JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

母の願いと嘆き

2006年02月16日 | a-c

昨日の「バカ陽気」は、何だったのでしょうか?昨日と今日では10度以上の気温差ということで、体もビックリ、体調を崩さぬようきをつけないといけません。

今朝、母が
「オリンピック、オリンピックで、野球のニュースはぜんぜんやらないね」
我が母は、もともと野球などには興味がなかったそうですが、父が根っからのジャイアンツ・ファンだったこともあって、気が付けば、完全なジャイアンツ・ファンと化しておりました。
今でも、「冬場は野球放送がないから、テレビが面白くなくて」などと言っております。
どうも、「原巨人」に多大な期待を持っているらしく、昨年の屈辱を必ずやはたしてくれると信じているようです。

「藤田さんの葬儀で、練習できなかったんじゃないの、今晩はキャンプ情報かなんかやるよきっと」

そんな母なので、プロ野球のことをよく知っているのかと思うとさにあらず、
「他の球団のことなんて、誰が誰かもわかんないよ、ともかく巨人が勝てばいいの」
と豪語します。

「原君、そんな母のためにも、今年は頑張ってくれよ!」
もう一点
「テレビ局の人、オリンピックも大切ですが、野球のキャンプ情報も楽しみにしている人がいますので、そちらもひとつよろしくお願いします。」
さらに
「まぁ、オリンピックが終われば、WBCの話題で野球が盛り上がるでしょうけど、うちの母は、WBCより、ジャイアンツ情報ですので、そこのところお察し下さい。」

さて、今日のアルバムは、タッド・ダメロンのリーダー作にしてみました。作編曲がメインのダメロンがリーダーというアルバムは、数が少ないと思います。構成がカルテットですから、アレンジが目立つといったアルバムではありません。どちらかといえばコルトレーンがメインといった内容でしょうか。ただ、全曲ダメロンのオリジナルではあります。
おもえば、翌年、コルトレーンはマイルスのもとを離れ、麻薬と決別、一方ダメロンは麻薬が原因で1961年まで活動休止、明暗が分かれる年を迎えることとなるのですから面白いですね。

MATING CALL / TADD DAMERON
1956年11月30日録音
TADD DAMERON(p) JOHN COLTRANE(ts) JOHN SIMMONS(b) PHILLY JOE JONES(ds)
1.MATING CALL
2.GNID
3.SOULTRANE
4.ON A MISTY NIGHT
5.ROMAS
6.SUPER JET

おまけ、
「SOUL TRANE」は、コルトレーンが作った曲だとおもっていた友人がいました。ダメロンがコルトレーンの名にちなんで作曲したものですので、お間違えなく。


バカ陽気の妄想

2006年02月15日 | d-f


今朝は、牛乳をがぶ飲みし、口いっぱいにガムをほおばって出社しましたが、
「バブさん、酒臭いですよ」と同僚に耳元で囁かれてしまいました。自覚があったゆえの対策も功を奏さなかったようであります。

とにもかくにも、午前中は他人様と近くで話す用事もなく、事なきを得ました。昼休みには、あまりの『バカ陽気』に誘われ、近くの公園での外食(?)。ふと空を見上げれば、冬の澄みきった青空とは明らかに違う、春の青空が広がっておりました。
外食の帰りがけに図書館をまわると、
「あら?こんな本あったけ?」
私は、こうみえてけっこう図書館には足を運ぶ方で、小さな図書館ですから、興味のある図書は、ほぼ蔵書を理解していたと思っておりました。ところがあったんですね、面白い本が
黒沢隆朝著「図解 世界楽器大辞典」であります。
先日、「ギョッとする」の「ぎょ」という楽器を紹介しましたが、当然のようにこの本には掲載されております。
「ふむふむ、楽しみができた」と『バカ陽気』のなか、ルンルンしながら借りてまいりました。


借りてくると、すぐにでも読みたくなります。
「どこか落ち着ける喫茶店の窓際で、旨いコーヒーでも飲みながら、ゆっくりとこの本を読めたらなぁ」なんて思いましたが、これはちょっと無理な話。まぁ、コーヒーじゃなくて、酒を飲みながら、ジャズでもかけて、少しずつ読むことにいたしましょう。

