ネタがないので悪あがきせずに?キャラ語り行ってみます。
今回はデネソールです。
デネソールとの出会いは、原作のミナス・ティリスの王の間・・・だったと思うんですが。
正直なところ、初読時には怖いおじさん、悪役みたいなイメージしかありませんでした・・・(汗)
何よりも、デネソールの狂気の理由がよくわからなかったんですね。(もともとおかしい人だった、とは思いませんでしたね・・・(汗))
最後の「息子を連れて行かないでくれ!」のあたりは素直にかわいそう、と思いましたが・・・
そのイメージが変わってきたのは、多分3回目に読んだ時あたりだったと思います。
実は私は「追補編」は映画FotRを見た後、2回目の原作読書が終わったから読んだのでした。
その時、トールキンがデネソールのことを、本編ではあんな扱いをしておきながら、ヌメノールの血が濃く残った(そんな書き方ではなかったですが(汗))高貴に人物、という風に書いていたので、「あれ?」と思ったのでした。(ファラミアにもヌメノールの血が濃く出ているのに対してボロミアはあんまり・・・みたいな記述にちょっとムッとしてたりもしましたが(汗))
そんなことを踏まえつつ?3回目を読んだ時、「あ、そうか」と気がついたことがありました。
セオデンとデネソールが対比されていることは、それぞれメリーとピピンが忠誠を誓ったということあたりからもある程度はわかっていたつもりでしたが、この時、セオデンとデネソールが対比されている、ということが初めてはっきり理解できたのでした。
デネソールの狂気、あれは、セオデンが捉われていた暗黒と同じものだったんじゃないか、と気がついたのです。そうしたら、芋づる式に色んなことが見えてきて、まさに目からウロコ、でした。
セオデンは暗黒から自ら抜け出し、栄光のうちに死んでいきましたが、デネソールは抜け出すことができなかった。そう思ったら、俄然デネソールがかわいそうに思えて来ました。
「追補編」でのデネソールについての記述も、デネソールの狂気の理解につながりました。
デネソールは、パランティアを使うことで、サウロンの暗黒に直接捉われてしまったのですね。セオデンが、サルマン→グリマを介して暗黒に捉われたのに比べ、遥かに強い力に捉えられていたのです。しかも、デネソールはその力に侵されつつも、ギリギリまで戦ったのですよね。
そして、デネソールがついに暗黒から抜け出すことができなかったのは、デネソールの高貴さ、自尊心の高さゆえでもあったでしょう。セオデンのように、素直にガンダルフの言葉に耳を傾け、自ら歩み出すことができなかったのでしょう。
そう思うと、デネソールは哀しいな・・・と思って、急激にデネソールが好きになって行ったのでした。
最近、HoMEシリーズのThe History of the Lord of the Ringsを読んでらっしゃるえるさんのブログで、草稿の段階では、ガンダルフがデネソールの死後、デネソールの狂気と転落に対して理解のあることを言っていたことを知って、へえ~と驚きました。やっぱりトールキンもそのつもりで書いてたんですね。
なぜ本編ではこの台詞はカットしてしまったのでしょうか。なんだかこのあたりの草稿では、デネソールのファラミアに対する態度もどんどん厳しいものに変えて行っている様子もわかって、トールキンがデネソールをどんどん追い込んで?いるようで、なかなか興味深いです。
でも、この台詞があったら、映画のデネソールももしかしてもちょっと違う感じになったのでしょうか・・・いや関係ないかなあ(汗)
もうひとつ、デネソールの好きだなーと思うところがあります。それはもう、ホビット・・・というかピピンに対する態度ですね。
実は初読時も、デネソールがピピンに心を動かされた、というところは気になっていたのですが、あまりはっきりと描かれてなかったので、そんなに強い印象ではありませんでした。
でも、そのあたりも何回か読むうちにじわじわと効いてきました(笑)
セオデンのようにはっきりと態度では示さないけれど、デネソールもまたピピンに癒されていたのかもしれないなと。
最後にあたり、ピピンに対して奉公を解くといい、好きなところで死ぬがよい、というデネソール。
狂気に蝕まれながらも、ピピンのことを放っておかず、「好きなところで死ぬ」という、絶望したデネソールにとっては最大の思いやりだと思われる言葉をかけたことを思うと、デネソールはピピンのことをそれなりに大事に思っていたのではないか、と思えます。
もしかしたら、小鳥を籠の中に捕らえておきたいと思うように、ピピンを手元においておきたかったのかもしれないな、なんて思ったりもします。それがピピンにとって自由を奪われた小鳥のようなことであることを理解しながらも。だからこそ、最後にわざわざ「奉公を解く」と言ったんじゃないのかなと。
映画で、デネソールがピピンを自ら引きずってラス・ディネンの外に引きずり出すシーンもなんだか好きなんですよね。誰かに命令すればいいのに、わざわざ自ら引っ張っているのが。なんだか絵的にもかわいい気がするんですが・・・(笑)
こういうデネソールのホビットに対する態度は、そのまんま親切だったボロミアよりも、やっぱりファラミアに近いなあと思ったりもします。
そんなこんなで、すっかりデネソールが好きになった頃、映画のデネソールはひどいらしい、という噂を聞き・・・TTT SEEを見て、もうがっくり、でしたね・・・
デネソールはサウロンの暗黒に捉われて狂気に蝕まれたはずなのに・・・最初からひどい人になってる、もしかして!?
