ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

ジキル&ハイド

2012年03月28日 | ミュージカル・演劇
以前日本版の初演を観て、一回観ればいいかな・・・とその後の再演は一度も行かなかったのですが、今回キャストが良さげなので、ちょっと観てみるかな、と観に行ってみました。
新キャストで観て、やっぱり1回でいいかな、と思ってしまいました(汗)やはりあまり好きな作品ではないなと・・・そんなに悪くはないと思うのですが。
しかし、海外版はファンも多いし、違うバージョンで観たら良かったりするのかもしれませんが。ダンス・オブ・ヴァンパイアはドイツで観たのと日本のとほとんど別モノのようだったよな・・・
石丸幹二さんのジキルは、真面目で不器用な好青年という感じで、もう少し優秀な故の高慢さもあってもいいのかな・・・と思いましたが、こういうジキルもありだな、と思いました。さすがに歌上手くて良かったですし。
と言いつつThis is the Momentで意識失ってましたけど・・・(汗)いやα波出てたんですよきっと(笑)
対するハイドは、「思ったより良かった」という感想の人が多いようですが(汗)やっぱりちょっと物足りなかったかなあ・・・なんか「演じてる」という感じがしたかな・・・
濱田めぐみさんは、やっぱり歌上手いですね。実は某劇団特有のこぶしの入った?歌い方がちょっと苦手だったんですが、今回は歌い方を変えたのか、楽曲的にそういう歌い方になったのか、あまり独特の歌い方じゃなかったので素直に上手いなあと思いました。
でも、ルーシー的にはちょっと色気が足りないかな(汗)優等生っぽいルーシーというか・・・マルシアさんのルーシーは、技術的には足りない部分も多かったですが、鬼気迫るものがあって、心動かされたよなあ、と思い出しました。
笹本玲奈さんのエマが良かったですねー。実は最初キャスト発表になった時、濱田めぐみさんの名前が出てなかったので、もしかして彼女がルーシー? とちょっと期待しちゃったんですが、まあ順当にエマでしたね。
しかし、エマがこんなに印象強いなんて・・・という感じでした。芯が強くて、ジキルを支え、救うことすらできそうなくらい強いエマ。私だけかもしれないけど、ルーシーよりもエマの印象が強かったですね。
笹本玲奈さん、ウーマン・イン・ホワイトやプライドを観て、実は元気で健気なヒロインよりも気位が高いお嬢様役が似合うんでは、と思っていたのですが、それが更に実証されたように思いました。エポニーヌやキムをやってるけど、実はコゼットとかエレンの方が似合うのでは、と思うのですが・・・今更コゼットはないけど、彼女のエレンは観てみたい気がします。
アンサンブルのキャストをすっかり忘れていて、石飛幸治さんが出ていてびっくりしました(汗)グランテールでは歌ちょっと厳しいかな・・・と思いましたが、ソロパートも問題なく歌ってましたね。上手くなったのかレミゼが難しかったのかわかりませんが・・・そう言えばグランテールも回を重ねるにつれて上手くなっていたような気が。
ラスト舞台で倒れたままの畠中さんを観ながら、初演の時「もしかして禅さんあのままずっと倒れてるの⁈」と思ったのを思い出しました(汗)再演からはアターソンに昇格?したのに結局禅さんのアターソンは一度も観られなかったんだなあ。
ていうか、アターソンから先には昇格しないんだなあとか・・・
大きな劇場での公演では主演は客が呼べる知名度のある人でないと、というのはわからないでもないんだけど、そしてそれが「芸能人」でなくなっただけでも随分進歩なんだけれど、よその劇団で育って退団した人をそのまま据えるような、他人の褌で相撲取るようなやり方がどうも好きになれないんですよね・・・(あ、出演者ご本人には全く何も含むところはありませんので念のため)
と、日頃から思っていることをつい思い出してしまいました(汗)
というわけで、またキャストがよほど気になる変更にでもならない限り、当分観ないだろうと思われます(汗)
コメント (1)
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ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

