プロ・アスリート羽生結弦 公式・広報サイト(Yuzuru Hanyu' s Official Site)花を咲かせよう!

フィギュアスケートのプロでプロ・アスリート、
表現者・羽生結弦監修の公式・広報サイト 
teamSirius広報

ジャパン・オープン2017と他の試合・日本選手たちの健闘ぶりを楽しむ!

2017-10-10 | フィギュアスケート全般について

 

 

羽生選手は出ていないのですが、 さいたまスーパーアリーナで行われた、「ジャパン・オープン」が終わりました。

(このページ最後に、羽生選手のこの間のオータムクラシックのショート「バラード第一番」の動画を載せてあります。)

 

三原舞依選手が、ノーミスで大活躍の大健闘をして、技術点ではロシアのメドベデワ選手を上回り、

総合点では、技術力では実質、今の女子のトップなのではないかという、ロシアの昨シーズン・ジュニア女王だったアリーナ・ザギトワ選手を上回るという、快挙!

やはり3回転ルッツからのコンビネーションを2種類も跳べるというのは、強いですね!(ロシアのトップ二人には、これは出来ませんからね。)

 

前回のオータムクラシックの時より、衣装も演技も良くなって、なおかつ名プログラムになる印象を与えて、大会を終えました。

前回は、スポ―ティ過ぎた衣装が、演技の雰囲気と合っていなくて、それだけでもかなり損していた印象でしたが、それも改良され、

(まだもう少し改良できそうですが)

今回は振付師のデビッド・ウィルソンさんに手の表現まで直されたそうで、なおかつジャンプもノーミス、総合的にかなり良くなって、ハイスコアを出しました。

やはりこの選曲は三原選手に合っていますね。 

伸びやかなスケーティングと曲調とで、あっという間に演技が終わった感じでした。 幸せなプログラムですね。

私、本当は「いつか」で良いから、羽生選手に滑ってもらいたいと思っていた曲なのですが…(笑)

(ボーカル版じゃなくてフルート版でもチェロ版でも何でも良いのですが、どれであっても、歌手や演奏者さえ良ければ、本当に名曲です。) 

映画「ミッション」は宣教師の殉教の話ですが、その中でも、この曲「ガブリエルのオーボエ」は、まだ見ぬ「天国」に思いを馳せて、一途に思って奏でられる曲なので、後からつけられた「ボーカル版」での歌詞も、天国世界を描いている、そういう歌詞になっています。

羽生選手の昨シーズンの「Let's go crazy!」と、曲調は全く違うし印象も全然違うけど、実は同じところを目指して歌っている曲なんですよね。

ヘイリーさんの歌はとても清らさかと澄んだ印象があるから、ピュアなハートをお持ちの印象の三原選手にはとても合っていましたね。

今後、さらに良くなっていくのではないかと思います! 

 

 

宇野選手はジャンプの複数ミスやコンビネーション抜けが響いて得点はあまり伸びませんでしたが、表現面は、特に前半は、前回よりさらに良くなった印象でしたし、そういう面では、決して悪くはなかったと私は思いました。

 

ネイサン選手も、4回転4本(5本跳ぶ予定だったっぽいですが)、ということでしたが、やはりミスが入ると得点が伸びず、

4回転2種類を入れただけのハビエル選手が、男子ではトップのスコアとなりました。 

オータムクラシックといい、今回のジャパンオープンといい、決してハビエル選手も好調なようには見えなかったのですが… 無理していない分、あるいはミスが少ない分、複数4回転が跳べる選手たちに、今のところは、結果的に得点で勝っていますね。

やはり4回転複数を沢山跳ぶと、ハイリスク・ハイリターンになるので、そこが勝負としては難しいところなんでしょうね。

 

ハビエル選手のフリープログラムは、途中で「ラ・マンチャ!」と叫んで曲調がガラリと変わる場所で、どうしても私は笑ってしまいます!(笑)

楽しいプログラムと思いますけど、ハビエル選手はこういうの本当に好きなんでしょうね。

 

羽生選手がコミカル系を滑るとどうなるんだろう…? 出来なくはないと思うのですが。 ちょっと見てみたくなりましたね。(笑) 

きっとハビエル選手の演技を見ながら、たまには真似したりしているだろうから、いつかそのうち!(笑)

 

 

織田信成さんは、30歳にして、なんと4回転トウループを2本入れて成功させ、とても引退して何年も経ったとは思えない、素晴らしい健闘ぶりでした!

 

特に、最初の4回転トウループ+3回転トウループのコンビネーションは、本当に着氷まで美しくて、あの着氷時の「ふわっと感」というか「しなやかさ」は、

織田さんにしか出せない個性だと思いますし、とても素晴らしかったですね!

試合にはプロとして出てきましたけど、今後はもう出ないとのこと…  

もったいない気もしますが、今回も直前まで4回転ルッツまで挑戦していたとのことで、すごい努力をされていたんですね。いや、楽しくなっちゃったのかな?(笑)

織田さんは本当に信じられないほど五輪には縁がありませんでしたけど、その稀有な才能や得意分野を活かして、まだまだ別の形での活躍を期待したいと思います!

 

こちらは、本田真凛選手の、新SP「The giving」と、アンコール演技。

 

「一聞き惚れ」だったという曲への変更。 

惚れ込んだ曲で、なおかつ良い曲なら、精神面でも良い影響が出ると思いますけど、

やはり変更して 良かったんじゃないでしょうか… 

今回は エキシビションとしての演技でしたけど、これでSPとしてジャンプが決まったら凄いですね。

 

どんな曲でもEXでも、やたらとせわしなく動くばかりだったり、なぜか手の表現がかなり手抜きな最近のロシア女子を見ていると、

以前の、技術面だけでなく、どこをとっても美しさで際立っていたようなロシアのフィギュアスケートはどうしたのか・・・?と思えますし、

タノ・ジャンプの、ご本家ボイタノさんは、不服なんじゃないかと思えてきます…。

 

 

 

フィンランディア杯に出ていたヴィンセント選手の新フリー(ロミオとジュリエットをやめて、新しく作ったやつ)は、

まだ滑り込めていないし最後がバテ気味でしたが、振付師のジェフリー・バトルさんがかなり力を入れて作ったな、という印象のプログラムでした。 

全編ボーカル入りだったのにビックリしましたけど、滑り込むと後半は感動的な感じなプログラムになるかと思えましたね。

彼も今回はちょっと体調不良な印象でしたね…。 

 

 

同じくフィンランデイア杯に出ていた白岩優奈選手は、SPは回転不足のせいでスコアは全然伸びていませんが、演技自体は、特に前半はのびのびしていて美しいですし、

何より白岩選手は、その笑顔も素晴らしく愛らしく、喜びが感じられてよかったです。

「亜麻色の髪の乙女」の音楽に合わせて、イメージがわくような、とても美しい演技を披露してくれました!

後半がジャンプミスで気落ちしてしまったように見えましたけど、滑り込んでいけば、とても素敵なプログラムになるのではないかと思いました。

 

 

 

演技は見られなかったのですが、坂本花織選手が、新SP「月光」で後半ジャンプを全て決め、かなりハイスコアを出したようで、良かったですね!

三原選手と二人、技術力の高い「神戸組」は切磋琢磨して頑張ってほしいと思います!

 

 

こちらはジュニア男子の、島田高志郎選手。 

早くからその才能を見込まれていてファンも多い選手ですが、2001年の9月11日生まれという、一度聞いたら忘れられない、なんとも運命的な日に生まれた彼。

怪我していた状態から、良くなってきたところでしょうか。

曲がすごく素敵でカッコイイです!

 

島田選手は、とても雰囲気のある選手なので、こういうのが得意ですね。 

羽生選手以外で 違和感なくロミオの出来る、貴重な日本人男子選手です。

 

 

こちらは、ジュニアでグランプリ・ファイナル進出を決めた唯一の男子、須本光希選手のフリー「レ・ミゼラブル」。

なかなか素晴らしかったですね! 

ご自分で振付もされたりするらしく、なかなか豊かな才能をお持ちのようなので、ファイナルでも頑張ってほしいと思います!

 

 

そして、前回のオータムクラシックで載せられなかった、ミーシャ・ジー選手のフリー演技。 

 

マスネの「タイスより」。

ミーシャ選手は、五輪にも出るみたいですね。 引退しなくて良かったですね!

今シ―ズンは、SPもFSも、どちらのプログラムも、とても素敵です!

 

 

最後に、羽生選手の演技を。

この間の、オータムクラシックのショート「バラード第一番」です。 歴代最高点を、さらに更新しました。

この演技でやはり目を引くのは、後半に入れてきた4回転トウ+3回転トウの、後続ジャンプに、両手上げをつけたところですね! 

なんか簡単そうにあっさりとやっちゃったけど…(笑)

ステップは私にはちょっと辛そうに見えたけど、実際、羽生選手も「倒れなくて良かった」と思ったほどだそうですが、

何も知らずに見ていればそれはそれで、最初からこういう表現だと思うこともできるような演技にはなっていましたね!

 

体の調子がよくなったら、羽生選手本人がさらに納得できるような演技が観られるだろうと思いますけど、

まずは日々、一つ一つのことが守られていき、体調を整えて、ベストを目指していけますように…!

 

 

「試練を耐え忍ぶ人は幸いです。

その人は適格者と認められ、神を愛する人々に約束された命の冠をいただくからです。」

(ヤコブの手紙第一 1章12節    新約聖書 新共同訳より)


 

 


平昌五輪シーズンの男子トップ集団のプログラムと、日本女子の激戦、羽生選手への応援

2017-09-21 | フィギュアスケート全般について

9月21日: 日本人男子:「田中刑事選手」の今シーズンについての記事はこちらからどうぞ

            無良崇人選手の、今シーズンについての記事はこちらからどうぞ

9月20日: ヴィンセント・ジョウ選手の情報を、少しだけ加えました。

**************************************************

 

いよいよ、平昌五輪が、あと半年後に迫ってきました。

… そもそも安全に出来るのかどうかが懸念される昨今ではありますが…

 

とりあえず、シーズンの試合が始まったので、ちょっとだけ感想を。

 

まず、男子のトップ集団ですが。

 

宇野選手は、今シーズンはショート・フリーともに選曲も良いと思いますし、フリーは2季前の再演ですけど、編曲を変えてきたようで、

ちょっと見させてもらったところ、なかなか良くなっていた! と思いました。

2年前のものよりもは、明らかに編曲は良いように、私は個人的には思っていましたけど、そのショーの時よりも、

さらに直近の試合では編曲を変えたようですね…?  ロンバルディア杯のフリー

 

今までいれていなかった4回転サルコウを入れて、4回転5本に挑んできた宇野選手。

冒頭の4回転は、着氷がかなり乱れてしまいましたけど、宇野選手が5本に挑んできたのは、今回が初めてですね。

「トゥーランドット」はフィギュアスケートの王道曲ですが、今回の男子トップ選手たちには、王道曲が逆に少なそうなので、かえって新鮮かもしれません。

高評価を得て、良かったですね!

 

私は、羽生選手はもちろんですが、ここをご覧下さっている皆さんが、少しでも「本来の良さ」を活かし、神様から与えられている才能を発揮できるように書いてきたつもりです。

少しでも、日本が「ニセモノではない」「正真正銘の本当の光」に満ちて、輝いてくれると嬉しいですね! 

それが羽生選手の、本当の希望でもあると、私は思っていますからね!!(笑)

 

もちろん、日本だけではなく、世界中の人がそうなっていくのが、一番素晴らしいことですが!(笑)

 

宇野選手や他の選手が伸びてきたならば、羽生選手は、さらに自分の目指す、さらに上を行くほどに素晴らしい演技を目指せば良いだけです♪

本気でなければ、そして真理に従わなければ、それは不可能でしょうけれども、羽生選手なら、本気になれば(なっていると思いますが!)出来るでしょう!

大会ごとに基準がちょっとずつ変わっている得点にばかりとらわれないようにすることも、大事なことだと思いますけどね!

 

もし平昌五輪が無事に開催されるなら、そこで、今でも日本への恨みや怨念に苦しみ、過去の深い悲しみから抜け出られずにいる方々にも、「今の日本には、こんなに素晴らしい人たちがいて、しかも、沢山いるかも…?」と、少しでも思ってもらえるような、

そんな素敵な演技、素敵な活躍を、日本代表となるであろう選手たちには、期待したいと思っています!

 

 

さて、羽生選手と宇野選手以外の、男子のトップクラスの外国選手たちですが。

パトリックはさすがに今シーズンで引退することが想定され、しかも五輪は3度目ですから、ある意味、羽生選手以上に「ベテラン」です。

どうやら彼は見た目以上に非常に繊細なようで、でも、色んな焦りや思いを突破できてきたのか、自分の目指すべき演技がハッキリしてきたようで、それがここ最近では良い方向へと向かっているように見えますし、パトリックは、恐らく自分の精神状態が最も落ち着くような選曲をしてきたのだろうと思いました。

フリーは、静かで穏やかな曲調の中に、彼の巧みなスケーティングがかえって際立って生きるようにと、作られているようで、

ちょっと見ただけですけど、なかなか素晴らしいなと思いました! こちらパトリック選手の新フリー「ハレルヤ」

フリーでの歴代最高得点記録となっている、羽生選手の昨シーズンの「Hope&Legacy」を意識して、あの曲調をヒントに、

今までにはないような作品として、作られたように思いました。

 

 

  

もう一人、ボーヤン・ジン選手ですが。

ショートを見たところ、なんというか… 羽生選手の「SEIMEI」と、作りのイメージがそっくりだったというか。(汗)

すごい意識して作られたというのが、よくわかります。 こちらボーヤン選手の新ショート

最初の「二胡」のパートが良いですね。私、二胡の音は好きなので。

ただ、仕方ないとはいえ、羽生選手は、色々と意識され、真似されて大変だな…と思いました。(笑)

それだけ皆から目標にされているということで、有り難いことではありますけどね…!

 

ネイサン・チェン選手のフリーも、ちょっと羽生選手の「SEIMEI」を意識して作られたことが良くわかる感じで、

ボーヤンのショートと同じく、ちょっとアジア的イメージが被るかな…と思いました。

こうなってくると、パトリックのような「今までにない」感じの曲調と作り方が、明らかに個性的に見えてくるから、面白いですね。

ただ、ネイサンは今回はジャンプよりも表現に力を入れていたのが良くわかりましたけど、

今回は4回転ループを初めていれてきて成功し、これで彼は、アクセル以外の4回転5種を跳べることになったので、そこは凄いですね。

コーチは、フリーに4回転を7本入れられるなどと語っているそうで…

さすがに、7本は跳びすぎな気もしますけど、(笑)最後には、体調との勝負になるのではないかと思います。

 

ハビエル選手については、プログラムは評判が良いようですが、私はまだ見ていないので、なんとも書けません。

オータムクラシックで、見られると思いますので、楽しみにしています。

 

ヴィンセント・ジョウ選手も、フリーを、羽生選手の旧ロミオとそっくりだった編曲の「ロミオとジュリエット」をやめる決意をして、

ジェフリー・バトルさんに急きょ振り付けてもらい、「ムーラン・ルージュ」に、プログラムを変えてきたという話があるので、見てみないと判りませんが、ご本人は納得のプログラムのようです。(オータムクラシックに出るのはやめたみたいですね。)

こちら、アイスネットワークの記事より

ジョウ選手は、これでショートもフリーも、ジェフリー・バトルさん振付の演技、ということになりました。

この記事によれば、やはり最終的には、4回転を5本か6本跳ぶ予定でいるつもりで検討しているようですが…(汗)

ジョウ選手は詩を書くのが好きで、詩人らしいですね…!

あの「ロミオとジュリエット」は、確かに羽生選手の名演技のイメージも強すぎるから、ちょっとタイプの違う今の彼には、より相応しいものを、という決断をしたのでしょうね。

 

 

羽生選手は、今マスコミで騒がれているような、ネイサン選手の4回転ループ投入とか、宇野選手の4回転サルコウ投入とか、

得点とかも、色々と「想定の範囲内」だろうと私は思っているので(笑)、

初戦をどのような構成でどのように演技するのか、十分に、色々と考えていらっしゃると思うので、

落ち着いて、堂々と頑張ってほしいと思います ♪

絶えず、最善の知恵が与えられ、ベストとなる導きがありますようにと、お祈りしています!(笑)

 

 

 

さて、次に、激戦が予想される、日本の女子ですが。

 

樋口選手は、最近、表情もとても良いですし、希望をもっている様子がうかがえて、見ていても気持ちが良かったですね!

かなりの高得点が出ました。 国別対抗戦以来、前向きになれているようで、調子も良いのでしょうね! 

こちら、樋口選手の新ショート  樋口選手の新フリー

かつての伊藤みどりさんや安藤美姫さんを思わせる、筋肉質な長所を生かして、頑張ってほしいと思います。

 

 

三原舞依選手は、今シーズンは、ショートもフリーも、私のとても好きな曲を使ってくれるようなので、その点ではどんな演技になるのか、とても楽しみです!

乗り越えてきたものが大きいだけに、三原選手は精神的に強そうなので、見ていても、なんともいえない安心感がありますね!

 

坂本花織選手は、ショートを変えてきたのは良かったと私は思いますし、「月光」はなかなか素敵なプログラムなので、心を込めて、自信をもって頑張ってほしいと思います!

技術的にはかなりの才能をお持ちの選手なので、今後に期待が出来ると思っています!

 

本田真凛選手は、ショートを今後、変えるとのことで、一体どんな曲になるのか、楽しみにしています!

五輪シーズンに、運命的だと思える曲に出会えたのなら、それはとても幸せなことですね!

 

 

宮原知子選手は、怪我明けだというのに、ショートもフリーも新プロを用意してきたことで私は驚きましたけど、

もし調整に苦しむようなら、宮原選手こそ、過去プロを上手に使っても良いのではないかと、個人的には思います。

今、無理しないのは正解でしょうね…!

今はわからずとも、どんな試練も、その人の人生にとって、必ず宝に変わる日が来る、というのは本当だと私は思うので、

多少時間がかかっても、それを信じて、前に進んでほしいと思います!

ご自分でデザインされた衣装というのは、今までで一番似合って見えましたので、デザインの才能もお持ちかもしれませんね!

今後も衣装デザインにも挑戦されたら良いのではないかと、私は思いました!