ジョン・ノブルの演技も過剰すぎて・・・いや、演技の問題ではなく、やはり脚本なんですよね・・・
私の中でのデネソールは、もっとクールで冷静で冷酷な感じだったんですよ。その冷酷なデネソールが次第に崩れ去っていく様が哀れ、と思ってたんですが・・・
でも、ラジオドラマのデネソールの声の演技、びっくりするくらいジョン・ノブルと似てたんですよね・・・デネソールのイメージってああいうのが一般的なんでしょうか・・・
ミナス・ティリスから火だるま投身自殺もあんまりだ~(汗)これは事前にネタバレで知っていて本当に良かったです。知らずにあれ観たら「なんじゃこりゃ~!」でしばらく話に戻って行けなかったと思います・・・(汗)
そんな映画のデネソールですが、RotK SEEでちょっとイメージ回復しましたかね。(RotK SEEでイメージよくなった数少ない人ですね(汗))絶望する様に、しみじみとかわいそう、と思えました。
SEEだとピピンとファラミアのシーンがあるのもあって、ピピンが歌った後にデネソールを見て辛そうな顔をするのが、ファラミアのことだけでなく、デネソールのことも哀しく思っているだな、と思えるのもいいなあと思います。
デネソールに関しては、最初にあまり理解できなかったせいか、少しずつ理解できて行くにつれて、どんどん好きになって行っているキャラクターだと思います。
まだ朗読CDではデネソール出てきていませんが(というかまだアラゴルンすら出て来てないんですが(汗))、Rob Inglisさんはどのようなデネソールを演じてくれているのでしょうか。なんだか楽しみになって来ました! ってまだ当分先の話ですが・・・
しかし、デネソールも長くなりましたね~(汗)どうも執政家の人たちについては語りたくなってしまうらしいです(笑)
次回のキャラ語りは、実はまだやっていなかったビルボです。
今回はデネソールです。
デネソールとの出会いは、原作のミナス・ティリスの王の間・・・だったと思うんですが。
正直なところ、初読時には怖いおじさん、悪役みたいなイメージしかありませんでした・・・(汗)
何よりも、デネソールの狂気の理由がよくわからなかったんですね。(もともとおかしい人だった、とは思いませんでしたね・・・(汗))
最後の「息子を連れて行かないでくれ!」のあたりは素直にかわいそう、と思いましたが・・・
そのイメージが変わってきたのは、多分3回目に読んだ時あたりだったと思います。
実は私は「追補編」は映画FotRを見た後、2回目の原作読書が終わったから読んだのでした。
その時、トールキンがデネソールのことを、本編ではあんな扱いをしておきながら、ヌメノールの血が濃く残った(そんな書き方ではなかったですが(汗))高貴に人物、という風に書いていたので、「あれ?」と思ったのでした。(ファラミアにもヌメノールの血が濃く出ているのに対してボロミアはあんまり・・・みたいな記述にちょっとムッとしてたりもしましたが(汗))
そんなことを踏まえつつ?3回目を読んだ時、「あ、そうか」と気がついたことがありました。
セオデンとデネソールが対比されていることは、それぞれメリーとピピンが忠誠を誓ったということあたりからもある程度はわかっていたつもりでしたが、この時、セオデンとデネソールが対比されている、ということが初めてはっきり理解できたのでした。
デネソールの狂気、あれは、セオデンが捉われていた暗黒と同じものだったんじゃないか、と気がついたのです。そうしたら、芋づる式に色んなことが見えてきて、まさに目からウロコ、でした。
セオデンは暗黒から自ら抜け出し、栄光のうちに死んでいきましたが、デネソールは抜け出すことができなかった。そう思ったら、俄然デネソールがかわいそうに思えて来ました。
「追補編」でのデネソールについての記述も、デネソールの狂気の理解につながりました。
デネソールは、パランティアを使うことで、サウロンの暗黒に直接捉われてしまったのですね。セオデンが、サルマン→グリマを介して暗黒に捉われたのに比べ、遥かに強い力に捉えられていたのです。しかも、デネソールはその力に侵されつつも、ギリギリまで戦ったのですよね。
そして、デネソールがついに暗黒から抜け出すことができなかったのは、デネソールの高貴さ、自尊心の高さゆえでもあったでしょう。セオデンのように、素直にガンダルフの言葉に耳を傾け、自ら歩み出すことができなかったのでしょう。
そう思うと、デネソールは哀しいな・・・と思って、急激にデネソールが好きになって行ったのでした。