2012年03月21日 | 映画
某シネコンのポイント期限が3月17日までで、本当は「ヒューゴ」が観たかったのですが、そこでは「ヒューゴ」をやってないという・・・で、最初は美波ちゃんが出てるアフロ田中にしようかと思ってたんですが、なんだかこっちの方が観たくなって観てきました。
興味があったのは、イライジャ・ウッド主演で映画化されたEverything is Illuminated(邦題「僕の大事なコレクション」)の原作者であるジョナサン・サフラン・フォアが原作だと知ったからでした。あの映画すごく好きなんですよね。
実際、神経症的な主人公(あ、でもEverything-のジョナサンが収集マニアなのは映画独自の設定なんだった)、残された謎を解きながらのもの探し(Everything-では人探しでしたが)など、似たような要素がある作品でしたね。
ただ、Everythig-のように、次第に過去に沈潜して引き込まれて行くような深さはなかったかな・・・まあ主人公が子どもですし、舞台もN.Y.周辺に限定されますしね。
モノ探しを通じて、主人公の少年が、父の死を乗り越えるだけでなく、色々な怖かったもの、苦手だった他人とのコミュニケーションなどを乗り越えて成長し、母との絆も取り戻すという話ですが、ありがちになりそうな題材が、モノ探しの過程など少し変わったアプローチを取ることで、説得力のあるものになっていたと思います。
ただ、父親の死因が9.11である必要あるのかなと・・・普通の事故死でもあの話成り立つと思うんですよね・・・まあ911で父親を亡くした、ということが、主人公のオスカーが訪ねた人々の心をより動かした、ということはあるかもしれないけれど。新聞のレビューでも読んだのですが、確かに9.11の傷を癒すまでの話ではなかったかなあと・・・少年の成長の物語としてはいいのですが。
このあたり、もしかしたら原作だともう少し違うのかもしれませんが。どうもEverything-の作者が書いた話にしては甘いというかハッピーエンドすぎる気がして。まあ、ベストセラーになったというので、実際にEverything-よりは一般ウケする作風になっているのかもしれませんが。(Everytihg-はちょっとベストセラーになりそうな感じではなかったですからね・・・)
オスカーの祖父のエピソードも、原作ではもう少し広がっていたのではないかなという気が。あそこがもう少しクローズアップされていたら、9.11と重ねて物語が重層的になっていたかなと思うのですよね・・・
などと、なまじEverything-を知っているからこそ文句を書いてしまいましたが、人よりも苦手なものが多い、神経質な少年が(劇中でアスペルガー症候群の診断を受けたけれど不確定と診断されたという台詞がありました)、モノ探しを通して父の死を乗り越え、成長する様は素直に感動的でした。出会う人たちの暖かさもホッとする感じでしたが、その背後にある理由がわかると更に・・・という仕組み。上手くできてるなあと思いました。
喋れない祖父のコミュニケーションの仕方も独特で面白かったですね。行き先を矢印で書き残して行ったりとか。
それにしても気になったのは、トム・ハンクスとサンドラ・ブロックの夫妻は何歳くらいの設定なんだろうなあということでした・・・(汗)


てな訳で今年見た映画の順位。
1.ものすごくうるさくて、ありえないほど近い / 2.日本列島いきものたちの物語 / 3.ヒミズ / 4.善き人
善き人最下位になってますが、悪くなかったんですよ。今のところ今年はレベルが高いですね~。まだハズレを観てません!

そして今年観に行く予定の映画
鑑賞済み「ヒューゴの不思議な発明」
3月24日公開「僕達急行~A列車で行こう」「マリリン7日間の恋」
4月4日公開「オレンジと太陽」
4月28日公開「テルマエ・ロマエ」
5月5日公開「宇宙兄弟」
5月12日公開「レンタネコ」
5月19日公開「ダークシャドウズ」
6月15日公開「スノーホワイト」
8月11日公開「桐島、部活やめるってよ」
夏公開「コロンビアーナ」
10月公開「フランケンウィニー」
秋公開「のぼうの城」「009 RE:CYBORG」「高地戦」
12月14日公開「ホビット 思いがけない冒険」
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サド侯爵夫人