 

白岩選手と、本郷選手は、まだ新シーズンの演技を見ていないので、何とも言えませんが、

自分の良さを生かせる ベスト演技を目指して、楽しんで、頑張っていってほしいと思います!

 

 

ロンバルディア杯に出た、松田悠良選手は、SPもFSも見ましたけど、とても美しい演技でした。  松田選手のSPはこちら

マスコミにはあまり注目されていないみたいですけど、何気に、コストナー選手よりも評価されたスコアを出していましたし、健闘されましたね!

 

 

羽生選手は、 ハビエル選手とパトリック選手を除けば、何気にベテランの域に入ってきているので、

まだ22歳ですけど、(いや、もうすぐ23歳ですね…早い!)

一度 五輪金メダリストにもなっているのですし、経験は既に豊富な方だと思うので、

今までいろいろなものを乗り越えてきましたし、これからも、大丈夫でしょう!!

 

 

今騒がれている色々なことも、羽生選手には「解っていた」はずなので、(笑)

私は全然心配はしていないですし、

しっかりと、「今の自分のやるべきこと」と、「自分が本当に目指す演技」に向けて、一歩一歩頑張ってほしいと思います!!

 

盲学校に通われているというお子さんが、羽生選手にエールを送って下さっていますので、

「羽生選手のプロフィール」のページのコメント欄をご覧いただければ幸いです♪

 

羽生選手のやってきたことは、ちゃんと、伝わる人には伝わっていると私は思いますし、

それがあっての今日でもあり、

そして、今の日本選手たちの活躍でもあると思うので、そこは大いに喜んでいていいと私は思います!

 

 

常に、「今の自分」に突きつけられていく課題をきちんと見据えながら、そしてそれにきちんと対処しながら、

何よりも、大切にすべきことと優先順序を間違えないようにして、自信をもって今シーズンに臨んでもらえればと思います!

 

心身守られますよう、そして、絶えず、ベストな導きがありますよう、お祈りしています!

 

気負い過ぎずに、楽しく、頑張れ~~~♪♪

 

 


ソトニコワ選手の今季全休とリプニツカヤ選手の引退、選手たちの個性と様々な選択肢

2017-08-30 | フィギュアスケート全般について

 

いよいよ五輪シーズンが始まりますが、 

外国選手たちの情報で、特に気になったニュースが入ってきました。

 

まず、羽生選手と同時に、ソチ五輪で、シングル女子で金メダルをとった、

アデリーナ・ソトニコワ選手が、今シーズンを怪我により今季を全休、棄権するという情報。 こちら。

 

プルシェンコさんがコーチについていましたけど、怪我が完治しないため、このまま続けるのは良くないとプルシェンコさんが判断。

今シーズンは全休となる見通しだそうです。 

ロシア女子の国内事情は熾烈ですからね… 今シーズンもまた、ジュニアからかなり凄い選手が上がってきますし、

代表争いが熾烈な中で、怪我が治っていないのにここで無理をしても、良いことは何もないとの判断に至ったようです。

 

怪我からの復帰においては、プルシェンコさんほど「実感として」よくわかっている方もいないでしょうから、

きっとこの判断が、ソトニコワ選手にとっても、より良い未来を開いていくことになるでしょう!

 

 

もう一つ、同じく、ソチ五輪で、団体戦でロシアの金メダルに貢献した、

リプニツカヤ選手が、なんと、摂食障害で選手を引退することが、電撃発表されました。 こちらのニュースより

 

ユリヤ・リプニツカヤ選手は、誰も出来ない難度のスピン「キャンドル・スピン」をやれる選手として、

ソチ五輪シーズンに大活躍しましたが、

ロシアの団体戦優勝には確実に貢献して、団体の金メダルはもらったものの、

肝心の個人では、表彰台に上れず、団体戦導入の影響を一番受けてしまった印象の選手でした… 。

 

ただ、あのソチ五輪の頃から、リプニツカヤ選手は、日本のテレビでの取材に対して、

あの体型と柔軟性維持のため、いつも過酷なダイエットをしていて、「いつもお腹が空いている」と告白し、

正直、その時、その表情がかなり辛そうに見えていて、表情がとても暗かったので、私は当時から摂食障害を心配していました。

最近、過食の報道がありましたけど、やはりそうだったのか、と…。

摂食障害は、拒食と過食を繰り返すので、本当に大変だと思います…。

 

私がこんなことを書くのも何ですが、フィギュアスケートだけが人生じゃないし、他にも生き方は沢山あります。

 

体調や、生きていくのに支障をきたしてまで、無理なダイエットが必要となる選手生活を続けなければならない理由は、ないと思いますので、

引退して、それが彼女にとって逆に幸せにつながり、より素敵な人生が歩めるなら、そのほうが良いでしょうね!

 

やりたくてたまらない人なら、病気や怪我を「克服」して活躍できるのも、それはそれで素晴らしいですが、

それはやはり、その人それぞれですので…。

 

ロシアの事情は、日本とはかなり違うと思いますけど、

「やりたくなければ、やめてもいいんだよ」 「他の生き方の選択もある」 という選択肢があることは、大事なことだと思いますし、

特に真面目で自分を追い込みすぎるタイプには、必要なことと思います。

 

 

荒川静香さんは、「むしろ太れないタイプ」だとご自分で仰っていて、太る方が難しいのだそうですし、

羽生選手も、もともとあまり食には関心がないタイプだとのことで、その辺は、

「食べたいのにひたすら我慢している」「太りやすいため、いつも太ることを恐れている」ような状況に追い込まれる選手たちとは、

かなり、もともとの体質が違っているように見受けられます。

 

かつて 伊藤みどりさんは、その男子並みの驚異の筋力・脚力・ジャンプ力で世界を驚かせ、

「bouncing ball」(跳びはねるボール)のようだ、と外国解説者に言われ、日本ではそれを「ゴムまり」と訳されたことから、

それを聴いていた日本人の視聴者に、色々と騒がれたりしましたけど、

「は~い、ゴムまりでーす♪」 とテレビで自ら先におどけて、笑い飛ばして一蹴してしまうような、

頼もしい強さと明るさがありました。

 

 

最近は、ファンの中でも、フィギュアスケートの選手の体型のことばかり言うような人がいたりしますけど、

基本的に、選手の体型などというものは、採点の中には入っていません。(笑)

 

体型や生まれ持った体の特徴、個性が、出来るスケート技術に影響するのは間違いないでしょうし、

見え方には影響するとは思いますし、人気にも多少影響するとは思いますけど、

人それぞれ、個性があるのは当たり前ですし、好みも様々です。

 

ご本人が好きで、喜んでやっていられることが、一番大事かな…と 私は見ていて思います。

 

 

どちらの選手も、前回の、ソチ五輪で、個人戦・団体戦でそれぞれ、金メダルを獲得した、女子の選手です。

 

 

… ソチ五輪で、男子で金メダルだった羽生選手が、今もこうして無事に続けていられること、

そして、先への意欲を見せてくれていること、

それだけでも有り難いことだな、と、改めて思います…!

 

羽生選手は最近のインタビューでも、自分の理想とのギャップや、プレッシャーは凄いらしいことを認めていて、

さらに、それでも 「スケートは 逃げたいことを忘れることの出来る場所」と発言していて、

この3年間、スケートがないと心がつぶれそうになることが、沢山あったそうですけど、

「スケート続けていてよかったなあ…」「根源的にスケート好きだなあ」

「スケートやっててよかったなあ」って思うと、発言して下さっているので、(フィギュアスケートマガジン最新号より)、

私は、それが一番「良かったなあ」って心から思います!

 

まだまだ色々なことがあると思いますけど、一つ一つ乗り越えて、楽しく頑張ってほしいと思います!!

 

 

 

 


日本のフィギュアスケート会場で写真撮影が禁止になったきっかけの事件と一部ファン、一部マスコミによる人権侵害

2017-06-13 | フィギュアスケート全般について

 

 

日本のフィギュアスケート会場で、海外では可能な写真撮影がなぜ禁止なのかと、不思議がる人たちがいますが、 

今から12年ほど前、当時からフィギュアスケートを見ていた人たちなら、そのきっかけとなった事件を知っていると思います。

 

これを、前から書こうかどうしようかと悩んでいたのですが、これは羽生選手のためのブログなので、

一応遠慮していました。 

 

だけど、羽生選手は、将来フィギュアスケート界を担っていく一人になるつもりなら、知っていた方が良いと思いますし、

羽生ファンのほとんどは知らない人ばかりですし、第二・第三の被害者を出さないためにも、残酷なことが積み重ならないためにも、書いてみることにしました。

 

これは、ある事件がきっかけでした。

 

その被害者となった選手の名は、安藤美姫さん。 

私の記憶が正しければ、当時、確か、17歳だったと思います。

 

(これから書くことは、安藤美姫さん本人と関係者と思われるかたから依頼があったり、何らかの事情で削除した方が良いと判断したら、削除するつもりです。)

 

この事件の詳細は、男性で知っている関係者やファンはそれなりにいると思いますが、

女性のファンで詳細を知っている人は少ないはずです。

 

だからこそ、女性だけど知ってしまっている数少ない一人として、女性視点から見たあの事件のことを、書いてみたいと思います。

 

理由は、それを知っているか知らないかで、「見方」「見え方」が大きく変わるだろうと思うからです…

 

 

当時私は、いつもは行かない歯科医院に、検診の予約を入れてみて、そこに初めて行ってみたことがありました。

予約制だったので、私以外だれも待合室に人はいなくて、座って周囲を見渡した時、

置かれていた雑誌ラックの中に、「フィギュアスケートの…」という見出しのついた雑誌を発見しました。

 

「フィギュアスケート」という文字を見ると、新聞でもなんでも、反射的に反応して記事を読む習慣があった私は、

いつものごとく反応して、その雑誌を引き上げてみました。

 

それは名前が有名な写真週刊誌でしたが、取り上げてみた途端、表紙が女性の裸だと気が付いて、「うっ」と一瞬思ったのですが、私は自分が女性だから、だからどうというほとでもないので、一瞬躊躇はしたのですが、

気にしないことにして、「フィギュアスケートの」写真が中にあるのを期待して、そのまま開いてみたのです。

 

私がアホだったのは、「写真週刊誌」とは、表紙がどうであろうと、文字通り「色んな写真が中にある週刊誌」のことなのだと、この時までは本気で思っていたことでした。

だから、普通の写真雑誌と同じように、「普通の」フィギュアスケートの写真が、あるものだと期待していたのです。(それまで、中を見たことはありませんでしたからね。)

 

でも、初めて中を見たこの雑誌は、ページをめくってもめくっても、ひたすら女性の裸ばかりが続き、

肝心な「フィギュアスケートの」写真はちっとも出てきませんでした。

 

ページをひたすらめくり続けて、後半に差し掛かった頃、ようやく私は、(もしかして、この雑誌は、「その手の写真」のみなのでは…?)という疑いを持ち始めました。(←遅いですね(笑))

 

どこにも、フィギュアスケートの写真を見つけられないまま、最後の1ページをめくろうとしたとき、私は心の中で怒っていました。(どこにもフィギュアスケートの写真なんてないじゃない!あの見出しは何だったの!)と。

 

そして、記憶が正しければ、確か、本当に最後の見開き1ページだったかと思います。

やっと「フィギュアスケートの…」という見出しを見つけました。 

 

「フィギュアスケートの…」の先の言葉は、何だったかは、私は覚えていません。

良く見出しを見ないまま、フィギュアスケートの写真を探しただけだった私は、そこで見た写真の数々に、あまりにも大きなショックを受けました。 

 

そこにあった写真は、それまで散々見させられてきた女性たちの写真より、はるかに激しいショックを私に与えたのです。

 

どんな写真だったかというと、人間の身体の「部分的な」ところを、そこだけの興味をもってカットして拡大した写真でした。 驚くような角度、それも色んな角度から、いくつも載せられていました。

 

これは、会場で撮られた写真でした。

一体どうやったら、こんな、そこだけの写真ばかりを撮れるのか、あるいは、どうやったら演技をしている最中に、そんな角度の写真を撮ることが出来るのか、私はむしろ不思議に思ったくらいです。

 

顔はもちろん載っていないので、この「部分的な」拡大写真が、いったい誰のものなのかは、普通の人には判りません。

顔を載せないことで、愚かにも、「配慮したつもり」だったのかもしれません。

 

だけど、フィギュアスケートを良く見ていた私には、そこに映り込んだ「衣装の一部」「衣装の切れ端」だけで、

それがもともと誰の写真なのかは、一発で判ってしまいました。

 

 

安藤美姫さんは、当時、明るく、元気はつらつとした印象の選手でした。 

人気がかなり上がってきて、男性ファンが増え、加熱していた頃かと思います。

だからこそ、そういう「変な」ファンが増え、「変な」需要が増し、「おかしな」目線が増え、そこに目を付けた写真週刊誌が、そのような写真を掲載したのだと思います。

 

この写真、男性がどう感じたかは私は知りませんが、

女性であった私から見たら、本当に言葉を失うほどに、本当にショックな写真でした。

 

一言で言うと、「人間として扱われていなかった」からです。

まさに、人格なき「モノ扱い」でした。

 

それまでさんざん載っていた、全身裸の女性たちの写真のほうが、まだ「人間として」映っていただけ、ずっとマシに見えたほどでした。 

(この写真を見るまでは、かなり呆れて見ていたのですが。)

 

例えていうなら…

誰か知り合いが亡くなって、御遺体に対面に行ったつもりが、

棺の中をのぞいたら、目に入ってきたのが、その故人の「人体のバラバラパーツだったような衝撃」、に近いかと。

(注:たとえです)

 

 

私はこれを見た後、ショックと激しい怒りを感じると同時に、思わず涙が出てきました。

 

もし自分が、17歳の時に、これを同じようなことをされたとしたら…と想像して、

多分私だったら、耐えられないな…と、そう感じたからです。

マスコミ不信はもちろん、人間不信にもなって、恥ずかしさのあまり、きっと消えてしまいたいような気持ちになるだろうな、と、そう思ったからです。

 

もちろん、私は彼女ではありませんし、彼女はフィギュアスケーターで、人にいつも見られているわけですし、性格も全然違うので、感じ方は人それぞれです。

 

でも、普通の女性だったら、普通の17歳の少女だったら、これは絶対に耐えがたいと思われる… 

そんな写真だったことは、証言しておきます。

それを、全国にばら撒かれたのです。 もちろん、本人の許可や同意もなく。

 

その2日後ぐらいだったでしょうか…

新聞で、「日本スケート連盟が、写真週刊誌に厳重抗議した」という記事を読んで、私はホッとしたのを覚えています。

 

確か、この後から、日本で、フィギュアスケートの会場における写真撮影が禁止になっていったはずです。

(違っていたらご指摘下さい。)

 

日本の会場でだけ、写真撮影が禁止になっているのは、かつて日本で、そういう不名誉な事件が起きたり、酷い人格侵害にあたるようなことが起きたからこそ、です。

 

その後、インタビューや取材などで、カメラに追い回されてテレビに映る安藤美姫さんの顔から、笑顔は完全に消え、

カメラに向かって、ものすごい形相でにらみつけてみたり、嫌悪感をむき出しにしたり、

それまでとは比べ物にならないほどの不愛想な敵対的な態度で、カメラを無視することが増えました。

 

私はそれを見て、安藤さん本人は、あれをきっと見てしまったんだな…と思いました。

 

そして、(ああ、無理もない…あんなことをされたら…)と思って、胸を痛めながら見ましたけど、

その事情を知らない多くの普通の女性たちは、

「ねえ、なんか安藤美姫は最近、いきなり態度が酷くなって、全然可愛くなくなったけど、どうしたんだろう…?」

などと不思議がるようになりました。

 

 

今でも時々、私は思うのです。

もしあの事件がなかったら、安藤さんの人生は、どう変わっていたのだろうか… と。

 

あの事件は、どれほど安藤さんを傷つけたのだろうか… と。

 

 

これを読んだ後、あなたの印象や感想は、何か変わったでしょうか。

 

私がとても残念だったのは、安藤さんはその後、ある意味、悪い方向へ開き直ってしまったかのようにも見え、

私が大好きな選手 2名(男女それぞれ1名ずつ(笑))に対して、

色気がないだのなんだのと、平気でいうようになってしまったことでした。

(私には十分な魅力があるように見えていましたので。)

 

でも、「マスコミとの距離感が苦手」などという安藤さんを見るたびに、私はあの写真を思い出すのです。

 

かつて、そんな事件があったということや、具体的な事情、どんな写真だったかなどを知っている人と、知らない人とでは、

たとえ同じものを見たとしても、そこから見えてくる真実というのは変わります。

 

一部の、自称ファンの暴走と、一部マスコミの度を越した行動というのは、時に人権侵害の域に達して、

人の人生を大きく狂わせます。

 

 

最近、見ていてとても気になることが沢山おきているのを見て、書くことを決めました。

 

 

私は、その歯科医院に行ったのは、その時一回きりで、それっきりです。

いつも行く歯科医院には、そのような写真週刊誌は置いてありませんでした。

もし、あの日あの時、そこに行かなければ、私もあれを見ることは決してなかったでしょうし、知ることもなかったでしょう。

想像さえできなかったと思います。

 

だけど、その写真週刊誌の発売日に、なぜかそこに行ってしまい、それを見ることになった偶然を、今では決して偶然とは思えないので、女性であれを当時きちんと見た人は本当に数少ないと思うので、どんなものだったのかを証言できる一人として、女性の視点で、あの写真を見た感想を書かせてもらいました。

 

 

特に、未成年の10代の少女に向けて(少年も同じですが)、そういった残酷な人権侵害が、二度と起きないことを願っています。

 

 

この文章が、かえって安藤さんを傷つけるものにならないことを、心から願って…

 

 

 

 

「御国が来ますように。
御心が行われますように、天におけるように地の上にも。」
(主の祈り (イエス=キリストの祈り) : マタイによる福音書6章10節  新約聖書  新共同訳より)

※ 御心… 神様の御意志、ご計画のこと


試合では出しきれない才能の片鱗を見せるスケーターたちと、それぞれに豊かな個性の咲き方

2017-06-13 | フィギュアスケート全般について

 

 

ファンタジー・オン・アイス2017幕張で、羽生選手は素晴らしい演技を披露して下さいました。

 

解説が言っていたように、ショーの雰囲気を、「ここは試合会場か」というほどの、

並々ならぬ真剣さと緊張感で会場を一変させることが出来るのは、羽生選手が本当に全身全霊で取り組んでいるからなのでしょう。

 

試合のチケットはきっと激戦になって、見ることが出来ない人もかなり増えるであろう今年、

選手たちが人生をかけて、最も本気で取り組む、「五輪でのショートのプログラム」の演技を

(まだ完成形ではなかったとしても、)見る機会が増えたのは、有り難いことかな、と思います。

 

 

一方で、試合では必ずしも、あるいは決して、発揮しきれないような特異な才能を主に持っている選手やスケーターも沢山いて、

そんな才能の片鱗を見せて下さった演技を、複数のアイスショーの演技から、少しだけここに載せてみたいと思います。

 

 まず始めは、最近世界中のショーに引っ張りだこだという、エラッジ・バルデ選手。

 

「ファンタジーオンアイス2017幕張」では、大黒摩季さんと、彼女の代表曲「熱くなれ」で滑って下さいましたけど、

これを見れば、なぜ世界中のショーに引っ張りだこなのか、よくわかります。

バック・フリップが跳べるスケーターというのは、やはり何か身体能力というか、筋肉の質が違うのでしょうか。

すごく躍動感があって、リズム感も優れていて、なおかつ、本当に楽しそうですね。

大黒摩季さんとのコラボが、とても合っています。

羽生選手とはまたちょっと違った、氷上での身体能力のずば抜けた高さが、とても良くわかる楽しい演技でした!

