上海下町写真館2010

上海より半年ぶりに帰国しました。マイペースで故郷の風景や歴史などをご紹介します。

上海ライブ2014:「上海市福利少年宮」は豪華宮殿だった

2014年04月30日 06時00分00秒 | 上海優秀歴史建築
1.旧「嘉道里公館(Kadoories公邸)」は18世紀宮殿様式の邸宅。
旧「嘉道里公館」は租界時代の上海3大ユダヤ人財閥の一人、Sir Elly Kadoories卿が1920年から建設を始めた公邸でした。

2.「上海市福利少年宮」


現在は宋慶齢が創設した静安区の少年少女の福利活動拠点として使われています。

3.豪華な邸宅


建設着手から4年後、敷地面積15,000m2に4,692m2、2階建て部屋数20の公邸が完成しました。

4.イタリアから輸入した大理石


当時世界最高の資材が使われ、建設資金は当時の金で500万ドルに相当したそうです。

5.ユダヤ人たちの社交場として使われていた公邸は、太平洋戦争が始まると旧日本軍に接収されます。


カドゥリー一族は閘北区のユダヤ人収容所に収監され、当主カドゥーリーはそこで病死します。

6.日本の敗戦後は英国人、米国人、オーストラリア人の娯楽所として使われていました。


公邸近くの小屋に幽閉されていたカドゥーリー一族の長男は香港へ移住します。

7.上海虹橋の外人墓地に眠る当主カドゥーリー。


今でも上海の外人墓地に当主カードゥーリーは、不幸なロンドンの火災で失った最愛の妻と伴に眠っていますが、
香港へ渡った息子は事業で成功し、現在では世界100位に入る大富豪となり世界的なホテルグループも運営しています。

上海外灘の「ペニンシュラーホテル」 こそ子孫カドゥリー一族が建てたホテルです。

上海の古い洋風建築には映画を見るような様々な歴史ドラマが秘められていますね。

撮影:CANON EOS5DIII + EF24-105mmF4L IS