伊波塾長の気ままブログ

スタディの代表者の伊波勝也塾長が、日常の出来事や生徒の勉強について思いつくまま気ままに書き込んでいます。

洗骨

2019-04-08 22:00:52 | Weblog

照屋年之監督(ガレッジセールのゴリ)の映画「洗骨」を観てきた。笑いがあり涙があり、受け継がれる命の重さについて考えさせられた。

数年前、実家の墓のヤンバルから沖縄市への引っ越しがあった。そのとき古い墓を開けると、中には多くのカーミ・厨子甕(ずしがめ)が置かれていた。6代続いている家なので、カーミの数も多かった。一つ一つのカーミには表に名前が書かれていて、その中に昔洗骨された骨が丁寧に納められていた。

墓の引越しに反対する親族は多かったが、どういうわけか引越しに向けてどんどん進んでいった。やはり反対が多いのに、カーミの中の骨は全部火葬することになっていた。私の姉が祖父の遺骨の一部はヤンバルに残してあげたいと、骨を一つカーミから取出して隠し持っていた。

そして、いざ火葬というときになって、ちょうど火に入れる直前に、姉は隠し持っていた骨を取出しやはり一緒に火葬してほしいと言う。その骨は下あごで、下あごがないと食べれない話せないで祖父が困るだろうと考えたのだった。

「洗骨」という映画で、カーミの中の骨がなおさら深みを持ってきた。墓はヤンバルでよかったし、古いカーミの骨もそのままでよかった。せめて、いつの日か墓を祖先の地に戻してあげたい。


新元号のまとめ

2019-04-06 11:54:16 | Weblog

新元号が令和に決定された経緯は、想像するに、こんな感じではないだろうか。


・安倍首相が2月22日に皇太子殿下に面会し「安」の入った元号で了承を得ようとしたが(憲法違反なのだが)、殿下の賛意が得られない。

・良好でなかった安倍首相と皇室の関係がさらに悪化する。

・安倍首相の側近が、「安」はあきらめて安倍首相の名前を暗示する漢字の使用を提案する。

・安倍首相の側近が「アベ」の形・配置を変えた「令」を思いつき、安倍首相もそれに同意する。

・日本文学の専門家の中西進氏に「令」のつく元号を国書から拾い出すよう依頼する。

・適当な語がなかなか見つからないのだが、万葉集にやっと見つけたのが「令和」であった。

・これまで候補にまったく挙がっていなかった「令和」が3月中旬に突如現れる。

・発表の4月1日まで期日が差し迫っているので、「令和」の身上調査が十分にできない。


国書の典拠がほぼ漢籍のコピーであることを見落とす。

「令和」が中国では酒の名前で商標登録されていることを見落とす。

「令」が皇太子の命であり、天皇の命ではないことを見落とす。

「令」は論語では「巧言令色鮮し仁」とあり、真心の無さを表していることを見落とす。


・そして、4月1日「令和」の発表という一大ショーが行われる。マスコミによって国民に歓迎ムードが醸成される。

・しかし、世界のほとんどの国に、「令和」は「Order and Peace」(命令と平和)と訳されて、ニュースで配信された。

・新元号発表の翌日以降、新元号に関する多くの情報が世間に湧き出て、新元号への疑念と不満が噴出し始める。

・それに驚いた内閣は、4月4日に、市民が西暦で書いた書類も役所は拒否せずに受け付けると菅官房長官に発表させ、世間の元号への不満を懐柔し始めた。


肝心の皇室は蚊帳の外。皇太子殿下はどんな気持ちなんだろうか。


もてあそぶ

2019-04-05 10:39:59 | Weblog

安倍

アベ

濁点「゛」の2本線を横にして1本につなぐと「-」になる。それを「へ」と「ア」の間に入れれば、「令」になる。

つまり「令」は、完全に「アベ」で構成されている。


4月1日の投稿で、安倍首相が是が非でも自分の名前の一文字である「安」を新元号に入れ込もうと、マスコミに強い圧力を加えて世論の地ならしをしていたと私は書いた。

そして、安倍首相の無益な自己顕示の野望がはねつけられたと思っていた。

しかし、安倍首相はその野望をあきらめてはいなかった。

「安」の採用を世間が受け入れないと見るや、「安部」をカタカナのアベにして「令」にし、新元号に入れ込んでしまった。


小学生の子供が「元号」をもてあそんでいる。国家をもてあそんでいる。


令の意味

2019-04-04 13:42:29 | Weblog

「令」の意味を調べてみた。

辞書(新漢字林)には次の順で出ている。

① 命ずる

② 君主の命令

③ おきて

④ いましめ

⑤ おさ、長官

⑥ よい、りっぱな

⑦ 他人の親族に対する敬称

⑧ 皇后・太子などの命


①から④までが命令や法令を意味し、⑤については、命令や法令を発する人は身分の高い人であることから長(おさ)、長官の意味が派生し、⑥⑦については、命令を発する身分の高い人は尊敬されてりっぱであることから「よい、りっぱな」や敬称の意味につながっていった。

安倍首相は⑥の「よい、りっぱな」の意味合いで令は使われているというが、元をたどると意味はやはり命令である。かしずく人々への命令。

また、皇太子の命は令であるが、天皇の命は勅や宣である。令は天皇には合わない。

人々をかしずかせて命令することを、今の天皇陛下同様に民主主義を尊重する新しい天皇陛下が喜ぶとは思えない。

元号の制定は政令で決められる。つまり、最終決定は総理大臣である。手順はそんなに難しくないのだからもう一度制定し直せばよいと思うのだが、安倍首相はそれはできないだろう。

