準決勝から舞台はSHOWAハンバーガースタジアム唐津に格上げされました。ところで不思議な名前のスタジアムですが、全国大手ハンバーガーチェーン店をフランチャイズ運営する地元企業のネーミングライツだそうです。両翼96メートル、中堅121メートル。LEDのスコアボードや照明灯を備え、スピードガンも設置されています。総工費は約16億7千万円で2年前に完成したばかりのまだピッカピカ。こげな立派な球場でおらがチームが試合さできるなんて夢みたいだべさ。たーやが!
さぁ、事実上の決勝戦と見据えた準決勝です。相手は、同じく沖縄県勢で先の九州大会も制していた優勝候補筆頭のTMを下した地元のNHが相手です。あのTMを破ったのか!とチーム内にも衝撃が走りました。監督はもちろん10郎を先発に指名。マウンドにたった息子を見てると、さすがに10郎の胸にもこみ上げるものがありました。うしろの8太郎👻の怨念も年々薄れていくね!
自慢のストレートで真っ向勝負だ!
そしてついに出ました! 自己最速110㌔/hです。ボールスリーから連続3球ストレートで三振を奪った最後の1球がそれでした。電光掲示板にしっかり表示されていました。妻がその瞬間を逃さずに激写! 息子は父との約束をまず1つ果たしてくれました。
そのシーンを動画で。いい音出してまっせ!
しかし10郎より背の高い相手技巧派エースもさるもの。初回のワイルドピッチによる1失点を守ります。わがチームも打ちあぐねるまま、5回表まで1-0と心臓バクバクの緊迫した展開。10郎は4回を無安打無失点5奪三振🔥と大舞台の先発の役目を十分すぎるほど果たして、あとにマウンドを継ぎます。投球制限まであと11球残していたので5回も十分行けるのでは?と思いましたが、監督が決勝戦のために温存したのは明らかでした。
そして、5回表、ついにその時が来たのです!
仲間たちが連続四球で1,2塁とし、2番Y君が芸術的な犠牲バントで2,3塁と舞台をお膳立て。3番10郎に回ってきたのです。今大会でまだホームランの出ていない10郎。某プロ野球団ジュニア選考会での打撃テスト不調をそのまま引きずっているのではないかと不安でもありました。しかし、ここで打たなきゃ、男じゃない! 迷わず振れよ、振れば分かるさ! チバリヨー 🔥
その結果も動画でお伝えします。
痛烈に右中間を破るランニングホームランでした。3打点! スタンドの盛り上がりでカメラも揺れたので映像もブレブレです(笑)。このダメ押し3点を皮きりにチームついに猛打爆発。相手中継ぎ陣も力尽きたようで、結局9-0の完封リレーで勝利、夢にも思わなかった(笑)決勝進出を果たしたのです! 10郎は大役を見事に果たしてくれました。そして父との2つ目の約束も。ありがとう。
ついに決勝戦です。相手は同じく沖縄勢のTSが勝ち上がってきていました。このチームは今年の強化大会で、10郎が先発2回で4三振を奪うなど力でねじ伏せた相手です。チームにも「もしかして本当に優勝しちゃう!?」という期待感(油断?)が高まりました。油断大敵を実感した試合となりました!
決勝戦の始球式では、開会式で頑張っていたご当地ゆるキャラからワンが始球式。ワンバウンドで打者の胸元を突いていました。
泣いても笑っても最後の試合。全43チームの頂上に立つチームが決まるのです。監督はまたしても10郎を先発に指名。11球しか残っていなかったので抑え起用かと思っていた8郎もビックリ。でも、決勝戦の先発を10郎を立たせたかったのだと理解しました。
しかし10郎、緊張と連戦の疲れからか、先頭打者から2連続フォアボールを出してしまいます。球速もMAX105㌔/hです。先発の役目を果たせません。それでも意地を見せ3番打者から空振り三振を奪ったところで、投球制限によりマウンドを降りました。変わったN君が直後4番に3塁打を打たれるなど一気に3点献上! 10郎の大会自責点も一気に3点になりました(笑)。ベンチにまたも嫌な雰囲気が漂いました。
しかし、この夏に成長した子供たちのエネルギーはすごいものがありました。相手に先制3塁打を打たれたN君がその裏に2点タイムリーを放つなど3点を取り返したのです。そのあとも5点を追加し、8-3。優勝へのリミットが近づきました。しかし、相手も海を渡ってきた意地があります。4点を取り返してきました。実は準決勝で力投したR君がひじを痛め、決勝には出ていません。残りの投手陣に不安が残ります。
最後の最後まで一致団結して戦おう! 監督の激に18人が心を一つにします。
しかしもう一人、成長していました! 経験は不足ながら身体能力の高さで4番目の投手として急成長したT君がMAX96㌔/hで相手の反撃を抑え込んだのです。あっぱれ!
そして5回裏の攻撃中に時間切れで見事優勝が確定! 県外大会としてはもちろんチーム初です! 歴史的な快挙を達成してくれました。おめでとう~! 県大会の出場を2度も失った悔しさを、この栄冠が思い切り晴らしてくれました。えらいぞ、子供たち!