 

 

次に、ピアニストの清塚信也さんが弾き、大黒摩季さんが歌い、アンナ・ポゴリラヤ選手が滑って下さったこちら。

 

これは素晴らしいコラボでしたね。

清塚さんのピアノも、大黒さんの歌も、ポゴリラヤ選手の個性も、それぞれが良く引き立て合って、それぞれが素晴らしかったと思いました。

特に、大黒摩季さんの歌… パワフルでソウルフルな歌が得意なイメージの強い彼女ですが、このような「自分の持ち歌」ではない、しっとりとした曲も、こんなに素晴らしく心を込めて歌って下さって、感動しました。

ある程度の人生経験がないと出せない良さと深みが響いてくるようで、とても素晴らしかったと思います。

ポゴリラヤ選手は、「フィギュアスケートの女王とは、こうあってほしい」というようなイメージ像に近いものを沢山持っている選手で、だからこそというか、彼女のもつ繊細な側面が試合の結果に結びつかないことも時々見られるのですが、

こういう演技でその繊細さが生かされているのを見ると、見ている側も嬉しいですね。

色んな思いがあふれたのでしょう… 演技の最後には泣いています。 そんなところもまた彼女の魅力かなとも思います。

 

 

こちらは、私が大ウケしてしまった、織田さんと大黒摩季さんのコラボ「あなただけ見つめてる」

 

珍しくカッコつけた系の演技で最初からノリノリの織田さんですが、冒頭の場面で下を向いている姿も、

突然指を指したポーズも表情も、どこかおふざけ感が満載で、面白くて大ウケしていた私ですが、

突然指さされた女性の驚き度に、二度笑ってしまいました。 

でも、あれは驚きますよね。(笑)

氷上に移動すると、今度は さわやかに演技して下さいました。

織田さんは、現役の頃よりも、演技もさらに充実して見えますし、生き生きしていますね。

織田さんほど、実力の割に五輪と縁がなかった選手もなかなかいないのでは、と思うような、実に驚くほどの試練を、

トリノ五輪、バンクーバー五輪、ソチ五輪、と、3度のチャンスとも通らされた織田さんでしたが、

(出場できたのはバンクーバー五輪だけとなりましたが…)

そんなところは、彼の今の優しさや活躍につながっているように思いますし、演技にもにじみ出ているように思います。

 

 

こちらは、ついに現役のまま30歳を迎えた、カロリーナ・コストナー選手の演技。

新シーズンのエキシビションだそうです。

 

ベテランの美しさがにじみ出る、一つ一つの動きが素晴らしいです。

今回でもジャンプに失敗がありますが、長年の現役生活で、大きな試合では必ずしも、本番に強いタイプとは思われなかったコストナー選手でしたが、ここまで長く現役を続けていけば、それなりの実を実らせていくものですね…!!

やはりスケートが好きだからこそ、なのでしょう…  その姿勢だけでも、観る者に感動を与えてくれます。

 

 

 

 

こちらは、プリンス・アイスワールドで披露された、町田樹さんの演技「ドン・キホーテ」

これは凄い! これはもう、本当に氷上のバレエと言って何の遜色もないでしょう!!

氷上のバレエを目指していることはわかっていましたけど、ここまで本格的に、完全にバレエ化させたかったのか…!という驚き。

町田さんはこういうのがやりたかったのだね… と思うと、あの引退も、納得です。

 

羽生選手とは、今は違った道を歩んでいる彼ですが、なんか見ていて嬉しくなりましたね。

 

それぞれの個性の違いは、見ていて本当に面白いですね。

 

 

こちらは、プルシェンコさんの今年の、別のアイスショーの演技。 

過去のじゃなくて、「今年の」というのが驚きです。

何度大怪我して、大手術をしても、復活してきては驚かせ続けた驚異の彼ですが、

引退を決めたとはいえ、それでもまだこんなに滑れるのか…と驚かされます。

さらにプルシェンコさんが本当に凄いのは、

彼はたとえほとんど滑っていなくても、たとえ身体能力が全盛期とはかなり違っていたとしても、

その魂と霊だけで、むしろさらにすごい演技が出来る… 正真正銘の真の芸術家だとハッキリわかる演技をするところです。

 

やはり皇帝と呼ばれてきただけのことはあります。

ひょうきん系だったり、笑いを誘うようなコミカルな演技も大いに得意で、ふざけたことや、

冗談もとても良く言うプルシェンコさんですが、

本気で演技をさせた時には、やはり外のスケーターや選手たちとは、全然次元が違ってきますね…。

 

 

で、こちらが、その対極演技とも言うべき、プルシェンコさんの爆弾演技。

 

今さら説明はいらないですね。

この演技は、なんと10年ぶりだそうです。

これは、プルシェンコ・ファンの方々からのリクエストだったそうですが、

今も継続してプルシェンコ・ファンとして残っている人たちの中には、これをまた見たい人たちがいるのだな…と思いました。(笑)

( この演技で爆撃されてしまい、ファンを名乗らなくなった人たちも、当時はいましたからね。)

 

改めて見て、「うーん、やはりこれはプルシェンコさんだからできる個性だよね…」としみじみと思いました。(笑)

 

この客席の女性は、ノリが良くて良かったですね!

 

 

 

こちらは、新シーズンのハビエル選手のショート演技「チャップリン・メドレー」

 

羽生選手と対極な個性が際立つプログラムですが、ハビエル選手の良さが出ていましたね。

この回ではジャンプは失敗していますけど、ハビエル選手は、滑りが本当に上手くなり、その技術力が特に際立っていました。

また、以前とは比較にならないほど表現面が本当に上手くなっていて、改めて驚きましたね。

ハビエル選手が、このプログラムがとても好きだというのが、とても良くわかる演技… 

見ていて、試合用のプログラムだという気がしませんでした。

そして、羽生選手とは全然違う個性…  こういう味は、羽生選手にはないものですよね。

素晴らしかったと思います。 4年前とは別人のようです。

なかなかハイレベルな五輪になるだろうな…と思わされ、選手たちは大変だな…と思いました。

見る側は、良い演技が沢山見られるのは、楽しいと思いますけど…

 

 

最後に、羽生選手の演技を。

色々見ていて、素晴らしい演技は沢山あるのですが、

やはり私は羽生ファンなんだな…とつくづく思うのは、羽生選手の演技を見た時です。(笑)

 

 

圧巻でしたね。

今まで、羽生選手とは違う個性のスケーターの演技を色々見ましたけど、つまりは羽生選手の個性も、他にはないものですから…。

色々なタイプの演技がこなせてしまう羽生選手ですけど、

どんなもので勝負をかけるべきかというのは、本当に難しいところですが、

やはり羽生選手に際立っているのは

なかなか見られないほどの真剣さかもしれません。

 

4回転を跳ぶことも含めて、ショーでこんなに本気で演技している人を、見たことがないような気がします。(笑)

(他の人が本気じゃない、などという意味ではありません、もちろん。)

 

特に、プルシェンコさんの「爆弾」演技の直後にこれを見ると、そのギャップの凄さに、笑えてくるほどです。

(プルシェンコさんも、ものすごく本気であれをやっていると思います、もちろん。(笑))

 

 

最後に、ポゴリラヤ選手が滑ってくれた「ROSE」の、元の曲の、英語歌詞と日本語訳のついた動画を張っておきます。 

 

 

 

なかなか素晴らしい歌詞ですね。

 

人の生い立ちには色々あって、「自分なんか…」という思いで生きていらっしゃる方も、それなりに大勢いるかと思います。

 

でも、親がどんなであろうとも、自分の出生につながる「親の事情」がどうであったとしても、

そのこととは関係なく、人という存在は皆、一人一人が神様の目には「尊く」「唯一で」「愛されている」存在であり、

目的をもって造られたのだ、と聖書は語っています。

 

「種」は、自分が一体どんな花を咲かせるのか、知りません。

でも、その中には、きちんと、どんな花になるべきかの情報が、予めプログラミングされているのです。

 

人には好みがあるし、相性もある。

興味も違えば、特技も違う。

悲しみも、人生において通らされる試練も、それぞれ違います。

それも、意味があって、目的があるからこそ、だと聖書は語ります。

 

 

神様の目に、「たんぽぽ」と「バラ」の花に優劣はなく、「赤いバラ」と「黄色いバラ」に、優劣もありません。

 

赤いバラなのに、「黄色になれ!」と言われると困難で、どんなに努力しても、そこだけは無理だったりします。

 

桜なのに、スミレの花になろうとすると苦しくなり、生きるのがとても辛くなってきます。

 

努力してもどうしても無理な時は、進むべき道やあり方が間違っているだけの可能性も多々あります。

 

 

 

お一人お一人が、咲かせるべき、素晴らしい花を咲かせられますように…!!

 

 

「野原の花がどのように育つかを考えてみなさい。

働きもせず紡ぎもしない。

しかし、言っておく。

栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどには着飾っていなかった。

今日は野にあって、明日は炉に投げ込まれる草でさえ、神はこのように装ってくださる。

まして、あなたがたにはなおさらのことである。」


(イエス=キリストの言葉   ルカによる福音書 12章27節~28節 新約聖書:新共同訳より)

 


羽生結弦選手の原点を知る!その4~ 卓越した滑りと表現力で魅了した銀盤の貴公子「ジェフリー・バトル選手」~

2017-03-24 | フィギュアスケート全般について

毎年バレンタインデーを中心に贈っていました、羽生結弦選手の原点を知る!シリーズですが、

今年は2月14日が4大陸選手権の公式練習中だったので、出すタイミングをずらし、羽生選手へのエールを込めて、世界選手権前の今、贈ることにします♪

 

「その4」となる今回は、羽生選手がカナダに渡って以降のショートプログラムの振付師であり、

現役時代には「銀盤の貴公子」だの「王子のよう」などと言われ、とても滑らかで美しいスケーティングと豊かな表現力で多くの人を魅了し、日本でも大人気だった、

トリノ五輪の銅メダリストで、2008年の世界選手権金メダリスト、ジェフリー・バトルさん(カナダ)を特集してみたいと思います!

 

 バトルさんのファンはとても沢山いましたが、当時の演技や映像を観れば、納得かと思います。

もともとバレエもやっていたそうで、身体の使い方が上手く、上品さと滑らかで卓越していたスケーティング、リズム感の良さ、繊細な表現力が、現役時代は本当に「貴公子」と呼ぶにふさわしい感じだったバトルさん。

ジェフリー・バトルさんは、プルシェンコ選手やヤグディンさんが最も激しくトップ争いをしていた全盛期にシニアデビューし、プルシェンコ選手が絶対王者として君臨した時代に20代前半を過ごしたので、ジャンプがやや苦手だったバトルさんは、表彰台争いには絡んでも、トップに来ることはなかなか出来ませんでした。

でも、見ると心和むようなその演技、卓越した表現力は、多くの人を惹きつけましたし、「4回転が跳べなくても見たい選手」の代表格のような存在でしたね。

ジャンプが得意な羽生選手が、少年時代にバトルさんについてどう思っていたのかは特に聞いたことがないように思いますが、スケーティングの上手さとそれを基礎にした表現力は、カナダに渡って以来、羽生選手が技術的にも目標としてきた一人でもありますし、

今は振付師として、羽生選手の数多くある魅力や才能のうちの一面を、上手く伸ばし、引き出して下さった一人だと言えるでしょう。

 

バトルさんの現役時の演技を観ていると、今の羽生選手のプログラムの中で使われている特徴ある要素を、色々と見つけることが出来ると思います!

 

こちらは、バトルさん19歳、2002年の世界選手権 ショート「ラスト・エンペラー」

 前月にソルトレイクシティ五輪があった、直後の世界選手権。

カナダ国内3位だったバトルさんは、五輪には出られなかったのですが、五輪代表選手たちが二人とも欠場、若手だったバトルさんが、代わりに世界選手権に出場出来て、注目を浴びたこの大会。

演技の最後、スケーティングで魅せるラストの一連の表現が、とても印象的なプログラムです。 

バトルさんは、演技終了後の笑顔でもファンを増やしていたと思います。(笑)

 

同じく2002年の世界選手権フリー演技 「道」 (バトルさん19歳)

 解説者たちが、「キレイですね…」という言葉を連発しています。

この演技には4回転はないのですが、とにかく、滑っていて気持ちよさそうで、楽しそうな演技で、バトルさんは人々を魅了していきます。最後の方、動画の4:35~ 逆回転のスピンを披露しています。

このバトルさんと同じ歳の時には、既に羽生選手は五輪金メダリストになっていたことを想うと、男子で、シニアデビューを15歳で果たし、シニアの世界で揉まれてきた羽生選手のその実力は、やはり今考えても、本当に凄いことだったのですよね。

 

 

 

こちらは、2003年の4大陸選手権の時の、ショート。(バトルさん20歳)

 

バトルさんが4回転を跳んだ演技というのは、あまり記憶にない方も多いかと思うのですが、この時のショートの演技では、動画55秒過ぎから、4回転トウループ+3回転トウループをあっさりと成功させる姿が見られます。 

この時の日本語の解説(女性)は、当時の城田監督です。

この時は、日本の本田さんとバトルさんが同じコーチについたので、バトルさんがコーチを変えたような説明がされています。

 

 

2003年 4大陸選手権のEX 「エンジェル」 (バトルさん20歳)

ひたすらスケーティングで魅せるのが得意だったバトルさん。

その全身を上手に使った表現力は、見ていていつも爽快なほどです。

解説者が延々と、バトルさんの長所がどこなのかを語って下さっています。(笑)

 

 

2004年 カナダ国内選手権(全カナダ選手権)の時の、ショート「テイク・ファイブ」

 

この演技で見てほしいのは、ズバリ、動画2:23~24頃に出てきます! 羽生ファン必見!(笑)

羽生選手のものよりもずっと短くて一瞬で終わっちゃうのですが、「パリの散歩道」でおなじみの、あの「へ型の変形ランジ」のポーズが、バトルさん本人によって行われているのを、一瞬ではありますけど、見ることが出来るのです!(笑) あれは、ここに原型があったんですね…! 

 

 

EX「High」

このEXで見どころなのは、動画の1分17秒~ からおよそ7秒間ほどに渡って披露される、非常に大きく弧を描きながら長く滑り続ける「イナバウアー」(※イナバウアーは、足の技のことです)です! 

これは本当に見事でカッコイイ!!