2012年03月20日 | ミュージカル・演劇
美波ちゃんが出ているので観に行ってみました。いや、一度観てみたいなとも思っていたので・・・
しかし、睡眠不足がたたって二幕ほとんど寝てしまいました・・・(汗)(三幕ものですので終盤の三幕はなんとか起きてました(汗))いや美波ちゃんの出番はちゃんと観てたんですけど、ルネとモントルイユ伯夫人の延々のやりとりでついに睡魔が・・・(汗)まあ話の筋的には特に進展してなかったはずですが(大汗)
実は今回観に行くことになるまでどういう話か全く知らなかったんですが、サド侯爵に貞節を貫こうとするルネの行動は不可解ですね。侯爵への愛情とも違うようだし、貞節を尽くすことが正しいことだと思って貫いていたのか・・・世間で言うところの世間体とは違う次元で、彼女なりの行動の規範に則ってのことなのかなあ、などと思ったのですが・・・二幕の言い争いをもっとちゃんと聞いてたらもう少しわかったかなあ(汗)でも多分二幕の言い争いは、ルネの本心を語るものではなく、モントルイユ伯夫人を論破するためのものだったんじゃないかなとも思うのですが・・・って寝てたんでよくわかりませんけど(汗)
20年も尽くしてきて、釈放された途端に愛想を尽かす、というのはよくわかるなあと思いましたが。アルフォンス(サド侯爵)は、ルネのことを、どんな仕打ちをしてもついて来てくれると軽く見て、あの小説を書いたのでしょうが、それがルネにとっては今までやってきたことを全て否定されることだったなんて思いもしなかったのでしょう。
そんなルネの、何を考えているのかはかり難い不可解さを、蒼井優さんは涼しげに演じてました。ただ、もう少し不気味さ?が前面に出ても良かったかなあと。もう少し迫力が欲しい気がしました。三幕になると鬼気迫る迫力があって良かったのですが。他の人の話を聞いている時の表情とか怖くてよかったですね。
白石加代子さんのモントルイユ伯夫人は、和服がドレスになっている意表をついた衣装でインパクトがありました。なぜか笑いを取る場面が多かったですが、私的には「ここ笑うところ?」と思ってしまったのですが。
麻実れいさんのサン・フォン伯爵夫人の迫力はさすがでした。しかしお幾つなんでしたっけ・・・あの妖艶さはすごいですねえ。役柄にもぴったりでした。
美波ちゃんのアンヌは、登場人物たちの中では一番普通の真っ当な考え方の人、でしたね。思いのままに行動する、ルネにはない部分を持っている娘でしたが、ルネと比べるとむしろ普通に見えました。
ルネの発言をギョッとしたような表情で聞いているところとか、ルネの異常さ?を表しているようで良かったかなと。これは他の登場人物もそうだし、ルネ自身もそうでしたが、他の人の台詞を聞いている時の表情が面白かったですね。その人が何を考えているのか、どんなスタンスなのかがわかって。
あと、ヴェニスの思い出にひたるところとか、美波ちゃんらしいキラキラした夢見るような表情で良かったですね。あれ見ただけでも行った甲斐がありました(笑)
残念ながら三島由紀夫の美文調の魅力を味わうところまでは行きませんでしたが、濃密な空間に引き込まれて見ました。って二幕寝てたくせに・・・(汗)いつか睡眠充分な時にもう一度挑戦したいです・・・
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Trails in concert

