上海下町写真館2010

上海より半年ぶりに帰国しました。マイペースで故郷の風景や歴史などをご紹介します。

上海ストリート:ピアスアパートの扉は開いていた。「虹口区」

2012年12月31日 06時00分00秒 | 上海優秀歴史建築
租界当時は7階建ての高級アパートで、全て外国人が入居していたそうです。

南側の狭い通りに入り口があります。



中を覗くと、入り口が開いていました。


失礼して、中庭から建物の吹き抜けになった部分を初めて撮影。



1977年に上部に2階増築され9階建てとなりました。


住宅が不足していたのでしょう、他の大型建築物にも増築した物がありますが、当時の建物は丈夫だったのですね。


撮影:CANON EOS5DIII + EF24-105mmL F4

上海ストリート:乍浦路は懐かしい。「虹口区」 

2012年12月29日 06時00分00秒 | 上海街角スナップ
乍浦路は黄浦区から蘇州川を北に渡った所から始まります。
香港に良く似ていた名食街も、通りにはみ出た看板が取り外され、普通の通りになってしまいちょっと残念です。

崑山路との南東角に建つ「254号住宅」。この通りで私の一番気に入っている建物です。


しばらく前に外装が改修され、立派な黄金屋根も復活しました。


南京東路や淮海中路のような観光地とは違う「生活臭」が感じられます


東隣には宋三姉妹の父が牧師として勤めていた「景霊堂」教会があります。


ここにまでも再開発の波が押し寄せ、ついに超高層マンションが建ちました。



老人の日向ぼっこをする場所が、日陰にならないと良いのですが。


撮影:CANON EOS5DIII + EF24-105mmL F4

上海ストリート:お昼は香港スタイルで。「虹口区」

2012年12月28日 00時00分00秒 | 上海街角スナップ
海寧路と乍浦路の北東角に建つ古い元映画館は1930年に建てられた旧「ウヰルス劇場」。

その対面に営業している食堂。

お持ち帰りもできます。

近所の勤め人が昼ご飯に利用しているようです。

磨いて磨り減った木のテーブルと長椅子がいいですねー。

本日のメニューはチャーシュー定食に追加3元で胃袋の煮込み。


柔らかに込んだ胃袋のひだに、いいお味が染みています。

同伴者はアヒルのカオヤー風定食。


1時を過ぎると混雑も一段落のようです。



撮影:CANON EOS5DIII + EF24-105mmL F4

上海世博会記念展(3):7千万人が見て感じた物は・・・。

2012年12月26日 06時00分00秒 | 上海街角スナップ
「文明の起源」について、紀元前3500年の古代メソポタミアのバビロニア城市を紹介しています。


人類の起源として320万年前の化石「ルーシー」が紹介されています。

奇しくも万博準備中の2009年10月に、ルーシーより100万年前の「ラミダス猿人」の発見が学会に発表されています。

「世界文明」として世界各地の古代文物や出展物などが紹介されています。


日本館の「ふろしき」が紹介されています。


同じく日本館の伝統的文物や最新ハイテク技術の紹介。

「世界一快適なトイレ」と、黄金の「シャワートイレ」の展示がありました。

ベトナムの「竜頭」の彫刻。


タイの仏教寺院を守る「門神」。




現存する世界最古の共和国、サンマリノ共和国議会前の「自由の女神像」。


エジプトの古代像。


スペイン、マドリード市より贈呈された「4頭立て馬車」のレプリカ。

本物はマドリード市内の銀行屋上を飾っているとか。

スペイン館にあった「小米宝宝」。

1日に7回の実演もあるようです。

撮影:CANON EOS5DIII + EF24-105mmL F4

上海世博会記念展(2):中国各省の「お宝」を展示中。

2012年12月24日 06時00分00秒 | 上海街角スナップ
2階の入り口を飾る大型の方形鼎は中国商代後期の紀元前16-11世紀の王室祭祀用青銅製「后母戊鼎」の精巧レプリカ。
1939年に河南省安陽市の農地から出土しました。流石に本物は国家博物館が所蔵しています。