これからは、役所への提出書類を含めすべての年号を西暦で書くことにする。


万葉集

2019-04-03 02:31:51 | Weblog

史上初めて国書(日本の書物)を出典として元号を選んだと安倍首相はいうが、どうもその万葉集の出典は中国の「文選」を参考に書かれたものらしい。

万葉集では 「初春の令月にして、気淑く風和らぐ」

文選では  「仲春令月、時和気清」 ジョンチュンリーンユエ、シーフアチーチン 勉強中の中国語の知識で訳すると「春二月のきれいな月、季節は和やかで空気も清らかである」

ほとんど意味内容が同じである。出典が国書というが、実質は中身が中国古典からの借り物ということになる。結局は漢籍から脱することはできなかったことになる。それなら、そこまで国書にこだわって「令和」にする必要はなかった。

お祭りムードの元号の発表から一日たつと、けっこう「令和」に対する批判が多く見られ、テレビで堂々と批判する東京大学の歴史専門家もいたりで、新元号への批判はどうやらそれほどタブーではないようだ。

タブーでないのなら、もうはっきり言ってしまいたい。

「令和」は使いたくない。「令和」を使うよりは、いっそのこと元号制は廃止してしまったほうがよい。おかしな元号を決めたのは、元号の存在意義を考えるよい機会である。皇帝・天皇が空間だけでなく時間まで支配する手段として元号が使われ始めたという。発祥が紀元前の中国で、朝鮮やベトナム、日本の漢字文化圏で使われるようになったが、今ではどの国でも廃止されて残っているのは日本だけである。世界中にただ一国。経済効率性が非常によくない。国内だけでも不便だが、それが外国とのやり取りではなおさら不便である。世界標準に一致させるグローバル化は、元号制の廃止でこそまず行われるべきである。そうすれば、「令和」を使わなくてもよくなる。それが経済効率を上げ経済を発展させ、人々の生活を豊かにしていく。


令和

2019-04-01 21:01:24 | Weblog


お昼頃、新元号の発表があった。菅官房長官が額縁を持ち上げると、そこには「令和」の文字があった。「安」がないことにほっとしつつ、なんだこれ、という感じ。

 

安久(60票)、安永(46票)、安始(32票)、栄安(31票)、安明(25票)、永安(21票)、永和(20票)、永明(19票)、安成(17票)、安栄15票)、和平(15票)

これはある酒販業者が募った新元号予想ランキングで、応募総数1,551通の投票結果の上位10位であった。上位6位すべてに「安」があり、上位11位中8つに「安」があった。

他にも似たような統計があまたあり、世間の大半は元号に「安」があることを希望しており、多くのワイドショーが新元号には「安」が入りそうだと喧伝していた。気味が悪いのは、「安」が安部首相の「安」でもあることを、どの番組も誰一人として指摘しないことであった。まさに裸の王様で、みんな変だと気づいているのに誰もそれを言わない。

安部首相は、何としても「安」の一文字を元号に入れ込もうと、マスコミに圧力をかけて必死に地ならしをしていたのかもしれないが、天皇・皇太子・皇室や有識者の良識が「安」の文字の採用を何とか阻止したのかもしれない。

しかし、決定した「令和」はなんとも堅苦しい。法令、政令、命令、勅令、捜索令状、逮捕令状、徴兵令、戒厳令などなど。極めつけは、昨年の13人のオウム真理教死刑囚への死刑執行命令。

令という文字を電子辞書(漢字源)で調べてみた。上の三画△は覆いの下に集めることを示し、 下の二画は人のひざまずく姿を表す。人々を集めて神や君主の宣告を伝えることを表すらしい。 神のお告げや、君主・役所・上位者のいいつけ、お達しなどの意味があるという。

後ろにある「和」は調和や平和であり、争わないことを意味するが、「令」と並べて解釈すると、お上の言うことには楯つかずに素直に従いなさい、お上と和合しなさいともなる。あるいは、お上の命令のもとで仲良くやりなさいともなる。

 

けっして、しっくりはいかないのだが、安倍首相の「安」の採用が阻止されただけでもよしとしなければいけない。「和」という好ましい漢字もあることだし。法治国家の下で平和に暮らしていく。これならしっくりいく。新しい年号が、「人の支配」から「法の支配」という本来の道に戻る方向付けになればよい。最終的には安倍首相が判断したのだから、きっとそうするのだろう。令和という時代に希望を託していく。


元号

2019-04-01 08:55:07 | Weblog

「イヤ~!」

中学3年生の女生徒が叫ぶ。授業中なのに声が大きい。

「ほんとうに安倍首相の安が新しい元号になるの?私、あの人嫌い。絶対にイヤ~!」


去年の夏、改元が話題に上ったときの生徒の反応である。その後数日間、生徒たちは塾に備え付けのタブレット端末で「安倍首相の安」「新しい元号」などと入力して検索していた。改元は中学生にとっても大きな関心事のようだ。


さて、新元号の発表まであと二時間半。安倍首相は自分の名前の「安」を新しい元号に入れ込むのだろうか。明治天皇、大正天皇、昭和天皇、平成天皇、○○天皇。総理大臣が自分の名前の一文字を新しい天皇陛下に授ける。

ありえない。ありえない。だけど、それをやりかねないのが安倍首相である。発表のときを待つ。