羽生選手のように「レイバック」(背中を後ろに倒す)はもちろんやりませんけれども、(普通の男性は出来ません!)それでも全身で表現された見事な形と滑りで、とても印象に残るイナバウアーで、バトルさんの得意とするところです。 

羽生選手にも、いつかこういうのもやってもらいたいですね~♪

2:41~ ひたすら片足でバックで滑りながら、こういうちょっとした仕草や、雰囲気で魅せるのもまた上手いですね…。

  

 

2005年世界選手権のショート「ラフマニノフのピアノ協奏曲第二番」 (バトルさん22歳)

多くの選手たちが使っている有名なこの曲、それぞれかなり違うので、今見ると新鮮です。

今の羽生選手と同じ年齢の時の、演技です。

 

 

2006年トリノ五輪(銅メダル獲得)の時のショート、「sing sing sing」 (バトルさん23歳)

 

 

この「sing sing sing」は、見ても聞いても楽しいリズム感の良い曲でしたので、ソルトレイクシティ五輪での本田さんのEXを始め、色々な選手たちにとてもよく使われた印象があります。

羽生選手も大好きだったというこの曲。同じ曲でも、曲の使い方は、選手によって様々で、そこがまた面白いところでもあります。

羽生選手のはまたバトルさんのものとは結構印象が違いますが、私はやはり、羽生選手のものがすごく好きですね。参考→(最高おススメ演技その9参照

 

2006年トリノ五輪の時のフリー「サムソンとデリラ」 (バトルさん23歳)

ジャンプで2度ほどミスが出てしまったのですが、(一つは4回転トウ)、後半は粘って、それでも、総合では銅メダルを獲得できました。

(このトリノ五輪は、プルシェンコ選手の圧勝優勝で終わっています。)

この演技のタイトルは「サムソンとデリラ」ですけど、バトルさんがやると、「あら?サムソンはどこ?」という気分になります。(サムソンとデリラというのは、旧約聖書の「士師記13~16章」に出てくる有名な話で、その登場人物の名前です。サムソンは怪力男です。)

表現力もあるし、音楽と合わせて伝わってくるものは多々ある優れた演技で、後半は緊迫感もよく出ているとは思うのですが、それでも、残念ながらここまで「スタイルが良い」と、ハッキリ言って、「何かの悲劇に巻き込まれたどこかの貴公子」にしか見えてこない、という…(爆)

1:29~「インサイド・イーグル」なんかは、ものすごく斜めに傾いて、それをまた上手く表現面に活かしています。

バトルさんのスピンはいつも独創的な形が多いですが、一部は今の羽生選手のプログラムにも受け継がれていっている(使われている)のが、いくつか演技を見ると判りますね。(笑)

 

 

次は、2008年の世界選手権で優勝した時の、ショート「アディオス・ノニーニョ」

バトルさんのプログラムの中では、人気も評価も高かった演技で、ひたすら音に合わせる技術と細やかな表現力で最後まで魅せます。

このショートの成功で、バトルさんの優勝可能性が見えてきた、そんな大会でしたね。

 

 

さて、ここから、バトルさんの現役ラスト演技となった、フリーの「アララト」を、3つ続けてご紹介してみます。バトルさんはこの演技を、2シーズンにわたって演技しました。

下に載せるものは、衣装がそれぞれ全然違っていて、その部分だけでも、かなり印象が異なりますが、そこがまた面白いのであえて並べてみます。(笑)

 

まずこちらは、2007年のカナダの国内選手権(全カナダ選手権)でのフリー、「アララト」。

 

前半は、何とも言えない崇高さが全身から感じられるほど。 澄んだ、研ぎ澄まされた美しさに息を呑む感じの演技です。

「背中の疲労骨折」と言われた怪我からの復帰だった試合にも関わらず、見事な演技で観客が総立ちになって感動しています。この時点での、カナダ国内の歴代ベストスコア演技となりました。

 

そしてこちらは、その少しあと、2007年の世界選手権フリーで滑った「アララト」。

 

この時の衣装は、上の全カナダ選手権時と違っています。爽やかで上品なイメージです。(プログラムのテーマに合っている衣装かというと、爽やかすぎる気もしますが、私は好きでした。) 2008年にも、同じプログラムを滑るのですが、その時はまたさらに全くイメージが違った衣装で挑みます。それぞれ全然違うので、なかなか興味深いです。

この演技のバトルさんは、音楽に合わせた、豊かな表現力を見せてくれます。一つ一つがいちいち美しく、決まっています。

ジャンプで果敢に攻めてきたはずの演技だったのですが、冒頭の4回転と3回転アクセルを失敗してしまい、特に4回転が、この動画で本田さんが解説しているように回転不足の上に転倒が重なったため、得点で大きく損してしまいました。

難易度を上げたのに、ミスによりかえって点数は伸びず、ショートから大きく順位を落としてしまい、非常に落胆したバトルさんでしたが、演技そのものは印象に残りました。

 

下に載せる、翌年2008年の世界選手権のものと比較してみてみると、違いが面白いです。

この時のジャンプミスによる点数での惨敗の教訓は、結果的には翌年の戦略変更につながったようで、翌年の世界選手権での優勝をもたらしたことになります。

今はさすがに、4回転なしで優勝は絶対にあり得ないほどのハイレベルな状態になってますけど、その人独自の強みを最大限に活かすと、やはり「記憶に残る演技」になりますね。 

 

 

同じく、2008年の世界選手権で優勝し、世界王者になった時のフリー「アララト」

 

「アララト」2年目の演技。

前年とは全然違った、赤と黒の衣装に変わり、振り付けやイメージも少し変わりました。

この時のバトルさんのコーチは、今のネイサン選手のコーチである、アルトゥニアン・コーチでした。

演技が始まってすぐに、(あ、バトルさんは、これが現役最後の演技になる覚悟で滑っている!)と感じて、ハッとしたのを覚えています。 

いつもと気迫が全然違ったように思え、本当に、最初から最後まで、ものすごく強い覚悟、本気度が伝わってきた演技でした。

特に後半の迫力がものすごくて圧巻で、終わる前から観客の歓声がやまなくなり、最後は総立ち状態です。

この音楽は、以前このページでもご紹介したように、映画「アララトの聖母」からとられたもの。聖なる山とも呼ばれる有名なアララト山(トルコとアルメニアの境にある)のふもとであった、アルメニア人大虐殺という「史実」を、被害者視点で描いた、非常に重いテーマの映画音楽でしたが、そのテーマの重さに全く負けていない演技となりました。

4回転を回避したことに、一部では異論もありましたが、 ここで優勝したことで、バトルさんは結局、現役引退を決意することになっていきました。

 

 

 

ジェフリー・バトルさんの引退会見(2008年9月)に、日本語字幕をつけてくださったものを載せておきます。

 

2008年の世界選手権のフリーで、明らかに燃焼しきったように私の目には見えていましたので、私は当時、(やっぱり…)と思っただけで、引退は驚きませんでした。

4回転への挑戦というのは、羽生選手みたいな人はますます意欲を燃やすけど、バトルさんのような個性の方にとってはモチベーションにはならず、むしろ心身の負担に感じられていたのではないかと、当時の私には見えましたね。

人にはいろいろな個性と特技がありますから… 

それぞれに与えられている、唯一無二の個性を活かすのには、様々な道があります。

何かの道が塞がれたら、そこではない道にこそ、その人を本当に活かす世界が広がっていた、ということも、多々あると思うので…

一見、八方ふさがりのように見える時でも、希望を捨てずに前に進んで生きていきたいものですね…!

 

今、バトルさんが振付師で良かったと思っている人は、世界中に大勢いることでしょうから、この時、バトルさんにバンクーバー五輪で活躍してほしかったカナダの人たちはガッカリしたそうですが、やはり結果的には、この決断は素晴らしかったのではないかと思います。

 (バトルさん引退により、パトリック・チャン選手のカナダ王者時代へと変わります。)

 

 

こちらは、引退した2008年のアイスショーの演技、「ピアノと弦楽のためのエクローグ」。

バトルさんの長所が良く出た演技です。

羽生選手の「バラード第一番」と、雰囲気や印象がやや似ている演技かな、と思います。

 

 

最後に、羽生選手がインタビューで好きだと語っていた、「Uptown Funk」。

ショーの演目ですし、滑っているというより、踊っている印象の強い演技ですが、だからこそ、全体の滑りが解るような動画をあえて使わせてもらいました。

 

 

その後もショーなどで活躍されていますが、主に現役時代の演技を中心に、今回はご紹介してみました。

 

さらなるジェフリー・バトルさんの魅力は、根っからのバトルファンの皆様にお聞き下さい!(笑)

 

※ このページに書いた情報で、間違い等がございましたら、遠慮なくご指摘下さい。謹んで訂正させて頂きます。


羽生結弦選手とプルシェンコ選手、本田武史さんの証言から知る、天才の真実

2016-12-20 | フィギュアスケート全般について

 

今月初め、かつて話題になった、リアル・タイガーマスク運動の、「伊達直人さん」、がついに御本名を明かしたとのニュースがありました。

ご自身も児童養護施設出身で、ランドセルが買えなかった思いから、同じ境遇の子供たちにプレゼントしたという、普通の社会人の方だったことがわかりましたけれども、自分の過去の悲しい体験を、良きことのための力に変えていかれたその話を聞くと、

誰かさんを連想させられますね… 

 

サンタクロースの起源でもある、「聖ニコラウス」とは、

イエス=キリストの言葉に従って、恵まれない子供たちのためにプレゼントを寄付した、昔の実在の人物です。

「聖ニコラウス」 (セイント・ニコラウス → サン・ニコラウス → サンタクラウス→ サンタクロース) 

 

さてさて、伊達直人… ではないけれども、自分の五輪・金メダルの報奨金の全額を、迷いもせずに被災地に寄付した、

やけに素直で実直な「伊達」の殿様を演じた方なら、羽生ファンは、良く知っているでござる!

 

羽生ファンなら多くが知っていることでございますが、このお方、子供の頃は、だってー!だってー!っとゴネては、年上にむかっても平気で食って掛かっていく、超負けず嫌いな、一歩も引かないお子様だったそうな。(笑) 

伊達にただの負けず嫌いだったわけではないようで。(笑) (都築コーチや、佐野さん談より)

ついでに可愛い顔して完璧主義だったりするのは、この頃から同じという、お子様時代の映像がこちら。

 

ござる… いや、時に「子ザる」のもお得意な、負けず嫌いな 羽生藩のお殿様は、

先日のグランプリ・ファイナルで、あの6名の中で一番おでこが狭かったことが、並んだ写真撮影時についに発覚してしまい、

日本の悩める中高年男性を励ますためにも、自ら率先立って「ハゲむ!」と宣言されてはきた殿ではございましたが、

世界は広く、その道は思いのほか険しく、ライバルは実に多く、チャン選手の激しい進化ぶりに思わず目を見張り、

オーサーコーチやキャンデロロさんはおろか、「頭頂部の頂上決戦」では、なかなか外国勢に勝てる見込みはないと思ったのか、

ついに先日、方針転換と思しきご発言があったとか…。

な、なんと、

「これから、髪る!」と宣言されたそうな…  (←かみる!と読むそうな… ほほう、21世紀の日本語は難しいでゴザルな。)

 

グランプリ・ファイナルから帰国直後に、成田空港で応じたという、

全日本選手権に向けての目標として、「結ぶ!」と宣言された、殿のインタビュー番組が、こちらでござる

 

 

この中で、羽生選手は、「言霊」についてきかれ、「言霊ってあると思います」と答えています。

「できる、できる、できる」については、耳から入ることで錯覚してくれれば、と言っていますけど、

それはつまり、思ってはいなかったということでしょうか…? (笑) 

 

「言霊」は、日本独自の発想だなどと勘違いしている方も多いようですが、

そもそも「言霊」の思想というのは、聖書に起源があり、それどころか、聖書は始めから終わりまで、「言霊の思想だらけ」です。 

旧約聖書も、新約聖書も、どこもかしこも、言霊の力について力説されている箇所だらけです。 

キリスト教は「告白の宗教」などとも呼ばれますが、「言葉の力が全て」、と言っても良いくらいです。

ただし、「心」「本音」が伴う言葉でないと、価値も効果も認められませんが。

 

新約聖書・「ヨハネによる福音書」は、超・有名な、次の一連の言葉で始まります。(1章1~5節)

初めに言(ことば)があった。 言(ことば)は神と共にあった。 言(ことば)は神であった。

この言(ことば)は、初めに神と共にあった。 万物は言(ことば)によって成った。

成ったもので、言(ことば)によらずに成ったものは何一つなかった。

言(ことば)の内に命があった。 命は人間を照らす光であった。 光は暗闇の中で輝いている。 暗闇は光を理解しなかった。

 

さて、英語だと、次のように訳されています。 ( John  1: 1 - 5   Today's English Version)

In the beginning the Word already existed; 

the Word was with God, and the Word was God.

From the very beginning the Word was with God.

Through him God made all things; not one thing in all creation was made without him.

The Word was the source of life, and this life brought light to people.

The light shines in the darkness, and the darkness has never put it out.

 

KJVだと、冒頭は次のように訳されています。 (John 1:1-5  King James Easy Reading Version)

In the beginning was the Word,  and the Word was with God,  and the Word was God 

 

つまりどれであっても、「神=言葉」だとまで言っているのがわかるかと思いますが、

「世界の全ては、「言葉」 (神の言葉)によって成り立った」、と説明されているのが、聖書です。

ここでいう「言(ことば)」とは、イエス=キリストを指しますが、そもそも旧約聖書のスタートである「創世記」もまた、

神の言葉によって世界の全ては創られていった様が描かれ、世界は言葉によって成り立った、との記述から始まっています。

言葉は非常に神聖なものでもあり、だからこそ、悪い言葉、汚れた言葉を使わないよう、聖書は繰り返し警告しています。


参考例:

「言っておくが、人は自分の話したつまらない言葉についてもすべて、裁きの日には責任を問われる。

あなたは、自分の言葉によって義とされ、また、自分の言葉によって罪ある者とされる。

(イエス=キリストの言葉    マタイによる福音書 12章36,37節  新約聖書 新共同訳より ) 

 

 

また、肝心の救いさえも、実に単純に、「心を伴う言葉」 によって成立するのが、キリスト教の真理です。

「口でイエスは主であると公に言い表し、心で神がイエスを死者の中から復活させられたと信じるなら、

あなたは救われるからです。

実に、人は心で信じて義とされ、口で公に言い表して救われるのです。」 (ローマの信徒への手紙 9章9,10節)

 

主(=神様)の名を呼び求める者はだれでも救われる」 のです。 (ローマの信徒への手紙 9章13節)

 

 

 

さて、この番組の最後を観る限り、

仙台人なのに広島カープファンだという羽生選手は、今カープで流行語の「神ってる!」とやらを思い出し、

きっとひらめいたように顔を輝かせて、得意になって語ってくれたに違いないと私は勝手に想像するのですが、

やはりちょっと これは 「コザル・モード」な言葉だったのか…(笑)、

スルスルと木のてっぺんに上ったつもりが、見事に広島カープのことはスルーされて、ちょっと寂しく星を見上げた 星降る夜かな?

羽生選手の滑りの本領発揮は、やはり、氷の上でこそ期待したいところです! 

 

「神る」 ことが出来るかどうかは、神様がお決めになることですからね…! どうか頑張って下さいね!(笑)

 

あ、「髪り方」ですけど、個人的には、SPの頂上作戦では、NHK杯の時のものが今のところ、一番カッコよかったと思いました、はい。

 

 

 

 さて、そんな羽生選手の永遠の憧れ、

誰もが認める天才・ プルシェンコ選手の自伝(英語版)を、翻訳して下さっているサイト様があります。

こちらが、プルシェンコ選手がスケートをやることになったいきさつ、

その運命的な出会い方を書いた文章(自伝)を 翻訳して下さった文章 です。  ←クリックどうぞ

 

熱心なプルシェンコ選手ファンなら、ほぼ皆知っていると思われる、有名な内容です。

不思議ですね、この「絶対にスケートをやりたくかなった女の子」との、まさにこの時この瞬間での、お店での出会いがなかったら、

今のプルシェンコ選手はいなかったわけですから。(笑) 本当に運命の出会いですね。

これ、プルシェンコ選手は、「神様がスケート靴を下さった」と、他の時には表現しておられましたね。

 

さて、そんなプルシェンコ選手は、共産主義国・ソビエト連邦(現・ロシア)に生まれながら、幼少期に神様に呼ばれて、自らご両親を説得して、自ら進んで希望し、教会に行って洗礼を受けたという、驚きのお子様だったエピソードを、ご自分で公にも告白されてきました。

やはり天才は何か違いますね…

 

その、プルシェンコ選手の、心の部分を告白してある箇所が、次のページです。

 プルシェンコ選手の自伝の一部を翻訳して下さっているHP ←クリック

 

以下、上の文章の、一部だけを抜粋させてもらいました。

 

信仰は僕にとって重大な事柄だ。

僕の魂がそれを必要とする時、僕はいつも一人で教会を訪れる。

僕は、自分の才能は神から与えられたもので、これ無しではきっと何者にもなれやしないだろうと思っている。

そしてまた、この才能は大きな責務であるとも感じている。

僕は、僕の持ちうる才能すべてを出し切らねばならない。

そのために、僕はたくさん、徹底的に練習をしなければいけない。

つまり、プログラムの細かい部分まで、しっかりと熟考しなければいけないということだ。」


 

才能を責務(使命)とも感じており、この才能全てを出し来ならなければならない、という発言は、

羽生選手も良く言っていることでもあり、この意識は、全く同じですね。 

…っていうか、熱血プルシェンコ・ファンの羽生選手はそもそも、プルシェンコ選手の言葉は、

私なんかよりずっと詳しく知っておられることでしょう。

 

さて、上のプルシェンコ選手の言葉の根拠となっている、有名な聖書の言葉が、これです。  

これは、イエス=キリストの語った言葉です。 以下に出てくる「わたし」とは、全てイエス=キリストのことです。

ついでに、これは実は、「レッツ・ゴー・クレイジー」の歌詞の中で、プリンスさんが歌っている内容でもあるのです!

 

「わたしにつながっていなさい。

わたしもあなたがたにつながっている。 

ぶどうの枝が、木につながっていなければ、自分では実を結ぶことができないように、

あなたがたも、わたしにつながっていなければ、実を結ぶことができない。

わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。

人がわたしにつながっており、わたしもその人につながっていれば、その人は豊かに実を結ぶ

わたしを離れては、あなたがたは何もできないからである。」

ヨハネによる福音書 15章4~5節   新約聖書 新共同訳より )

 

「あなたがたがわたしを選んだのではない。

わたしがあなたがたを選んだ。 あなたがたが出かけて行って実を結び、その実が残るようにと、

また、わたしの名によって父に(=天の創造主たる神様に)願うものは何でも与えられるようにと、

わたしがあなたがたを任命したのである。

互いに愛し合いなさい。 これがわたしの命令である。 」

(ヨハネによる福音書 15章16~17節   新約聖書 新共同訳より )

 

わたしはまことのぶどうの木、わたしの父(=天地創造の神)は農夫である。 (※神様を農夫に例えてあります)

わたしにつながっていながら、実を結ばない枝はみな、父が取り除かれる。

(※ 神に従っている、などと口で言いながら、きちんと使命を果たそうともせず、何の努力もしないで怠けている状態は、懲らしめを受けたり、天国に入れてもらえないよ、ということ。)

しかし、実を結ぶものはみな、いよいよ豊かに実を結ぶように手入れをなさる。

(=実を結ぶ人、すなわちきちんと使命を果たす人たちには、天の神様はますます鍛え上げるための試練をも与え、より沢山の実を結べるようにして下さる、ということ。 だから、試練をも喜んで受け入れて乗り越えていくと、ますます結果が残るようになる。)」

(ヨハネによる福音書 15章1~2節   新約聖書  新共同訳より )

 

 ここで、羽生選手がインタビューで最後に出した言葉、 「結ぶ」が 沢山出てきましたね。

 

お子様時代のインタビューでも、上のインタビューでもそうですが生選手は、スケートを始めたばかりの幼少期から、

「自分は金メダルを取れると思っていた」 と告白しています。

この頃から、未来の金メダリストになるイメージ、思いが、強く与えられていたということですね。

 

あなたがたの内に働いて、(神の)御心のままに望ませ、行わせておられるのは神であるからです。

何事も、不平や理屈を言わずに行いなさい。

そうすれば、とがめられることのない清い者となり、よこしまな曲がった時代の中で、非の打ちどころのない神の子として、

世にあって星のように輝き、命の言葉をしっかり保つでしょう。

こうしてわたしは、自分が走ったことが無駄ではなかったと、キリストの日に誇ることができるでしょう。」

(フィリピ人の信徒への手紙 2章13~16節   新約聖書  新共同訳より )

 

ここで最後に語られている、「キリストの日」とは何かといえば、 キリストに天国で会う日、あるいは、キリストが地上に再臨された日、または、キリストが携挙のために戻って来られた時、であり、

いわば「天国で、報いを頂いた時」 のことを指していて、

つまりこれらも全て、「レッツゴー・クレイジー!」で歌われている内容なのです。

 

 

日本は、「天才」という言葉を、ちょっと違った意味でとる人たちがいて、

「天才だから努力しなくても良い」とか、 「あの人は努力している人だから、天才ではない」 などと思う人たちがいて、

その発想がちょっと間違っているというか、 天才の定義が 「おかしい」 と私は思うのですけれども、 

いわゆる特技としての才能だけでなく、むしろその分野への「並々ならぬ情熱」が与えられているからこそ、並々ならぬ努力も可能となり、普通ではないことが成し遂げることができるのが、天才と呼ばれる人たちの特徴でもあります。

 

「才能を与えられているからこそ、徹底的に練習をしなければ… 熟考しなければ…」

プルシェンコ選手自身は、考えていることが判ります。

これは、羽生選手の一連の発言も同じですね。

 

また、聖書を読むと、「神様は、実を結ぶものには、ますます手入れをする (=実を結ぶ人には、試練を与えて練り清め、余計な部分を取り去って、ますます実を結べるようにしていく)」

という原則があることがわかります。

 

聖書に、次のような言葉があります。

「すべて多く与えられた者は、多く求められ、多く任された者は、さらに多く要求される。」

(ルカによる福音書 12章48節後半  新約聖書 新共同訳より )

 

「多く与えられた」とありますが、いったい誰から与えられて、誰から任され、誰に要求されているのかと問えば、

これは全て「神様から」なのです。   (悪魔じゃないよ!)