世界遺産の宝庫「山西省」から送られた青銅製高さ39cmの「鳳鳥尊」。


晋国で崇拝され、皇室を象徴する像で、完全な形で出土した中国青銅芸術を今に伝えるまれに見る珍品。

天津市より贈られた「九竜宝鼎」


周りに56個の丸い「乳釘」があり、中国56民族の団結を表現しています。

福建省ブースに展示されていた磁器製の天女像。


繊細な美しさを感じさせます。

磁器の代名詞とも言える景徳鎮の壷と皿。


景徳鎮は江西省の有名な磁器の里です。

黄金の孔子像。


2500年前の偉人。日本や韓国の思想や道徳観にも影響を与えている儒教の創始者。

湖南省から贈呈された壷。


右の「華彩中国滴水瓶」の紅色(中国紅)は特に素晴らしいですね。

雲南省より贈呈された「牛虎銅案」。


古代祭祀の時、牛は神へ捧げる生贄だったのですね。

重慶より贈呈された「青銅鳥型尊」。



陜西省より贈呈された「唐三彩騎駱駝楽舞俑」。西域の香りがしますね。



「跪座侍女俑」。素朴な面立ちは「中国最初の微笑み」と呼ばれています。



1969年に甘粛省で出土した「銅奔馬」。


疾駆する馬の躍動感が素晴らしいですね。

寧夏省より贈呈された「鎏金銅牛」。銅の表面に純度の高い金が塗布されています。


1977年に西夏王陵より出土した国宝級文物。

西蔵館に展示してあった西蔵仏教寺院の「転教桶」。


表面にお経が書かれており、参拝者はこれを手で回し祈ります。

最後に中華門を出て2階の展示は終わりです。


4つの直轄市と22の省、5つの自治区と台湾や香港などの特別区も合わせ、30以上にもなりますので、とても全部は紹介できませんでした。

三階は外国展示館の出展物が展示してあります。



撮影:CANON EOS5DIII + EF24-105mmL F4

上海世博会記念展(1):万博メモリアルをダイジェストで。

2012年12月22日 06時00分00秒 | 上海街角スナップ
場所は地下鉄4号線「魯班路」から歩くのが近いようです。



入場料は観光値段の30元。上海市民向けの美術館が無料なのと比較すると、ちょっとお高いようです。



上海万博の施設をそのまま利用しているのですが、今の入場者は私一人。



上海万博は入場者数7千万人を超え、大阪万博の世界記録を超えました。



会場の案内図。



万博の「理念」は万博終了後に生かされているでしょうか。


交通や文化などの公共施設はかなり整備されたようですが。

当時の事務局の看板が飾られています。関係者の方には感慨深いでしょう。


万博後に生まれた次の世代にも伝えたい記録ですね。

参加各国から送られた「えり抜き」の記念品。



万博会場の模型と中央管制室の模様。


その他従業員のユニフォームや入場券など、記念グッズなどが展示してあります。

会場建設のために消えてしまった下町横丁の標識。



造船所やその従業員家族の住宅が密集する地域でした。



2階へ移動します。


2階は中国各省の「お宝」が展示してあります。

撮影:CANON EOS5DIII + EF24-105mmL F4
 

上海ストリート:茂名南路の蘇浙匯がリニューアル

2012年12月21日 06時00分00秒 | 上海街角スナップ

入り口の古風だった看板も、すっかり現代風に変わりました。



1階入り口エレベーターホールには馬の電気スタンドが置いてあります。



エレベーターを降りた2階入り口の塑像。


中国風の服を着てカバンを持っており、旅人のようですが体の一部分が欠けています。

店内はモノトーンで統一されており、唯一料理だけがカラフルです。



こちらにも馬の塑像。


大型の塑像が置かれ、まるで現代美術館のようです。

スペイン風のホールも白で統一されてしまいました。


過去と現在がミックスされた、上海を象徴するような店内ですね。

店の雰囲気は変わっても、味付けはシンプルで以前のままでした。



クリスマスも、もうすぐです。



撮影:CANON PowerShotS100

上海人は現代アートがお好き:当代芸術博物館

2012年12月19日 06時00分00秒 | 上海街角スナップ
西安にある秦の始皇帝「兵馬俑」を髣髴させる作品ですね。

万博会場跡地の浦西側にある巨大な煙突を持った建物は、火力発電所の工場でした。



入り口ホールにある巨大アートの題名は「千手観音」。


巨大な空間を最大限に利用した作品です。

本当に千本の手があるかもしれません。



大小ギャラリーの数も沢山あります。



千手観音を上部から見たところ。



対岸は浦東です。



こちらも広い空間を利用した、陶器製のトーテムポール。



外国人画家の展示スペース。


海外芸術家との交流も盛んなようです。

5階部分のテラス。ここも野外展示スペースとなっています。



テラスからの眺め。対岸の旧中国館が美術館の中心となったようです。


博物館を除き、上海市が管理する美術館だけでも市内に27箇所あるそうですが、その殆どが入場無料となっています。

撮影:CANON EOS5DIII + EF24-105mmL F4



上海は昔も今も大商業都市だった。:福建省果物商同業会「三山会館」

2012年12月17日 06時00分00秒 | 上海街角スナップ
この間、上海には商工業者の同業組合や、地方出身者のための同郷組合が設立され、1948年にはその数およそ300団体があり、独自の会館を所有していましたが、現在、殆どの会館は消滅しました。

