東京芸術劇場で4年ぶりの再演となる「ひめゆり」を観てきました。
4年前観て、かなり感動したものですが、最近は「太平洋序曲」などのすごい作品を見ていたせいか、色々と粗いところとかが見えて来てしまって、以前ほど「すごい」とは思いませんでした・・・
それでも、随所に演出や音楽で素晴らしいところがあり、やはり好きな作品ではあります。
この日、石川禅さんのファンクラブで取ったチケットだったのですが、当日劇場受け取りのため、どんな席だかさっぱりわかりませんでした。
で、行ってみたら・・・最前列・・・(汗)
しかも、この作品はオケピットを使わないので、本当に舞台が目の前でした。
いいんですが・・・私、かなり最初のうちからボロボロ泣いてまして(3曲目から・・・(汗))舞台から丸見えだったろうなあ、と思うと恥ずかしいったらありゃしないです・・・
さて、今回は主演のキミが伊東恵里さんから本田美奈子さんに変わりました。
正直、最初は「伊東恵里さんの方がいいなあ」なんて思ってました。歌が伊東恵里さんの方がずっと上手いので・・・(本田美奈子さんも上手いのですが、ちょっとレベルが違う・・・)
しかし、途中から本田美奈子さんの熱演に圧倒されてしまって、もうそんなことは全く考えられなくなってしまいました。
最前だったせいで、表情がすごく良く見えたのですが、途中からもうずっと本当に泣きじゃくってたんですよ。顔を真っ赤にして・・・。花水も出てたし(汗)涙がぽたぽたと舞台に落ちるのも見えました。
おかげで、ただでさえ涙腺が弱い私、もらい泣きも入ってしまって、もうずーっと泣いてました。
あの役への入り込みよう。やはり大舞台での主演、それも「ミス・サイゴン」とか「レ・ミゼラブル」のような作品で演じ切っていただけのことはあります。役者としての格が違うなあ、と改めて思いました。今さらですがねもう、「アイドル上がり」なんかじゃない、立派な役者さんなんだ、と思いました。(そういう意味では高橋由美子さんも好きな私・・・彼女がこの役やるのも見てみたいかも)
役者の格が違う、と言えば、今回もう一人初参加の役者さんがいました。檜山上等兵役の石川禅さんです。
この檜山という役、実はメインというにはちょっと出番が少ない役で、正直、石川禅さんのようなレベルの役者さんがやるにはちょっと「ちょい役」かな、という印象もありました。(今までは若手の役者さんがやってたのです)
今回、石川禅さんがやるためにソロの曲を何曲か書き足したそうですが、それでも出番少ない印象は拭えませんでした。
でも、石川禅さんがこの役をやることで、すごく話に厚みが出たように思いました。存在感が違いますから、やはり・・・。
この檜山上等兵という役は、南方で戦って、おそらく虐殺や略奪なども経験した、戦争の負の部分をつぶさに見てしまった人物です。彼が歌う「戦争とは何か俺は見てきた」という部分は、この作品中唯一、加害者だった日本を描写している、重要な部分だと思います。(まあ、沖縄の人々を殺した日本軍、という描写もありますが)それを有名な役者さんが演じることで、少し膨らませることができたのではないでしょうか。
石川禅さんが出演されると聞いたときから、涙もろい禅さんのことだから(自分で演じていてすぐに泣いてそうです・・・)きっとすごい演技が見られるんだろうと思っていたのですが、予想に反して、すごく抑えた演技でした。
以前演じていた役者さんたちは、若いこともあって、やりきれない悲しみを怒りにしてぶつけているような、熱い演技だったのですが、禅さんの檜山は、むしろ絶望したような、厭世観ただよう皮肉で静かな人物でした。
自分のやってきたことに悔い、絶望し、生きる希望を失った、そんな人物をすごく的確に演じていて、やはり役者の格の違いを感じました。
