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計算力の差はどこから?

以前にくらべて、子どもたちの計算力は落ちていました。

落ちていました、というのは今は少し回復している、という意味ですが、以前はゆとり教育で明らかに子どもの計算力が落ちていました。

入塾してくる4年生を見ていて、「計算ができないなあ」と思っていたのですが、それはやはり低学年のときに計算練習を十分に積んでいない、ということが原因だったと思います。

宿題は少なくなるし、家庭で子どもの算数を見る、という機会もお母さんが忙しくてままならない、というのがそのまま子どもたちの計算力につながっていたように思います。

で、ゆとりから今のカリキュラムになって、「やはり計算はできないといけない」という感覚になったことは良かったと思うのですが、昔に比べてどうか、といえば個人差が広がった、というのが現実ではないかと思います。

九九に始まる計算力は算数の基礎です。

が、この基礎がしっかりしていないと、中学受験の算数の勉強は伸び悩みます。

一番その差がはっきりしてくるのは、円周率の計算のときでしょう。

円周率は中学受験の世界では3になることはほとんどなく、3.14が使われてきています。必然、小数の計算はしなくてはならない。

この最初の学習のところで、円周を計算する、あるいは円の面積を計算するという段階で、はっきり差が出てきます。

だから低学年のときに難しい応用問題をさほど解かなくてもいいが、計算の練習はやはりしていく必要があるのです。

で、こればかりは積み重ね。別に塾に行かなくても家で十分できることなので、ぜひやってください。

子どもたちのできそうなドリルを買ってきて、毎日やるのです。時間は10分か15分。朝の時間を使ってもいいでしょう。あまり面倒な問題をたくさんやらせると、子どもは飽きます。だから最初は3題ぐらいでもかまわない。

で、大事なポイントは2つ。

ひとつは計算式をていねいに書いて残し、その場で見直す、という癖をつけること。

もうひとつは間違えない。つまり正解に必ずたどりつくようにする。そのためには見直しが必要です。子どもに計算をやらせると、見直しをせずに、できた、といいます。

しかし、答えあわせをすると、間違っている。

「あ、ここ違うわ」

と自分で後からは気がつくのだが、それではだめ。答えあわせをする前に、自分で気がつく練習をすることです。

こういう場面からていねいさを身に着けると、算数の力は伸びます。

1,2年生のころから始めると、4年生のときにはだいぶ差がつきます。ぜひ早めに始めてほしいと思います。

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