そういえば、先日、れいの喫茶店で
「バブさん、穏やかな午後に、コーヒーを飲みながら、窓際で本を読んでいる素敵な女性にかけてあげたいBGMって、なんか良いのない?」
「えっ? なになに、そんな素敵な女性(ひと)が来てるの?」
おもうに、そう若い女性では無いでしょう、落ち着いた雰囲気で、楚々として、静かで、窓からの日差しにキラキラと輝くような。
「逢ってみてえ~~~!!!!」

ということで、持って行ったアルバムが今日の一枚「THE TOMMY FLANAGAN TRIO」であります。「JES' FINE」は、ちょっと違うかもしれませんが、あとの曲はピッタリだと思うのですよ、
ひょっとして、今日あたり....

帰り際に
「マスター、これかけて、その女性(ひと)が、『素敵な曲ですね』かなんか言ったら、俺のことちゃんと言っといてよ!」と言ってきましたが、どうなったかなぁ。

今日のような『バカ陽気』は、まだ見ぬ「窓際のきみ」への妄想までも、かき立てるものでありました。

THE TOMMY FLANAGAN TRIO
1960年5月18日録音
TOMMY FLANAGAN(p) TOMMY POTTER(b) ROY HAYNES(ds)
1.IN THE BLUE OF THE EVENING
2.YOU GO TO MY HEAD
3.VELVET MOON
4.COME SUNDAY
5.BORN TO BE BLUE
6.JES' FINE
7.IN A SENTMENTAL MOOD


蛇の生殺し

2006年02月13日 | m-o

今日はとても暖かくて、昼食後は昨日のジョギングもどきが効いたのか睡魔に襲われてしまうほどでした。そうでなくても月曜日というのは、なんとも体が重いものですが、今日はいつにも増してといった感じです。

先日、友人の「泊まりがけ宴会」を、知り合いの温泉施設にお願いしたのですが、いろいろ便宜をはかってくれたようで、今日仕事の合間に、お礼かたがたまわってまいりました。(とか言いながらコーヒーをごちそうになりたくて、というのが本音)
そこは海岸線にある温泉施設で、ロビーからは海岸が一望できます。
「支配人が、10分ほどお待ち頂けないかと申しておりますが」
「もちろん、けっこうですよ、突然押しかけたんですから」
とちゃっかりロビーでコーヒーをごちそうになりながら待っていると、日帰りのお客さんでしょうか、60代位の男性が、いかにも「風呂に入ってきたぞ!」といったふうで、缶ビールを持ちながらロビーの椅子にお座りになりました。
「グビ、グビ、グビ、カーッ!」なんと旨そう
私の飲んでいる、そう旨くもない(入れてくれた方、ごめんなさい)コーヒーが、なんだか惨めな飲み物のように感じられるほど.....

そういえば、私もしばらく温泉など浸かっておりません。サウナ大好き、お風呂大好き、温泉大好きの私にとって、ほんと目に毒な光景でありました。

そこへ、支配人がお出まし
「バブさん、ひとっ風呂浴びていけば」
たいへんありがたいお言葉ではありますが、さすがに温泉に浸かっていく時間もなく、へんに蛇の生殺しみたいな気分でありました。
あ~ぁ、今度の休日は「日帰り温泉」にでも行ってこようかな。

蛇の生殺しついでに蛇足ですが、寒い日、湯船にはいるときには
「冷えものでござい、ごめんなさいよ」と他の人に声をかけるのが礼儀なんて話をご存じでしょうか?
今どきそんなこという人はいやしませんが、冷たい体で湯船にはいると、湯温が下がってしまうので一声かけたという、日本人らしい思いやりの言葉なんですよ。
「そんな言葉をかけられ、入ってこられたひにゃ、あーた、裸の付き合いで湯船の会話もはずむってもんでしょ」なんちゃって

さて、今日はハンク・モブレーであります。モブレーといっても、オリジナル・ジャズ・メッセンジャーズのケニー・ドーハムがアート・ファーマーに代わっただけというメンバーです。
ブルーノートのアルフレッド・ライオンは、作曲家としてのモブレーを高く評価していました。新しい曲を書くよう、ことあるごとに言っていたそうで、このアルバムも、全曲モブレーの書き下ろし、しかるにこれはモブレーのリーダー・アルバムなのであります。