2012年03月19日 | ミュージカル・演劇
ボニー&クライドを見た時に藤岡正明さんやっぱりいいなあ・・・と思って、その時に入っていたチラシで見て勢いでチケット取ってしまいました(笑)
藤岡正明さんが出るというだけでなく、作品の説明を読んだら、何かのフェスティバルで音楽が準優勝したと書いてあって、曲が良さそうなら行ってもそんなにハズレないかなーと思ったのもありました。
あと、会場のSpace107って、いつも新宿行く度に「こんなところに劇場あるんだ」と思っていて気になっていて、中に入るいいチャンスだなと思って(笑)
今回はコンサート形式での上演ということですが、キャスト全員が手に台本?を持っての上演でした。ただし、同行の妹が確認したところ、本には何も書いてなかったそうで、演出の一環なんですね。時々本を見て読むようにしているのも演出なんですね。
主人公二人が、トレイルコースを歩き、色々な人と出会いながらお互いの気持ちのわだかまりに決着をつけて行く、という、ありがちそうな設定だけれど、自分の足で歩くという行為には説得力があるかな、と思いました。
離れていた幼馴染二人のわだかまりの原因が、過去に行きつもどりつしながら次第に明らかになって行きますが、「なんだ女だけが原因かよ・・・」とちょっとがっかりでしたね。ありがちすぎというか。
「失われた王国は彼女だった」ってのもちょっと残念・・・もうちょっと深い話になるかなと思っていたので。
でもまあそれ以外はなかなか良かったかなと思いました。
主人公二人と出会う3人の人たちの言葉がなかなか深かったりして面白かったです。だからこそ「それに癒されるべき辛い思い出」にもう一ひねり欲しかったかな・・・
音楽は素晴らしく、ところどころソンドハイムを思わせるような曲があると思えば、子どもが歌うような単純なメロディもあり、という感じでしたが、どれも良かったです。
特に、二幕冒頭の重唱が迫力でしたね。歌の上手いキャストが揃っていたのでなおさらでした。
藤岡正明さんはやっぱりいいなあと思いました。歌が上手いというだけでなく、なんか役者として好きだなあと。繊細な気持ちを見事に表現していて、元々シンガーだったはずなのにすっかり立派な役者になってしまったんですねえ。
あと小此木麻里さんがやっぱり上手いですね~。エキセントリックな女の子の役が上手いですねえ。さすが。
山崎直子さんが演じていた元ヒッピーの女性ハーレーも面白いキャラクターでしたね。ただ、もっと役相応に年配でもう少しインパクトのある俳優さんがやってたらもっと笑えたのかな、と思ってしまいましたけど・・・
しかし山崎直子さん、ラストで主人公どっちか(忘れた・・・)が、彼女が彼に話していたのと同じことを言った時(何て言っていたかは忘れているという・・・)、アンサンブルとしてではなくハーレーとして見ていて微笑んでいたのがなんかグッと来ましたね。
そんな訳で曲は良かったし、なかなか楽しめました。
いずれコンサート形式ではなく正式?な形での上演も目指しているようですが、キャスト次第ではまた行ってもいいかな~
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日本列島いきものたちの物語(ネタバレ)

