孫娘は小耳症

孫娘(2021年4月生まれ)は左耳小耳症で両耳難聴です。
頼りない娘を支えつつ孫娘の成長を見守ります。

補聴器の設定

2024-04-17 15:08:02 | 2歳半から

「この先、補聴器の設定って変えられる(上げられる)んですか?」

 

これがわたしの(禁断の)質問です。

ノーという返事がかえってくるのが怖くて、これまで訊けませんでした。

 

「今は40〜30デシベルに設定してあるようですが、これをせめて、30〜20デシベルに変えられますか?」

と、さらに具体的に訊きました。

 

STさん、言葉をにごしていたけど、ニュアンスは「ノー」でした。

「設定を上げると雑音も大きくなるので、マメちゃんが嫌がると思います」

(えっ、そうなの?)

 

<取捨選択せずにすべての音を拾ってしまうから聞きづらい>

たしかに、これが「補聴器あるある」(ネガティヴ面)だとは知っていたけれど...。

 

ガッカリと気落ちしました。

そのすぐあと、ろう学校幼児教室の個人面談にわたしも参加させてもらったとき、先生に同じ質問をしました。

「う〜んそうですねえ」と、やはり言葉をにごす先生。

 

そして、ある図をマメの検査結果表に重ね合わせて

「マメちゃんの聴力は、ほら、スピーチバナナの範囲内にしっかり入っているから大丈夫ですよ」と。

 

スピーチバナナとは、言語習得やコミュニケーションに必要な聴力範囲で、かなり広範囲(50デシベルくらいまで)を含みます。

 

この辺でだんだんわかってきたのです。

これまでのマメは、両親や祖父母、ろう学校幼児教室の先生たち、くもんの先生など、

「大きな声でハッキリ話すひと(おとな)たち」に囲まれてきた。

マメの言語発達が順調なのはそのおかげ。

 

でも今後、普通幼稚園・普通小学校に「インテ」するとなると、今の聴力(40〜30デシベル)ではつらい。

20〜10デシベルという健聴児にまじって、ワイワイガヤガヤの集団生活を送るって、かなりしんどい。

 

「あんなに達者にしゃべれるんだから(アウトプット)よく聞こえているはず(インプット)」

という推論は間違っていたのね。

となると、「インテ一直線」「ろう学校なんかお呼びでない」という方針は考え直したほうがいいのかも。

(次記事につづきます)


アウトプットとインプット

2024-04-17 14:12:26 | 2歳半から

重大な勘違いをしていました。

そのことに最近気づき、静かなパニックにおちいっています。

 

*アウトプットとインプットを同列に見る

*アウトプットからインプットを類推する

という勘違いです。

 

2歳半を過ぎて、マメの言語能力が急速に進化したとき、

深い安堵の中で、その勘違いが起こりました。

 

<すごいな、これほどの表現力、語彙力>

<周囲とのコミュニケーションにも、まったく支障がないし>

<もともと、大した難聴じゃなかったのね>

 

この「勘違い楽観(難聴の過小評価)」を夫や娘夫婦とも共有し、みんなでそろってルンルンしていました。

信頼していたろう学校幼児教室を転勤でやめざるを得ないことも、じつは、それほどのダメージではなかった。

「まあいいか、どうせ幼稚園以降はインテを考えていたんだし」と。

 

「インテ」という言葉はブログで知りました。

「難聴児(などの障害児)が、支援学校でなく一般校でまなぶ」という意味です。

たまたま読んでいた3つの難聴児ブログ、3人のお子さんが3人ともインテしているのです。

 

おおそうか! それならうちのマメだって!

言語発達はバッチリだし、

何より、とてもかしこいし。

 

もちろん、ろう学校幼児教室に代わる良い療育は継続したいし、

インテ先の幼稚園や小学校には適切な配慮を期待したいけれど、

大丈夫、そんなに心配しなくても何とかなる。

 

この「勘違い楽観」に影をさしたのは、ひと月ほどまえの補聴器STさんの言葉でした。

新しいイヤーモールドを受け取りに行ったときのこと。

新しい療育先についていろいろ情報を教えてくれたSTさん。

感謝の高揚気分のなかで、つい、禁断の質問をしてしまったわたしです。

(次記事につづきます)