上海下町写真館2010

上海より半年ぶりに帰国しました。マイペースで故郷の風景や歴史などをご紹介します。

旧上海城の歩き方(5):上海城の道教寺院「白雲観」

2013年03月27日 06時00分00秒 | 上海街角スナップ
1888年「徐至誠」は北京の白雲観で修行をし、道教の経典明代版「正統道蔵」8000巻余を授かり上海へ戻り、「雷祖殿」を「海上白雲観」と改名しました。
現在上海図書館に「正統道蔵」は保存されているそうです。
1894年には明代の銅像7尊と天師2尊、天君5尊を、1984年には明代、清代の銅像2尊を祀りました。

正門の「霊官殿」には道教神36天君の一つ、道教の法を司る「王霊官」が祀ってあります。



「王霊官」の両側には四大天君「岳天君」「温天君」「馬天君」「殷天君」が並びます。

道師が祈祷する時、これらの天君は降臨するそうです。

「霊官殿」をくぐると広場があり、正面に本殿があります。



本殿には道教の祖神「太上老君」が祀ってあります。



道教は多神教だそうです。


「太上老君」の両側には、それら神々の物語が現されているのでしょうか。
仏教の眠くなるような単調な木魚と念仏と違い、道教の祈祷は京劇の鳴り物のように鐘や胡弓の伴奏が賑やかです、

2階は広場を囲む回廊となっており、道教の神々が祀ってあります。



「関帝」も道教神の一つで、右「文昌帝」、左「趙公明」と伴に「財神殿」に祀ってあります。



「雷祖殿」に祀られた右「南極老人星君」は人の寿命を司る神です。


左は「真武大帝」勇猛で北方を鎮めるそうです。

「娘娘殿」に祀られた「王母娘娘」。


中国語の「娘」は口語で母親のことを指します。

「薬王殿」に祀られた神医「孫思邈」。



ここは亡くなった方々の位牌を安置する場所です。


位牌には亡くなった両親の遺影と家族の名前が記されています。

撮影:CANON EOS5DIII + EF24-105mmL F4