2012年03月16日 | 映画
動物好きなんですが、動物ドキュメンタリー映画はなかなかお金払って見ようとは思わない私・・・なんかどうせ泣かせる作りになってるんだろうなと思うとどうも見る気になれなくて。
でも、岩合光昭さんが撮影キャストに入っているというので、ちょっと見てみようかなと思い、見てきました。
岩合さんをはじめ野生動物の撮影に携わるカメラマンが多数参加している作品なのですが、映像の専門家でない人が撮るのはどうなんだろう、と思っていました。
でも、事前の宣伝番組?で、相羽雅紀さんが岩合さんの屋久島の撮影に同行した時の話があって、「岩合さんは自分たちでは近寄れないくらい動物たちの近くまで行ける」という話をしていて、なるほど野生動物の撮影のスペシャリストが撮るからこそというのがあるんだなあ、と納得しました。
エンドロールで撮影の様子などの映像が流れてましたが、パラグライダー使ってたり海に潜ってたりと、撮影裏話のドキュメンタリーだけでも面白そうでした。
あと、丹頂鶴の雛とか、本編に出てこなかった映像もたくさんあって、かなりカットされてたんだな、と残念でした。まあ時間の制限はあるでしょうけど・・・撮影したのに本編で使われなかったカメラマンさんもいたりしそうで・・・
本編は日本各地のいくつものエピソードを、春に始まって翌春までの1年間で平行して追っていました。1回しか出て来ない動物たちもいましたが、いくつかは継続的に撮影を行って、同じ子どもたちを追っていました。
動物の赤ちゃんがたくさん出てきてかわいいんだけど、巣立ちは切ないよなあ・・・野生動物たちの巣立ちの厳しさを見てると、大人になってものうのうと甘えて暮らしているペットってどうなんだろうと思ってしまいます(汗)
特に北海道のヒグマのポロとポンの兄弟、下北半島の日本ザルの子猿メダカの2組がずっと追いかけて取材されてました。この2組がメインでしたね。
六甲山のウリ坊も、あんなにゴロゴロたくさんいてかわいかった兄弟たちがたった2匹になっていたのがショック・・・子沢山なのは生存率が低いからだというのはわかってはいたけれど・・・
親をなくした子ザルのメダカの運命がショックで、なんかその夜はあまり寝付けませんでした・・・だから動物モノはダメなんだよなあ。もしかしたらどこかで生きているかもしれないけれど。
そのメダカのエピソードの直後に、無事に大きくなって巣立ちするポロとポンのエピソードがあって、特に不器用だったポンがちゃんと魚を獲れるようになっていたのが、なんか泣けてしまって仕方なかったです。作りが上手いよなあ。
器用な子と不器用な子のきょうだいというと、うちのにゃんこたちを思い出してしまって。うちは不器用な方が生き残りましたが・・・(ポロとポンは両方無事に大人になってます)
岩合さんが担当した屋久島は、群れのボス以外は特に個体を追ったドキュメンタリーではありませんでしたが、屋久島の自然の美しさと厳しさ、生命と死の対比が印象的でした。あと、鹿に乗って遊ぶ?サルの貴重な映像とか。
あ、ラッコがアザラシに近寄る映像も珍しかったですね。ラッコは仲間と暮らすのが普通なのでアザラシに近寄っていきましたが、アザラシは単独行動なのでラッコが近寄るのを嫌がってた、というのが面白かったですね。
アザラシの出産シーンも貴重な映像でした。よくあんな場面撮れるよなあと思ってしまう・・・
全体として、これ本当に日本?という、美しい自然がたくさん撮影されていて、日本にもまだまだ自然があるんだなあ、と思いました。北海道や屋久島はまだわかりますが、神戸からすぐ近くの六甲山まで・・・
日本もまだまだ捨てたもんじゃないなあと思いつつ、その自然をちゃんと守って行かないといけないなあ、と思いました。


てな訳で今年見た映画の順位。
1.日本列島いきものたちの物語 / 2.ヒミズ / 3.善き人
まだ3本とは言えドキュメンタリーが1位に来るのは初めてかも・・・

そして今年観に行く予定の映画
鑑賞済み「ものすごくうるさくて、あり得ないほど近い」
公開中「ヒューゴの不思議な発明」
3月24日公開「僕達急行~A列車で行こう」「マリリン7日間の恋」
4月4日公開「オレンジと太陽」
4月28日公開「テルマエ・ロマエ」
5月5日公開「宇宙兄弟」
5月12日公開「レンタネコ」
5月19日公開「ダークシャドウズ」
6月15日公開「スノーホワイト」
8月公開「桐島、部活やめるってよ」
10月公開「フランケンウィニー」
秋公開「のぼうの城」「009 RE:CYBORG」「高地戦」
12月14日公開「ホビット 思いがけない冒険」
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ハムレット

