JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

借金が人を大きくする

2005年08月04日 | a-c

先日、キャノンボールを取り上げたばかりのような気もしますし、昨日今日とアルトって言うのもね。とも思ったのですが、やっぱりこのアルバムにしました。

めずらしく、アルバム・レビューでも書こうかなんて思いましたが、私、苦手なんですよね、根が単純なものですから、「感じがよいとか」「聴いていて気持ちがいいとか」「何ともいえない」とかそんな表現ばかりになってしまうんです。

キャノンボール・アダレーは、1955年パーカーの死と入れ替わるかのように、弟ナット・アダレーに誘われるままニューヨークに出てきました。オスカー・ベティフォードのギクに飛び入り参加すると、
「オーイ、何だあいつ、エー、たまんないんじゃないの」てなもんで、評判となり、レコード会社(サボイ)との契約も一発、弟達とクインテットを結成!!
「やったぁ、順調すぎる自分が怖い」状態でしたが
このクインテットが大失敗。あわれ、借金王となってしまったのでした。

キャノンボールはマイルスのバンド、ナットは、ウディ・ハーマンやJ.J.ジョンソンのバンドで修行を続けながら、必至に謝金を返していった彼らは、その後再度、バンドを立ち上げ成功を遂げたのでありました。

キャノンボールの紹介というと、まっこんな感じでしょうか。

ところで、キャノンボールとナットの最初のバンドが、もし大成功を収めていたら、どうなっていたでしょうね。「マイルス黄金のシックステット」にキャノンボールはいなかったかも知れないんですよ。
もし、借金がなかったら、キャノンボールは、田舎に帰っていたかも知れないんですよ。
「怖いですね、恐ろしいですね」
「よくぞ失敗してくれた、よくぞ借金してくれた、借金があなたを大きくしたんだ!」

さて、今日のアルバムですけど
マイルスのバンドに在籍中録音されたものです。私、変に興奮して書いてしまいましたが、そのくせキャノンボールは、マイルスのバンド以外で演奏しているものが好きなんです。(ハァ~?言ってることおかしくねぇ?)
かといって、ナット・アダレーと組んだ後期のキャノンボールも、あまり好みじゃないんです。
このあたりのアルバムがとっても良い。そこそこファンキーで、いかにもキャノンボールらしい音で......

ほらね、レビューにならないでしょ

THINGS ARE GETTING BETTER / CANNONBALL ADDERLEY WITH MILT JACKSON
1958年10月28日録音
CANNONBALL ADDERLEY(as) MILT JACKSON(vib) WYNTON KELLY(p) PERCY HEATH(b) ART BLAKEY(ds)
1.BLUES ORIENTAL
2.THINGS ARE GETTING BETTER
3.SERVES ME RIGHT
4.GROOVIN' HIGH
5.THE SIDEWALKS OF NEW YORK
6.SOUNDS FOR SID
7.JUST ONE OF THOSE THINGS