 

「多く与えられた者は、多く求められる」 が、神様の国のルールであり、

多くの才能や、多くの賜物、多くの経験や、多くの権力等、多くを与えられた者は、大きな責務を担うこととなり、それだけ厳しく、多くの責任と結果を神様から求められていることになります。

そのため、試練も大きくなりやすいです。

大きな財力を頂いている方も、同じです。 それを何に、どのように、何のために使うのかが、厳しく問われるのです。


 

以前から、よく羽生ファンを驚かせてきた羽生選手の発言に、 

「腰が砕けても…」 とか、「魂を削って…」などという発言があったのですが、 

それは、そのこと(スケート)に才能と使命を与えられている者として、それほどの情熱と、覚悟をもって臨んでいる、 

という思いのストレートな表明だと思って、私は聞いていました。

 

  

「使命」とは、「命」を「使う」こと、すなわち、「その人が命を懸けるに値するほどのこと」です。

 

これは一人一人違いますが、それが何なのかを見つけられることは、生きている意味が明確に見つかることでもありますから、

それが何か判っているということは、とても幸せなことです。

  

また、これら(才能やそのほか、天から頂いているもの)を、適切に使っていくと、さらに神様から多く与えられる一方で、

その「与えられているもの」を、使わずに しまっておいたり、適切に使わなかったり、無駄にしたり、間違った目的に使ったり、土の中に埋めたりして隠していると、持っていたものまでもが神様によって取り上げられてしまう

ことが、聖書には明確に書かれています。

 

ここでいう「才能」やら「賜物」、「天から頂いているもの」、というのは、

別に、いわゆる「天才」と呼ばれるほどの人たちではなくても、誰にでも、全ての人間に、必ず何かが与えられているものです。 

形や目的、そのあり方は様々ですが、あなたにも私にも、必ず与えられているものがあるのです。

 

それをきちんと見つけ、きちんと適切に、使うべきもののために使っていけるかどうか、

どう使うか、それとも、使わずに土に隠してしまうのか、

あるいは、羽生選手が良く言っていたみたいに、出し惜しみせずに使いきっていき、社会に還元したり貢献していくのか、で、

その後に与えられるものも、人生も変わっていく、と聖書は明確に語っています。

 

ところが、それをやろうとすると、(使命を果たそうとすると)、

必ずと言っていいほど、悪魔の妨害というものを受けるのです。  

羽生選手ほど、ド派手に執拗に攻撃されなくても、 誰であっても、大なり小なり、そういう攻撃は受けるようになります。

その攻撃を交わすカギとなるのが、

「レッツゴー・クレイジー!」の中で、「Purple Banana」と表現されている、救い主 イエス=キリストです。

 

落ち込ませられるようなことが次々と起きたりして、妨げにあいますけど、

そんなものに負けずに、

熱中して、熱狂して、熱心に、真剣に、無我夢中でやるべきことをやり、神様に守られながら、

一人一人が、その人に与えられている使命を果たしていくことを奨励しているーーーー

 

それこそが、今シーズンの羽生選手のショート、「レッツ・ゴー・クレイジー!」で、

プリンスさんが歌っている内容でもあるのです。

 

 

 

「崖っぷちだらけ」 と羽生選手は、自分の足跡を振り返って語っていましたけど、

そんな、次から次への試練が来る中でも、

小宇宙やら、新しい星やらが生まれているかも、と語ってくれた羽生選手には、

新しい星の輝きに囲まれながら、

楽しく、ノッテ・スベッターラ~♪ との言葉を贈ります!

 

 

さて、最近放送された、「KENJIの部屋」で、本田武史さん特集がありました。 

今はコーチ兼、プロスケーターをしていらっしゃいる本田さんは、この番組でも語っておられましたけど、

試合では4回転トウループと、4回転サルコウの、両方を最初に決めた日本人であり、日本に4回転ジャンプ時代をもたらした最初の一人です。

 

でも、「練習では」ですけど、当時から、4回転ルッツ、4回転フリップ、4回転ループも跳べていて、4回転+4回転まで跳んでいたことを告白しています!

 KENJIの部屋 本田武史さんの回1回目

しかしプログラムの中に入れた練習では、4回転ループだけはちょっと失敗していたそうです。

4回転ルッツとフリップは、それぞれ2人以上の選手が試合で跳んでいますけど、

現在、4回転ループは試合で羽生選手以外が決めることができていないので、やはり、この本田さんの発言を見ても、

4回転だと事実上、ループが一番跳びにくいのではないかと私は思いましたけど、どうでしょうね。

 

さて、この本田さん、4回転を跳ぶコツを、「ノリ」だと語っておられます。 

・・・ってことは、やっぱり、「ノッテ・滑ったーラ!」は正しい のですよね?!

ノリノリが良い、と。

 

さらには、4回回り切るまで締めておく… がコツだそうです。

なんてわかりやすい! そ、そりゃそうですね!(笑)

昔から、本田さんは4回転のコツを、「4回回って降りるだけ!」だと答えていました。 …変わってない!(笑)

でも、この最後のところが怖いのだそうで、その恐怖を克服出来るかどうか…がポイントのようです。

 

羽生選手になら、これらの言葉の意味するところは、きっと通じるのでしょうか。(笑)

怖さの克服なら、羽生選手は得意そうというか… 大丈夫そうですね。

 

羽生選手と同じように、空中でどんなに曲がっていても、その一瞬で、「あ、もう少し右だった」 だのなんだのと、

軸を修正して着氷できたそうです。

あの回っている一瞬で、4つぐらいのことを考えられる、と。

 

羽生選手の言っていることと、すごく似ているな~と思った私でした。

 

羽生選手は3D映像が見えるそうですが、本田さんはそうは言っていなかったけど、空中で感覚で修正できるらしいですね。

4回転の話で、本田さんからここまで詳しく聞けたのは、初めてかもしれません。

  

天才のジャンプの世界を垣間見せてもらったような、そんなお話でした! 

 

ついでに本田さんは、長野五輪の直前、外国に移住したばかりで、実はすごいホームシック状態だったことを告白しています。

インターネットも携帯もない時代でしたし、英語も話せなかったそうです。

そうだったんですね… 

でも、北米に長く住んでいたので、最後には英語より日本語のほうが怪しい状態になっていたようです。

確かに、本田さんの英語は、かなり発音も良く、堪能だったような印象があります。

 

こちらでは、引退間近の頃の心境や状況、そして今の思いなどを語って下さっています。

KENJIの部屋 本田武史さん第2回

ちょっと辛いのは、やはり引退間近の頃、どんな体の状態だったのか、その辛さやボロボロ具合を語って下さっているあたりです。

 

…私としては、羽生選手には、本当に同じ目にあってほしくないので…

どうか大事に頑張ってほしいです。

 

本田さんは、辛いことも多かったけど、今ではスケートがやっぱり好きだったんだと思えているそうで、本当に良かったと思いました!

 

 

最後に、「仙台放送」が、すごいポスターを作って、羽生選手を応援していますので、それをご紹介。

ショート、フリー、エキシビションの衣装違いの写真を3つと、なんと、練習着のものまで!… さすが羽生選手の地元・仙台ですね。 

 

そして何より、このキャッチコピーがまた、なかなか素晴らしい!(笑)

 

「羽ばたくたびに、星が降る夜」 ですって!

…そ、そ、そうだったのか!

 

宇宙をぐるぐる回っていた私は、羽生白鳥が羽ばたくたびに、星が降っていたとは、今まで気づきませんでした!

 

… 次回、楽しみにしておきます!(笑) 

 

羽生選手! 

「良い音楽」「良い言葉」を聞いて、心身を 良い状態に整えて、楽しく 頑張って下さい~~!!



 


羽生結弦選手ファンが知っておきたい、フィギュアスケート史上有名な妨害事件と、元・選手たちの意見

2016-05-13 | フィギュアスケート全般について

 

フィギュアスケートという競技の歴史の中では、競争心が過ぎるあまり、あるいは様々な事情により、

特定選手が、ライバル選手から「妨害された」と見られる行為をされて、大議論になった事件が、いくつも実在しています。

 

「意図的に怪我させようとして(傷つけようとして) 自分から本当にぶつかる選手」なんていうのは、確かにいないでしょう。

相手を怪我をさせても、自分が傷ついたら、選手はそこでお終いですから。

 

しかし、ただの「妨害行為」「心理的圧力」「心理攻撃」となったら、話は別です。

ただの心理的かけひきや、心理圧力をかけることそのものは、それこそよくあることだと思われ、過去にも多数報道されてきました。そのやり方や程度が問題になってきます。 

 

羽生選手だって、それは良く分かっていると思います。

今回取りざたされた、「それはねーだろう、お前!」と羽生選手が日本語で叫んだという言葉。

 

これをどう見るかですが、この言葉には、その前に省略されている、重要な言葉がありますよね。さて、何でしょう?

「いくらなんでも、それはないだろう、お前!」というのが、言葉の本来の意味ですね。

すなわち、この日本語から直ちに分かるのは、羽生選手は、ある程度の心理妨害や駆け引きは我慢して受忍してきたものの、「もはやこれだけは許せない!いくら何でも、これは卑怯すぎる!あり得ない!」と怒った状態だったということです。

つまり、「我慢や常識の限界を超えるほどの卑怯さ」だと羽生選手はみなした、少なくとも、羽生選手にそうみなされるようなことがあったのだ、ということが、このセリフだけでわかるのです。

また、これを下品だなんだと非難した人たちがいますが、話はちょっとそれますが、関東以北~東北地方で、標準語で言う「あなたは~」を、「おめーは~、」と言い、「~ではない」という標準語を、「~じゃねえ」「~でねえ」というように、「ない」を「ねえ」と表現するのが正式の「方言」の地域はかなりあり、「それはないだろう」は、「それはねーだろう」になります。

これらは、標準語感覚で初めて聞くと、ちょっと粗野か、あるいはおやじくさいと感じたとしても、地方の方言であり、女性でも正式に使っているような地域も日本には沢山あります。

(他の例:オレ(語尾を下げる)、ワシ、おめえ、お前、アンタ等が、男女ともに使う、正式な一人称や二人称の言葉である地方、等。)

知らない地域の方言を初めて聞くと、ものすごい違和感が生じたり、いらぬ大きな誤解が生じることは、日本では多々あります。同じ地域でも、家庭によって様々です。

羽生選手が、どういう感覚で使ったかはわかりませんし、どういう言語環境で育ったのかわかりませんけれども、怒ってとっさに出た言葉なのですし、羽生選手は日本では仙台以外に定住したことはないのですから、普通の感覚だった可能性もあります。 

私にはどちらであっても、どうでもいいことなのですが、わざわざそこを非難している人たちがいるので、ちょっとご参考までに知っておいてもらえたら、と思って、書かせてもらいました。

 

さて、このように、「かなり卑怯だ」とみなされた場合、周りを巻き込んで大議論になってきたのは、今回だけではありません。

まず、大前提として、今回問題になったのは、ニアミスも多発し、過去に何度も衝突例がある、「6分間練習」ではなく、そんなことは絶対にあってはならない、優先権が明確な、「公式の曲かけ練習」であったということを、押さえておきましょう。

 

まず、この事件の事実関係を、確認してみます。 (以下、このページの翻訳は全て、管理人によるものです。)

この事件が起きた翌日である3月31日の、アイスネットワークの記事の中(→http://web.icenetwork.com/news/2016/03/31/169878518)には、次のように書かれています。

複数の目撃証言によれば、ハニュウがショートプログラム「バラード第一番」の曲かけ練習中、彼のまさに演技軌道上で、テンがキャメル・スピン練習をしているのに気づいた時には、この日本人の五輪王者はトリプル・アクセルを跳ぶための直前ターンを終えたところだった。 羽生は大声で叫び、テンを避けるために本来のパターンを変えてトリプル・アクセルを無理に跳びあがり、そして転落した。そのまま氷の上に座り込みながら、羽生はボード(フェンス)をパンチした。」

これは、日本で日本語で報道されたものと、完全に一致しています。

 

また、ネット上で、勘違いなのか、意図的な一部ねつ造なのか不明ですが、羽生選手に不利となる誤解を拡散させた人たちがいましたが、この記事には正確には、こう書いてあります。

 

ハニュウのコーチである、ブライアン・オーサー氏は、デニス・テンに明らかに責任があったと考えている。

『 誰かがプログラムを滑っている時は、その人に優先権がある。』と、2度の五輪銀メダリスト(=ブライアン・オーサー・コーチ)は言った。

『 それは明快な、暗黙のルールなんだよ。誰もが試合の演技プランがあり、(その演技のための)一定の決められた動作があるんだ。

 だからそれが妨げられたりしたら、誰でも、滅茶苦茶になってしまう。』 

ブライアン・オーサーは続けて言った。

『 何も意図的だったとまでは自分は思わない。(が、)一部のスケーターたちは、特に誰かがソロの曲かけ練習をやっている時には、氷の上でもっと注意を払わなければならない。』」

 

冒頭で明確に、「テン選手に明らかに責任があった」とオーサーコーチが考えていることが強調されており、続けてその理由がオーサーコーチのセリフとして書かれています。最後の言葉は、事実上、今回のテン選手への忠告です。 

これを、部分的にだけ取り上げて拡散して、現場を見ていたオーサーコーチが羽生選手を非難したかのように書き、さらに羽生選手をも非難する手段に使っている人たちがいますが、読めばすぐにわかることです。

意図的かどうかについては否定気味に書かれていますが、どちらに非があるのかについては、オーサーコーチの意見は明らかにされていて、ここで故意かどうかで大きくもめて対立を激化させたら、フリー直前であった羽生選手にとって、プラスになることは何もありません。 

これを読んで、アメリカ人をはじめ、欧米人の多くが羽生選手を誤解するなどという心配も、全くないでしょう。

多くのアメリカ人は、過去の有名な妨害事件の実在を知っていますし、殆どの日本人より、フィギュアスケートを観ている歴史は長いのです。裏でのドロドロがあること等、多くの日本人よりよくわかっています。

 

続いてこの記事の中で、元・全米王者であり、氷上の選手たちの攻防をよく知るはずのジョニー・ウィアーさんは、次のように語ったことが書かれていることに注目です。

「『世界トップのメンバーたちと一緒に氷の上で滑らなければならない時は、皆が、自分のための空間や 自分の滑る領域、時間の確保について争っているものさ。 それはスポーツの当然の性質だよ。』 

ウィアーは、TDガーデン(=ボストン世界選手権の会場名)で、木曜日の朝(=事件が起き、男子ショート試合のあった日の翌朝)、報道機関との会議の時に言った。

『 選手たちが、この世界トップレベル集団にいる時は、他のスケーターたちの演技パターンを知っているものだよ。

彼らは互いに、数え切れないほど一緒に滑ってきているんだからね。 

だから気を付けて、互いに気を配らなければならない。 

礼儀正しく、相手を尊重する競技者でいるためには、当然のことだよ。』」

 

ジョニーさんは、デニス・テン選手が意図的だったかどうかの明言は避けているものの、元選手の立場から、相手の演技パターンを知らなかった可能性はあり得ないと指摘し、羽生選手の曲かけ練習中にテン選手がしたことが意図的であるとの認識を匂わせ、トップレベルの競技者としてのテン選手の態度をやんわりと非難し、羽生選手を擁護しています。

 

羽生選手も、「ボーヤン選手の4回転ルッツを研究させてもらっている」と語っていたように、トップ選手たちがライバルの演技を研究しているのは、ごく普通で当たり前のことだし、そこで行われる高難度の技などは、勝敗を左右するのですから、むしろ他の誰よりも真剣に観ていることでしょう。 

逆に言えば、「何の時に何をされたら邪魔になるのか」も、良く分かっているはずなわけです。 

曲かけ練習の途中で、しかもまさに相手のその進路上で「キャメル・スピン」(=ブレードを外側に出して回るので、最もぶつかると危ないスピン、しかもスペースを一番広く使うスピンなので、妨害度も最も高くなる)をわざわざやることの意味が、わからない選手なんていないでしょう。

羽生選手の今シーズンのプログラムは、歴代最高得点を出したほど注目度の高いものであり、また彼のトリプル・アクセルは、「リンクのど真ん中を、複雑で難しいターンを繰り返しながら横切ってきて、助走なしの状態で直ちに跳ぶ」ということは、みんな覚えているだろうし、私にだってしっかりと記憶されていることです。 

なぜなら、そここそが、ソチ五輪の頃から一貫している、羽生選手だけが出来、他の選手たちには出来ない、一番凄いところでもあり、解説者たちを最も驚かせてきた点でもあるのですから。

それがハッキリと分かるからこそ、そしてここでこのように妨害されたら、演技でも致命的なだけでなく、直ちに羽生選手側の怪我につながる可能性さえあることが、選手ならすぐにわかるはずだからこそ、

羽生選手は、相手のこの行為に意図的な、許せないほどの卑怯さを感じて、「いくらなんでも、それはないだろう!」と、激怒したのだろうと私は思います。

(まして、前日にも繰り返されたがゆえに、相手に注意したばかりだったのですから。 

さらに、この時にその場で周囲には言えなくても、実際に怪我を悪化させてしまった可能性は非常に高いですから、その時の怒りと悲しみ、やりきれない思いは想像に難くありません。) 

 

もし、公式曲かけ練習で、スピンをしてさえいれば、曲かけ練習をしている選手の優先権さえもが、後回しになるなどということが許されるようになるのなら、

それこそ、ライバルの曲かけ練習の時に、軌道の真ん中に入り込んで、周りを見ないふりをしてスピンさえしてしまえば、いくらでも相手を妨害できることになってしまいます。  

それを選手たちが互いにやりあったら、どうなるでしょう? 