2012年03月15日 | ミュージカル・演劇
チェコ発のロックミュージカルのハムレットを見てきました。チェコ発と言いつつ、韓国版をベースにしていたようですが、私は見たことないのでどんなもんだかわかりませんが・・・
ハムレットは以前井上芳雄さんがレーアティーズを演じた蜷川版を見たことがあります。
シェイクスピアの作品って結構面白いと思うことが多いんですが、ハムレットはどうも苦手で・・・多分ハムレットの行動に共感できないからなんだろうな~と思うのですが。どうもひどい奴だとしか思えなくて・・・
このロックミュージカル版では、話がかなり端折られていて、まるであらすじかダイジェストのようだという感想もみかけましたが、私は逆に要点だけ拾っている感じで簡潔で見やすかったかなーと。作品に思いいれがないからかな(汗)
曲はそんなにロックでもないなーという印象なのは歌い手のせいかもしれませんが(汗)ロックというよりはポップスかな、という感じはありました。
キャスティングを見た時は、ロックになるのかな~という感じでしたが、まああんまりロックとは言えないな・・・という方もいましたが、思ったよりは違和感なく聴けました。まあもっとロックっぽく歌える人がやったらまた全然印象が違うかもしれませんが。
井上芳雄さんの歌い方は特に違和感はありませんでした。本来の歌い方でないので勿体無いという意見も多いみたいでしたが、私はあの歌い方も結構好きですね。歌は上手いのにもっと全然ロック歌うのに違和感ある、という人もいますから、それを思えば全然(汗)
そして、なんか以前見た藤原竜也さんのハムレットよりも良かったかな、ハムレットとして。まあ何年も経ってるので当時と比べてもあまり意味ないとは思うのですが。やっぱり思い悩む役が似合うなあ・・・
逆にレーアティーズは今回の伊礼彼方さんの方が良かったです。ストレートに熱い役がハマってました。そういやヴロンスキーも伊礼彼方さんの方が役としてはハマってると思ったなあ。
伊礼彼方さん、ロックというかポップスな曲調が合うのか、今まで観た中で一番歌が良いな、と思いました。
涼風真世さんも、なんだか今まで観た中で一番歌が上手く感じましたね。実はいかにもなミュージカルの曲よりもポップスの方が得意なのかも?
また涼風真世さん、美しかったですね~。本当に井上芳雄さんのお母さんでもなくはない年齢なはずなのに(まあ大分若いお母さんですけど)あの美しさって・・・まさに「美しすぎる母」でぴったりでした。
ガートルードの印象って今まであまりなかったんですが、それだけ印象的だったということかな。まあこの作品で特にガートルードが目立っているのかもしれないけれど。
あとは、なんと言ってもオフィーリアの昆夏美さんですね~。ジュリエットも初々しくて歌も良くて良かったですが、オフィーリアも良かったです。なかなか素直に初々しい純粋さで演じられるものではないですよね。
しかしデビューから続けて2作でシェイクスピアの2大ヒロインをやるなんてすごいなあ。今後も楽しみです。
というわけでなんかおおまかなキャストの感想だけになりましたが・・・
作品としてはそんなに悪くない・・・と思うのですが、やっぱりハムレットの話ってあんまり好きじゃないなあ、というのも確認しちゃったかなという感じです(汗)
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トンマッコルへようこそ

2012年03月13日 | ミュージカル・演劇
映画が好きで、元は戯曲だったというので、どんなだったのかな・・・と思っていたのですが、それが日韓演劇フェスティバルで日本語上演されると知って、観てきました。
劇団桟敷童子による上演です。
会場に行ったら、なんと終演後にオリジナルの脚本・演出(映画の演出は違う人です)のチャン・ジン氏と日本版の演出の東憲司さんの対談があるというではないですか。ラッキーでした。
座席は全席自由で整理番号順入場だったのですが、自由席だと最前列って皆敬遠するもんなんですね~(汗)

しかし、後でトークショーで知ったのですが、脚本が結構オリジナルから変更されていたんですね。オリジナルがどんなか知りたかったのでちょっとがっかり・・・
でも、実際観てみて、コンパクトにまとまっていて、むしろオリジナルよりもすっきりしていて良かったんじゃないかな、とオリジナル知らないながらも思いました。チャン・ジン作品はちょっと長くてだれる部分もあったりしますから・・・映画も前半ちょっと長すぎな感じでしたしね。
チャン・ジン氏も「今まで見た中で一番良かった」と言っていましたが、あながちリップサービスだけでもないかな、と思いました。
演出の東氏は、映画で「トンマッコル」を観て感動したことがあるそうで、その体験から、脚本を絞り込んで、物語の大事な部分を残してすっきりまとめることができたのかな、と思いました。
チャン・ジン氏も、「なんで自分はあんなに長くしたのかわからなくなった」と言ってました(笑)
ただ、カットされるにあたって笑えるシーンがかなり少なくなったらしく、そこはちょっと残念と言ってましたね。
(猪のシーンは映画オリジナルだそうです。後でトークショーで言ってました)