HANK MOBLEY QUINTET
1957年3月8日録音
HANK MOBLEY(ts) ART FARMER(tp) HORACE SILVER(p) DOUG WATKINS(b) ART BLAKEY(ds)
1.FUNK IN DEEP FREEZE
2.WHAM AND THEY'RE OFF
3.FIN DE L'AFFAIRE
4.STARTIN' FROM SCRATCH
5.STELLA-WISE
6.BASE ON BALLS

おまけ、
本日、HPの「ジャズ四方山話」「酒話」更新しました。よろしければご覧下さい。


眠れる私は筋肉痛

2006年02月12日 | j-l


冬のオリンピックも開幕し、オリンピック好きには眠れぬ日々を送られることでしょう。今年は、サッカーのワールドカップもひかえ、時差を特に感じる年なのかもしれません。

今日は、しばらく体を動かしていなかったようなきがしたので、近くの公園で「散策&ちょっとジョギング」をしてきましたが、やはり歳は隠せず、昼に帰宅するとグッタリとしてしまいました。
おかげで、午後からは動く気力を無くし、もっぱら読書。先日みつけてきた「寺山修司 青春書簡 恩師・中野トクへの75通」という本をなんとか読み終えました。
友人、広瀬隆平氏が「寺山はあまり幸福でないから、先生に会ったら少しは幸福になるかもしれない」と、引き合わせた中野トク先生に、寺山が宛てた10年間にわたる書簡を記載したものです。
私的な書簡であるがゆえに、文字や文章に、寺山の人となりがみえて、なかなか面白く読ませて頂きました。


昭和32年に発刊された「われに五月を」を、中野先生は50部売ったそうで、「作家になったのよ、寝ていて作家になったのよ」と、はしゃいでいらしたとか、
その前年、寺山は中野先生に
「パリは立ったまゝ眠る」という、フランスの詩人エリュアールの詩「勇気」からの一節を借り、「立ったまま、眠れたらどんなにいいだろう。この頃、横になっても仲々眠れないのだ。-中略- ほしいものはおかねである。ほしいな。 仲々癒りません。ベッドでセーターを着て撮ったのです。いゝのは作品集のとびら写真にするので、これは悪い写真なり。」という書簡と、中野先生に贈ってもらったセーターを着た写真を送っていました。
たしかに、「われに五月を」のとびら写真には、このセーターを着た寺山が写っています。

なかなか寝られない状況下で、書き下ろした「われに五月を」、中野先生は「寝ていて作家になったのよ」としょうされる。なんだか、とても良いんです。なんとも素敵であります。

ということで、明日か明後日には体が痛くなりそうだし、なんとも素敵な本も読んだことだし、哀愁あるメロディーのほうが良いかなぁ、なんて思って、連想したのはデューク・ジョーダンでありました。
ある意味、マイペース・プレーヤーだったジョーダン、マイナー・ムードが「ダバダバダバダハダバダバダ ダッダーダ ダッダーダ」てな感じで響いてくる、このアルバムはいかがでしょうか?

FLIGHT TO JORDAN / DUKE JORDAN
1960年8月4日録音
DUKE JORDAN(p) DIZZY REECE(tp) STANLEY TURRENTINE(ts) REGINALD WORKMAN(b) ART TAYLOR(ds)
1.FLIGHT TO JORDAN
2.STARBRITE
3.SQUAWKIN'
4.DEACON JOE
5.SPLIT QUICK
6.SI-JOYA


鑑賞しすぎ

2006年02月11日 | g-i


先日より始まった、ビデオ・テープからDVDへのダビングは、延べ28時間に及びました。モントルー、モントリオール、ニューポート、プレーボーイなどのジャズ・フェス、ソニー・ロリンズの「SAXOPHONE COLOSSUS」などなど、今日は、8時間もの間、ビデオ漬けであります。ビデオ鑑賞もたまには良いものですが、ちと度が過ぎてしまいました。

