こんばんは、白黒茶々です。
すべてはスマホのLINEのガラガラポンから始まりました。 私はそのアプリで地元の金融機関を友達登録していて、そちらではたまに何かの抽選がおこなわれたりしました。
その景品は、うなぎの白焼きや寿司屋の食事券など、食べ物関連が多く、私は毎回根拠のない自信を持って挑んでいました。
しかし連戦連敗で、当たったためしがまったくありませんでした。 そのような中で、どこかの入場券の抽選があったので、とりあえず引いてみることにしました。
そうしたら、もうすっかり儀式となっている、ハズして沈むlineくまブラウンの哀愁漂う後ろ姿を見て………
ところが、今回は当たったのです ま、まずはバンザイ
それよりも、当たったものは……… シルクロードミュージアムというところの入場券だそうですけど、聞いたことのない施設ですね。それってどこにあるのでしょうか?
抽選画面にも添付されていたのですけど、それは静岡県内の磐田市でも山深い旧豊岡村の上野部地区にあるそうです。 それからしばらく経った7月最初の日曜日となる5日は天気が不安定で、波と狛を連れて出かけるのは厳しかったこともあって、私は単独でシルクロードミュージアムなるところに行ってみることにしました。
ただし、その施設と家を往復するだけではナンなので………
その通り道からかなりハミ出していて、ついでに寄る部類には入らないのですけど、浜松市東区丸塚町にある珈琲パーラーアイアイさんなる喫茶店に行きました。 それにしても、どこか懐かしい昭和レトロ感漂うお店ですね。
こちらでの目的は、もちろんモーニングですよ
最近は、豊橋モーニングが続いていましたね。 浜松はそちらよりはモーニングをやっているお店は少ないのですけど、探せば見つかります。
それにしても、ドリンク代に少し加えるだけで、ちょっと豪華なモーニングメニューがいただけるなんて、ありがたいですね。
その後、私の席にこのようなメニューが運ばれてきました。はい、ホットサンドのセットにございます。 ドリンク代(コーヒー、450円)+150円で、ゆで玉子、サラダが付いてきました。それにしても、盛ってある器が昔ながらで味がありますね。
お腹も心も満たされた私は、本来の目的地のシルクロードミュージアムに向かいました。 その際に、近道となる天竜川の堤防道を走って行ったのですけど、前日の雨で川は増水していました。
前置きがかなり長くなってしまいましたけど、ようやく目的地の手前まで来ました。 シルクロードミュージアムはその名前からして、私は鉄筋コンクリート製のモダンな建物を想像していたのですけど………
なんと、築250年ほどの古民家を活用していました。 土蔵もありますし、江戸時代の豪農ってトコでしょうか?
この看板がなかったら、「普通の民家だったらどおしよ~」とビクビクしながら入るところでした。
こちらは、地元企業の浜名梱包輸送さんが社会貢献のために収集した仏教美術を展示・公開している博物館とのこと。 紀元前3千年頃から15世紀頃までの彩文土器、磨研土器、イスラム陶器、ガラス器などの美術品が見られるというので、楽しみですね。
その内部は畳敷きで、昔ながらの日本家屋の佇まいでした。 その1階には………
主に日本の伝統工芸品が展示してありました。 これらもコレクションの一部で、日本はシルクロードの延長線にあるので、またこれもアリかと。
いや、美濃焼や薩摩焼は人間国宝の作品で、美術的な価値があるのに加えて、かなり凝った作りとなっていました。
案内人によると、こちらの伊賀焼を手掛けた番浦史郎氏は、「美味しんぼ」の山岡士郎のモデルになったとのこと。 名料理人でもありながら、お店を持たなかったそうなのですけど、山岡さんは実在していたのですね
ちなみに「士郎」という名前は、彼からいただいたそうです。
出だしからパンチの効いた展示品と出くわしてしまいましたけど、ペースを上げて紹介していかなければなりません。 九谷焼の菓子入れは、色彩が凝っているのに加えて、重量感もありますね。
こちらの九谷焼の陶器は、ただの湯呑みではありません。 内側には細かい文字がびっしりと書かれているのですけど、どうやって筆を入れたのでしょうか?
こちらの硝子細工も、どうやって作ったのか気になります。 曼荼羅の模様も、この作品を引き立てていますね。それらを堪能してから、私たちはいよいよ2階へ。
そこから世界観がガラッと変わって、中国や中東など、シルクロードの圏域で出土した美術品などがメインとなりました。 ちなみにこちらは、パキスタンのガンダーラ地方で見つかった、3世紀の石製の菩薩立像にございます。
仏陀頭部(仏頭)も、ガンダーラで出土。こちらは3~4世紀に作られました。案内役さんによると、このような仏像の類いは見る角度によって表情が変わるそうで、斜め下からがオススメとのこと。 その通りにしたら………
穏やかで優しい顔になりましたよ これからは仏像や地蔵があったら、その位置に回り込むようにします。
しかし、これはどうやって見ても、悪い顔にしかなりません。 説明書きは「仏陀立像」となっているのですけど、いったい………
その一方で、「アプサラス」は翔んで、いや、躍っています。 男性を惑わす悪女の像で、パキスタン・バクシャリから出土した7~8世紀のテラコッタ(素焼きの土器)であります。
駱駝の像もありましたよ ちなみに乗っているのは、すでに滅んでしまったソグド人という民族です。
6~8世紀のもので、中国山西省から出土したのですけど、保存状態がいいですね。
こちらはパキスタン・バロチースターンから出土した、紀元前3000~2600年の土器なのですけど、鳥や魚の絵がファンシーですね。 子供にもウケそうです。
羊形リュトンは、芸術的にデフォルメされています。 紀元前1000年頃の酒などを入れる土器で、前足に付いている乳首……… ではなく、栓のところが注ぎ口となっています。
こちらもカワイイですね 紀元前2500~2000年のパキスタン・クエッタの聖牛の夫婦にございます。
あと1品よろしいでしょうか?中国山東省から出土した、唐の時代(8世紀)の加彩武官俑であります。こちらは写実的で、本当にこのような人がいそうです。
………と、たくさんの展示品を紹介していきましたけど、これはほんの一部です。 しかも所蔵品はもっとあって、半年おきに展示物を入れ換えるというではありませんか
どちらかというと私は美術品には疎いほうなのですけど、案内の方の解説を聞きながら見て廻っていったら、ありがたみが増し、引き込まれていきました。 いずれのものも価値は高く、「開運!なんでも鑑定団」に持っていったら、高額の査定が出そうです。
さらに、展示品はストロボを焚かなければ撮影し放題で、ケースなどに入っていないものは自由に触れられるときたもんだ
今回私は無料で入らせてもらったのですけど、正規の料金の900円でも安いぐらいです。 静かな環境(片田舎)の中で、シルクロードの古美術を身近に感じることができるシルクロードミュージアム。皆さんもぜひ1度、足を運んでみてくださいませ。
修学旅行で「『シルクロード』を逆から読めば『ドーロクルシ(道路苦し)』」という講話を、薬師寺のお坊さんから聞いたという方は、こちらに投票してやってください。