「三山会館」は1916年に福建省の果物商の同業会館として竣工しましたが、ここだけは当時の原型を留め、上海が商業都市だった記念として修理・保存・一般開放されています。


南側の正面から入ると前庭があります。

入り口を入ると広場の正面に「大殿」があり、道教の女神「媽祖像」が祭られています。


航海・漁業の守護神として特に台湾・福建省・潮州で深い信仰を集めています。

媽祖像は漢白玉製で高さ2.8m、重さ3.5tあります。



内装も万博に併せ豪華に改装されたようです。



南側入り口上部は舞台になっています。


会合や宴会が行なわれたのでしょう、当時の組合の繁栄振りが偲ばれます。

1927年の共産党第三次武装蜂起の歴史的記念地ともなっており、敷地内に新しい展示館も併設されました。


中山南路1551号。入場は無料です。

撮影:CANON EOS5DIII + EF24-105mmL F4

上海ストリート:新天地で老上海を感じよう。 

2012年12月15日 06時00分00秒 | 上海街角スナップ
平日はAM10時前に行けばかなり空いていて、写真が撮影しやすいです。

新天地は香港の不動産開発会社が1.5億ドルの資金を投入し、2001年に開業した総合商業施設です。



特徴は上海の歴史的住宅「石庫門」を再建し、商業施設に利用したことです。



今でこそ上海観光の一翼をになっていますが、計画当初は「老上海」を再現することに各方面からの反対があったようです。




不動産投資の常識から考えると、広い敷地に2-3階建ての低層建築では投資効率が悪いのは当然です。



3万m2の敷地に建坪6万m2の石庫門住宅が建築されており、隣接する公園も開発企業の所有です。



開発会社には上海人が暮らした、この中欧折衷の歴史的住宅にこだわりがあったようです。



中国建国時には多くの資本家や富豪が台湾や香港など国外へ逃れましたが、その中の上海人には老上海に対する郷愁もあったと推測します。



この新しくて古い商業施設には、中国の近代史の証人になろうとする意図があるのかもしれません。



今後、上海らしい観光スポットがどんどん増えていくと、上海がもっと楽しくなりますね。



撮影:CANON EOS5D3 + EF24-105mmL

上海ストリート:値切ればあなたも買物上手

2012年12月14日 06時00分00秒 | 上海街角スナップ
以前、淮海中路の地下鉄1号線「陜西南路」付近にあった偽物市場は敷地の再開発で一掃され、買物の楽しみが一つ減りましたが、南京西路と成都北路交差点北西角のビルに礼品市場を見つけました。

