再びTolkien Wrightig Day参加の記事です。
またしてもサントラの話ですが…(ネタがない)
ホビット映画のサントラに出て来るテーマは、残念ながらLotRほど劇的に変化して成長したものはあまりなかったかなと思います。映画は同じ三部作ですが、そもそも原作がLotRよりもずっと短い物語で、登場人物も舞台となる土地もずっと少ないですから、仕方ないことなのですが。
そんな中で、唯一劇的な変化を遂げたのが、バルドのテーマとギリオンのテーマだと思います。
闇の森の王国のテーマ(Woodland Realm Theme)も色々と変化している点では面白いのですが、テーマとして物語の中で成長している、というのとはちょっと違いましたし。(LotRで言うとロリアンのテーマと同じような扱いかもしれません)
トーリンのテーマもそんなに変化はなかったし、ドワーフ関連のテーマは変化するというよりも新しいテーマが出て来るという感じでしたし。
ビルボの単独のテーマが残っていたらまた違ったかもしれないなあと思ったりするのですが…
さて、そもそもバルドのテーマとかギリオンのテーマって?と思う方も多いでしょう。
まずバルドのテーマですが、DoSではバルドが舟にドワーフたちを乗せて湖を進む場面などで流れています。正直ちょっと冴えないというか、地味なテーマで(^^;)私もDoSのデラックス版サントラCDのライナーノートに楽譜が出ていなかったら認識できなかったと思います…(汗)
このバルドのテーマについて、「悪役のテーマかと思った」とおっしゃった方がいて、なるほど、と思ったことが。映画のバルドは最初敵か味方かわからないような感じで出て来るので、敢えて不気味な感じにしたのかなあと。
それにしてもバルドにしては冴えないテーマだなあ、とDoSの時点では思っていた訳です。
一方ギリオンのテーマは、同じくDoSでバルドの家からギリオンの大弓を見たトーリンたちが、スマウグと戦うギリオンを回想する場面で流れます。ここではホルン(とトロンボーン?)、次いでヴィオラとチェロ(多分)でゆったりとどこか物悲しく流れています。
このバルドのテーマ、ギリオンのテーマが、BoFAでは劇的な変化を見せるのです。
まずスマウグの襲来に人々が逃げ惑う中、バルドが牢を抜け出す場面で、あのDoSでは冴えない感じだったバルドのテーマが、華やかで勇ましいメロディに変化して流れるのです! DoSでは後半部分が胡散臭げに(汗)半音上がっていたところ、4音(完全四度)上がって長調になっているのが、華やかな変身の肝かなあと思います。
そしてバインが黒い矢のことを思い出し、舟から飛び出す場面で、今度はギリオンのテーマが打って変わってテンポも速く、勇ましいアレンジで流れます。ここはギリオンが遺した黒い矢を表すのと同時に、ギリオンの子孫でもあるバインの勇気も示しているのかもしれません。
その後、バルドが物見の塔の上で黒い矢を手にスマウグと対峙する場面でも、朗々とギリオンのテーマが流れます。ギリオンのテーマはDoS EEの特典映像に映った楽譜には「Gilion/Bard」となっていましたから、ギリオンのテーマでありつつ、バルドも表しているテーマなのでしょう。
そしてバルドが折れた弓でスマウグに立ち向かうことを決める場面で、バルドのテーマが再び華やかに流れます。
ちょっと話が逸れますが、ここでバルドのテーマ、ギリオンのテーマが盛り上がってスマウグを倒すのではなく、バルドの家族のテーマ(仮)の少年合唱の優しいメロディに変わるところがまた良いなあと思います。
ギリオンのテーマのBoFAでの変化は、LotRでのゴンドールのテーマ(Realm of Gondor)を思い出させるところがあります。FotRのエルロンドの会議では物悲しくホルン1本で流れていたテーマが、RotKの予告で華やかに堂々と流れた時の驚きは忘れられない衝撃でした。