そんな絶望した檜山に、キミが「私たちは生きている」と訴えかけて歌うシーン、今までは歌っているキミに注目していましたが、今回はキミの言葉に心を動かされている檜山から目が離せませんでした。本田美奈子さん、ほんとにすごい熱演だったにもかかわらず・・・(汗)
自分が生き延びられないのはわかっている、それでも「生きていてほしい」と言ってくれるキミの気持ち、そして本当は自分も生きたいんだという思い、そんなものがないまじった、なんとも言えない表情で・・・。やはり素晴らしい役者さんだと思いました。
あと、鈴木ほのかさんも出ていて、前回同様素晴らしかったのですが、今回初出演のこの二人の印象が強すぎて、あまり書くことないかな・・・(汗)
でも、前回同様、強くて優しい、素晴らしい上原婦長でした。
しかし、全体としては、前回の方が良かったかもしれません・・・
というのは、アンサンブルのレベルがちょっと低くなったかなあと(汗)
前回はアンサンブルもオーディションでミュージカル座の外部の人たちだったのですが、今回はほとんどミュージカル座のメンバーで固めていたようです。その分、レベルが下がった感じは否めないかも・・・(汗)
逆に言えば、ミュージカル座のメンバーでアンサンブルを固められるくらいにメンバーが成長したということなのでしょうが。確かに、ソロパートのある人たちはなかなか良かったです。
ふみ役の片桐和美さんも良かったですし。
でも、前回一番泣けた、危険なジャングルの中を無邪気にはしゃぎながら行く少女たちのシーンが、あんまり胸に響かなかったし・・・
陸軍病院の兵士たちが苦しむシーンも、前回は背筋がゾッとするほどの迫力でしたが、今回は別に・・・でした(汗)
拍手が前回の公演ほど多くなかったのもそのせいなんでしょうか・・・? よくわかりませんが・・・
最後にこの作品のなぞを二つ。
その1 檜山はたいした怪我をしていたようには思えないのですが、本当に入院する必要があったのでしょうか・・・(汗)
その2 沖縄にキャベツ畑ってあるんだろうか・・・
4年前観て、かなり感動したものですが、最近は「太平洋序曲」などのすごい作品を見ていたせいか、色々と粗いところとかが見えて来てしまって、以前ほど「すごい」とは思いませんでした・・・
それでも、随所に演出や音楽で素晴らしいところがあり、やはり好きな作品ではあります。
この日、石川禅さんのファンクラブで取ったチケットだったのですが、当日劇場受け取りのため、どんな席だかさっぱりわかりませんでした。
で、行ってみたら・・・最前列・・・(汗)
しかも、この作品はオケピットを使わないので、本当に舞台が目の前でした。
いいんですが・・・私、かなり最初のうちからボロボロ泣いてまして(3曲目から・・・(汗))舞台から丸見えだったろうなあ、と思うと恥ずかしいったらありゃしないです・・・
さて、今回は主演のキミが伊東恵里さんから本田美奈子さんに変わりました。
正直、最初は「伊東恵里さんの方がいいなあ」なんて思ってました。歌が伊東恵里さんの方がずっと上手いので・・・(本田美奈子さんも上手いのですが、ちょっとレベルが違う・・・)
しかし、途中から本田美奈子さんの熱演に圧倒されてしまって、もうそんなことは全く考えられなくなってしまいました。
最前だったせいで、表情がすごく良く見えたのですが、途中からもうずっと本当に泣きじゃくってたんですよ。顔を真っ赤にして・・・。花水も出てたし(汗)涙がぽたぽたと舞台に落ちるのも見えました。
おかげで、ただでさえ涙腺が弱い私、もらい泣きも入ってしまって、もうずーっと泣いてました。
あの役への入り込みよう。やはり大舞台での主演、それも「ミス・サイゴン」とか「レ・ミゼラブル」のような作品で演じ切っていただけのことはあります。役者としての格が違うなあ、と改めて思いました。今さらですがねもう、「アイドル上がり」なんかじゃない、立派な役者さんなんだ、と思いました。(そういう意味では高橋由美子さんも好きな私・・・彼女がこの役やるのも見てみたいかも)