ビルの1階から4階まで、小さな個人商店がびっしりと営業しています。


基本、ニセブランドは売ってないようですが、外国人の客が多いです。

衣服・靴・バッグ・アクセサリー・時計・眼鏡・玩具など、冷やかしだけでも時間がつぶせます。


日本の旅行ガイドブックには、あまり馴染まない店だと思います。

100元以下のものは少ないので、家族や親しい人のお土産を探すのがよいでしょう。



中国風のお土産は豫園の方が店が多いでしょう。



ご自身で使うバックや靴などは良いかもしれませんが、品質は保証の限りではありません。



あくまでも「値切る楽しみ」と考えてください。


欲しい物があったら他店と値段を比較し、納得行くまで交渉しましよう。

撮影:CANON EOS5DIII + EF24-105mmL F4

上海ストリート:外灘の夜景は見逃せない

2012年12月12日 06時00分00秒 | 上海街角スナップ

北から南へ川沿いの堤防上を歩きます。
川沿いの車道は地下に通過車両の専用道が造られたため、地上は観光用の車両だけとなりました。

このため、車道が減幅され、歩道が広がりゆったりと観光できます。

川岸の堤防は広い遊歩道となっており、川向こうの浦東の現代的な風景と、浦西の租界当時の歴史的建造物との両方が対比できます。



見所の一つは左の和平飯店と右手の中国銀行。租界時代から建物の高さを競いました。



和平飯店は租界の不動産王だった英国系ユダヤ人の「旧サッスーンハウス」。今では上海一の高級ホテルになったようです。


約1kmの間に歴史的建造物が20棟以上保存されています。


もう一つの見所は時計台を持った「税関ビル」と、その左の「旧香港上海銀行上海支店」。


「旧香港上海銀行」は租界の各企業が共同で設立した貿易決済銀行でした。現在の世界最大の銀行「HSBC」の前身。

建物は「スエズ運河より東にある最高の建築物で、ベルサイユ宮殿に匹敵する」と当時評されました。

この銀行を通じ、中国貿易の莫大な利益が香港へ送られました。

現在は中国系銀行が営業をしています。銀行営業時間中は内部も見ることができます。

色々な建築スタイルの建物が当時の租界の繁栄を物語っています。

最近は建物の中に高級レストランやバーが営業を始め、外灘の風景を楽しみながら飲食ができるようになりました。

撮影:CANON EOS5DIII + EF24-105mmL F4

上海ストリート:外灘で二人の愛を誓う

2012年12月10日 06時00分00秒 | 上海街角スナップ
映画の撮影ではありません。外灘の夜景が流行なのか、結婚記念写真の撮影があちこちで行なわれていました。
ここで写真撮影してもらえば、誰でも映画スター気分ですね。

黄浦区と虹口区の境界となる蘇州川。そこに架かる乍浦橋から撮影してみました。


正面が外白渡橋、右手は外灘源の再開発が進んでいます。

外白渡橋は虹口区にあった共同租界と、黄浦区にあった英国租界を繋ぎます。


当時を描いた映画に度々出てきますが、青浦区にある映画村での撮影のようです。

照明が以前より少し地味になったような印象です。


カメラが変わったから?それとも節電のため、LEDにでも移行しているのでしょうか。

遊覧船からは、浦西と浦東両方の夜景を一度に楽しめますね。



平日ですが、色々な形の遊覧船がひっきりなしに行き来しています。



右手の工事中の円柱形のビルが、やがて上海一の高層ビルになるようです。



少し古風な帆船風の遊覧船です。


上海開港の1843年には7隻の外国船が入港しましたが、23年後の1866年の統計では、年間3476隻入港したそうです。

海外貿易が上海に富をもたらしたのは間違いないでしょう。



中国風の龍船も運航しています。



撮影:CANON EOS5DIII + EF24-105mmL F4




「ボクはCRH3型が好き!」:上海鉄路博物館

2012年12月08日 06時00分00秒 | 上海街角スナップ
やっとしゃべり始めたような子が、お爺ちゃんの説明を熱心に聞いていました。日本の鉄道ファンの方も、きっと子供の頃から鉄道模型が好きだったのでしょうね。

博物館の場所は地下鉄3・4号線の「宝山路駅」すぐ南になりますが、迂回しないと駅から直接は入れません。



博物館は2004年に上海鉄路局の55周年を記念し、旧上海北駅を修復して開館されました。


1909年に完成した駅舎ですが、1932年1月28日に勃発した第一次上海事変では、翌日に旧日本軍の空爆を受け壊滅的な被害を受けました。

構内にはアメリカから経済復興のため1947年に無償援助で輸入した「KD7-641」SLが展示してあります。



その他、政府要人用の客車と、雲南省で使用していた1928年米国産SN26(現存世界3台)が展示してあります。



館内は上海鉄道の歴史が写真とパネルや、当時使用していた小物が現物で展示してあります。


鉄道ファンの方には興味が持てると思います。

中国最初の営業路線は1876年に怡和洋行の経営により、呉淞-上海間が開通しました。


毎日6往復をを運行していましたが、住民の激しい反対運動が起こり、翌年に清国政府が買い取り、全て撤去しました。

当時の清国重臣「李鴻章」、中国近代化に積極的でした。



実物大の模型。最初のSLはこんなおもちゃのような物でした。



建物の西側(広場入り口側)には鉄路があったでしょうから、乗客は東側より入場したのでしょう。



英国風の造りで、建築物としても貴重で素晴らしい建物ですね。



撮影:CANON EOS5DIII + EF24-105mmL F4



上海ストリート:ザリガニ横丁は今日も繁盛

2012年12月07日 06時00分00秒 | 上海街角スナップ
西蔵南路を淮海中路より南に下がると「寿寧路」があり、ここから東へ「老西門」までに「小龍蝦」店が密集しています。



上海蟹はレストランで食べると値段が高いので、市場で購入し自宅で食べることが多いですが、小龍蝦は安いので一人分500g単位で注文し、店で食べたり持ち帰りで食べます。



通りは老西門のある中華路に近づくと、人通りが俄然多くなります。



中国語で「紅梅龍蝦:ロンシア」と書かれています。



アルミのトレイが沢山積んでありますが、これに量り売りで盛ってくれます。



隣は「シャコ」のから揚げのようです。寧波の海鮮料理では定番です。



撮影:CANON PowerShot S100