税制等の改正で使われる「金持ち優遇」

2006-11-23 16:21:10 | 時事報道放談
所得税や相続・贈与税などの税率の変更のときや、所得控除などの特例等の変更、廃止などのとき、今回は政府税制調査会の答申で、証券税制の株式等の譲渡益と配当等の特例の廃止について・・・

「金持ち優遇」の制度だから・・・
などと報道する、毎度おなじみの体制批判のためのフレーズ・・・

金持ち批判・・・?
金持ちは悪いこと?
金持ちは何故金持ちなのか?
強い人を批判する体質?
内容に関係なく体制批判が目的?

株式投資は、私たちに様々なものを与えてくれる。
資本主義社会に生まれたことでのシステムの恩恵と思えます。

多くの人は、望む職業に就くことができるとは限りません。
でも、株主として、望む会社の事業に参加することができます。

株式投資を通じて、企業経営や会計に興味を深め、
経済全体の動きに注目し、海外の政治経済動向に興味を持ち・・

そういう人が多くなるはずです。
投機目的の人ばかりではない。
10人の投資家がいれば、何人かは・・少なくとも2・3人は視野が広くなり、
人生の価値観すらも変える人が出てくるでしょう。
100人の投資家になれば・・・20・30人以上・・千人の投資家・・・

それが、国家や市民社会、家庭という共同体は、個人が自由に選択できるように
その好ましい制度を調整しなければならない。

税率10%は金持ち優遇なので、20%にすれば金持ちの持分が公的部門に吸収され
社会に再配分される。

配当金は法人税を納めた後の利益で株主に配分するものであるから、そもそも配当税は二重課税・・・なので、配当金の税率は高すぎる・・・という議論も下げる前にはあったはず。
証券税制を金融商品税制として、預貯金も全部ひっくるめて20%にしたい気持ちは分かるが・・・全部ひっくるめて10%に下げた方が、個人消費への乗数効果はあるように思える。

税金で取るか、税の優遇で消費増による企業業績向上による法人税と所得税の増加で取るかの違いだけなんだけど、税金で取らないと、予算が立たないという役人思考が、経済のダイナミックな循環を鈍らせるのね・・・

何でもかんでも「金持ち優遇」って言葉を使うと、悪いことしてるように思えて、
隠しちゃう習性を作ります。
努力して苦労して築き上げたものであるならば、褒め称えるべきなのにね。

まぁ、もっとも・・・こんな事例も散見しますが・・・
5%以上株主は10%の優遇税制が受けられないということで、一族に名義を当初から分散し、各人の保有比率を4.9%としている上場企業オーナー一族のお金の使い方に興味がないではないけど。税金で循環させるよりもっと効率的な使い方で社会貢献しているに違いないから・・・。


独立して生活する息子に、就職した会社の株式を少し買ってあげました。
時々帰ってきたときに、その会社の新聞記事が、家族で話題になります。

上場企業ではない会社や団体、公務員になった娘に、なじみのある会社の株式をほんの少し買ってあげました。
配当金が嬉しいと、自分でも少し買い足したと言います。だって安くなっていたからって・・

5年後に、この子らの株式は、どうなっているだろう。
10年後・・・20年、30年・・・

たぶん・・・そういう考え(証券税制の優遇には他にも多くの大義はある)で株式投資と証券税制を「共同体」が議論すれば、優遇の特例措置を廃止するなんて結論にはならないかも・・・
共同体としての国家の「明確な意思」を示せる格好のお題なのにね・・・