映画ではトンマッコルの住人は天使のように無邪気でどこかファンタジックなのに対して、戯曲の方はもっとリアルでシビアだと聞いていましたが、確かにもう少し人間くさい感じがありました。ヨイルが村長の隠し子だったり、村人たちも戦争やってることは知っていたり。
村長の母親も、映画だとただかわいい感じでしたが、戯曲ではもっと毒があるというか、ボケているのをいいことにやりたい放題?な感じで、映画とは大分違う感じでしたね。
でもスミスが意外と目立たないのは同じなんだなーとか(笑)
山の中の木々に囲まれたようなセットも、小さい舞台ながら印象的で良かったです。
ただ、劇団でやっているからでしょうが、人数の関係か、女性が男性役をやっていたり、若い人が老人をやっていたりしたのが、まあ舞台だったらありではあるんですが、やや違和感だったかなあ。
でも、久々に観て、恥ずかしいくらいおお泣きしてしまいました。やはり好き・・・というには辛い話ですが、いい作品だと思いました。
朝鮮戦争(韓国では韓国戦争と言うんですね)が韓国の人たちのように自分たちの歴史として刻み込まれているわけではないので、韓国の人たちが感じるのとはまた違うのでしょうが、それでも普遍的に人の心を打つものがある作品だと思います。
(と言っても、お正月に池上彰さんの現代史講座をテレビで見て朝鮮戦争の経過を知ってから観たので、よりわかりやすかったですけど。漢江の橋を落としたの実話だったんだ・・・とその時ショックを受けました・・・)
根源にあるヒューマニズムに心揺さぶられるんだろうなあと。民族がどうとか思想がどうとか、そういうのを超えたところで「人を殺すのはもう嫌だ」という、そういう普遍的なものが心を打つのだろうなあと思いました。

トークショーで、チャン・ジン氏にこの作品を作ることになったきっかけを聞いていました。
もともとこういう作品を作ろうと計画していたわけではなく、たまたま初演の会場のこけら落とし?の作品を作ることになっていたのに、全く書けなくて行き詰まり、車で国内をあちこち旅行していたところ、トンマッコルの舞台となった白山の麓の村にたどり着き、村の人々と酒を酌み交わしたりするうちに、トンマッコルの村のイメージが浮かび、2週間で書き上げたのだそうです。
だから、特に朝鮮戦争の話を書こうと思ったわけではなかったのですね。
ただ、トンマッコルのイメージから朝鮮戦争の話になったということは、日頃から朝鮮戦争に対するスタンスはあのようなものだったんだな、というのは想像できますね。実際トークショーで朝鮮戦争について聞かれたとき、「とても愚かなことだった」と言ってました。
トンマッコルを上演した頃は、韓国国内のいわゆる右翼団体から非難されたりしたそうです。

そんなわけで、思いがけずチャン・ジン氏の裏話も聞けて、久々にトンマッコルの世界に触れることもできて、良かったです。
久々にDVD観ようかな・・・と思いつつなかなか見る暇がないのですが(汗)
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ヒミズ(ネタバレ)