そんななか、1995年モントルー・ジャズ・フェスティバルのビデオを見ていると、村上"ポンタ"秀一ひきいる「PONTA BOX」なるトリオ・バンドが出てまいりました。ポンタ氏といえば、古くはフォーク・グループ「赤い鳥」に参加し、その後は日本屈指のドラマーとして数々のレコーディング、セッションに参加されております。
我が友人に、ポンタ氏を心底尊敬しているというドラマーがおります、ちょうど14,5年ほど前、知り合いのミュージシャンが、スタジオでポンタ氏と会うという話を聞きつけ、彼のためにとサインを頂いたことがありました。ちゃっかり私の分もいただいてしまいましたが
そんなことを、ふと思い出してしまいました。


1984年のモントリオールでの、アストル・ピアソラの映像も、何度見ても良いですね、彼の音楽がジャズかと訊かれれば、「ハイ」とは言い切れませんが、バンドネオンという楽器は、なんとも魅惑的な楽器であります。

今回のダビングは、ひとまず今日で終了。収集用のゴミ袋に2つの燃えないゴミは、どうせ私が収集場所に運ぶこととなるのでしょう。

それはともかく、今さっき大変なことに気づいてしまいました。今晩、飲む酒が1滴も無いのです。今から買いに行くべきか?それとも.......
間違いなく言えるのは、飲まずに済むわけはないということです。(笑)

さて、今日の一枚は、バリー・ハリスであります。
サム・ジョーンズ、レイ・ヘイスとのトリオでのライブ録音「AT THE JAZZ WORKSHOP」と並ぶバリー・ハリスの代表作で、エルビン・ジョーンズの熱っぽいリズムがたまらない一枚です。
2曲目の「PREMINADO」は、間違いなく、パウエル、ローチの「ウン・ポコ・ロコ」を意識した曲だと思いますよ。

PREMINADO / BARRY HARRIS
1960年12月21日,1961年1月19日録音
BARRY HARRIS(p) JOE BENJAMIN(b) ELVIN JONES(ds)
1.MY HEAT STOOD STILL
2.PREMINADO
3.I SHOULD CARE
4.THERE'S NO ONE BUT YOU
5.ONE DOWN
6.IT'S THE TALK OF TOWN
7.PLAY CAROL PLAY
8.WHAT IS THIS THING CALLED LOVE

追伸、
昨日まで守りきった「ノー外飲」、本日解禁となっても、どうぞお許し下さい。


冬の蟹ナリ!

2006年02月10日 | a-c


みなさん、ご声援ありがとうございました!
先週金曜日の午前様以来、今日まで、ついに「ノー外飲週間」を達成いたしました!
(誰も声援なんておくってないって?)

しかしながら「外飲」は無かったものの、あいかわらず毎日飲酒は続けておりました。
今、留置所内でみょうに頑張っている○○エモンは、お酒どころか、あたりまえのように味わっていた高級グルメも味わえず、可哀想なものであります。
差し入れできる最も高価な食べ物が「蟹缶」だそうで、昨晩は
「たしか、以前いただいた蟹缶があったよなぁ」と、
夜中に戸棚を探すと、ありました、そうそう高い蟹缶では無さそうですが、それでも「蟹缶」は「蟹缶」。こそこそと合わせ酢を作り、○○エモンの味わえるであろう最大の贅沢品とバーボンをいただきました。


「蟹缶」の蟹の身は、必ず紙に包まれています。これは「硫酸紙(酸性パーチ)」と呼ばれる紙だそうですが、缶の鉄やすずと蟹に含まれる成分との化学変化を防止する役目があるそうで、けして高級だからというわけではないそうであります。
一説によれば、福井県にあった大戸商店という魚屋の大戸与三兵衛という方が、和紙に酢をしみ込ませ、蟹の身を包んだのが最初だそうで、それまでは化学反応を起こすので、蟹の缶詰は不可能だと言われていたそうであります。

一夜明け、そそくさとかたづけていると
「何やってんの!全部食べちゃったの?チャーハンでも作ろうと思ってたのに!」
と朝っぱらから、冬のカミナリ!
(「へへーんだ、食べちゃえばこっちのものさ、あー旨かった」)

