○ 平成27年2月25日に河合町のコンビニエンスストアで発生した強盗事件については、本日(2月27日)、犯人を逮捕しました。
○ 皆様の情報提供や早期通報が犯人検挙につながります。今後ともご協力をよろしくお願いします。
NASAが2010年に打ち上げた「太陽観測衛星」によって撮影された、2015年までの太陽の記録が公開されました。
こちらは、欧州宇宙機関が公開したタイムラプス映像。国際宇宙ステーションから撮影した地球の様子などが約6分間の映像にまとめてあります。
Alexander Gerst’s Earth timelapses
2015年2月27日05時00分
都会に住む女性が地方で結婚相手を探す「婚活ツアー」が増えています。島根県出雲市と秋田県のツアーに同行し、出会いを求める女性たちの思いを聞きました。
1月にあった島根県出雲市への婚活ツアーには、東京、大阪、福岡などに住む女性10人が1泊2日で参加した。男性は出雲市とその近郊に住む14人。男女とも30代を中心とした20代~40代だった。出雲大社の参道沿いの店を巡るイベントなどで打ち解けた後、パーティーで交流し、カップルが8組生まれた。
■激務に笑顔消え
カップルになった一人で、東京都内で一人暮らしをする契約社員の女性(40)は「仕事と人間関係に疲れて」参加したと言う。「今の世の中、正社員でも明日が読めない。相手の収入は気にしません。気が合う人と暮らせたらいいなと思っています」
岐阜県内の高校を卒業して上京。専門学校で学び、大手アパレル会社で正規社員として働いた。その後、家族の手伝いが必要になり、退職して帰省したが、顔見知りばかりの田舎を息苦しく感じて3年前、東京に戻ったという。
新たに勤めた会社は、リストラで社員数は減るのに仕事は増える一方で、夜中まで働く日が半年続いた。チャームポイントとほめられていた笑顔が消えた。職場からは、助け合ったり相談し合ったりする雰囲気も消えた。次第にバリバリ働くことがすべてではないと思うようになった。「田舎だけど故郷ではない場所がいい。出雲は何度も旅行に来て好きな所でした」
東京都江東区の契約社員の女性(31)もカップルになった一人だ。年収200万円に満たず親の家で暮らす。2年前に父親が退職し、いつまでも頼れないと感じた。結婚相談所に入会し、30人とメールを交わし、4人と会ったが、うまくいかなかった。「選ばれるか選ばれないかの繰り返しに疲れ、費用のこともあって焦りもしました」。昨年末、相談所を退会した。
ツアーに参加したのは、東京以外の場所では生活のペースが違い、気分が変わるかもしれないと考えたからだ。「都会では頑張っても細々とした暮らししかできない。田舎でならもう少しのびのびと暮らせるのではないかと憧れが大きくなりました」
ツアーは出雲市と出雲大社正門前の商店街組合が協賛して実施し、結婚相談業大手ツヴァイが協力した。同社は「都会で働いても報われないと感じる人が多い時代になった。穏やかに暮らしたいと考えて、田舎をイメージする女性は確実にいる」と話す。
■「価値観が同じ」
昨秋あった秋田のツアーはNPO法人秋田移住定住総合支援センターが主催した。主に関東圏の女性40人と地元の公務員や銀行員ら男性56人が参加し、21組のカップルが成立した。結婚に向けて具体的に話が進んでいる人もいる。
秋田出身の学校教師の女性(31)は、関東に出て12年。婚活パーティーに何度か参加したが、「この人だ」と思う人はいなかった。「そういえば地元の友だちは同級生どうしで10組以上結婚した。育った環境が同じなら価値観も同じで、頑張らなくていいのかな」と考えるようになった。
女性たちを迎えた会社員男性(38)は「来てくれるだけでうれしい上に、地方での生活に関心を持ってくれているのもよく分かった。話して安らげる人が見つかり、カップルにもなれた」と話した。
結婚相談所を審査するNPO法人日本ライフデザインカウンセラー協会(東京)の原口博光事務局長は「地元の人同士が交流する地方での婚活イベントはすでに活況だ。都会で働き続けることに限界を感じた女性の思いと、人口を増やすために移住してきてもらいたい地方の状況がかみ合い、都会の女性と地方とを結ぶ婚活はこれから少しずつ増えるのではないか」と話す。
(山田佳奈)
■<考論>自分のペース求めて 関西大大学院教授・宮本勝浩さん(理論経済学)
地方自治体が婚活イベントにかかわる動きが出てきた。地方では、女性が就職などで流出し、男女比がアンバランスになっている。人口減に伴い消滅する可能性のある市町村があると言われ、本気になったと感じている。
決して多くはないが、農業や漁業、林業に従事しようと地方に移住する女性がいる。都会で就職したものの「人間関係が合わない」「生活に疲れた」と感じ、結婚して地方に住みたいと考える人も出てきているようだ。地方暮らしは生活費が安くすむ。近所の人は若い人が来るだけで歓迎してくれる。勤め先も、小規模な職場なら顔が見える関係の中で自分のペースで働きやすい。都会での生活に違和感を感じた人が自分に合った生活を見つけられる可能性があると思う。
■<考論>選択の理由、見誤るな 社会学者・水無田気流(みなしたきりう)さん
都会で働いていた女性が地方を目指す動き自体は悪いことではないが、最初から積極的に選択してというより、現実との折り合いの中で葛藤を抱え「ここではない」理想の故郷を求めているように見える点が気にかかる。これは居場所探しの問題にも通じる。
非正規雇用が増え、生きづらくなった社会で、女性に広がっているのは不安だろう。未婚女性は就業のために都会に集まるが、若年男性の賃金が低下し、安定した職に就く理想的な結婚相手が見つかりにくい。相手を紹介してくれていた地域コミュニティーや会社も機能しなくなっている。物質的な豊かさが手に入らないがゆえの選択と、物質的ではない豊かさを求める志向を混同せず、適切な施策を考えることが大事だ。
■両ツアーの参加女性の思い
<埼玉県深谷市の看護師(40)> 仕事に自信が持てるようになった35歳からでは相手を見つけるのが難しかった。これからは自然が豊かなところで暮らしたい
<東京都世田谷区の派遣社員(36)> 大家族でのあったかい生活がいい。東京で出会った男性は仕事に疲れている人が多く、魅力を感じない
<埼玉県白岡市の団体職員(30)> 職場のある東京は遊ぶところがたくさんあって楽しいけれど、生活と遊びは別でいい。落ち着いたところで暮らし、年に何回か都会に出て遊べればいい
<東京都板橋区の会社員(31)> 家賃が高く、保育園の空きがあまりない東京で結婚して子どもを育ててというのがイメージできない