6日午前10時25分ごろ、徳島県南部を震源とする地震があり、同県の牟岐(むぎ)町で震度5強、海陽町で震度5弱、美波町、那賀町、阿南市、高知県の馬路村、東洋町で震度4を観測した。津波は発生しなかった。午後1時現在、けが人の情報も入っていないが、気象庁は、2、3日のうちに最大震度5弱の余震の可能性があるとして警戒を求めている。

 気象庁の推定では、震源の深さは約10キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5・0。記者会見で担当者は、太平洋プレートなどの境界で起きる想定がある南海トラフ巨大地震との関係について、「よく分からないが、今回の地震はプレートの境界で発生したわけでない」と説明した。

 徳島県は、海陽町と那賀町の小中学校でガラスが割れたり、校舎の壁にひびが入ったりする被害を確認。海陽町平井大比の町道でがけ崩れがあった。安全確認などのため、JR四国は徳島線と牟岐線の運転を見合わせた。

 牟岐町役場の総務課の男性職員は「突き上げるような揺れの後、横揺れが10秒近く続いた」と話した。牟岐港に面するJAかいふ本所の事務所では約20人の職員が机の下に身を隠すなどしたという。牟岐中学校の小島唯男校長は津波を警戒し、教員の指示で全校生徒103人を裏山に一時避難させた。四国電力の伊方原発(愛媛県)では異常は確認されなかった。