さて、今日はダビングもさすがに疲れてきましたので、一休み。コルトレーンを聴きながら、蟹缶はないものの、ゆっくりお酒をいただくことにしましょう。
アトランティック時代のコルトレーンといえば、「GIANT STEPS」「MY FAVORITE THINGS」ということになるのでしょうが、「COLTRANE JAZZ」も「PLAYS THE BLUES」も「OLE」も、今日紹介の「COLTRANE'S SOUND」もまた、捨てがたいアルバムであります。マッコイ・タイナー、エルビン・ジョーンズという理想のリズム・セッションを得たコルトレーンが、大きく羽ばたいた時期でもありました。

この3日間(1960.10.21,24,26)の録音は、1曲だけ「COLTRANE JAZZ」に、それ以外を「MY FAVORITE THINGS」「PLAYS THE BLUES」「COLTRANE'S SOUND」に分散収録されています。
本格的にソプラノ・サックスに取り組み始めたコルトレーン、このアルバムでも2曲目「CENTRAL PARK WEST」でのソプラノが、なんとも気だるくて私は好きです。

COLTRANE'S SOUND / JOHN COLTRANE
1960年10月24,26日録音
JOHN COLTRANE(ts,ss) McCOY TYNER(p) STEVE DAVIS(b) ELVIN JONES(ds)
1.THE NIGHT HAS A THOUSAND EYES
2.CENTRAL PARK WEST
3.LIBERIA
4.BODY AND SOUL
5.EQUINOX
6.SATELLITE

追伸、
今日、帰宅途中スーパーにまわり、蟹缶を買ってまいりました。(なんと、弱っちい私でしょうか)

おまけ、
同アルバムのCDには、7.36-2  8.BODY AND SOUL(別テイク)の2曲が、追加収録されています。


あだな姿

2006年02月09日 | g-i

男たるものいくつになっても、女性には弱いものです。
今朝午前1時過ぎに突然携帯が鳴りました。(私の場合、携帯の電源は常にON状態)
「なんだよ、こんな夜中に、失礼なヤツだな」と怒りながら画面を見ると、行きつけのバーのママ
「ごめんね、こんな遅く、今、お店に電話しなかった?」
話によると、12時半頃、ママが小用中に電話がかかってきたとか、この電話を常連さんが取ってしまい、あわてて換わろうとしたときには電話が切れていたそうであります。
「誰からだった?」
「ビーだか、ブーだかいう人」
ママにすると、ビーかブーといえば、私しか頭に浮かばなかったらしく、電話をよこしたということでした。当然、私が電話をかけたわけではないのですが
「本当にごめんね、もう寝てたの?」
ママぁ、勘弁してよぉ、と思いつつ、
「ぜんぜん、大丈夫だけど、誰だろうね?」なんて、明るい声で答えてしまいました。

じつは、このママ、飛び抜けて美人でも、もちろん若くもないのですが、へんに色っぽいところがあって....『中年おやじ』は、ほんとダメですね、すぐ鼻の下を伸ばしてしまう。

♪ 粋な黒塀 見越しの松に あだな姿の洗い髪 ♪
♪ 死んだはずだよ お富さん ♪
♪ 生きていたとは お釈迦さまでも 知らぬ仏の お富さん ♪
♪ エーッサエー 玄冶店(げんやだな)♪

若い方は、知らないかもしれませんが、春日八郎のヒット曲「お富さん」であります。
歌舞伎「与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)」の源氏店(げんやだな)の場を、そのまんま歌詞にしてしまったという歌であります。

鏡に向かって化粧をするお富からは、中年増の色気がたっぷりと発散される場面。
与三郎の体には全部で34ケ所の切り傷があるのですが、この傷ももとはと言えば、3年前、当時やくざの親分の妾だったお富と、人目を盗んで契りを結んだことがバレて切り刻まれたことによるもの、
死んだものだと思っていたお富が、こんどは別な男の妾となって生きていました。そこで与三郎が啖呵を切ります、
「しがねえ恋の情けが仇、命の綱の切れたのを、どう取りとめてか木更津から、めぐる月日も三年(みとせ)越し、江戸の親にゃァ勘当受け、よんどころなく鎌倉の、谷七郷(やつしちごう)は食い詰めても、面(つら)に受けたる看板の、疵(きず)がもっけの幸いに、切られ与三(よそう)と異名(いみょう)を取り、押し借り強請(ゆすり)も習おうより、慣れた時代の源氏店(げんやだな)、その白化(しらばけ)か黒塀の、格子作りの囲いもの、死んだと思ったお富たァ、お釈迦様でも気が付くめえ。よくまァおぬしは達者でいたなァ----。」というくだりです。