その程度のことさえもわからない選手など、トップレベルの選手たちにはさすがに誰もいないでしょう。

彼らは遊びやお遊戯で演技をしているのではありません。

トップ選手たちはみんな、その人生のほぼ全てをかけて、その後の人生を大きく変えるかもしれないほどの結果を出すために、真剣に練習してきて、真剣勝負で試合に臨んでいるのです。

 

 

元日本の代表選手だった、佐野稔さん(77年世界選手権・銅メダリスト、76年インスブルック五輪日本代表選手)は、この出来事の翌日に出た、次の記事の中で、こう述べています。→ http://www.sanspo.com/sports/news/20160401/fgr16040105000005-n1.html

「誰であろうとなかろうと、曲をかけての練習で進路を妨害してはいけないのが暗黙のルール。

羽生が怒るのも無理はない。

トリノ五輪金メダルのプルシェンコ(ロシア)が同じような状況に遭遇し、コーチが激怒したシーンを思い出した。」

 

どこかの週刊誌が、ずいぶん後になってから、いい加減なことを書いて印象を操作したようですが、佐野さんは自分のコラムで、直後にこう語っているのです。

「羽生選手が怒るのも無理はない」 そして、「あのプルシェンコ選手も、かつて同じような状況になって、コーチが激怒したことがある」、と、過去の事例まで証言しています。 

つまり、こういうことは、過去にもあったということです。

 

 結果的に妨げたのは事実であり、意図的でなかったのなら、「あ、失礼しました」で直ちに終了させて、その後は気を付けるようにしたはずで、これはたとえ外国でも(アメリカでも)、人々から信頼されるような人物なら、礼儀として当然のことです。

「未必の故意」(そうなっちゃうかもしれないけれども、まあいいや、と、結果が起こり得ることを認識しつつやった過失。)というのは、法律上は「故意」と同じとして扱われます。 (報道関係者なら、そのくらいのことは知っているでしょう。)

よって、「羽生ほどの人ならば、避けられるだろうから問題ないと思った」などという発言がコーチから出てきた段階で、故意と同じ、「未必の故意」があったことを自白したようなものなのです。 避けなければならない位置でスピンをやっている自覚があったことを認めたことになるわけですから。

自分の選手を庇うためにそう言ったのだろうとは思いますが、このセリフは、そのように庇わなければ反論できない状態でスピンしていた事実を証明しています。ですから、たとえ映像を見なくても、相手方のこの発言だけで、実際にはどのような状態だったのかが、簡単に推測できてしまいます。

 

羽生選手は、相手を引きずり下ろすような「汚い」方法で勝ちたいと思う人ではなく、むしろ、相手が優れているなら、自分がさらに優れた演技をしてみせることで、堂々と勝負して勝ちたい人です。

羽生選手が良く言ってきた、「みんながベストな中でも、それでも俺が一番だよ、という状態で勝ちたい」というのは、そういう意味であり、ライバルが怪我で絶不調な時に圧勝したところで、そういう勝ち方では、あまり嬉しそうな表情を見せません。

それは、2013年の全日本選手権の羽生選手の様子を観ていた人なら、それが本心からの言葉だと気づくことだろうと思います。

逆に言うと、汚いと思った行為をされたときは、耐えて悔しかった分だけ、喜びが爆発するのは理解できます。 

 

オーサーコーチはこの記事の中で、羽生選手のことを、「情熱的で非常に集中力が高い、彼のそういうところは、私は大好きなんだ」とも、わざわざ述べています。(羽生選手のそういう性格が、今回の羽生選手の反応に大きく影響したと見ているからでしょう。)

この記事が出たのは現地の31日ですから、羽生選手のショートの翌日、そしてフリーの試合の前日です。 

アメリカ会場で行われている、大事な試合の真っ最中に、有名なアメリカ人コーチともめ事を起こして、色んな点で不利にならないように、オーサー・コーチもジョニーさんも、北米人であり元選手である立場からも、相手を配慮しながらも、責任はデニス・テン選手側にあることを認め、羽生選手を擁護して発言したことがわかります。

またこの記事のライターも、双方の立場にそれぞれ配慮しながら書いていることが、読めばわかります。

(この記事に使われている二人の写真は、この事件の瞬間ではない、全く違う時の写真で、ただのイメージなので、誤解を招くと言えば、その通りかもしれませんが。)

 

 

さて、ここからは、20年以上フィギュアスケートを見てきた人たちなら、「当然に知っているはずの」

過去の有名な、「ライバル選手へ向けた妨害事件」について、2つだけご紹介して、

当時の議論がどのようなものだったか、を見てみたいと思います。

 

まず、曲かけ練習中の妨害事件について、見てみます。

 

実在事例1 : 伊藤みどり選手が、フランスのスルヤ・ボナリー選手にされた行為による、妨害騒動 (1992年アルベール・ビル五輪当時)

  

 女子初のトリプルアクセルを成功させたので有名な、日本の伝説的スケーター「伊藤みどり選手」に対して、練習中に妨害をしたとして有名になり、

 当時も、日本の解説者からのみならず、海外のトップ選手からも非難されていた、フランスのスルヤ・ボナリー選手。

 私の記憶では、彼女のこういった行為は、1度などではなかったと思います。

 それにより、当時の私は、「また妨害スルんヤ・ボナリー」などという、どうしようもないダジャレで覚えてしまったほどです。(苦笑)

 伊藤選手とボナリー選手は、当時どちらも、すごいジャンパーであり、アスリート型選手として有名でした。 

 伊藤みどりさんは、女子史上初のトリプル・アクセルの成功者ですし、ボナリー選手もトリプル・アクセルを跳んだ数少ない女子の一人です。

 さらに彼女は、女子なのにバック・フリップ(キャンデロロさんがやる、氷上の後方宙返り)が出来てしまう、超人的な脚力の持ち主でした。

 

 1992年のアルベール・ビル五輪の、伊藤みどり選手の、公式「曲かけ練習」中、

 伊藤みどり選手が曲に合わせて、トリプルアクセルからのコンビネーション・ジャンプを跳ぼうとしていたその直前に、その目の前で、試合内では禁止されていた高難度危険技「バック・フリップ」を、「バック・フリップ+トリプル・トウ」にして跳んで観客を沸かせました。(この技が出来るということそのものはもちろん、もの凄いのですが。)

 それを観ていた多くの人たちが、伊藤みどりさんの集中を妨げてジャンプの練習を妨害したとみなして、議論となり騒ぎになりました。

 それを伝えるアメリカの番組が、こちらです。

  

 

 問題は、それが伊藤みどり選手の、曲かけ練習の途中(真っ最中)でやられたことでした。

 ピンクの衣装を着ているのが、ボナリー選手で、彼女がジャンプを終えた直後の背後で、黒い練習着でポニー・テールをしながら横切っていく女子選手が、ジャンプの滑走に入るところだった伊藤みどり選手です。

 目の前で跳ばれ、さらに観客の歓声が沸き、まさにジャンプに向かう助走の途中だった「曲かけ練習中の」伊藤みどりさんが、トリプルアクセルを跳ぼうとしていたのに調子が狂い、結果、1回転になってしまった、と動画の中で、アメリカの解説者は指摘しています。

 

このことについて、1984年サラエボ五輪と、1988年のカルガリー五輪の両方で金メダリストとなった、元祖「表現力の女王」と呼ばれた伝説のスケーター、カタリーナ・ビットさんが、

選手間のかけひきや、選手の心情や実態を良く知るトップ選手の立場から、このボナリー選手の行為を、意図的な妨害行為だとして抗議し、伊藤みどり選手に同情の意を表しました。

 

私の知る限り、語り継がれるほどの有名な金メダリストは、おかしいと感じたことには、信念をもってハッキリと注意したり、抗議表明する「強さ」をもっていますね。 

たいてい、利害の対立する関係者から非難されたり、問題を指摘したことに対して、傲慢だの何だのと騒がれたりもするのですが、(例:バンクーバー五輪時のプルシェンコ選手)、何が正しかったかは、時が証明していきます。

 

トップ選手以外に、そのようなおかしなことを堂々と指摘出来る立場になれる人はなかなかいませんから、不正やおかしいことを放置する羽目にならなくて、問題が明るみになった結果、多くの選手たちが助かります。

元世界王者のチャン選手も、最終グループの時の氷の状態があまりにも酷い時に、たびたび苦情を言っていますけど、これは良いことだと、最近私は思うようになりました。

ソチ五輪(会場ロシア)の時も、今回の世界選手権(会場アメリカ)も、男子フリーの最終グループの氷の状態が、とても伝統的フィギュアスケート国の会場だなどとは思えないほど酷い状態で行われましたけど、

どちらのケースも、フリー当日の(トップ争いをする)最終グループの中に、会場となった国の選手が一人もいなかった、そういう時に起きている、という共通点があるのは、なんとも興味深いことでもあり、同時に残念なことです。

 

 

 下のニコニコ動画では、この当時、番組の中でカタリーナ・ビットさんが、ボナリー選手のしたことについて意見を問われ、明確に自分の意見を述べています。

  

 

動画の最初で、カタリーナ・ビットさん(当時の日本での表記・今はヴィットと書かれる)は、このアルベール・ビル五輪(1992年)で金メダリストになったクリスティ・ヤマグチ選手の演技について絶賛して、その後にこう語りました。

 「私はよく、誰かがパーフェクトの演技をした後に滑るのが好きでした。 なぜなら、私はプレッシャーを受けながら滑るのが好きで、”この人に勝つためには、自分が出来る全てをしなければならないわ!”と自分で自分を追い込んで滑るのが好きだったのです!」

…すごいですね。

相手がパーフェクト演技をすると、益々燃えるタイプだったようです。 誰かさんの発言と似ているような…(笑)

カタリーナ・ビットさんが、2度金メダルをとれたのは、このような考え方や性格が、関係しているのかもしれませんね。 

(この部分は上の動画内では訳されていません。)

 

その続きで、質問者がこの問題について話を切り出して、ビットさんに意見を聞いています。

質問者: 「プレッシャーと言えば、今朝、スルヤ・ボナリー選手が、伊藤みどり選手の前でバック・フリップをやったことが物議をかもしていますが、どう思いますか。 ただ滑っている時だったというのではなく、伊藤みどり選手が、自分の曲かけ練習をしている時でしたよね? このような状況下での この倫理的な問題についてどう思われますか?」

 

カタリーナ・ビットさん :

 あれを見た時は、さすがに少しショックを受けました。

なぜなら、これは試合の前で、曲に合わせて練習できる最後のチャンスだったのですから!

自分の曲を聞いて合わせられる最後のチャンスですから、いつも、緊張感がものすごく高まる時なのです。

だから、スルヤ・ボナリー選手は、伊藤みどり選手に対して、全くフェアじゃないことをしたと思いました。

伊藤みどり選手は、まさに3回転のコンビネーション・ジャンプを跳ぼうとしていたところでしたから。

観客が、(ボナリー選手のした)バック・フリップを見て沸いたので、(その歓声で)みどり選手は集中を欠いてしまい、失敗してしまったのです。

ボナリー選手のしたこのバック・フリップというのは、彼女が試合の中でやる技でもないし、そもそも試合では禁止されているもので、ただエキシビションでやるだけの技なのですよ!

だから、私はあんな風にして見せびらかすのは、全くフェアじゃないと思いました。

”なぜ、わざわざ みどりが曲に合わせて滑っている時にやるの?!”って言いたいです。」

 

 その後、ビットさんも、他の選手の曲の時に、即興で振付をつけて曲に合わせて滑ったりしたことを質問者に指摘されています。 

当時、これにより、注目が、魅せるのが上手いビットさんのほうに集まったからです。 

これは当時、「私の方が上よ!」という、女王としての一種の心理的圧力をかけているのではないかと一部から見られていて、日本の解説でもそのように指摘していたと私は記憶しています。 

(私には当時、ビットさんはすぐに音楽に乗るタイプだから、調子に乗ってやりたいように自由にやっているだけにも見えていました。理由は、圧力をかける必要さえ全くないと思われる、彼女のライバルになり得なそうな選手の時でも、曲がかかると即興で踊りだすことがあったからです。でも、それは確かに優越感や余裕があるからこそできる行為だろうし、それさえも、「カモフラージュ」のためだったという可能性までもは排除はできませんし、やられる側からしたら、主役を奪われる感じで、いい気分がしないのは当然だろうとも思うのですが、これは受忍されるレベルの心理かけひきだとみなされていたと思います。)

ビットさんはこの番組内で、その指摘に対し、「そんなんじゃないのよ~」って笑顔でかわして否定し、自己弁護しています。

 

 

 さて、この時、ボナリー選手は、伊藤みどり選手に直接ぶつかったりはしていませんし、もちろん、直接傷つけてもいません。

 ただ、ライバルの跳ぶタイミングに合わせて、近づいていって高難度のジャンプをしてみせただけです。 

 この時に限って言うなら、羽生選手がやられたように、露骨に進路を塞がれたとまでは言えず、また当時は長い助走があるので、助走で避けることはできる状況です。

 だけど、非常に汚い手段に出たと多くの人にみなされて、動画にあるように、大騒ぎになりました。 

 特に、試合なんて百戦錬磨で、2度の五輪金メダリストになった彼女が、このような行為について、上のように発言して「全くフェアじゃないわ!」と怒って抗議して、やられた伊藤みどり選手を、かつての最大のライバルであるにも関わらず、大いにかばっていることに注目です。 

 そのくらい、曲かけ練習が大事であることを、カタリーナ・ビットさんは主張しています。

 この感覚が、選手としては、当たり前だろうと思います。

 

 当時、ボナリーさんがこのようなバック・フリップをわざわざライバルの前で、近づいてやって非難を浴びたのは、私の記憶では、一度ではなかったはずです。

 公式曲かけ練習時に、非常に強い選手が、ライバル選手によって、何らかの妨害的・心理的圧力を受ける…

 強くない選手だったら、このようなことをされることは、もちろんありません。   

 強い選手だからこそ、やられるわけです。やられるのは、そうしなければ勝てないほどの相手だと認知された証拠でもあります。

 (伊藤みどりさんは、この時の、1992年アルベール・ビル五輪で、銀メダリストになりました。 )

 

 しかし、もちろん、故意だろうが過失だろうが、そんな「やられた側がやられ損」なことを繰り返すことが許されていいはずもありません。

 選手たちには、きちんと「曲かけ練習」で、演技についての最後の確認ができるチャンスが、公平に、均等に、きちんと保障されなければ、試合そのものがフェアなものと言えなくなります。

 

 

さて、もう一つ、紹介します。

こちらは、リンク外での出来事です。

   

 実在事例2: 非常に有名な、驚きの「故意の」傷害事件ーーー「ナンシー・ケリガン襲撃事件」(1994年リレハンメル五輪当時)

 

   リレハンメル五輪(1994年)の直前の当時、ナンシー・ケリガン選手(アメリカ)に対する、トーニャ・ハーディング選手(同じくアメリカ)の関係者による襲撃事件というのがありました。

  1994年、リレハンメル五輪を控えた頃、アメリカの代表者を決める全米選手権で、最有力候補だったナンシー・ケリガン選手を何者かが襲ってかなりの怪我をさせ、彼女はそのまま試合に出場できなくなりました。 その後、ライバルのトーニャ・ハーディング選手の関係者(元・夫)が、大会後に逮捕されたという、驚きの事件があります。 

   フィギュアスケートの歴史上、五輪をめぐる権力闘争の世界のドロドロっぷりを世間に印象付けた、信じがたいけど有名な事件です。

   これについてちょっとだけ触れた日本の番組が、以下のものです。

 

   

 

  この事件の被害者となったナンシー・ケリガン選手は、代表選考会であるこの試合に出られなくなり、また、怪我からの回復に時間がかかりましたが、最終的にアメリカ代表として選ばれ、リレハンメル五輪で、銀メダルを獲得して終わります。 ご本人は「この状況でよく頑張った」、と満足されたようです。 

  このリレハンメル五輪で金メダルを獲れたのは、事件と全く関係なかった、ウクライナのオクサナ・バイウル選手でした。

  この時のオクサナ・バイウル選手のEX「白鳥」は、ジョニー・ウィアー選手に感銘を与えて、彼がフィギュアスケートをやるきっかけとなりました。

   

  さて、嫌な話が続きましたので、ちょっと気分を良くするためにも、ここでその有名な、オクサナ・バイウル選手のエキシビション「白鳥」を、どうぞ。

  

 

  選手間で、様々な心理的駆け引きが繰り広げられていることは、以前から有名な話で、かつては解説者も堂々と指摘していたし、特に、五輪が絡んだ時は色々あったようです。

 Webronzaの田村氏の記事(→http://webronza.asahi.com/national/articles/2016042700009.html)に出てきた、サーシャ・コーエンさんの話は有名ですし、私もよく記憶しています。

 当時を知らない人たちは、これを、映像で実際に見てもらいたいと思います。

 こちらの冒頭部分は、トリノ五輪の時の、女子のフリー、最終トップグループ直前の六分間練習の動画です。http://www.dailymotion.com/video/x38t47a_2006-torino-ladies-fs-final-group_sport

(注:曲かけ練習ではありませんので、羽生選手のケースとは事情が全然違います。6分間練習と曲かけ練習は、意味も位置づけも性質も全然違いますので、これらを混合して考えないで下さい。 色々あるのだ、ということの証拠として、参考として、ここに提示するまでです。)

