孫娘は小耳症

孫娘(2021年4月生まれ)は左耳小耳症で両耳難聴です。
頼りない娘を支えつつ孫娘の成長を見守ります。

人工内耳おそるべし

2024-04-20 16:00:49 | 2歳半から

わたしが <インテ> への刺激を受けた難聴児ブログは、3つが3つとも人工内耳のお子さんでした。

 

人工内耳とは、

*かなり重度の難聴、かつ、補聴器では聴力の改善が望めない症例を対象とし、

*手術で皮膚の下に埋め込んだ受信装置に、体外集音器から音を送る

というシステムです。

 

以前にくらべて、機器の性能は目覚ましく発達しているようです。

マメの参考にしようと難聴児ブログを検索すると、ヒットするのはほぼ人工内耳例になります。

マメのような、<60〜70デシベルの中等度難聴で補聴器使用>というブログはなかなか探せません。

 

ところで人工内耳についてのわたしの印象は、当初、かなりネガティヴなものでした。

<根拠1>

「筆談ホステス」の斉藤里恵さんが、高校生の時に人工内耳手術を受けるも、あまりの違和感で早々にあきらめてしまった。

<根拠2>

映画「サウンド・オブ・メタル」のロック歌手が、とつぜんの失聴後に人工内耳手術を受けるも、あまりの違和感に呆然。

さらに、頭部に装着する外部機器が、もう何と言うか宇宙戦隊員みたいで...。

 

そんなわけで、わたしの心の中では「人工内耳なんてダメよね」的なイメージが根強く...。

 

ところがところが。

上述のように、近年の高性能ぶりは素晴らしい! ようなのです。

3件のブログのお子さんたちは、人工内耳装用によって、30〜20デシベルの聴力をしっかり確保しているのです。

言葉の発達ももちろん順調。

<幼稚園インテ> も <小学校インテ> もかなり順調。

 

「だからさー」と、今さら気づくわたしなのでした。

このお子さんたちとマメとは状況が違うっつーの。

40〜30デシベルと30〜20デシベルは同じ土俵じゃないっつーの。

 

ネット情報を適切に取捨選択し、

自分ごととして正しく判断すること。

これって、むずかしいことなのね。

 

ことほどさように、

いろいろ勘違いをして、

勘違いにもとづく楽観でルンルンして、

そのことに今さら気づいて、

引っ越しで心が弱っているときのダブルパンチで。

 

とてもつらいです...。

 

でも、何とか、いつもの魔法の言葉を唱えるだけの気力が戻ってきました。

「(超優秀な)わたしが本気出せば、できないことなど何もない」です。

 

座り込んでへたばっている場合じゃあない。

マメの今後を見据えて、ベストな選択を探っていかなくては。

 

 

 

 

 

 


補聴器の設定

2024-04-17 15:08:02 | 2歳半から

「この先、補聴器の設定って変えられる(上げられる)んですか?」

 

これがわたしの(禁断の)質問です。

ノーという返事がかえってくるのが怖くて、これまで訊けませんでした。

 

「今は40〜30デシベルに設定してあるようですが、これをせめて、30〜20デシベルに変えられますか?」

と、さらに具体的に訊きました。

 

STさん、言葉をにごしていたけど、ニュアンスは「ノー」でした。

「設定を上げると雑音も大きくなるので、マメちゃんが嫌がると思います」

(えっ、そうなの?)

 

<取捨選択せずにすべての音を拾ってしまうから聞きづらい>

たしかに、これが「補聴器あるある」(ネガティヴ面)だとは知っていたけれど...。

 

ガッカリと気落ちしました。

そのすぐあと、ろう学校幼児教室の個人面談にわたしも参加させてもらったとき、先生に同じ質問をしました。

「う〜んそうですねえ」と、やはり言葉をにごす先生。

 

そして、ある図をマメの検査結果表に重ね合わせて

「マメちゃんの聴力は、ほら、スピーチバナナの範囲内にしっかり入っているから大丈夫ですよ」と。

 

スピーチバナナとは、言語習得やコミュニケーションに必要な聴力範囲で、かなり広範囲(50デシベルくらいまで)を含みます。

 

この辺でだんだんわかってきたのです。

これまでのマメは、両親や祖父母、ろう学校幼児教室の先生たち、くもんの先生など、

「大きな声でハッキリ話すひと(おとな)たち」に囲まれてきた。

マメの言語発達が順調なのはそのおかげ。

 

でも今後、普通幼稚園・普通小学校に「インテ」するとなると、今の聴力(40〜30デシベル)ではつらい。

20〜10デシベルという健聴児にまじって、ワイワイガヤガヤの集団生活を送るって、かなりしんどい。

 

「あんなに達者にしゃべれるんだから(アウトプット)よく聞こえているはず(インプット)」

という推論は間違っていたのね。

となると、「インテ一直線」「ろう学校なんかお呼びでない」という方針は考え直したほうがいいのかも。

(次記事につづきます)


アウトプットとインプット

2024-04-17 14:12:26 | 2歳半から

重大な勘違いをしていました。

そのことに最近気づき、静かなパニックにおちいっています。

 

*アウトプットとインプットを同列に見る

*アウトプットからインプットを類推する

という勘違いです。

 

2歳半を過ぎて、マメの言語能力が急速に進化したとき、

深い安堵の中で、その勘違いが起こりました。

 

<すごいな、これほどの表現力、語彙力>

<周囲とのコミュニケーションにも、まったく支障がないし>

<もともと、大した難聴じゃなかったのね>

 

この「勘違い楽観(難聴の過小評価)」を夫や娘夫婦とも共有し、みんなでそろってルンルンしていました。

信頼していたろう学校幼児教室を転勤でやめざるを得ないことも、じつは、それほどのダメージではなかった。

「まあいいか、どうせ幼稚園以降はインテを考えていたんだし」と。

 

「インテ」という言葉はブログで知りました。

「難聴児(などの障害児)が、支援学校でなく一般校でまなぶ」という意味です。

たまたま読んでいた3つの難聴児ブログ、3人のお子さんが3人ともインテしているのです。

 

おおそうか! それならうちのマメだって!