「あだな姿」これですね、小娘にはまねのできない、男を惑わす女の色香であります。
バレンタインデイを迎えるにあたり、奥様諸氏、ボロボロの旦那にも責任は当然ありますが、ときには「あだな姿」で、旦那を惑わしてみてはいかがでしょうか?
(まぁ、他人様だから、私も言える話ですがね)

あれ? どうしてバーのママの電話話から、こんな話になったのだろうか?

今日の一枚は、完全にジャケット・デザインだけで、選びました。
「私でも、2001年録音のCDだって持ってるんだぞう!」みたいな、
ハミルトンは、4回ほど生で聴かせていただいたことがあります。すいません、1回は途中で眠ってしまいました。(だって、会場が大きいうえに、トリオでバーラードぱっかだったから.....)

SMOKE GETS IN YOUR EYES
2001年10月2, 3録音
EDDIE HIGGINS(p) SCOTT HAMILTON(ts) STEVE GILMORE(b) BILL GOODWIN(ds)
1.MELANCHOLY RHAPSODY
2.IT'S A LONESOME OLD TOWN
3.YPU DON'T KNOW WHAT LOVE IS
4.BY MYSELF
5.SMOKE GETS IN YOUR EYES
6.LULLABY OF THE LEAVES
7.WHEN THE SUM COMES OUT
8.LOVE LETTERS
9.WHEN YOU WISH UPON A STAR
10.ALL THIS AND HAVEN TOO
11.YOU'RE MY EVERYTHING

追伸、
どうして、歌舞伎では「源氏店」で、歌では「玄冶店」なのか?
これは、江戸の地名だそうで、「玄冶店」が本来の書き方だそうであります。歌舞伎ではあえて実在の場所の名を、避けたのかもしれません。

先入観

2006年02月08日 | j-l


今週、ビデオのダビングもしなければいけないのに、そんな時に限って仕事がみょうに忙しいのは何故でしょうか? 昨晩など12時過ぎの帰宅となってしまい、ダビングどころかPCすら触れずに、寝てしまいました。

先日、れいの喫茶店で、おしゃべりをしたKさん、
「最初に聴いたのが後期だったからでしょうか、どうもコルトレーンがダメなんですよ」
とおしゃいます。
するとマスターが
「僕も、『アセイション』なんか、絶対聴きたいと思わないなぁ」
ここでKさんが
「バブさんは、どうなんですか?」
「そりゃあ...」
「だめだめ、この人にコルトレーンどうのこうの訊いたところで、コルトレーン信奉者だし、話が長くなるから」

(なによ、せっかく久しぶりに、コルトレーン話をドバーっとできると思ったのに、マスターの意地悪!)


でも、Kさんじゃないけど、「あれを聴いちゃったばっかりに、嫌いになっちゃった」っていうことはよくありますよね。
私の場合は、ハービー・ハンコックの「ヘッド・ハンターズ」とか、ビリー・コブハムの「皆既食」とか.....
そうそう、スティーヴ・レイシーの場合なんか、最初に聴いたのが「森と動物園」だったのですが、それからずいぶん長い間、彼の名前を探すことはありませんでした。
ですから、今日紹介する「ソプラノ・サックス」というアルバムも、ずいぶん後で聴いた記憶があります。
先入観は、いけませんね、このアルバム、私好みなんですよ。どうしてこのアルバムを「もっとはやく聴かなかったのか」私はそう思いました。