金メダルの期待のかかっていたアメリカのサーシャ・コーエン選手が、いつもとは明らかに違った、異常にプレッシャーがかかったかのようなおかしな雰囲気で、同じところを何度もぐるぐると回り、全く他人に進路を譲らない様子で、当時の日本代表選手である、荒川静香選手を押しのけるようにして激突しそうになった瞬間が映っており、また、解説者が、村主章枝選手ともそうなったことを非常に怪訝そうな声で指摘し、その問題に触れています。 

この時の解説は、佐藤有香さん(1994年世界選手権金メダリスト)ですから、元・選手として色々知っているであろう立場から見ても、納得できない気持ちでいたことが、珍しく怒ったような彼女の声色からも、良く解ります。

これがわざとかどうかは、本人にしかわかりませんが、誰がどう見ても、コーエン選手が「良い精神状態でない」のは明らかです。

誰がぶつかろうとかまわないほどの盲目な姿勢に見え、他選手に配慮する気配は全くありませんし、余裕もない状態です。

私はこれを観ていた時、コーエン選手の優勝はもうないだろうと思って見ていました。 

(この後、フリー本番では冒頭の2度のジャンプで転倒してしまい、精彩を欠いた演技となり、しかしそれでも銀メダルにはなります。)

 

そして、これもまた有名な話ですが、この直後、リンクから引き上げる時に、結果的にはこの時に金メダルとなった荒川静香さんが、「エッジケースを誰かに取られて、なくなっていた」そうで、エッジのカバーをすぐにつけられなかったことを、引退後に日本の番組で、非常に意味深長に語ってくれたことがあるのです。

エッジケースというのは、スケート靴のブレード(刃)のエッジを守るもので、これをつけることなしに普通のところを歩いてしまうと、スケート靴のエッジがダメージを負います。ダメージを負ったら当然、滑りに大きく影響していきます。(普通は、リンク周りは、ゴムのような素材でできた床になっており、スケート靴のまま歩いても良いようになっています。)

結局、荒川さんの証言によれば、アメリカのコーチ(サーシャ・コーエン選手のコーチ)が「サーシャのと似ていたから」という理由で間違って持っていたそうなのですが、「そうか、間違えたんだ」という番組内での素直な相槌に対して、荒川さんは当時、その番組で「いや、でも、似ているなどとは言っても、きちんと色も違っていたんですよ」と主張していて、少なくとも、荒川さんは意図的なものだったと思っているのだな、ということが良く分かる発言内容でした。

自分のだと指摘して、エッジケースはすぐに返してもらったようですし、大事になったわけではないですが、これは五輪の、6分間練習を終えたまさに本番直前なのですから、荒川さんのちょっとした精神的動揺を誘ったであろうことは、想像に難くありません。

このように、裏では色々なことがあるのだということを、番組内で荒川さんはほのめかしていたと、私は記憶しています。

上の動画でも、リンクから上がる時に、荒川さんが、「エッジケース… 取られた」と苦笑いしながら、日本語で話している声が入っています。

 

 でも、そういうことをやられても、既に慣れているのか、分かった上で余裕で対応しているような冷静さが、当時の荒川さんにはありました。(でも、わざわざ番組内で言ったくらいですから、きっと不服だったのでしょうね。)

そもそも、五輪の時だけ都合よく、「ライバルのエッジケースを、コーチが間違って持っている」なんていうことが偶然起こるのかどうか。

相手は、今まさにオリンピックで金メダル争いをしている選手とそのコーチなのですから、疑われてしまっても、仕方がないかと思います。

 

こういうことの意味を、どのようにとらえるのか、人それぞれですけど、

私はこういうことが起きたら、「やった側の負けが確定」だと思って 見ています。

 

結局、トリノ五輪では、この後、荒川さんが優勝して、金メダルとなりました。

 

羽生選手も、本当に色々あるとは思いますけど、正々堂々と、前向きに頑張ってほしいと思います! 

 

なお、選手本人が、国籍・人種差別的「ヘイト発言」をしたことは過去に一度もなく、そういう態度をとったこともないのに、本当にファンかどうかもわからないような怪しい「自称ファン」集団が、勝手にヘイト・コメントを送りつけたとか、勝手に嫌がらせをした、なんて言うことを、選手本人の責任にするほど愚かな人たちは少ないでしょう。 

そんなことになったら、数え切れないほどファンが付く有名選手ほど、いつもどこでも、自分とは関係のない、誰かのために謝罪する羽目になります。

正体不明の人たちが勝手にやったような差別的ヘイト発言行為は、それをやった人たちの人生の問題であり、過去にもそういった発言を一度もしたことがない羽生選手に関係はないのは当然のことです。

それと、今回の妨害の真偽についての問題とを混同させて、論点のすり替えを行って、羽生選手を非難するのは、まさに「論外」です。

 

長年関わっているフィギュアスケート関係者や、長年見てきたようなファンの中で、私が上に書いてきたようなことが、本当に分かっていない人たちは、極めて少数でしょう。 

だから、私はあまり心配していませんし、こういう問題が明らかになったのは、良かったことだとも思っています。

 

様々な事情が複雑に絡む中でも、「羽生選手の現状や将来を思った時に、何がベストになるのか」と、「より真理に忠実に」という視点を、私は個人的には最重視しながら、このブログを書いているつもりです。

 

裁判において、当事者双方に必ず弁護人がつくことで、公平な裁判が成立するように、どちらが正しいかは別として、双方を徹底擁護するような存在がいることは、私は基本的には良いことだと思っています。

ただし、ミスはあり得ても、意図的に「真実」を捻じ曲げていいはずもなく、仮にそれが行われた場合でも、いずれ真実は明るみになるものだとも私は思っています。

また、裁判において、同一人物による「双方代理(弁護)の禁止」というのがあります。

それは、双方が対立して争っている時、一人の弁護人が当事者双方を同時に対等にかばう、ということは事実上不可能で、それを認めるとかえって双方の利益を害するだけになってしまうからこそ、「禁止されている」のです。

 

これに対し、双方の間に立つ「仲裁」や、双方が歩み寄る「和解」というのは、どちらが正しいかを判断するものではなく、とりあえず矛先を納め、トラブルを鎮静化させるためのものです。

どちらが正しかったか、という最終判断が下ったわけではありません。

そこを誤解すると、おかしなことになっていきます。

今回、羽生選手は、どちらが正しいか、真実は何か等は、とりあえず自分のお腹に収めて、「お互い辛い状況にあった」という配慮を相手にも見せて、怒りも収め、自分からにこやかに握手して「和解」という形での、トラブル解決を試合後に選びました。

それは、未来のためでもあるし、立派だったと、私は思っています。

 

しかし、

百聞は一見にしかず、映像はねつ造よりも強し。

知っている人は、知っています。

上に書いてきたように、周囲の人たちが、何もわかっていないなどということは、全くないと私は思っています。

 

一部の羽生ファンの方々が、羽生選手が不利になったと思って、今でもかなり心配されているようなので、なぜ私があまり心配していないのか、なぜ私がそう思うのかの根拠も含めて、詳細に丁寧に書いたつもりです。

参考になれば、幸いです。

 

 

  「命を愛し、幸せな日々を過ごしたい人は、

  舌を制して、悪を言わず、

  唇を閉じて、偽りを語らず、

  悪から遠ざかり、善を行い、

  平和を願って、これを追い求めよ。

  主の(=神様の)目は正しい者に注がれ、

  主の耳は彼らの祈りに傾けられる。

  主の顔は悪事を働く者に対して向けられる。」

 (ペトロの手紙第一 1章10~12節  新約聖書: 新共同訳より )

 

  「 試練を耐え忍ぶ人は幸いです。 

  その人は適格者と認められ、神を愛する人々に約束された命の冠をいただくからです。

  誘惑に遭うとき、だれも、「神に誘惑されている」と言ってはなりません。

  神は、悪の誘惑を受けるような方ではなく、また、ご自分でも人を誘惑したりなさらないからです。

  むしろ、人はそれぞれ、自分自身の欲望に引かれ、そそのかされて、誘惑に陥るのです。

  そして、欲望ははらんで罪を生み、罪が熟して死を生みます。

  (中略)

  良い贈り物、完全な賜物はみな、上から、光の源である御父(=天地創造の神様)から来るのです。

  御父(=天地創造の神様)には、移り変わりも、天体の動きにつれて生ずる影もありません。」

    (ヤコブの手紙 1章12節~17節  新約聖書: 新共同訳より)

 

 

「何よりもまず、心を込めて愛し合いなさい。愛は多くの罪を覆うからです。」

    (ペトロの手紙第一 4章8節  新約聖書  新共同訳より)」

 

 

 


フィギュアスケートの試合チケット転売問題と、アイスショーについて、羽生藩の民が直訴を試みる!

2016-03-12 | フィギュアスケート全般について

 

「 殿 !  

   殿が出演なさるかどうかも発表にならないうちに、アイスショーのチケットが販売されるなど、

   ちっとも リソウ(理想)じゃないでござる ! 

 「利息をとられちゃった側」を体験された殿なら、お解りいただけるはず! 

  あとあとから発表になって、暴利をむさぼりとられていく羽生藩の民の悲哀を!

 

これこそホントの銭バトル!  

ジェフリー・バトルさんも真っ青だという、ファンをフアンに変えてしまうこの事態に、

どうか、華麗なるご成敗を~~~!!  」

 

 

…と、直訴してみたくなる、輝ける「おでこ」を絶賛公開中の、羽生結弦殿様です。 ↓ 

 

 

 

あら? シゲムラ殿でしたか。これは失礼。(笑)

シゲムラ殿(伊達重村)とやらを、シゲシゲと眺めさせていただきましたが… 

 

広い額があまりにも燦然と輝いておられて、その眩しさに思わず めまいが… 

めまいと言えば、ヴァーティゴ(vertigo=めまい)…  めまいの理由は、「ワーでこー」!(笑) 

 

殿、相変わらず、お声が麗しゅうございますな…

 

「負けんな!」の時よりもは、演技が一つ格上になられたようで…  

 

セリフ一つだけで判断するのは少々気が早いのですが、

さすがは王者だの殿だのに憧れ続けただけあって、イメージトレーニングはもうバッチリだったようで…

もともと王者気質な殿のことですし、頼まれずとも、4回転ループだの、3回転アクセルの連続シークエンスだのという物珍しいモノを、輝けるキラキラ衣装で人前でド派手に決めて見せるような「伊達男」ですので、地のままで良かったと。(笑) 少々緊張の面持ちは感じられましたが。

 

おかげでこちらも、「何十年後かの殿の、輝ける頭部のイメージトレーニング」だけは、バッチリになりましたぞ…(笑)

  

最後に、月末に頂上決戦を控えておられる殿への熱烈なる応援の一言にて、締めくくっておきたいと存じます。

「 マゲんな~! 」(笑)

  

 

 

 

時を隔てて、この先は、現代日本のお話。

な、なんと、「銭バトル」 は、現代でも健在でござった~!

しかし、上のギャグ映画と大きく違うのは、こちらはギャクに、全然笑えない戦である点でござる。

 

ーーーー時代の壁ーーーーーー  ( ← 殿ならきっと、余裕で乗り越えられる壁です!(笑))

ーーーーギャグの壁ーーーーー  ( ← 壁の向こうに壁!(笑) 乗り越えたら待っているのは、現代の銭バトル! ) 

 

  

かなり遅くなってしまいましたが、昨年11月上旬に、NHK杯のチケット転売対策問題に絡んで、フロド様からご意見を頂いていましたので、ご紹介します。

 


「 初めまして。
チケット転売に対して本気な対策をしてほしいと心から願っています。
チケット購入に疲れ果てるし、ダフ屋を繁栄させたくもありません。
30万円を超える取り引きには驚怖を覚えます。

NHK杯のページには、本人確認の注意書きがありますが、毎年のことだし、今年も実行されることはないでしょう。
「実行する場合があります」ではダメなのです。
具体的な方法を掲げて「必ず本人確認をします」でなくては。
今からではもう間に合わない。
あれは、言い訳みたいなものです。

もし今回、入場口で本人確認を実行したら、チケット完売なのに、客席ガラガラの異常事態になると思います。あまりにもチケット入手が困難なため、抽選に家族名義友人名義総動員して申し込んでる人が多数だと思うから。そんなこと急にするはずないでしょう。

ダフ屋だけではなく、一枚のチケット入手のために一般人も多数口申し込んでるのでますます当たらない。本当に本気で対策を講じてほしいです。   」

 

…というのが、昨年のNHK杯前に頂いた、試合のチケットについてのご意見でした。

「実行する場合があります」なんていう甘い言葉ではなくて、「必ず実行します」にしてほしい、とのことでした。

 

私は、これを見て、「そうか、やらないのか」と買う人がドンドン増えていくと困ると思ったので、コメントを試合後の公開にさせてほしいと、コメント欄でお返事させて頂きましたので、今、ここに公開させていただきます。

 

羽生ファンの大半の方の意見として、以下のものは、間違いないでしょう。

「真剣に、本気で対策を講じてほしい!」「なんとかしてくれ!」

「こんな状態はもう、勘弁ドン!」
 

 

試合のチケットについては、誰が出るかがあらかじめ分かているため、人気のある選手が出ると、必ずダフ屋が横行します。

ダフ屋のみならず、暴利むさぼりで利益を得てきた個人も、多数参入していると思います。

見ていて、本当に気分が悪いです。

 

 

 現代日本に住む、羽生ファンの皆様には、

「行こう、一気に!」というノリでむやみやたらと申し込むのではなくて、「そのチケットを申し込むの、ちょっと待った! 本当に必要か、考えてみよう!」という、 申し込む前、買う前の

「一考一揆」を提案したいですね。

 

 

また、アイスショーについて思うのは、事前に、どの選手やスケーターが出場するのか、ほとんどを明確にしてから売り出してほしいですし、出来れば、何の演技をやるのか、あらかじめ公表して下さるといいのにね、といつも思います。

ブランド名だけが解っている福袋みたいに、「ほんの一部のスケーター名」だけが公表されて、全員はまだわからないだけでなく、演技は何をやるか全くわからない、というのは、私は個人的には好きではありませんし、これを有り難いと思う人もほとんどいないでしょう。

このスケーターなら、何の演技でも満足できるよ、というほどの選手やスケーターは、私から見ても本当に一握りですし、この、何もわからないのに売り出す「福袋的やり方」が、集客を偏らせているような気がします。

 

「誰が出るかもわからない」状態からチケットを売り出すのは、個人的にはやめてほしいという気持ちが強いです。

この、「誰が出るかわからない」は、スケーターも、アーティストも、どちらであっても、です。

特にコラボのアーティストが誰なのかは、とても重要です。

何度も使われるのですから、半分はその人のコンサートや演奏会みたいなものですから、お金を払う側だって、選べるものなら選びたい。

それなのに、それも公表しないまま、先行受付で万単位のお金を払わせるって、どうなんでしょう。

誰が出るのか、何をやるのかが解って初めて、それを買う価値があるかどうか、お金を払う価値があるかどうか、が正確に判断できます。

そして、これらが事前にわからない状態であえて売り出すことこそが、転売における「荒れ」につながっていると思います。 

そういうのに「興ざめ」する人は大勢います。

 

 

逆に、あの選手、あのスケーターの「あの演技」だったら見たい!という「演技指定」のものは、それなりにあるのですが、何をやるのか、何も公表されていないと、その判断も出来ません。

 

福袋のような売り出し方が好きな人たちもいるとは思いますが、それが苦手な人も多いでしょう。

いらないものにはお金を払わない主義の私には、他の音楽や芸術と同じく、誰が出るのか、出ないのか、何が披露されるのかがきちんと事前に解っていたほうが、行きたいか行きたくないか、お金を払う気がするかしないかが、ハッキリします。

 

新しい演技が披露される場合は、秘密でもよいと思うし、当日のお楽しみというのもアリかとは思うのですが、例えば、新しく公開される演技であっても、自分の好きな音楽が使われると解っている場合は、より「見に行こう」と思う動機になったりします。

 

例えば、織田さんは最近、「愛の夢第三番」と「リバーダンス」を主に披露してくれていました。

○日に「愛の夢」、×日に「リバーダンス」と、事前に分かっていれば、「リバーダンス」が観たい人は×日を狙い、「愛の夢」のほうが見たい人は○日を狙えば、より満足度が高まるはずだと思うのですが、違う日に見に行った人は、後から別の日に違う演目だったと知って「あ~あ」となるわけで、そういうところが、ちょっと残念ですし、お金を払う側として言わせていただくなら、どうなのかな…と思ったりします。

 

演劇やオペラやミュージカル等で、出演者だけが解っていて、何の演目かわからないのに見に行くことを決めるような人はどのくらいいるのかと言えば、演目がわからなかったら、普通はチケットさえ売られません。 

行くとしたら、よほどの「出演者個人のファン」だけだろうと思うのです。

今のアイスショーのやり方は、本当にスター選手やスタースケーターだけに頼ったような、特定アイドルのコンサートに近い集客方法に見え、「特定スケーターが出場さえすればなんでも満足できるファン」だけをターゲットにしている感じだったり、あるいは、サーカスに行くような感じですので、

「演技のファン」は、選びにくいし、お金を払いにくいですね。

 

例えば、荒川さんのA演技と、本田さんのB演技と、織田さんのC演技が披露されると予め解っていたら、

「これがこの金額で観られるのなら、おススメです!」と他人に言えるかもしれなくても、誰が出て、何の演技をやるのかわからない場合、勧めようがありません。

 

…こういう意見の人間もいるよ、ということで、参考にしてもらえれば、と思って、書いてみました。

 

 

 

最後に、松島観光案内をする仙台藩のお殿様… 否、「羽生選手」の姿の動画のご紹介です。

羽生選手が、全日空の広告で、松島の美しい夜明けの景色を紹介してくれています。

「Believe」の衣装のような、オレンジ色の夜明け、朝焼けの色がバッチリと見られます!

 

 デイリーモーション動画 http://www.dailymotion.com/video/x3vczvz_%E6%9D%BE%E5%B3%B6%E8%A6%B3%E5%85%89%E6%A1%88%E5%86%85_sport

 

辛い時期を通り抜けた、人生の夜明けの美しさや感動が、

羽生選手をはじめ、多くの人たちを、これから先に待っていますように…!