2012年03月01日 | 映画
この映画がベネチアで「主演二人がマストロヤンニ賞受賞」ってニュースが流れた時、女の子の方が二階堂ふみちゃんと知って「ええ~!」っとびっくりしたものでした。「熱海の捜査官」の市長の娘レミー役がかわいくて、かなり気に入ってたんですよね。上野樹里ちゃん以来じゃないかというくらいに。でもその割にはその後の動向や出演作のチェックまではしていなかったので(これも樹里ちゃんの時と同じ(笑))、びっくりしたと同時に嬉しかったものでした。
というわけで公開を楽しみにしてました。
なかなかに重い話でしたが、それなりに覚悟して観に行ったので、そんなにショッキングではなかったです。
子どもの将来は親の生活環境で決まる、というシビアな現実は「女の子ものがたり」でも描かれていましたが(しかもあれは半自伝的な話なのでリアリティがすごかった)、主人公の住田は、そんな連鎖から抜け出して「自分は普通の大人になる」と決意しています。
「女の子ものがたり」では女の子たちはなす術もなく親と同じような道を進んでいきましたが、それを思うと住田の決意はすごいことだと思います。たとえそれが夢に向かって努力するようなことではなく、ただ静かに暮らしていくことだけでも。それはとても難しいことだと思うから・・・
住田も自分の意に反して道を踏み外してしまうのかな、と予想していましたが、自暴自棄になりながらも頑なに親と同じような道を選ばなかったのはすごいなと思いました。
衝動的に通り魔的な行動をする若者たちと遭遇しながら、自分も爆発してしまいたい、でも彼らと同じになりたくない、そんな葛藤に苦しみながら彷徨する住田が、どんな結末に至るのかを固唾を飲んで見てしまいました。
最後はきっと銃を捨てるだろう、と思っていたというよりは願っていたのですが、もしかして違った? と一瞬思ってしまったので、生きていた時は素直に嬉しかったです。考えてみたら予告とか宣伝でよく流れていたシーンがまだ出てきていなかったのですが、そのシーンが出てくるまでそんなのすっかり忘れてしまってました(汗)
茶沢にしても、心優しいけれど何もできないホームレスたちにしても、住田を具体的に救ってくれる力は持っていないけれど、彼らの住田を思う気持ちが最終的に彼を救うことができたのかな、と思うとじんわりとしました。
特に、ホームレスたちが住田のために走っていく場面が良かったですね。
被災しただけでホームレスになってしまうのか・・・というあたりのリアリティはどうなんだろうと思ったけれど、優しくて弱い人たちだからああなってしまったのかな。
しかし、あんなに何回も通り魔に遭遇するなんてあり得ないと思うんだけど・・・それとも何かに惹き付けられてそういう場面にばかり遭遇してた?
あり得ないと言えば、中学生が何日も無断欠席したらいくらなんでも普通自宅に様子見に行ったりすると思うんだけど・・・茶沢は家の人が適当に連絡していた可能性はあるとしても、住田の家には行くよなあ。荒れまくっていてたかだか学校に来ないくらい構ってられない、という学校でもなさそうだったし、ちょっとリアリティがない気がしました。2,30年前くらいならあったのかなあ?(原作は10年前らしいですが)
茶沢を演じるふみちゃんは、ちょっと空気読まない押し付けがましい感じがふみちゃんらしいな・・・と微笑ましくてよかったです。(ふみちゃんぽいと言っても本人がどんな子かまだあまり知らないので、今まで演じていたイメージからですけど)
茶沢は自分の苦しみを誰にも言わないけれど、住田を応援することで自分も救われるように思っていたのかな。彼女もまたすごいというか強いな、と思いました。
大人が誰も助けてくれない中、彼らにはどんな未来が待っているのか・・・甘くはないと思うけれど、それでも頑張って生きて行って欲しい、できればささやかで良いから幸せになって欲しい、と思いました。
シビアな話だったので、さわやかな鑑賞後ではありませんでしたが、どこか暖かいものが残る作品でした。

てな訳でまだ2本ですが今年見た映画の順位。
1.ヒミズ / 2.善き人

そして今年観に行く予定の映画
鑑賞済み「日本列島いきものたちの物語」
公開中「アフロ田中」「ヒューゴの不思議な発明」
3月24日公開「僕達急行~A列車で行こう」
4月4日公開「オレンジと太陽」
4月28日公開「テルマエ・ロマエ」
5月5日公開「宇宙兄弟」
5月公開「ダークシャドウズ」
8月公開「桐島、部活やめるってよ」
10月公開「フランケンウィニー」
秋公開「のぼうの城」「009 RE:CYBORG」
12月14日公開「ホビット 思いがけない冒険」
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