Kさん、コルトレーン苦手でも、マイルス・グループの時のは、聴くんでしょ? 先入観は持たないようにしようね、お互いに。

スティーヴ・レイシーは、シドニー・ベシュの「ザ・ムーチ」を聴き、ソプラノ・サックス奏者になる決心をし、当初はニューオーリンズ、シカゴといったトラディショナル・スタイルに入れ込んでいました。その彼が前衛へ進むきっかけとなったのは、セシル・テイラーのグループに参加したことが大きかったようですが、同グループでニューポート・ジャズ・フェスに出演したその年に、この「SOPRANO SAX」は録音されています。
このアルバムに、前衛の影は私には見えないのですが、どうでしょうか?
もちろん、曲がスタンダードであること、さらにウイントン・ケリーの参加で、そうとれるのかもしれません。
ともかく、この後、レイシーは、前衛の世界にドップリと浸かり、活動拠点をヨーロッパに移して活躍するのでありました。

SOPRANO SAX / STEVE LACY
1957年11月1日録音
STEVE LACY(ss) WYNTON KELLY(p) BUELL NEIDLINGER(b) DENNIS CHARLES(ds)
1.DAY DREAM
2.ALONE TOGETHER
3.WORK
4.ROCKIN' IN RHYTHM
5.LITTLE GIRL YOUR DADDY IS CALLING YOU
6.EASY TO LOVE

 


至上命令

2006年02月06日 | d-f


昨日、家人がいらぬことをやってくれちゃいました。
私が実家に戻ってから3年ほどたちますが、一度も開けずにそのまま納戸にしまい込んだ荷物がいくつかあります。それを開けて整理しだしたのであります。

「ついこの前、整理したんだから、そのままにしとけば」
(昨年、私が一度、整理したことがありました、大阪万博の入場券やら何やらが出てきたあの時であります。)
「何言ってるの、誰かさんがいらないものばっかり持ってくるから、しまっておく場所が必要なんでしょうが」
私は、(さようでございますか、だけど今日は手伝わないよ~)っと、趣味部屋にこもっておりました。

それが、昨晩のこと、
「この段ボールのビデオ、燃えないゴミの時に捨てちゃうから、必要なのがあったらなんとかして、そうじゃないと全部捨てちゃうよ」
「ラジャァ」

なんと、この前、整理したはずのビデオ・テープが、まだ段ボール1つ残っていたのです。燃えないゴミの回収日までは、あと1週間、はやく確認をしないと、全て捨てられてしまいます。
今日は、食事もそこそこに、確認作業、背表紙はとりあえず貼ってあるので、まずは必要なものを抜粋、そんでもって、ビデオ・テープのままだと置くところがありませんので、DVDにダビング作業、こりゃあ時間かかるわ。

「この前、無かったと思ったら、こんな所にあったんだぁ」と、今日ダビングしているのは、「モントレー・ジャズ・フェスティバル '75」、DVDでも発売になっているようですが、私が持っているのは、スカパーからの録画ビデオ。


この画面、ちょっと面白いでしょ、そもそも、あまり映像が綺麗でない上に、テレビ画面を直接デジカメで撮ったので、ひどい写真ですが
左がビル・エバンス、右がジョン・ルイス、二人が1台のピアノを弾いている映像であります。


約1時間のダイジェストなので、各プレーヤー1曲ぐらいしか映っていませんが、ガレスピーに、ポール・ディスモンド、ビル・エバンス、ジョン・ルイス、チャック・マンジョーネなんかが、ぞくぞくと出てきて、けっこう楽しめます。
よろしければ、DVDでも入手されてご覧になってみて下さい。(映像は良いとは言えません)

明日は、「プレーボーイ・ジャズ・フェスティバル '85」のダビングを予定しています。

ということで、今日はビル・エバンスにしてみました、先日「『MY FUNNY VALENTINE』、誰の聴こうかな?」なんてやってましたが、このエバンスとジム・ホールの「MY FUNNY VALENTINE」もまた秀逸であります。個人的には「SKATING IN CENTRAL PARK」が好きだったりしますが

UNDERCURRENT
1962年4月24日,5月14日録音
BILL EVANS(p) JIM HALL(g)
1.MY FUNNY VALENTINE
2.I HEAR A RHAPSODY
3.DREAM GYPSY
4.ROMAIN
5.SKATING IN CENTRAL PARK
6.DARN THAT DREAM

