またしてもTolkien Wrighting Dayの参加記事で書いてます。珍しくお題に沿った内容で。
まず、「The Journey Thereって何?」と思う方が大半でしょう…(^^;)これはLotR映画のサントラのテーマの一つです。
一番わかりやすいのは、フロドとサムがガンダルフと別れて二人でホビット庄の中を旅し始める場面でしょう。ここでバウラン(アイリッシュフレームドラム)のリズムをバックに弦楽器で流れるのがThe Journey Thereです。(と言ってもサントラ完全版のライナーノートで名前が挙がるまでは名無しのテーマでしたけど…)
麦畑でサムが立ち止まり、「ここから先は行ったことのない場所です」というところで、オーボエとホルンの物悲しいメロディの掛け合いになり、やがてホビット庄のテーマから旅の仲間のテーマへと変わって行く、心温まる場面です。
この割と地味なテーマが、実は私がLotRサントラの中で一番好きなテーマなんです。
なぜこのテーマが一番好きなのか…それは遡ること14年前、何回目かの(多分10回目くらい)FotR鑑賞の時でした。
ガラドリエルの水鏡の場面で、奥方が「最も小さな者が世界の運命を変えるのです」とフロドに語りかける場面で、このテーマが使われていることに気が付いたのです。ここではホルンでより物悲しく流れています。
このことに気が付いた時、電撃に打たれたような衝撃を受けました。ああ、これ意図的に同じメロディが使われているんだ!と。
もちろん、ホビットのテーマや旅の仲間のテーマが繰り返し使われて、それぞれホビットや旅の仲間の場面で使われていることには気づいていました。でも、登場人物のテーマがサントラで出て来るのはよくあることで、そんなに重要視はしていなかったのです。
でも、このテーマが違う場面で違う楽器で使われていることに気が付いて、このサントラに出て来るテーマは、単に登場人物を表す表面的なものではなく、登場人物の心情も表しているんだ、クラシック音楽やオペラやミュージカルのテーマ、モチーフのように…!ということに気が付いたのです。
このことに気が付いて以来、「他にもテーマ、モチーフがいろいろあるはず…!」とサントラの中からテーマ、モチーフを探し出すのに夢中になりました。
当時はまだサントラについて触れられている媒体がほぼ全くなく、ファンの中でもほとんど話題になっていませんでしたから、一人黙々と作業していたようなものでしたが、でも楽しかったなあ。
いわば私がLotRサントラにのめりこむきっかけになり、LotRサントラの世界の扉を開いてくれたテーマでもあるのです。それでとても思い入れがあるのです。
サントラにテーマやモチーフを使うケースは他にもありますが、ここまで大がかりにテーマ、モチーフを組み込んだサントラは、今でも他に類を見ないのではないかと思います。
その後、TTTではThe Journey Thereは登場せず、もう出て来ないのかな…と思っていたところ、RotK冒頭、フロドとサムとゴラムが歩き出す場面で再び流れた時は感無量でしたね……。
そんな私が大好きなThe Journey There、サントラ完全版のライナーノートで初めてテーマ名が明らかになったものの、説明はほとんどなく、消化不良な状態でした。
そのライナーノートを書いたDoug Adams氏がサントラ解説本The Music of the Lord of the Rings Filmsを出版し、どんなことが書いてあるのか…と楽しみにしていたのですが…
本の中で書かれたいたのは、このテーマのWeakness and Redemptionという別のテーマ(裂け谷の音楽のバックで流れる短調のアルペジオと言えばわかるでしょうか?)との類似の指摘と、Weakness and Redemptionが音が上がって下がるのに対し、上がり続けることで不吉さが増幅されている、というような短い説明のみで、ええ~、と…
私にはあのテーマはそれだけのものとは思えないんですよね。思い入れがありすぎるからかもしれませんけど(^^;)
The Journey Thereがはっきりと出て来るのは、FotRの2回とRotKの1回です。
最初に出て来るフロドとサムが旅する場面では、初めての土地に踏み出すサムを勇気づけるようにフロドがビルボの言葉を話す場面で、静かにホルンでホビット庄のテーマに変わり、更に初めて流れる旅の仲間のテーマへと変わります。(SEEだとサブタイトルで先に流れちゃいますけど)
RotKでは、このテーマが流れたすぐ後にアイゼンガルドに向かうガンダルフたちの場面に変わり、旅の仲間のテーマの最初の三音の下がって戻るフレーズ(Back and Again)に繋がります。そしてサブタイトルが出るところで希望を感じさせるゴンドールのテーマにつながり、次第に明るくなってアイゼンガルドでの仲間たちの再会の場面に向かいます。フロドとサムと仲間たちの絆を示すように。
この二つの場面とも、不安な状況から、勇気や希望を見出す場面につながっているように思うのです。
水鏡の場面では、他のテーマにはつながりませんが、麦畑の場面と同じ物悲しいメロディをバックに語られる「もっとも小さな者が世界の運命を変えるのです」という言葉が、絶望的な状況の中の一筋の希望を感じさせます。
これは私の贔屓目すぎかもしれませんが、このテーマは、ただ不安を募らせるというだけのテーマではなく、不安の中から希望を見出すことを表しているテーマなのでないかと思うのですよね…。
確かに、他のフルで使われず前半部分だけ使われている場面では不安を表しているようですけれど、それならそれでそういう場面とフルで曲調が変わるところまで流れる場面の違いも書いて欲しかったなあと思ってしまうのでした。
というわけで、今までなかなか語る機会がなかった、The Journey Thereについて思う存分語らせていただきました(笑)
なぜThe Journey Thereが好きなのか、だけではなく、なぜLotRサントラが好きなのか、という話にもなったかなと思います。