映画のバルドは色々とアラゴルンと被せているなあと思わせるところがあるのですが、このギリオンのテーマの使い方もその一つじゃないかなと思っています。
(他にも、バルドがトーリンとの交渉が決裂して馬で走って戻る場面で、アラゴルンのテーマと同じ三音のフレーズが使われているんですよね。ここ一ヶ所だけですけど。場面の絵面的にもアラゴルンが角笛城に到着する場面を彷彿とさせます)
そして、DoSで冴えないだとか悪役みたいだとか思われていた(^^;)バルドのテーマの華やかな変化は、そのまま映画のバルドの華やかな英雄への変化を表しているようで、そのテーマの使い方の妙に唸ってしまうのでした。
このスマウグ襲撃からバルドが倒すまでの一連の場面の音楽、サントラCDのトラック名だとFire and Waterは、スマウグのテーマが次第にテンポを上げて緊迫感を増して行くところをはじめ、情景描写としても、一連の場面の音楽としてのまとまりも、LotR、ホビット映画のサントラの中でも名曲と言って良いのではないかと思っています。ホビットサントラの中では一番好きかも…
(ちなみにエレボールの表門前でエルフ軍とダイン軍が一触即発、の場面の闇の森の王国のテーマとダインのテーマが絡み合うところのCDバージョン(The Clouds Burst2:39~)もすごく好きなのですが、映画本編では大ミミズが出て来るのが早すぎて一瞬しか流れないのが残念です…)
ただ、バルドのテーマもギリオンのテーマも、この場面が最高潮で、この後は発展して行かないのですよね…そのあたりがちょっと残念です。
やはりテーマの使い方はLotRサントラには敵わないかなあ、と思ってしまうところでもありますね…
とはいえ、もちろんホビットサントラも名曲がたくさんありますし、LotRと共通のテーマ・モチーフが使われているという楽しみもありますし、何と言ってもドワーフの音楽がたくさん出て来るし、名サントラだと思ってます。
またしてもサントラの話ですが…(ネタがない)
ホビット映画のサントラに出て来るテーマは、残念ながらLotRほど劇的に変化して成長したものはあまりなかったかなと思います。映画は同じ三部作ですが、そもそも原作がLotRよりもずっと短い物語で、登場人物も舞台となる土地もずっと少ないですから、仕方ないことなのですが。
そんな中で、唯一劇的な変化を遂げたのが、バルドのテーマとギリオンのテーマだと思います。
闇の森の王国のテーマ(Woodland Realm Theme)も色々と変化している点では面白いのですが、テーマとして物語の中で成長している、というのとはちょっと違いましたし。(LotRで言うとロリアンのテーマと同じような扱いかもしれません)
トーリンのテーマもそんなに変化はなかったし、ドワーフ関連のテーマは変化するというよりも新しいテーマが出て来るという感じでしたし。
ビルボの単独のテーマが残っていたらまた違ったかもしれないなあと思ったりするのですが…
さて、そもそもバルドのテーマとかギリオンのテーマって?と思う方も多いでしょう。
まずバルドのテーマですが、DoSではバルドが舟にドワーフたちを乗せて湖を進む場面などで流れています。正直ちょっと冴えないというか、地味なテーマで(^^;)私もDoSのデラックス版サントラCDのライナーノートに楽譜が出ていなかったら認識できなかったと思います…(汗)
このバルドのテーマについて、「悪役のテーマかと思った」とおっしゃった方がいて、なるほど、と思ったことが。映画のバルドは最初敵か味方かわからないような感じで出て来るので、敢えて不気味な感じにしたのかなあと。
それにしてもバルドにしては冴えないテーマだなあ、とDoSの時点では思っていた訳です。
