伊波塾長の気ままブログ

スタディの代表者の伊波勝也塾長が、日常の出来事や生徒の勉強について思いつくまま気ままに書き込んでいます。

NOと言い続ける

2015-12-19 07:20:44 | Weblog
時計は午前6時50分、窓の外はまだ薄暗い。そろそろ機動隊のごぼう抜きが始まるころだろう。

4日前から早朝の辺野古ゲート前行きを中断している。まだ脇腹が本調子でないからである。車は軽のマニュアル車を利用しているのだが、左手でギアチェンジのとき脇腹の肋骨がズキッと痛む。ギアを押すときはよいのだが、引くときに痛むのでギアを重く感じならが躊躇しながら引いている。

車のギアチェンジで痛がっているようでは、とてもじゃないが座り込みのスクラムには参加できない。ベッドからの寝起きの時に痛みがあり、ちょっとした重いものがまだ持てないし。

住んでいる沖縄市から辺野古へは高速道路を利用している。沖縄南から宜野座まで軽自動車で480円かかる。普通車が580円なので結構安くはなる。ギアが5段変速なので高速道路の利用ではかなり燃費は良いはずである。それでも週に3、4回の往復なので結構交通費がかかっている。だから帰りは、よほど疲れていない限り一般道路を利用している。

ちまたでは最近、辺野古の抗議行動の参加者は交通費と弁当と日当が支給されているとデマが飛んでいるがとんでもない。すべてが自費である。

ゆっくりと余生を楽しみたいはずの高齢者や戦争体験者が、数多く辺野古ゲート前での抗議行動に参加している。好きで参加しているのではない。やむにやまれず参加しているのである。もっと他の事に時間を使いたいが、今はそれができない。これが本音だ。働き盛りの人や若者の参加者も最近増えてきているが彼らも同様である。

辺野古が今、どうなっているか。頭で分かることも大事だが、直接目で見ると体で分かる。一人でも多くの人が辺野古に来て、体験として辺野古を分かってほしい。政府も同様である。国の指導者が頭で分かったはずになってよいのか。首相である安倍晋三は一度も辺野古に来ていない。分かろうとさえしない。日本の首相はまず辺野古に来るべきである、そして一般市民と対話をしたらよい。それができないなら、到底首相の器ではない。一般市民の声を聞かず、大企業とアメリカの声だけを聞く首相は要らない。

これからも辺野古でNOと言い続ける。

自分の番

2015-12-15 22:25:23 | Weblog
今度は自分の番だった。担架に乗せられ救急車に運ばれる。

少し動くとわき腹が激しく痛む。肋骨をやられたようだ。

デモの救護班の女性が救急車の中に付き添う。驚いたことに彼女は中学高校時代の同級生だった。看護師を辞めて辺野古ゲート前で救護や賄いの手伝いをしているのだという。

救急隊員が話しかける。
「大きく息をして下さい。」
「ハー、ウッ・・ できないです。」

「痛いのはどこですか。」
「左のわき腹のこの少し尖った部分です。」

やんばるの道は病院も遠い。30分近くかかった。

若い医者が問いかける。
「どうされたんですか。」
「辺野古の座り込みで、排除されるときに機動隊の手か膝が当たったようです。」

車いす乗せられCT検査に向かう。車いすを押す検査技師が問いかける。
「どうされたんですか。」
「辺野古のゲート前で、警視庁の機動隊ともみ合っているときにやられたんです。」

CT検査の結果、左肋軟骨損傷の診断であった。骨折でなくてよかった。

昨日の出来事である。

機動隊のごぼう抜きで受ける小さな生傷は絶えない。ちなみに、下の写真は私がごぼう抜きで受けた生傷である。足首は持ち上げられたときの機動隊の爪による傷、膝は地面を引きずられたときの傷である。それでも機動隊が司法で裁かれることはない。機動隊は怪我を負うことはないが、非暴力で抵抗する一般市民を逮捕する。





辺野古ゲート前座り込み

2015-12-08 17:21:32 | Weblog
歩道で仰向けに寝かされた老人、目は開いているが言葉は全くでない。呼びかけにも反応がない。

機動隊の一人が腰をおろして老人に声をかける。
「大丈夫ですか。どこか悪いんですか。」

老人は反応しない。

機動隊員はまだ何かを問いかけている。
「大丈夫ですか。救急車を呼びますか。」

反応しない人にそれを聞いてどうするんだ。機動隊が救急車を呼ぶまでに10分以上もかかっている。救急車を呼ぶことで事態を大ごとにしたくない姿勢がありありである。

救急車を待つ間、デモ参加者の女性救護班二人が老人に対処的な処置をしている。そこに例の機動隊員が再度現れて、意識がほんの少し戻り始めた老人にメモ帳を手に話しかける。
「お名前を教えて下さい。どこから来たんですか。」

女性救護班が怒声で言い放つ。
「今がどういう状況か分かっているんですか!それどころじゃないでしょう!話しかけないでください!」

今朝の出来事である。



11月になるとともに通い始めた辺野古ゲート前のデモ、週に3、4回のペースで早朝座り込みに参加している。座り込み参加者は年配の人が多く、救急車で搬送された老人は81歳であった。81歳の老人を座り込みの現場から担ぎあげて、鉄柵と機動隊車両で作られた歩道上の檻に収容するときに起こった出来事ある。抵抗する老人を強圧的に檻に放り込もうとするからこんなことが起こる。

与えられた任務を感情を持たないロボットのように遂行していく機動隊員。感情を持たないことが任務であるから、倒れている老人に対しても自然な労わりや思いやりの感情がでてこない。トップに思いやりがないと末端に思いやりがなくなる。日本の首相につゆほども思いやりの心が無いから、末端の警察官や機動隊がこれほど無慈悲になれる。


警視庁機動隊の辺野古座り込み排除(檻として使われる機動隊車両屋根より撮影 2015・11・30)
https://www.youtube.com/watch?v=uXm37OjCg5Q

1984

2015-12-02 22:07:24 | Weblog
こないだ、ジョージオーウェルの1984を英文の原書で読み終えた。有名な本なのにまだ読んでなかった。何の前知識もなく読んだので本の半分あたりにまではSF小説だとは知らず、政治小説だと思って読んでいた。至る所に埋め込まれたテレスクリーンにより公的生活と私生活のすべてにわたって監視される社会。一挙手一投足から寝言に至るまで画像と音声で把握され、生活のすべてが監視される社会。

ニュースピークという言葉を作り出し、制限された言葉で思想を統制し、人々を日常の生活に埋没させ社会的思想や意見を持たせないようにする。

過去の歴史を書き変えて、あらゆる情報を国家の都合に合わせて捏造し、捏造した情報だけが事実となる。

この小説は第2次世界大戦終了の5年後ぐらいに出版されているのだが、あの時代からするとSF小説の分類だったのだろう。しかし、今は違う。この小説は現代を表わしている。マイナンバーによりすべての国民に番号をつけ個人のあらゆる情報を管理し監視しようとする。普段の買い物、個人の嗜好、趣味、思想、健康状態、病歴、資産、預貯金などなど、すべてがマイナンバーのもとに情報が集積され国家が管理・監視していく。

数日前、マイナンバーの不在通知が郵便受けに届いた。受け取らないので、自分のマイナンバーを知ることはない。