最近、HoMEシリーズのThe History of the Lord of the Ringsを読んでらっしゃるえるさんのブログで、草稿の段階では、ガンダルフがデネソールの死後、デネソールの狂気と転落に対して理解のあることを言っていたことを知って、へえ~と驚きました。やっぱりトールキンもそのつもりで書いてたんですね。
なぜ本編ではこの台詞はカットしてしまったのでしょうか。なんだかこのあたりの草稿では、デネソールのファラミアに対する態度もどんどん厳しいものに変えて行っている様子もわかって、トールキンがデネソールをどんどん追い込んで?いるようで、なかなか興味深いです。
でも、この台詞があったら、映画のデネソールももしかしてもちょっと違う感じになったのでしょうか・・・いや関係ないかなあ(汗)
もうひとつ、デネソールの好きだなーと思うところがあります。それはもう、ホビット・・・というかピピンに対する態度ですね。
実は初読時も、デネソールがピピンに心を動かされた、というところは気になっていたのですが、あまりはっきりと描かれてなかったので、そんなに強い印象ではありませんでした。
でも、そのあたりも何回か読むうちにじわじわと効いてきました(笑)
セオデンのようにはっきりと態度では示さないけれど、デネソールもまたピピンに癒されていたのかもしれないなと。
最後にあたり、ピピンに対して奉公を解くといい、好きなところで死ぬがよい、というデネソール。
狂気に蝕まれながらも、ピピンのことを放っておかず、「好きなところで死ぬ」という、絶望したデネソールにとっては最大の思いやりだと思われる言葉をかけたことを思うと、デネソールはピピンのことをそれなりに大事に思っていたのではないか、と思えます。
もしかしたら、小鳥を籠の中に捕らえておきたいと思うように、ピピンを手元においておきたかったのかもしれないな、なんて思ったりもします。それがピピンにとって自由を奪われた小鳥のようなことであることを理解しながらも。だからこそ、最後にわざわざ「奉公を解く」と言ったんじゃないのかなと。
映画で、デネソールがピピンを自ら引きずってラス・ディネンの外に引きずり出すシーンもなんだか好きなんですよね。誰かに命令すればいいのに、わざわざ自ら引っ張っているのが。なんだか絵的にもかわいい気がするんですが・・・(笑)
こういうデネソールのホビットに対する態度は、そのまんま親切だったボロミアよりも、やっぱりファラミアに近いなあと思ったりもします。
そんなこんなで、すっかりデネソールが好きになった頃、映画のデネソールはひどいらしい、という噂を聞き・・・TTT SEEを見て、もうがっくり、でしたね・・・
デネソールはサウロンの暗黒に捉われて狂気に蝕まれたはずなのに・・・最初からひどい人になってる、もしかして!?
ジョン・ノブルの演技も過剰すぎて・・・いや、演技の問題ではなく、やはり脚本なんですよね・・・
私の中でのデネソールは、もっとクールで冷静で冷酷な感じだったんですよ。その冷酷なデネソールが次第に崩れ去っていく様が哀れ、と思ってたんですが・・・
でも、ラジオドラマのデネソールの声の演技、びっくりするくらいジョン・ノブルと似てたんですよね・・・デネソールのイメージってああいうのが一般的なんでしょうか・・・
ミナス・ティリスから火だるま投身自殺もあんまりだ~(汗)これは事前にネタバレで知っていて本当に良かったです。知らずにあれ観たら「なんじゃこりゃ~!」でしばらく話に戻って行けなかったと思います・・・(汗)
そんな映画のデネソールですが、RotK SEEでちょっとイメージ回復しましたかね。(RotK SEEでイメージよくなった数少ない人ですね(汗))絶望する様に、しみじみとかわいそう、と思えました。
SEEだとピピンとファラミアのシーンがあるのもあって、ピピンが歌った後にデネソールを見て辛そうな顔をするのが、ファラミアのことだけでなく、デネソールのことも哀しく思っているだな、と思えるのもいいなあと思います。
デネソールに関しては、最初にあまり理解できなかったせいか、少しずつ理解できて行くにつれて、どんどん好きになって行っているキャラクターだと思います。
まだ朗読CDではデネソール出てきていませんが(というかまだアラゴルンすら出て来てないんですが(汗))、Rob Inglisさんはどのようなデネソールを演じてくれているのでしょうか。なんだか楽しみになって来ました! ってまだ当分先の話ですが・・・
しかし、デネソールも長くなりましたね~(汗)どうも執政家の人たちについては語りたくなってしまうらしいです(笑)
次回のキャラ語りは、実はまだやっていなかったビルボです。