10郎は準決勝ほどの大活躍ではありませんでしたが、2打数1安打1打点1四球2盗塁で見事勝利に貢献しました!
この世代としてはすべての大会を通して初優勝! 表彰式で整列する子供たちを誇りに思いました。もちろんわが息子が一番輝いて見えました
ところで、10郎。最後の最後のベースタッチプレーでまたも骨折してしまいました。今回は左手親指です。近くの整形外科で「全治一カ月」と診断されました。オーマイガッ。栄冠と引き換えの名誉の負傷、と考えるしかないね~。骨細の家系ですね~。今も固定具をはめていますが、元気なのでご心配なく。
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大会4試合での10郎の成績を記録として残しておきます。チームの中心としてよくやったと思います。両翼96㍍のスタンドに打ち込めなかったのだけが残念!(それは求めすぎですね)。
【打撃走塁】
13打席10打数5安打
打率 5割
HR 1本(公式戦第10号)
打点 5
盗塁 3
四死球 3
出塁率 6割1分5厘
【投手】
投球回数 8回
勝利 1
自責点 3
奪三振 11
最高球速 110㌔/h
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その夜は、父ちゃんたちで飲み会。父ちゃんたちも疲れと嬉しさの混じり合ったいい顔をしていましたね。佐賀で飲むビールもおいしかったです!
以上が夏の夢を実現した子供たちの激戦記です。つたない文章ですが伝わったでしょうか。
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大きな夢を与えてくれたご褒美にと、最後の予備日は熊本県にまで足を運んで遊園地を満喫しました。
8郎はあまりの暑さで、入口付近のパーラーで1人缶ビール。しかし、あっという間にぬるくなり全部飲み干すことはありませんでした。
妻から送られてきた写真には、ジェットコースターを楽しむ10郎の姿が。安全のためメガネを外した顔にまだ幼さを感じました。楽しそうだね~。高所恐怖症の父の遺伝は薄いようです!
30分経つころには、一人ブラブラしているのも限界だったので、ついに10郎たちと合流。その流れで8郎もジェットコースターに乗ることに。ほかのお母さんがいたので逃げるわけにもいかなくなったのです。
立ち乗り型ジェットコースター「ミルキーウェイ彦星」です(こんな怖い乗り物つくって、こんなかわいい名前つけんけ!)。隣の着席型「ミルキーウェイ織姫」のほうがよかったな~。妻と10郎は楽し気でしたが、8郎は死刑台に立たされた気分。いざ、発射!
最後まで目をつぶって恐怖を耐えしのごうと思ったのですが、予想以上に上下のGが激しいのです! 膝がガックンと思ったら、次は空に向かって放り出されるでのはないかというくらいの反重力! 目を空ける恐怖より、次に何が起きるか分からない恐怖が勝りました。高所恐怖症の49歳が、無理やり目を開けてみた地獄の光景を言葉にするのは難しいので、公式サイトのYoutubeをご覧ください(笑)。
恐怖感が伝わったでしょうか。あまり伝わってないと思います・・・(笑)。後半失速型のアトラクションでしたね(だからこそおじさん耐えられたのでしょう)。
フリーパス5千円相当を払ったにもかかわらず、アトラクションはこの1台だけ。めっちゃ高く付きました。でも、子供たちはみな満足そうでした。
バスで空港に移動。5日間機敏に貢献してくれたF田さんという高齢の運転手さんに子供たちからお礼を告げました。いい感じのおじいちゃんでしたね。大型バスで忘れものを取りに行ってもらい(酷)、一部の保護者にビールの買い出しに付き合わされ(再酷)、本当にお世話になりました。
福岡空港で最後のランチ。10郎はハンバーガー、8郎はカツカレー。遊園地に時間をかけすぎて、空港でゆったりできませんでしたね。お土産も足りなかったかもしれません(謝)。
帰りの飛行機では機内アナウンスでチームの偉業をたたえてくれるハッピーサプライズがありました。JTAさん、粋だね!
貸し切りバスで地元の公園に到着。すると、在沖組のメンバーらが横幕を作って歓迎をしてくれていました。感動です! 遠路の疲れも吹っ飛びました。ありがとうございました。優勝という最高の報告をすることができてうれしいです。下写真は他の保護者さん撮影を無断借用しています(謝)。
10郎、チームメート、その保護者の方々、そして何といっても、金銭面でご支援いただいた多くの方々に感謝ですね。
この夏、父子はそれぞれの大きな目標に挑戦しました。しかし、父は油断した挙句に国家試験4度目の不合格。10郎も頑張ったけど長期計画での準備不足が否めなかったためジュニア2次選考会を落選。いずれも虹を架けることはできませんでした。しかし、10郎は仲間たちと力を合わせて佐賀唐津の地で、九州大会優勝という美しい虹を架けてくれたのです。夏の終わりに架けた虹。甲子園のようなサイレンが鳴り響く中で見た光景はそれはもうこの上なく美しいものでした。8郎家にとって一生忘れられない思い出となるでしょう。
以上、2022年夏、野球の神様がくれた熱い熱いクライマックスのてんまつでした。何度でも言いましょう、野球って素晴らしい!