたなくなります。だいたい、出したものをしまうということができない。出したらだしっぱなし。したがって、本人も何がどこにあるのかわからず、そのたびごとにごそごそ荷物をかき回しています。
「一度出したら、一回しまえば?」
というと
「面倒なんだもん。大丈夫、見つかるから」
本人は平気です。ところが、いざ模擬試験が始まったら、もう大変な点数でした。さすがに本人も困ったらしく、
「どうして、こんなに間違うんだろう」
と相談にきました。
「要するに慌てないってことなんだけどさ。君ってなんでも、急いでやるよね」
「うん」
「それは性格なのかな」
「そうだと思う」
「じゃ、性格はなかなか直らないので、それはおいておいて、勉強のことだけ、ちょっと変えてみようか」
「どうするの?」
「問題の条件があるじゃない」
「うん」
「それをひとつずつ、下線をつけてさ、まず数を数えるのね」
「いくつあるか?」
「そうそう。それでね。問題を解き始めたら、使った条件を消すんだよ」
「なるほど」
「それで、使ってない条件があったら、それはおかしいと思って、もう一度考えるようにする」
「わかった」
「それと、」
「え、まだあるの?」
「ほら、また慌ててる」
「あ、そうか、そうか」
「答えが出た!と思ったら、もう一度、問題を読み直す」
「そんな、めんどくさい」
「だめ、それだけはやって。そうしないと、おこっちゃうぞ」
「それは困る」
「だから、それだけ守る」
「2つやればいいのね」
「3つめもあるけど、まあ、いいや」
それでも、彼のミスは若干少なくなる程度でした。やはり性格はなかなか直りません。ところがここに救世主が現れました。彼の仲の良い友だちが突然、成績を急上昇させはじめたのです。彼は、おとなしい目だたないタイプでしたが、確実な子でした。先ほどの類別でいえば、後者にあたるタイプです。その子の成績が急上昇したのを目の当たりにした彼は、まったくその友だちの真似を始めたのです。ノートも同じようにとる、プリントも同じようにやる、何から何まで彼を真似ています。最後は、口ぐせまで同じようになってきました。すると、驚いたことに、あんなに雑だった子の答案がだんだんきれいになってきたのです。
「あら、きれいじゃない」
「そうでしょ。やればできるんだよ、僕だって」
それはその通り。元からそんな能力は誰にでもあるものです。ただ、やらないだけ。それが友だちをきっかけとして、やれるようになりました。
結果は二人とも第一志望の学校に合格しました。彼の場合、私の力よりも、友だちの力で合格したようなものです。でも、何かをきっかけとして、子どもの雑な部分がなくなってくれば、これはしめたもの。口うるさくするよりは、むしろきっかけを与えられるように工夫してみてください。
そのことがあってから、私はよく6年生に、良い答案やノートをコピーして見せることにしました。私たちがやらせることよりも、友だちがやっていることの方が、説得力はあるものなのです。
さて、合格点をとるということは、どういうことなのでしょうか。私がよく申し上げていたのは、人のできた問題を間違えないということです。入試は人のできない問題ができたから受かるという感覚のものではありません。むしろ、人のできたところは間違えないということが重要なのです。
例えば70点という点数があったとします。すべての問題を解いて、3割間違えた70点と7割の問題に手をつけてとった70点があります。点数としては同じ70点ですが、実際の入試を見てみると、後者の子どもの方が合格しやすい傾向にあります。どうしてでしょうか。
前者の子どもは、つねに3割の間違いがあるのです。したがって8割の問題に手をつけた場合、5割強の得点にしかならなくなってしまうのです。こういうタイプは成績の上下動が激しくなってしまうので、実際の入試では下にぶれてしまう可能性が高くなり、合格しにくいのです。
合格しやすいのは、やはりていねいで確実なタイプ。絶対に合格するだろうなと思うのは、決して派手にできる子どもではなく、地道に解くタイプなのです。では、そのような力を養うのにはどうすればよいでしょうか?
基本的なことですが、やはり字を丁寧に書く、問題を丁寧に読むということが重要です。そのくせを日頃からつけていないと、やはりうまくありません。ところが、量多く勉強させたり、時間を気にさせながら勉強させたりすると、その過程を飛ばしてしまう傾向があります。これは、決して良いことではないのです。一つ一つの問題を丁寧に解き上げるくせをいかにつけるかが、大事だと思います。
以前に、典型的に雑な子どもがいました。決して頭は悪くないのですが、とにかく雑。問題を読むのも字を書くのもいいかげん。さらに言えば、机の周りもすぐきたなくなります。だいたい、出したものをしまうということができない。出したらだしっぱなし。したがって、本人も何がどこにあるのかわからず、そのたびごとにごそごそ荷物をかき回しています。
「一度出したら、一回しまえば?」
というと
「面倒なんだもん。大丈夫、見つかるから」
本人は平気です。ところが、いざ模擬試験が始まったら、もう大変な点数でした。さすがに本人も困ったらしく、
「どうして、こんなに間違うんだろう」
と相談にきました。
「要するに慌てないってことなんだけどさ。君ってなんでも、急いでやるよね」
「うん」
「それは性格なのかな」
「そうだと思う」
「じゃ、性格はなかなか直らないので、それはおいておいて、勉強のことだけ、ちょっと変えてみようか」
「どうするの?」
「問題の条件があるじゃない」
「うん」
「それをひとつずつ、下線をつけてさ、まず数を数えるのね」
「いくつあるか?」
「そうそう。それでね。問題を解き始めたら、使った条件を消すんだよ」
「なるほど」
「それで、使ってない条件があったら、それはおかしいと思って、もう一度考えるようにする」
「わかった」
「それと、」
「え、まだあるの?」
「ほら、また慌ててる」
「あ、そうか、そうか」
「答えが出た!と思ったら、もう一度、問題を読み直す」
「そんな、めんどくさい」
「だめ、それだけはやって。そうしないと、おこっちゃうぞ」
「それは困る」
「だから、それだけ守る」
「2つやればいいのね」
「3つめもあるけど、まあ、いいや」
それでも、彼のミスは若干少なくなる程度でした。やはり性格はなかなか直りません。ところがここに救世主が現れました。彼の仲の良い友だちが突然、成績を急上昇させはじめたのです。彼は、おとなしい目だたないタイプでしたが、確実な子でした。先ほどの類別でいえば、後者にあたるタイプです。その子の成績が急上昇したのを目の当たりにした彼は、まったくその友だちの真似を始めたのです。ノートも同じようにとる、プリントも同じようにやる、何から何まで彼を真似ています。最後は、口ぐせまで同じようになってきました。すると、驚いたことに、あんなに雑だった子の答案がだんだんきれいになってきたのです。
「あら、きれいじゃない」
「そうでしょ。やればできるんだよ、僕だって」
それはその通り。元からそんな能力は誰にでもあるものです。ただ、やらないだけ。それが友だちをきっかけとして、やれるようになりました。
結果は二人とも第一志望の学校に合格しました。彼の場合、私の力よりも、友だちの力で合格したようなものです。でも、何かをきっかけとして、子どもの雑な部分がなくなってくれば、これはしめたもの。口うるさくするよりは、むしろきっかけを与えられるように工夫してみてください。
そのことがあってから、私はよく6年生に、良い答案やノートをコピーして見せることにしました。私たちがやらせることよりも、友だちがやっていることの方が、説得力はあるものなのです。
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