君は、生き残ることが出来るか?
それはさておき。
きょうの行程は僅か42km。
しかし、この中に2つの山越えが含まれる。
1つ目
Kilmog hill 230m
2つ目
Mt.Cargill 400m
ところで。
俺は目が悪い。
ハズキルーペの人なのだ。
そんな俺は、ほんの先程まで、
Kilmog hill
を、
Killing hill
だと思っていた。
なんて名前なんだよ気味悪いな。
マジで思っていた。
このブログを書くためにメガネをかけて、
ようやく「勘違い」に気づいた次第。
Killing hill
殺戮山とか、
皆殺しの山とか、
大藪春彦かよ。
もういいから、
…先に進もう。
雨上がりのワイコウアイティ集落を出発した。
カントリーロードだ。
すぐに1つ目の山越えが始まる。
その、1つ目の山越え「殺戮山」にはピークが3つある。
1つ目と2つ目は、標高200m付近で、
ちょっと下ってはまた登る。
上の写真のように、何の特徴もない。
メインのピークは230〜240mくらい。
もちろん殺戮されない。
山を下るとワイタティ村。
入江が見えてくる。
ほとんど海抜0mまで下って、また次の山に登るわけだ。
ワイタティの遠浅な海
ダニーデンからやってきた観光列車がいた。
沸いたティー(マジ変換)もとい、
ワイタティ村から先、
国道1号線は自動車専用道路になるので
自転車は旧道を走行する。
その案内板はわかりやすい。
見覚えのある小屋。
思い出がある。
30歳代半ばの頃、ビショ濡れでここを通りかかった俺は、この小屋で雨やどりをしていたのだ。
そのとき、
この裏の家に住むお爺さんに、
「うちに来てお茶でも飲んで休んでいきなさい」と、声をかけられた。
そういう御恩は身に染みるし、
いつまでたっても忘れないものだ。
そのときは、この「アート」はなかったなあ。
さあ行こうマウント・カーギル!
マウント・カーギルロードは牧場のなかを進む。
あまり急坂ではなく、だらだら長い。
日本の山道に似たような感じ。
急がす、だらだらと登る。
こんな山道、日本にはよくある山道。
早歩き程度の速度(時速4〜5km)でゆっくり登ったら楽。交通量はほとんどない。
標高350mを超えたら台地の上に出てきた感。
エニシダが猛烈に繁茂している。
特定外来種で、環境省は駆除に苦慮しているそうだ。
ニュージーランド全土を覆い尽くしている上、枯れにくく、薬剤に強く、繁殖力、生命力、ともに半端ないそうだ。
マウント・カーギル道の頂上付近は牧歌的な美しい村だ。
決して急峻で厳しい山岳地帯ではない。
羊が戯れるマウント・カーギル。
ここが最高標高地点。
出発からちょうど4時間。
ランチ休憩、自転車メンテ休憩込み。
変なもの写ってるけど勘弁。
ダニーデンの海が見えてきた。
ここからは、結構な勾配でダニーデンの町へ、真っ逆さまに下っていく。
ギアを2-7あたり、ブレーキは前3後7くらいの割合で握る。
前ブレーキは緊急の時の保険で取っておく感じだ。
長い下りなので万事油断禁物。
日本の道のようなわけにはいかない。
アスファルトは粗く、
至るところに小石が浮いている。
小さな穴もある。
勾配が急で、油断すると時速60に達するから気が抜けない。
カーブも頻繁にある。
時速50を超えないよう注意する。
また、路面状況にも気が抜けない。
万一にも穴を拾ったら一発でアウトだ。
大転倒するだろう。
殺戮されかねない。(しつこい?)
そんな、
緊張のダウンヒルを終えてダニーデンの町に吸い込まれた。
地元のチャリダーなどのGJな視線がこそばゆい。
マウントカーギルロードを下ってきた旅自転車に寄せられるGJ。
なんか嬉しい。
都会は久しぶり。
きょうの宿に着いた。
ダニーデンの中心に近いバッパーなのだ。
ちなみに、
バッパーとは、「バックパッカーズ・ホステル」のことで、日本ではゲストハウスと呼ばれている格安宿泊施設のことを指す。
ただし欧米ではゲストハウスといえば大きな邸宅に泊まる2食付き、
屋敷の主人のおもてなし、
豪華な食事というプレミアムな宿泊施設のことをいうのでご注意なのだ。
もしうっかり、「ゲストハウスに泊まりたい」なんて言うと一泊3万は下らない。
それにしてもなんで日本では
「ゲストハウス」っていう名称にしちゃったんだろ。バッパーでいいのに。
ちなみに、旭川には「バックパッカー」という名のオートバイ屋がある。しかもBMWの契約店である。もう、わけがわからない。
久しぶりに腹いっぱい米のメシを食い、
満足満足。
3合の米に「ヒガシマルうどんスープの素」を入れて炊いたら具のない『炊き込み御飯』が出来た。
乾燥ネギを振りかけて、これまたうまかった。
もう、
食ったから寝る。
日が暮れる頃になって、
ダニーデンは雨が降り出した。
2016年のカーギル山越えの話
「雷様と俺」