上海下町写真館2010

上海より半年ぶりに帰国しました。マイペースで故郷の風景や歴史などをご紹介します。

上海ストリート:音楽学院に残る優秀歴史建築

2013年01月30日 06時00分00秒 | 上海優秀歴史建築
入り口から右前方に進むと、洋館が1棟見えます。



アシュケナージ系ユダヤ人の音楽倶楽部として1910年代に建てられました。



2棟分の優秀歴史建築をまとめたパネルが表示してあります。



音楽家となったユダヤ人が、演奏会などに使用していたのでしょうか。



1棟目の洋館の南側を奥に進むと、もう1棟の洋館があります。



ドイツ様式の住宅です。



ドイツから迫害を受けたユダヤ人の音楽倶楽部の隣に、ドイツ式住宅があるのは謎です。



ベルギー領事館として使われていたそうです。



撮影:CANON EOS5DIII + EF24-105mmL F4

上海ストリート:「世博文化中心」は「メルセデス・ベンツ文化中心」になった。(2)

2013年01月28日 06時00分00秒 | 上海街角スナップ
「Benz」の文字は浦西側からも見えるでしょうか。

建物外周にある展望回廊の安全柵は金網ではなくワイヤーになっているので、カメラのレンズをその間から出して風景撮影ができます。



南側に赤い「中華芸術宮」が見えます。



「サウジアラビア館」は有料で再開しています。



東側に「南浦大橋」と温度計の煙突を持った「当代芸術博物館」が見えます。



北の浦西側万博跡地。



西側に「世博公園」や「盧浦大橋」が見えます。



「中華芸術宮」が見えて360度一周終わりです。


高層の展望台ではガラスや金網の無い施設は少ないので、写真撮影にはありがたい施設です。

撮影:CANON EOS5DIII + EF24-105mmL F4

上海ストリート:「世博文化中心」は「メルセデス・ベンツ文化中心」になった。(1)

