「この先、補聴器の設定って変えられる(上げられる)んですか?」
これがわたしの(禁断の)質問です。
ノーという返事がかえってくるのが怖くて、これまで訊けませんでした。
「今は40〜30デシベルに設定してあるようですが、これをせめて、30〜20デシベルに変えられますか?」
と、さらに具体的に訊きました。
STさん、言葉をにごしていたけど、ニュアンスは「ノー」でした。
「設定を上げると雑音も大きくなるので、マメちゃんが嫌がると思います」
(えっ、そうなの?)
<取捨選択せずにすべての音を拾ってしまうから聞きづらい>
たしかに、これが「補聴器あるある」(ネガティヴ面)だとは知っていたけれど...。
ガッカリと気落ちしました。
そのすぐあと、ろう学校幼児教室の個人面談にわたしも参加させてもらったとき、先生に同じ質問をしました。
「う〜んそうですねえ」と、やはり言葉をにごす先生。
そして、ある図をマメの検査結果表に重ね合わせて
「マメちゃんの聴力は、ほら、スピーチバナナの範囲内にしっかり入っているから大丈夫ですよ」と。
スピーチバナナとは、言語習得やコミュニケーションに必要な聴力範囲で、かなり広範囲(50デシベルくらいまで)を含みます。
この辺でだんだんわかってきたのです。
これまでのマメは、両親や祖父母、ろう学校幼児教室の先生たち、くもんの先生など、
「大きな声でハッキリ話すひと(おとな)たち」に囲まれてきた。
マメの言語発達が順調なのはそのおかげ。
でも今後、普通幼稚園・普通小学校に「インテ」するとなると、今の聴力(40〜30デシベル)ではつらい。
20〜10デシベルという健聴児にまじって、ワイワイガヤガヤの集団生活を送るって、かなりしんどい。
「あんなに達者にしゃべれるんだから(アウトプット)よく聞こえているはず(インプット)」
という推論は間違っていたのね。
となると、「インテ一直線」「ろう学校なんかお呼びでない」という方針は考え直したほうがいいのかも。
(次記事につづきます)