一方ギリオンのテーマは、同じくDoSでバルドの家からギリオンの大弓を見たトーリンたちが、スマウグと戦うギリオンを回想する場面で流れます。ここではホルン(とトロンボーン?)、次いでヴィオラとチェロ(多分)でゆったりとどこか物悲しく流れています。
このバルドのテーマ、ギリオンのテーマが、BoFAでは劇的な変化を見せるのです。
まずスマウグの襲来に人々が逃げ惑う中、バルドが牢を抜け出す場面で、あのDoSでは冴えない感じだったバルドのテーマが、華やかで勇ましいメロディに変化して流れるのです! DoSでは後半部分が胡散臭げに(汗)半音上がっていたところ、4音(完全四度)上がって長調になっているのが、華やかな変身の肝かなあと思います。
そしてバインが黒い矢のことを思い出し、舟から飛び出す場面で、今度はギリオンのテーマが打って変わってテンポも速く、勇ましいアレンジで流れます。ここはギリオンが遺した黒い矢を表すのと同時に、ギリオンの子孫でもあるバインの勇気も示しているのかもしれません。
その後、バルドが物見の塔の上で黒い矢を手にスマウグと対峙する場面でも、朗々とギリオンのテーマが流れます。ギリオンのテーマはDoS EEの特典映像に映った楽譜には「Gilion/Bard」となっていましたから、ギリオンのテーマでありつつ、バルドも表しているテーマなのでしょう。
そしてバルドが折れた弓でスマウグに立ち向かうことを決める場面で、バルドのテーマが再び華やかに流れます。
ちょっと話が逸れますが、ここでバルドのテーマ、ギリオンのテーマが盛り上がってスマウグを倒すのではなく、バルドの家族のテーマ(仮)の少年合唱の優しいメロディに変わるところがまた良いなあと思います。
ギリオンのテーマのBoFAでの変化は、LotRでのゴンドールのテーマ(Realm of Gondor)を思い出させるところがあります。FotRのエルロンドの会議では物悲しくホルン1本で流れていたテーマが、RotKの予告で華やかに堂々と流れた時の驚きは忘れられない衝撃でした。
映画のバルドは色々とアラゴルンと被せているなあと思わせるところがあるのですが、このギリオンのテーマの使い方もその一つじゃないかなと思っています。
(他にも、バルドがトーリンとの交渉が決裂して馬で走って戻る場面で、アラゴルンのテーマと同じ三音のフレーズが使われているんですよね。ここ一ヶ所だけですけど。場面の絵面的にもアラゴルンが角笛城に到着する場面を彷彿とさせます)
そして、DoSで冴えないだとか悪役みたいだとか思われていた(^^;)バルドのテーマの華やかな変化は、そのまま映画のバルドの華やかな英雄への変化を表しているようで、そのテーマの使い方の妙に唸ってしまうのでした。
このスマウグ襲撃からバルドが倒すまでの一連の場面の音楽、サントラCDのトラック名だとFire and Waterは、スマウグのテーマが次第にテンポを上げて緊迫感を増して行くところをはじめ、情景描写としても、一連の場面の音楽としてのまとまりも、LotR、ホビット映画のサントラの中でも名曲と言って良いのではないかと思っています。ホビットサントラの中では一番好きかも…
(ちなみにエレボールの表門前でエルフ軍とダイン軍が一触即発、の場面の闇の森の王国のテーマとダインのテーマが絡み合うところのCDバージョン(The Clouds Burst2:39~)もすごく好きなのですが、映画本編では大ミミズが出て来るのが早すぎて一瞬しか流れないのが残念です…)
ただ、バルドのテーマもギリオンのテーマも、この場面が最高潮で、この後は発展して行かないのですよね…そのあたりがちょっと残念です。
やはりテーマの使い方はLotRサントラには敵わないかなあ、と思ってしまうところでもありますね…
とはいえ、もちろんホビットサントラも名曲がたくさんありますし、LotRと共通のテーマ・モチーフが使われているという楽しみもありますし、何と言ってもドワーフの音楽がたくさん出て来るし、名サントラだと思ってます。