2013年01月26日 06時00分00秒 | 上海街角スナップ
内部は可変式で、中国最大の座席数となる18000席のアリーナ型劇場が中心の複合商業施設です。


劇場では上海で人気の視聴者参加TV番組の収録が行なわれています。

高級車がずらりと展示してあるかと思いましたが、実車はこれ1台だけです。



地下もメルセデス・ベンツの歴史のパネル展示だけでした。



地下には上海では珍しいアイス・スケート・リンクがあります。



6階には大小6館の映画館が営業しています。



展望型のレストランやバーなども何店かあります。



長い廊下を歩いて、館内を一周することができます。


黄浦江の夜景を見ながらの食事はロマンチックかもしれませんね。


外周の360度展望回廊に出て見ましょう。

撮影:CANON EOS5DIII + EF24-105mmL F4

上海ストリート:世博公園を散歩した。

2013年01月25日 06時00分00秒 | 上海街角スナップ
「音楽噴水」があった「慶典広場」西側から公園へ入ってみました。

岸に沿って遊歩道ができています。



公園の案内板



巨大な「ひまわり」のモニュメントも残されています。



製鉄所で使われていたのでしょうか、岸壁にある巨大な2機のクレーン。



河を航行する船は、夏に川面に大量に発生する「水草」を回収する船のようです。



浦東と浦西を繋ぐ盧浦大橋。


浦東空港から市街の南北高架路へ繋がります。

宝山製鉄の工場を利用した「大舞台」はまだ再利用が決まっていないようです。。

巨大な鉄の構築物は解体するだけでもかなりの費用がかかるでしょう。

水路の周りの樹木も、もう3年目を迎えます。


撮影:CANON EOS5DIII + EF24-105mmL F4

上海ストリート:人民広場のキリスト教会「沐恩堂」。

2013年01月23日 06時00分00秒 | 上海優秀歴史建築

沐恩堂は1887年、清朝光緒13年に設立された米国南メソディスト教会(監理会)が1929年からこの地に教会を建築し、1931年に竣工しました。


西蔵南路からの撮影。

礼拝堂は1000人が一度に祈りを捧げることができるそうです。



南側の漢口路からの撮影。



人民広場の一等地にありながら、敷地面積は1,347m2、建築面積は3,138m2もある大きな教会です。



文革では被害を受け、一時宗教活動を休止していたようですが、80年代に再開し最近30周年を迎えたようです。



宗教活動は盛んで日曜日にはミサも行なわれ、信者以外も礼拝に入れるそうです。



撮影:CANON EOS5DIII + EF24-105mmL F4

上海ストリート:上海美術館は競馬場のクラブハウスだった。

2013年01月21日 06時00分00秒 | 上海優秀歴史建築

これは「中華芸術宮」に展示してある租界当時の競馬場の賑わいを描いた絵です。


馬場の向こうに「国際飯店」や「金門大酒店」が画かれていますね。

1933年に竣工の競馬場クラブハウスは、1952年から1996年まで上海図書館として使用されていました。


五階建てで時計台を含めた高さは60m。

現在、新しく出来た「中華芸術宮」と所蔵品の入れ替えを行なっており、しばらく美術館としては休館の予定です。


現在、歩行者天国となっている南京東路は租界当時、外灘から競馬場へ行くための道で、上海人は「大馬路」と呼んでいました。

撮影:CANON EOS5DIII + EF24-105mmL F4

上海ストリート:外灘源「圓明園酒家」が開いた。

2013年01月19日 06時00分00秒 | 上海優秀歴史建築
外灘の北、中山東一路から北京東路へ入ります。



私が上海へ赴任した2002年頃から既に外装は綺麗になっていましたが、内部は利用されず閉じられていました。



南京東路のちょうどペニンシュラーホテルの正面(南側)になります。



西側入り口。1994年に上海優秀歴史建築に指定されましたが、登録「現名」も「益豊洋行」になっています。



館内は海外の有名ブランド店が入居しています。



北側入り口ホールのシャンデリアが豪華です。



各ショップも開店したばかりのようです。



東側には「上海外貿大楼(旧怡和洋行)」の中庭が見えます。



撮影:CANON EOS5DIII + EF24-105mmL F4




上海ストリート:「モラーヴィラホテル」はやっぱり夢のお城だった。(2)

2013年01月18日 06時00分00秒 | 上海優秀歴史建築
玄関を入って入り口を見たところ。

正面の受付。


大理石の柱がふんだんに使われています。

レストランは入り口を入って左手になります。


海運国だったスエーデンの船大工が内装を担当したのでしょうか。

レストランからは緑の庭が見渡せます。


船の内装にも使われる、強くて腐りにくいスエーデン産の木材がふんだんに使われているそうです。



手洗いに行くにも道に迷ってしまいます。



南側には庭を見渡せる、気持ちの良いサンルームがありました。



サンルーム上部のステンドグラス。



伝説の「娘が見た夢に出てきたお伽のお城をデザインした」そのDidoと愛馬。


彼らは6人兄弟だったそうです。

当主のEric Mollerの持ち馬が勝利を収めた写真。

日本が英米仏に宣戦布告をし、第二次世界大戦が始まり、上海の外国人移民(ユダヤ人)は強制収容所へ送られることになり、新築間もない城を後に家族は上海を離れざるを得ませんでした。

その後、城は日本軍将校倶楽部となり、戦後は国民党に受け継がれ、中国解放後は共産主義青年団上海委員会本部として半世紀使用されました。

家族は中華人民共和国成立後、英国に戻りましたが、1952年にEricはシンガポール空港の飛行機事故で亡くなりました。
子孫は英国で父親の事業を引き継ぎ成功したそうです。

撮影:CANON PowerShot S100

上海ストリート:「モラーヴィラホテル」はやっぱり夢のお城だった。(1)

2013年01月16日 06時00分00秒 | 上海優秀歴史建築
延安中路に架かる歩道橋からは、魔法の帽子のようなとんがり屋根のお城全体がよく見渡せます。

1936年に完成した北欧建築様式の建物の当主はユダヤ系スエーデン人(英国籍)のEric Mollerで、彼は海運界の大物で、香港で成功した父親の事業を引き継ぎ1913年に上海へ来て海運業、保険、不動産、投資などで一族の事業を発展させました。