まず、「The Journey Thereって何?」と思う方が大半でしょう…(^^;)これはLotR映画のサントラのテーマの一つです。
一番わかりやすいのは、フロドとサムがガンダルフと別れて二人でホビット庄の中を旅し始める場面でしょう。ここでバウラン(アイリッシュフレームドラム)のリズムをバックに弦楽器で流れるのがThe Journey Thereです。(と言ってもサントラ完全版のライナーノートで名前が挙がるまでは名無しのテーマでしたけど…)
麦畑でサムが立ち止まり、「ここから先は行ったことのない場所です」というところで、オーボエとホルンの物悲しいメロディの掛け合いになり、やがてホビット庄のテーマから旅の仲間のテーマへと変わって行く、心温まる場面です。
この割と地味なテーマが、実は私がLotRサントラの中で一番好きなテーマなんです。
なぜこのテーマが一番好きなのか…それは遡ること14年前、何回目かの(多分10回目くらい)FotR鑑賞の時でした。
ガラドリエルの水鏡の場面で、奥方が「最も小さな者が世界の運命を変えるのです」とフロドに語りかける場面で、このテーマが使われていることに気が付いたのです。ここではホルンでより物悲しく流れています。
このことに気が付いた時、電撃に打たれたような衝撃を受けました。ああ、これ意図的に同じメロディが使われているんだ!と。
もちろん、ホビットのテーマや旅の仲間のテーマが繰り返し使われて、それぞれホビットや旅の仲間の場面で使われていることには気づいていました。でも、登場人物のテーマがサントラで出て来るのはよくあることで、そんなに重要視はしていなかったのです。
でも、このテーマが違う場面で違う楽器で使われていることに気が付いて、このサントラに出て来るテーマは、単に登場人物を表す表面的なものではなく、登場人物の心情も表しているんだ、クラシック音楽やオペラやミュージカルのテーマ、モチーフのように…!ということに気が付いたのです。
このことに気が付いて以来、「他にもテーマ、モチーフがいろいろあるはず…!」とサントラの中からテーマ、モチーフを探し出すのに夢中になりました。
当時はまだサントラについて触れられている媒体がほぼ全くなく、ファンの中でもほとんど話題になっていませんでしたから、一人黙々と作業していたようなものでしたが、でも楽しかったなあ。
いわば私がLotRサントラにのめりこむきっかけになり、LotRサントラの世界の扉を開いてくれたテーマでもあるのです。それでとても思い入れがあるのです。
サントラにテーマやモチーフを使うケースは他にもありますが、ここまで大がかりにテーマ、モチーフを組み込んだサントラは、今でも他に類を見ないのではないかと思います。
その後、TTTではThe Journey Thereは登場せず、もう出て来ないのかな…と思っていたところ、RotK冒頭、フロドとサムとゴラムが歩き出す場面で再び流れた時は感無量でしたね……。
そんな私が大好きなThe Journey There、サントラ完全版のライナーノートで初めてテーマ名が明らかになったものの、説明はほとんどなく、消化不良な状態でした。
そのライナーノートを書いたDoug Adams氏がサントラ解説本The Music of the Lord of the Rings Filmsを出版し、どんなことが書いてあるのか…と楽しみにしていたのですが…
本の中で書かれたいたのは、このテーマのWeakness and Redemptionという別のテーマ(裂け谷の音楽のバックで流れる短調のアルペジオと言えばわかるでしょうか?)との類似の指摘と、Weakness and Redemptionが音が上がって下がるのに対し、上がり続けることで不吉さが増幅されている、というような短い説明のみで、ええ~、と…
私にはあのテーマはそれだけのものとは思えないんですよね。思い入れがありすぎるからかもしれませんけど(^^;)
The Journey Thereがはっきりと出て来るのは、FotRの2回とRotKの1回です。
最初に出て来るフロドとサムが旅する場面では、初めての土地に踏み出すサムを勇気づけるようにフロドがビルボの言葉を話す場面で、静かにホルンでホビット庄のテーマに変わり、更に初めて流れる旅の仲間のテーマへと変わります。(SEEだとサブタイトルで先に流れちゃいますけど)
RotKでは、このテーマが流れたすぐ後にアイゼンガルドに向かうガンダルフたちの場面に変わり、旅の仲間のテーマの最初の三音の下がって戻るフレーズ(Back and Again)に繋がります。そしてサブタイトルが出るところで希望を感じさせるゴンドールのテーマにつながり、次第に明るくなってアイゼンガルドでの仲間たちの再会の場面に向かいます。フロドとサムと仲間たちの絆を示すように。
この二つの場面とも、不安な状況から、勇気や希望を見出す場面につながっているように思うのです。
水鏡の場面では、他のテーマにはつながりませんが、麦畑の場面と同じ物悲しいメロディをバックに語られる「もっとも小さな者が世界の運命を変えるのです」という言葉が、絶望的な状況の中の一筋の希望を感じさせます。
これは私の贔屓目すぎかもしれませんが、このテーマは、ただ不安を募らせるというだけのテーマではなく、不安の中から希望を見出すことを表しているテーマなのでないかと思うのですよね…。
確かに、他のフルで使われず前半部分だけ使われている場面では不安を表しているようですけれど、それならそれでそういう場面とフルで曲調が変わるところまで流れる場面の違いも書いて欲しかったなあと思ってしまうのでした。
というわけで、今までなかなか語る機会がなかった、The Journey Thereについて思う存分語らせていただきました(笑)
なぜThe Journey Thereが好きなのか、だけではなく、なぜLotRサントラが好きなのか、という話にもなったかなと思います。