 

 

 

 


羽生選手を追いかける選手たち ~2016年の4大陸選手権の白熱した闘い~

2016-02-29 | フィギュアスケート全般について

いや~、2016年の四大陸選手権、男子の闘いは、本当に面白かったですね!!

羽生選手が出ていない試合なのに、ここまで面白いなんて!…というほど、興味深い演技がいくつもありました。

やはり、羽生選手を目標のトップとして、追いかける選手たちは、当然羽生選手の演技を意識して、それに追いつけ追い越そうと努力するわけですから、

私の一番好みの羽生選手の演技の良さを取り込みつつ、その選手の自分らしさを活かした演技を本気で目ざして下さるわけで、つまりは、かなり有り難い演技が増えるのだ、と気が付きました。

 

日本の番組での、解説の本田さんが、妙に嬉しそうな明るい声で解説して下さっていたのが、またとても良かったです!(笑) 

何かいいことあったのだろうか、と思ってしまうほど、良い声で解説して下さっていたけれども、少し前の「語り亭」でも、羽生選手の今後の演技にものすごく期待して、かなりワクワクして楽しそうだった様子を思い出しました。

日本の元祖4回転ジャンパーである本田さんにとって、きっと今の男子シングルの、4回転カムバック状態は、とっても嬉しいのかもしれない!と思いました。プルシェンコ選手と同じかな。「男は黙って4回転!」っていう名言(迷言)を叫んでいたのは、今の羽生選手くらいの年の頃の、本田さんですからね。(笑)

 

 

さて今回、優勝したチャン選手のフリーが凄かったのは確かなのですが、何が一番面白かったかって、やはり、

予想を超えた 中国勢二人(ハン・ヤン選手&ボーヤン・ジン選手)の大活躍 ですよ!

ボーヤン選手のフリー、シーズン最初は表現面が全然手が回っていなくって、上半身の動きも固すぎて、ジャンプ以外はあまり記憶に残らなかったのですけど、相当努力されているようで、かなり良くなっていました。

独特の妙な面白さがあり、上半身の動きのほうに、むしろ注目が行きました。 

フリーで4回転を4つ、ミスなく成功させるという偉業をも成し遂げ、ずいぶん変化した様子に、

思わず感動して、ボーヤン選手の演技に ジーン! となりましたとも!(笑)

 

ジャンプの質も良くなっているし、羽生選手にちょっと近づいたのでは?!

 

 

ボーヤン・ジン選手の、4回転を4つ決めたフリーの演技(アメリカ・NBC解説)はこちら→ https://www.youtube.com/watch?v=UqqdBc4zoik

 

全米選手権で、4回転を4つ成功させたネイサン・チェン選手への、本気の対抗心もあったのではないかと想像されます。 彼が出場できないのは、ちょっと残念ですね。

しかし、来シーズンは、4回転争いが、益々大変そうですね。羽生選手が、この先、4回転をフリーで4つ必要になるって言っていたのは、きっとネイサン・チェン選手やボーヤン・ジン選手のことが頭にあったからでしょうね。

 

かつてのプルシェンコ選手で有名な「タンゴ・アモーレ」を使っていながら、衣装の「模様」から、独特の動きから何から何まで、「超」がつくほど見ていて面白い、ユニークなショートの演技はこちら→ https://www.youtube.com/watch?v=GJJHw8H73Rk

4回転ルッツ+3回転トウループという、超高難度のジャンプを軽々と跳び、ジャンプの天才ぶりを発揮しています。 羽生選手のように、着氷後の流れなどはあまりないので、その辺の質は、まだ羽生選手にはかなわない印象ですが、あまりの軽々とした様子に、さすが曲芸の国・中国!と思わせてくれます。

 

こちらは、ボーヤン選手の、なぜか楽しいエキシビション。(笑)https://www.youtube.com/watch?v=hlPRmOzb1IY

ボールを使う意味が、客席に投げ込む以外には特に感じられないのですが(笑)、この動画の2分50秒ごろに、頑張ってます!という感じの「クリムキン・イーグル」を披露してくれていて、宇野選手の影響でしょうか… その熱い意欲だけはよく伝わってきましたね!(笑)

彼の演技は、羽生選手のように「惚れ込む」ような感じのものとは違うのですが、気が付いたら、なぜか顔が笑ってしまっているような、独特の楽しさあります。

 

 

 こちらは、中国のボーヤン選手のドキュメンタリー番組に、日本語翻訳をつけてくださったもの。 →https://www.youtube.com/watch?v=42TA1v4oopE

かなり興味深い内容です。 4回転ルッツも、初めてのたった1回か2回の練習で、いきなり跳べてしまったそうですから、まさに天才型ですね。

しかも、ボーヤン選手、「私にとって4回転ルッツは、技術じゃない。多分、気持ちと集中力で跳べるものです。」などと答えていますよ!気持ちと集中力だって!(笑)

羽生選手のトリプルアクセルが初めて跳べた時の話や、シニアに上がって初めての試合で成功させた4回転トウループと同じような感じ、あるいは、本田武史さんがかつて言った、4回転のコツは、「4回まわって降りるだけ!」発言に近い感じですね。

つまり皆様、同類なんですね。(笑)

ゲーム好きだというのは、羽生選手や外のフィギュアスケート男子と同じようですが、メダルにはあまり執着していない様子で、よほどのもの以外は、いつとったものかさえ、あまり覚えていないようです。

ボーヤン選手から漂う、ひょうひょうとした面白さは、こういうところなのかもしれませんね。

そうは言っても、さすがに、五輪の表彰台は目標のようです。

来シーズンは、ローリー・ニコル氏の振り付け指導で、表現力UPに努めるそうです。

 

 

もう一人、ハン・ヤン選手のフリーは、ロミオとジュリエットなのですが、これがまたとても良かったですね!(笑)→ https://www.youtube.com/watch?v=-5OoY1hkY98

ハン・ヤン選手は、他では見たことないような個性的で、どこかコミカルで、時にガクッと来るような(笑)演技が多かった印象なのですが、

今シーズンはなんと、「ロミオとジュリエット」という王道勝負に出ています。

それでもさすがハン・ヤン選手、ただのロミオとジュリエットでは終わらない!という個性的な演技。(笑)

 

とにかく、中国選手は、今まで観たことのないようなものを見せてくれる面白さがあって楽しいですね!

前半は、羽生選手も旧ロミオで使っていた、あの「Kissing You」という曲に合わせて、驚くほどしっとりと魅せてくれます。

ロミオとジュリエットの音楽を使っている割には、シンプルすぎるとも言われる彼のこの衣装には、どうも賛否両論があるようなのですが、ヤグディンのシンプル衣装の演技とか、羽生選手の練習着なども大好きな私にとっては、「おお! よくやった!」(笑)って感じでしかないです。きっと彼の好みはこういうスタイルなのでしょう。

衣装がシンプルだということは、体の動きがより明確に分かるので、本当に技や動きが洗練されていて、かなり自信がないと魅せられないので、ハン・ヤン選手の凄さが逆に目立っていいですね!

同じロミオ演技でも、マルチネス選手の、王道ロミオ衣装(→https://www.youtube.com/watch?v=-uVzhZPeOeQ)と対照的で、これはこれで面白い!(笑)

 

ところで、ハン・ヤン選手のこのプログラムの欠点は、後半、なぜだかわからない突拍子もない音楽のつなぎによって、雰囲気が突然ぶち壊されるところ・・・ だったのですが、今回初めて、あまり気になりませんでした!

「ああ、これは、こういうプログラムなんだね」って、初めて思えたのは、それだけ彼が滑り込んだからだろうと思います。

この振り付けは、かの有名なローリー・ニコルさんなのですが、数多くの浅田真央選手のプログラムや、今シーズンの宮原選手のフリーを見ても、彼女の今までのプログラムで、こんな「わけのわからない」音楽の切り替えは普通はないように思うので、

ハン・ヤン選手の今までのプログラムと同じような路線を踏襲している、この「突拍子もない切り替え」を使う演出はやはり、ハン・ヤン選手自身の強い希望による、意図的なものなのではないかと、ついに思うに至りました。(本当はどうなのかは、わかりませんが。)

それはそれで面白い!と思わせるほど、今回の演技は非常に良い出来だったと思います。

今回、2位と3位に入った中国選手のお二人は、今までにないような、どこか笑える、驚きと同時に、気が付いたら笑顔になっているような演技を見せてくれているという意味で、非常に貴重な個性だと思うし、とても楽しく観させてもらいました!

 

ここで、参考までに、現時点で、男子シングルSPの世界歴代最高得点となっている、グランプリ・ファイナルの時の羽生選手のショートの演技の練習映像を拝借してみます。

…やっぱり、練習着でも、シンプル衣装でも、真っ黒でもなんでも、素晴らしいものは素晴らしいのです!(笑)

この練習演技では特に、3つめのジャンプである、バックアウトカウンターからのトリプルアクセルを跳び終えた後の、流れのある美しい一連の動きに、私はなぜかいつも惚れ込むんですけど、特にこの時は、試合本番とも少し違っていて、また何とも言えず、超・素晴らしい~~~~!! 

ふわりとした試合用の衣装ではないからこそ、わかる動きの細部や流れのラインが、驚くほどよくわかり、とても美しくて本当にビックリします。  着氷した右足だけで、左足をつけずに滑り続けるのですが、左足の動きも非常に印象的で流麗だし、特に、音楽に合わせて後ろ向きから前向きに変わった時の、ハッとしたような感じが本当に素敵です。 

… と、いうわけで、ハン・ヤン選手のように、シンプル衣装でのロミオとジュリエットの演技も、十分にアリだ!と思う私です。(笑)

 

 

さて、今回優勝したパトリック・チャン選手のフリー演技はこちら。

→ https://www.youtube.com/watch?v=mVAZwsO8Z-4

 

冒頭の4回転トウループ+3回転トウループは、文句なく美しいですが、2度目の4回転も今シーズン初めて成功し、演技終了後に、今まで見たことないほどに喜びを爆発させたチャン選手。

確かにこれは、チャン選手の歴代演技の中でも、ベスト演技だったと言っていいでしょう。

4回転でも3回転半でも苦戦していたシーズン当初の演技を思えば、ずいぶん頑張ったのだろうと思います。

演技の後半だけを見ると、スケート・カナダの時のほうが印象に残った気がするのですが、前半で4回転が2度成功したと同時に、全体をミスなくまとめたという点で、今回のほうがより完成度は高く、得点も高くなりました。

まさかの、ショート5位からの大逆転となり、ご本人も嬉しかったに違いないですね。

チャン選手は、羽生選手や、他選手への嫌味発言みたいなものをやめてくれると、もうちょっと私も「カッコイイよね」と思えるかもしれないのだけど… と、前からいつも思うのだけど。(笑) 恐らく、本当は気が弱くてかなり繊細なのでしょう… ということが、最近のインタビューや会見の数々から、よくわかってきましたね。(笑)

まあ、その繊細さが良い方向へと活かされると、良い演技につながりますね。

今回は、他選手を意識しないようにしたのだそうです! 

羽生選手も、あのソチ五輪シーズン、そのように気持ちを切り替えていったグランプリ・ファイナルから、とても良い演技になって、躍進を遂げましたね。

今回、ショートよりもフリーの日に、氷の状態はかなり良くなったのだそうです。 

…ソチ五輪では、フリーの日、氷の状態がとても悪化していたように見えていましたけど、きっと間違っていないでしょうね。

 

 

宇野選手は、練習では4回転ループを成功させたと話題になっていましたけど、そのせいか、本番で逆に4回転トウループを失敗してしまい、まさかのメダル圏外に。ちょっと残念でしたね。

個人的に思ったのは、ちょっといつもよりも、プログラムへの入り込み度というか、「情熱要素」が弱かったかな…と思いました。 

冷静に、を意識しすぎたような… 冷静さももちろん大事である反面、宇野さんの独特の良さが、少しだけ減ってしまったような印象がありました。 でも、世界選手権では、また成長した姿を見せてくれるでしょう!

 

 

無良選手は、今シーズン、本当に動きが良くなりました。

男子は20代前半がピークなどと言われるフィギュアスケート界ですが、25歳でも、まだまだ全然、どんどん向上していけるという、お手本のような存在になりつつありますね!

https://www.youtube.com/watch?v=WXpDMOAlBss

宇野選手がジャンプで相当失点してしまったとはいえ、宇野選手のスコアと1点差というところに迫っていたのも凄いですね。

 

 

上位には入っていないのですが、マイケル・クリスチャン・マルチネス選手(フィリピン代表)の、エキシビションでの演技が素晴らしかったので、ご紹介します。

 

まずは、冒頭で複数回披露してくれる、スパイラルがそれぞれ男子としては凄いです。

次に、1分50秒ごろに出てくる、クリムキン・イーグルのあまりの凄さに、目を見張りました! 宇野選手のクリムキン・イーグルさえも超えているような美しさ。両手の位置や形に注目です。 

宇野選手のは男性的ですが、この優雅なクリムキン・イーグルはもはや、クリムキンさんのものでもなくて、マルチネス・イーグルでは、と言いたくなりますね。

彼はレイバック・イナバウアーもできるし(次のショート動画、1分56秒あたりで披露 https://www.youtube.com/watch?v=uh7SZ54K52k)、ビールマン・スピンの足の上がり方も半端ないし(この動画のラストの方)、柔軟性においてだけは、羽生選手と並ぶか、あるいは上回るかもしれません。ジャンプの成功確率だけが弱点のようですが、見ていて楽しい演技ですね!

 

 

田中刑事選手の、フリーの「椿姫」は、たとえジャンプが失敗していても、非常に華やかで雰囲気があって、見ていて楽しいです!

本当にオペラの世界を見せられているようなワクワク感があり、音を身体で表現することが出来ていて、とても素晴らしいと思います。

ご本人も好きなプログラムらしいですが、そういう思いがきちんと伝わってきます!

刑事というお名前とは、全く違ったイメージの演技が得意なようですね。(笑)

 

 

今回、タンゴをやった選手が何人もいたので、見ていたらやはり、羽生選手のタンゴが観たいよ!(笑)という気分になりました。

前は、20代のうちにやってくれればいいや、と思っていたのですが、出来れば数年以内にやってくれるといいな~と思えてきましたね。(笑)

 

色々な演技を見ていて思ったのですが、やはり、ノーミスはノーミスでも、「ノーミスを目指しました!という感じの無難なノーミス演技」より、「ただのノーミスを超えた、結果的にノーミスとなった演技」か、「ミスをまったく気にしないで全力でぶつけた、ミスあり演技」のほうが、印象に残ることは多いように思います。

 

やはり人間が機械とは決定的に違うところは、「魂」があり、「心」があり、それらが互いに伝わってくるところです。

だから私は、ボーカロイドの曲などは全然好きではないです。 歌に「心」が全然ないので、全く感動がない。 

決して胸を打たないし、歌詞も明らかにおかしいものが多いし。

前から何度も書いていますけど、プルシェンコ選手は、表現を最終的に決めるのは「心」の部分なのだと明確に語っています。 私もそう思います。 

 

 

最後に、あまり話題に出ていませんが、1月にあった、「メダル・ウィナーズ・オープン」の男子出場者の演技は、素晴らしかったですね。

ご紹介したくても今のところ動画が見つからず、残念です。

優勝したジェレミー・アボット選手の演技は、レ・ミゼラブルの「Bring Him Home」だったのですが、確かにとても素晴らしいものでしたし、見てよかったと本当に思わせるものでした。あれこそ、心の入った演技だったと思います。

惜しくも2位になってしまった織田さんは「愛の夢第三番」を滑りましたけど、ご家族様への思いをイメージして滑っていると言っていました。 途中で謎のコケがなければ優勝だったと思うくらい、前半は素晴らしく、レベルも高いものでした。

順位や得点では最下位だった、イリヤ・クーリックさん(1998年長野五輪・金メダリスト)は、衣装は上半身がラベンダーで下半身がグレーで、出てきたときは微妙な気持ちになりましたけど(笑)、かつて浅田選手や町田さんも使った、「ラベンダーの咲く庭で」の演技は、そんな第一印象をすべてを吹っ飛ばすような、情感あふれる印象的なものでした! 個人的には優勝のアボット選手の演技と並ぶほどに記憶に残る、素晴らしさでした!

現在38歳だそうで、ああいうのを見ると、(羽生選手が38歳になったらどんな演技をしてくれるのか・・・)と考えさせられて、楽しみになりますけど、羽生選手の将来設計からすると、そのころまではやっているかどうかわからない、ですね。(笑)

 

最後に、昨年末のグランプリ・ファイナルでの羽生選手の、ショートの歴代最高得点を得た時の演技動画を載せておきます!

 

 

 同じ、グランプリ・ファイナルでのショートの、カメラ角度の違う、スペイン語解説の動画です。

 

同じ演技なのですが、観る角度が違うため、下の動画の方が、ジャンプ(特に、2つめジャンプである、4回転トウ+3回転トゥ)が、よりきれいに見えます。 

この後にあった全日本選手権では、練習時も含めて、成功しているジャンプについては、ジャンプの軸の細さや回転が、グランプリ・ファイナルよりもさらに美しくなっていることに気が付きました。

 このグランプリ・ファイナルでのSPの演技は、昨シーズンの世界選手権(2015年春)の時の「バラード第一番」よりも、ステップ・シークエンスが特に良い意味で印象に残ります。

たとえレベルがどう認定されていようとも、確実に、昨シーズンよりも観ていてワクワクする気持ちになれるのです。何か、伝わってくるものが違います。(笑)

ボストンでの世界選手権では、会場はアメリカなので、演技が全体として特に「暗く、重苦しくならないことが重要」かと個人的には思います。威厳や迫力・重厚さ・静謐の中にも光るものがある、などが出てくる分には良いと思いますけどね!

 

ステップでワクワクすると言えば、今シーズンの浅田真央選手の、中国杯の時の演技です。

この演技は、浅田選手の弾けるような笑顔、本当にチャーミングで明るい、喜びに溢れた様子がとっても素敵です!

浅田真央選手には、堂々として思い切った、こんな笑顔が再び観られるような演技が出来ますように、お祈りしています! 浅田真央選手、絶対に出来るよ!(笑)

 

 

世界選手権まで、早くもあと1か月ですね。

羽生選手が、体調を整えて、日々、今できるベストな練習や休息等の的確な判断が出来ますように、お祈りしております!