追伸、
はたして、1日1本のダビングで、貴重なビデオ(私にとって)を、捨てられずにすむでありましょうか?........う~ん、少なくとも2本ペースでないと難しいかも。


早春賦

2006年02月05日 | a-c




春は名のみの風の寒さや。
谷の鶯 歌は思えど
時にあらずと 声も立てず。
時にあらずと 声も立てず。

氷解け去り葦は角ぐむ。
さては時ぞと 思うにあやにく
今日もきのうも 雪の空。 
今日もきのうも 雪の空。

春と聞かねば知らでありしを。
聞けばせかるる 胸の思いを
いかにせよとの この頃か。
いかにせよとの この頃か。

文部省唱歌の『早春賦』であります。
立春を迎え、あとは本当の春の訪れを心待ちにするばかりですが、今朝、我が母がぞうきん掛けをしながら、歌っておりました。昨日、今日のあまりの寒さに、母の『早春賦』も愚痴のように聞こえてしまいます。

吉丸一昌さんのこの詩は、なかなか素敵な詩ですよね、「芽吹く」じゃなくて、「角ぐむ」なんて表現は、いかにも日本語らしいじゃありませんか
沼の氷が解けて、葦の葉の芽がちょっとだけ顔を出している、それが角を出したように見えたのでしょう。「さて、春が来たぞ」と顔を出したのに、雪が降っていて、「なんだよう!」って感じでしょうか。

おもえば、今季の雪害は尋常ではありませんが、雪国の方は立春の声を聞いても「いかにせよとの この頃か」の思いでありましょう。寒いとはいえ、日差しを受けていられる我が地に感謝しなければいけません。

今日は、趣味部屋の掃除を済ませ、買い物のお付き合いも早々に、午後からはジャズを聴きながらの読書タイムでありました。
おさかなさんのブログで、出雲大社の写真を拝見するうちに「日本神話」をあらためて振り返ろうかと、「古事記」(もちろん現代語訳ですが)の読み直しも考えたのですが、結局は「日本の神話伝説」(吉田敦彦、古川のり子著)なる本を持ち出し、オオクニヌシがヌナカハヒメと歌を交わすあたりまで、ゆっくりと読み進めました。

この中で「この歌で、ヌナカハヒメは、オオクニヌシを「八千矛の神」と読んでいるが、矛は男性の象徴であり、オオクニヌシに盛んな生殖力があったとの意味を込めた表現である」というようなことが書かれております。
神代であっても、子孫を残す力は、最大の賛辞に等しかったということ、少子化の現代、若き男性諸君よ、日本の未来のために「矛の神」とならんことを・・・
(すいません、これは戯れ言でした。)

さて、今日の一枚は、クリフ・ジョーダンにしてみました。ジョーダンのブルーノートにおけるリーダー作は3枚、その3枚目がこのアルバムです。
メンバーは、「ホレス・シルバーのグループから、親玉をぬいてソニー・クラークに、それだけじゃあんまりにもホレスに悪いから、ベースもジョージ・タッカーに変わってもらいましょ」みたいな感じ、1~3はオリジナルを揃え、4~6は、パーカー、エリントンの曲というライナップです。4曲目パーカーの「CONFIRMATION」でのジョーダンが、なんだかとても凄い。
コルトレーンが「こんなに若くて優秀なテナーマンがたくさんいる街は、アメリカでここだけだ」といったという街シカゴ、ジョーダンはまさにその街出身の、優秀なテナーマンでした。

CLIFF CRAFT / CLIFF JORDAN
1957年11月10日録音
CLIFF JORDAN(ts) ART FARMER(tp) SONNY CLARK(p) GEORGE TUCKER(b) LOUIS HAYES(ds)
1.LACONIA
2.SOUL-LO BLUES
3.CLIFF CRAFT
4.CONFIRMATION
5.SOPHISTICATED LADY
6.ANTHOROPOROGY

追伸、
今週は、「外飲」(お店で酒を飲む)禁止週と、決めました。
さて、このもろくも崩れそうな誓いを、私は守ることができるでありましょうか。