言語発達はバッチリだし、

何より、とてもかしこいし。

 

もちろん、ろう学校幼児教室に代わる良い療育は継続したいし、

インテ先の幼稚園や小学校には適切な配慮を期待したいけれど、

大丈夫、そんなに心配しなくても何とかなる。

 

この「勘違い楽観」に影をさしたのは、ひと月ほどまえの補聴器STさんの言葉でした。

新しいイヤーモールドを受け取りに行ったときのこと。

新しい療育先についていろいろ情報を教えてくれたSTさん。

感謝の高揚気分のなかで、つい、禁断の質問をしてしまったわたしです。

(次記事につづきます)

 

 

 

 

 

 


わたしこそ「メンタル不安定」

2024-04-13 14:01:46 | 2歳半から

引っ越し二週目の後半(きのうまでの三日間)、娘とマメが泊まりに来ました。

片付けも大分進んだことだし、

「そーよそーよ、うちでのんびりして、引っ越しストレスを癒やせばいいわ」

と、大歓迎のわたしです。(婿さんには悪いけど。)

 

この三日間、いつにも増してマメを猫可愛がりしました。

*遊びに根気よくつきあう

*しょっちゅう膝に抱いて濃厚にハグする

*お風呂にいっしょに入る

など。

 

住み慣れた暮らしをとつぜん奪われた、傷心のマメがふびんで...。

 

帰る日のきのう。

朝から元気のないマメです。

車の中で

「ばあばのおうちとバイバイするのがさびしいの」

と、わたしの肩に顔を押し付けてきます。

 

ああつらい。

小さいマメが悲しんでいるのがつらい。

やっぱり、引っ越しで情緒不安定になってるのね。

 

心がえぐられるように苦しく、世界が色彩を失ってモノトーンになっていく感じです。

 

マメは車の中で寝てしまい、新居についてからも寝て、合計で2時間以上昼寝しました。

「引っ越しの疲れがたまってるのねぇ」とわたし。

「今朝は早く目が覚めたからだよ(6時)」と娘。

 

しばらくして昼寝から覚めたマメ。

おやまあ元気いっぱいです。

わーわー、キャーキャー、あはははは!

さっきのしょんぼり感はどこへやら。

 

「マメちゃん、ばあばとじいじ、もう帰るよ」

「うん、バイバイ!」

 

なあんだ、元気がなかったのは単に寝不足だったからなのね。

「引っ越しで傷心」とか、深読みしすぎだったわね。

 

安心すると同時に、世界は元の色彩を取り戻して輝いてきました。

 

まーったく。

いい加減わたしも「引っ越しによる情緒不安定」を克服しなくてはね。

 


引っ越しを終えて

2024-04-06 12:36:20 | 2歳半から

5日前の月曜日(4月1日)が引っ越しでした。

引っ越し前日(日曜日)からきのう(金曜日)までの6日間、わたしと夫もフル出動。

今日土曜日は、ようやく訪れた休養日です。

はぁ〜疲れたよ〜。

 

頼みの婿さんは、早くも引っ越しの翌々日から出勤。

家の中はまだまだダンボールの山なのに。

 

この日の朝、新居に着くと...。

娘はソファにぐったりと座ってスマホをいじっています。

「疲れ果てて戦意喪失」という感じです。

ああかわいそうに。

そしてマメは、少しだけ荷ほどきしたおもちゃで、ほそぼそと遊んでいます。

ああいじらしい。

 

よーし、頑張るぞー。

<タスク1> せめて居間と隣の和室(マメの遊び部屋)をきちんと片付けよう。

<タスク2> ざっと荷ほどきがすんでいる台所も、使い勝手良く微調整しよう。

 

さてダンボールを開けていくと...。

ひとつの箱には、マメの小さくなった服が詰まっています。

べつの箱には、カピカピになったウェットティッシュなど、意味不明の小物が詰まっています。

 

.........。

バカなの?

 

この分では、引っ越し荷物の中に完全不要物が2〜3割紛れ込んでいる可能性があります。

「引っ越しの極意は不要物を捨てること」と、あれほど言っておいたのに。

 

脱力しながらもテキパキと作業し、すぐに上記のタスクが達成できました。

マメのおもちゃも全部出して並べて、ホッとひと安心。

 

さてつぎは、娘とマメのメンタルケアです。

「気分転換に、お昼は外食しようか」(車で)

「明日は**公園に行ってみようか」(車で)

などなど。

娘の表情が少し明るくなりました。

 

70代ばあさんの夢中の頑張り。

「感心」よりは「ドン引き」の反応のほうが多いと思います。

(何もそこまで、とか。)

でも、わたしにとってはごく普通のことです。

 

日常の家事さえおぼつかないトロい娘が、引っ越しなどという高度な局面にうまく対処できるはずがない。

わたしがサポートするのはあたりまえ。

「娘とマメがつらい思いをしないように守る」

これが、わたしの人生における最重要課題なのですから。

(これまでも、これからも、、、。)

 

ま、とりあえず、娘一家の引っ越しが無事終わって良かったです。