北欧風と中国風の折衷のような敷地入り口の門。



一号館は中華レストランを営業しています。


中華風の獅子像と当主が愛した馬の銅像が玄関先を飾っています。

先ず、玄関前から左手に南側の庭を拝見してみましょう。



小さなせせらぎが造ってあり、緋鯉が泳いでいます。



2000m2の英国式庭園を持つ建物は、都心にありながら森の中の城ような雰囲気ですね。



サンルーム前のテラスでは結婚記念写真が撮影されていました。



お城は床面積3000m2で部屋数は106室あるそうです。



内部はクルーズ船をイメージした豪華な装飾で、訪れた人は必ず迷ってしまう複雑な構造を持っているとか。


これもまた、夢のある話ですね。

北側の二号館はホテルのフロントになっているようです。

撮影:CANON Powershot S100

上海ストリート:「当代芸術博物館」のレストランは見晴らしがいい。

2013年01月14日 06時00分00秒 | グルメ
博物館入り口の奥にあるエレベーターで7階に上がります。


店内は吹き抜けの高い天井があり、客席もゆったりとしたスペースで置かれています。


南側の高い窓からは暖かな冬の日差しが射し込んで、とても気持ちが良いです。


アートな雰囲気ですね。

お昼はセットの定食がお勧めです。



スープとデザートのフルーツにドリンク付です。



食後吹き抜けの8階のテーブル席へあがって見ました。



天気の良い日は、黄浦江を上り下りする船をのんびりと眺めるのも良いでしょう。



上流は万博会場跡、下流には南浦大橋が見えます。



博物館だけあって、置かれた調度品も素晴らしいですね。



撮影:CANON EOS5DIII + EF24-105mmL F4

上海ストリート:万博中国館は「中華芸術宮」になった。

2013年01月12日 06時00分00秒 | 上海街角スナップ
地下鉄8号線の駅名も「中華芸術宮」に変わりました。

内部は5階建てでとても広く、名前の通り「芸術の宮殿」のようです。

歴史的、叙事的な作品も多いようです。

巨匠達の常設展示場から、新人の発表場所としてもスペースは十分あります。


租界当時の蘇州川を描いた2012年の作品です。

風景画もいいですが、肉体労働者を写実的に描いた絵画には感動します。

以前、上海美術館に行った時は、「抽象画が多い」と言う印章でしたが、汗や荒い息を感じさせるようなリアルな絵です。

音楽学院の生徒達を描いた2011年の作品。


映画「風雲儿女」の撮影現場を描いた2011年の作品です。

上海歴史的絵画展の出展作品は、古そうに見えますが殆どが万博が終わった2011年の製作でした。

最上階の回廊から見る黄浦江の風景も、まるで絵画を見るようです。


撮影:CANON EOS5DIII + EF24-105mmL F4


上海ストリート:紹興公園に日本人像が建った。

2013年01月11日 06時00分00秒 | 上海街角スナップ
通りの北側に観光客が訪れることも無いような小さな近隣公園があります。


盆栽や太湖石などが置いてある中国式庭園です。



紅葉がわずかに散り残っていました。



白壁や京劇の面もまだ造ったばかりのように新しいです。


この像は2011年に長崎県日中親善協会から贈られた、「梅屋庄吉」の像です。


近隣に彼の住居があった関係から、この地に置かれたようです。

孫文の辛亥革命を影で支援した実業家で、その額は現在の貨幣価値で1兆円にもなると言われています。


御子孫の方が万博時に、孫文との往復書簡を公開されたたそうです。

撮影:CANON PowershotS100

上海ストリート:陜南村にはフランス租界の香りが残る。

2013年01月09日 06時00分00秒 | 上海優秀歴史建築
陜西南路側にアパートの入り口があります。


1930年の竣工で、敷地内に全部で16棟建っています。


1994年に上海市優秀歴史建築の指定を受けています。


フランス様式の4階建てアパートで、1階に2戸あり、各戸3部屋あるようです。


各戸には門庁(玄関)もあると特筆されています。


チャンスがあれば内部も是非拝見したい物です。


残念ながらエレベータが無いと、日常生活にはちょっときついかもしれませんね。


撮影:CANON PowershotS100

上海ストリート:ドックレース場跡は花市場からコンサートホールになった。

2013年01月07日 06時00分00秒 | 上海街角スナップ
シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」のフランス語ミュージカルを上演しているようです。



租界時代、ここにはドックレース場がありました。



娯楽の少ない租界では、競馬とドックレースが大人気で、機械仕掛けの兎を追うグレイハウンド犬達の賭けに興じていたようです。



瑞金貴館の旧持ち主ヘンリーモーリスもドックレースが大好きで、自宅から直接ドックレース場に行けるように茂名南路側に裏門まで作らせていたそうです。



撮影:CANON Powershot S100

「上海ドリーム」の夢の跡:瑞金賓館

2013年01月05日 06時00分00秒 | 上海優秀歴史建築
瑞金二路側の敷地入り口。右手に門番小屋があります。

門を入ると小さな噴水の左手に一号館があります。



1号館は二代目ヘンリー・モーリスが住んだフランス田園風の住宅です。

今はレストランとなっており、予約がないと入れてくれません。

南には広い芝生の庭園があり、結婚式などのガーデンパーティなども開けるようになっています。

国民党政権時代は蒋介石夫妻も一号館を気に入り愛用していたとか。

噴水の右手は二号館で、ホテルのフロントがあります。


二号館の入り口正面。


ホールには広大な施設の模型が展示されています。


一号館と二号館の間は車庫と厩でした。


馬に乗ったまま通り抜けられるようになっていたようですが、今は車に乗ったまま通り抜けることができます。


通り抜けた右手に三号館があり、最近まで中華レストランが営業していました。

三号館と四号館が上海市優秀歴史建築の指定を受けています。

西の四号館は1924年に日本の三井洋行が一部土地を買取、支店長宅を建てました。

第二次世界大戦中はイタリア領事館としても使用されていました。

中華人民共和国成立後、邸宅は迎賓館として使用されました。

広大な邸宅の持ち主だった三代目ゴールドン・モーリスは、瑞金二路側の門番小屋に住まわされ、1952年にその生涯を終えました。

撮影:CANON PowershotS100