役者の格が違う、と言えば、今回もう一人初参加の役者さんがいました。檜山上等兵役の石川禅さんです。
この檜山という役、実はメインというにはちょっと出番が少ない役で、正直、石川禅さんのようなレベルの役者さんがやるにはちょっと「ちょい役」かな、という印象もありました。(今までは若手の役者さんがやってたのです)
今回、石川禅さんがやるためにソロの曲を何曲か書き足したそうですが、それでも出番少ない印象は拭えませんでした。
でも、石川禅さんがこの役をやることで、すごく話に厚みが出たように思いました。存在感が違いますから、やはり・・・。
この檜山上等兵という役は、南方で戦って、おそらく虐殺や略奪なども経験した、戦争の負の部分をつぶさに見てしまった人物です。彼が歌う「戦争とは何か俺は見てきた」という部分は、この作品中唯一、加害者だった日本を描写している、重要な部分だと思います。(まあ、沖縄の人々を殺した日本軍、という描写もありますが)それを有名な役者さんが演じることで、少し膨らませることができたのではないでしょうか。
石川禅さんが出演されると聞いたときから、涙もろい禅さんのことだから(自分で演じていてすぐに泣いてそうです・・・)きっとすごい演技が見られるんだろうと思っていたのですが、予想に反して、すごく抑えた演技でした。
以前演じていた役者さんたちは、若いこともあって、やりきれない悲しみを怒りにしてぶつけているような、熱い演技だったのですが、禅さんの檜山は、むしろ絶望したような、厭世観ただよう皮肉で静かな人物でした。
自分のやってきたことに悔い、絶望し、生きる希望を失った、そんな人物をすごく的確に演じていて、やはり役者の格の違いを感じました。
そんな絶望した檜山に、キミが「私たちは生きている」と訴えかけて歌うシーン、今までは歌っているキミに注目していましたが、今回はキミの言葉に心を動かされている檜山から目が離せませんでした。本田美奈子さん、ほんとにすごい熱演だったにもかかわらず・・・(汗)
自分が生き延びられないのはわかっている、それでも「生きていてほしい」と言ってくれるキミの気持ち、そして本当は自分も生きたいんだという思い、そんなものがないまじった、なんとも言えない表情で・・・。やはり素晴らしい役者さんだと思いました。
あと、鈴木ほのかさんも出ていて、前回同様素晴らしかったのですが、今回初出演のこの二人の印象が強すぎて、あまり書くことないかな・・・(汗)
でも、前回同様、強くて優しい、素晴らしい上原婦長でした。
しかし、全体としては、前回の方が良かったかもしれません・・・
というのは、アンサンブルのレベルがちょっと低くなったかなあと(汗)
前回はアンサンブルもオーディションでミュージカル座の外部の人たちだったのですが、今回はほとんどミュージカル座のメンバーで固めていたようです。その分、レベルが下がった感じは否めないかも・・・(汗)
逆に言えば、ミュージカル座のメンバーでアンサンブルを固められるくらいにメンバーが成長したということなのでしょうが。確かに、ソロパートのある人たちはなかなか良かったです。
ふみ役の片桐和美さんも良かったですし。
でも、前回一番泣けた、危険なジャングルの中を無邪気にはしゃぎながら行く少女たちのシーンが、あんまり胸に響かなかったし・・・
陸軍病院の兵士たちが苦しむシーンも、前回は背筋がゾッとするほどの迫力でしたが、今回は別に・・・でした(汗)
拍手が前回の公演ほど多くなかったのもそのせいなんでしょうか・・・? よくわかりませんが・・・
最後にこの作品のなぞを二つ。
その1 檜山はたいした怪我をしていたようには思えないのですが、本当に入院する必要があったのでしょうか・・・(汗)
その2 沖縄にキャベツ畑ってあるんだろうか・・・