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命ある限り、希望を胸に…NHKの「未来への光~子供たちと共に~」感想と、浅田選手・羽生選手へのエール

2016-02-09 | フィギュアスケート全般について

 

2月6日にNHKのBS1で、盛岡であったNHK杯スペシャルエキシビションの、

浅田真央選手のプログラムの制作裏を取材した「浅田真央 未来への光 ~子供たちと共に~」という番組が放送されました。

(木曜日にBS1で、再放送があるようです。)

(盛岡のスペシャルエキシビションの舞台裏の番組は、複数出てきていますが、今回のこれは、羽生選手はラストで浅田選手と一緒のフィナーレにだけ登場します。)

 

BSがなくて、見られない方には、こちら、NHKオンデマンドから、

今だけはこの番組については、お試し無料で見られるようです。↓

http://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2016067715SC000/

 

地上波でもやって下さったら良いのにね、と思いました。

とても素晴らしい番組でした。

 

浅田真央選手や、子供たち、衣装担当の学生たち… 本当に大勢が、一生懸命になってあれを作って下さったのだと、良くわかりました。

 

私が思わず泣いてしまったシーンがいくつかありました。

 

一つ目は、浅田選手が担当した、「日本語の歌詞」部分を作る時に、

浅田選手が本当に一生懸命、どんな言葉が良いのか、どんな言葉なら観る人が元気になれるのか、伝えるべき人たちの気持ちを必死で考えながら、一つ一つ候補をあげ、悩み悩み、考えて、本当に試行錯誤しながら作って下さったということ。

浅田真央選手が、本当に慎重に、じっくりと時間をかけてあの言葉を選んで下さったということがよくわかり、

その姿を見ていたら、私は思わず、涙が出てしまいました。

 

番組の背後に流れていた、リベラの皆様が歌う歌も本当に良かったせいもあり、とても心穏やかになれる、そんな温かい番組でしたけど、

映し出されていた浅田真央選手の様子から、本当に真剣で深い思いやり、そして優しさが伝わってきたからです。

 

「命ある限り 希望 胸に 

未来への光 輝かせよう 輝かせよう 」

 

とてもシンプルだけど、大事で、力強く前に進ませる言葉だけが厳選されていて、とても素敵な歌詞だと、私は思います。

 

一番感動的でもあった「一本松」のところの演技も、かなり何度も練習を積んで試行錯誤の末に出来たと解りました。

子供たちに指導するときに、話す浅田選手の気持ちも、こちらへ伝わるものがありました。

 

最後に、浅田真央選手が、舞台裏で流した涙…

表に見せる姿だけではない、浅田真央選手の心や、その人生の一部が垣間見えた気がして、とても胸が打たれました。

 

 

幾多の試練を乗り越えてきて、恐らくは心傷ついた言葉も沢山受けたことがあるからこそ、

何が一番良いのかと深く考えながら、厳選して伝えようとしてくれるその真剣な気持ちが、見ていて、1ファンとして、本当にとても嬉しかったです。

 

優しさがあふれたその姿。

 

 

浅田真央選手、ありがとう!! 本当にどうもありがとう…!

 

世の中、色んなことを言う人がいるし、色んな感じ方があるとは思うけれども、

でも私は、あなたほど強い女性は、見たことないよ、と本気で思っています。

あなたほど、フィギュアスケートを滑っている時に、心から楽しそうで嬉しそうに見え、美しくて、時には凄みがあり、時には優しさがあふれていて、透明感があって、高難易度にも全くひるまず挑み続け、輝いて見えた女子選手はいなかったよ、と、思っています。

 

今度の世界選手権。

「素敵なあなた」でも、「蝶々夫人」でも、どちらも、浅田選手がシーズン最初に「表現したい」と語っていた、その内容こそを、思う存分表現できますように…!

そして、浅田選手が納得のいく構成で、思いっきり楽しんで滑れますように…!!

 

きっとそれが、一番、浅田真央選手らしい姿なのだろうと、私も思うから。

 

 誰が、25歳でなお、トリプルアクセルを跳び、美しさを極めつつも、自分の限界に果敢に挑戦し続ける女性スケーターが現れるなどと、想像できたでしょうか。

 

どうか、堂々と胸を張って、大舞台で輝いて下さい!!

 

「命ある限り 希望 胸に 

未来への光 輝かせよう 輝かせよう 」

 

 この言葉を、浅田選手自身のものとして、体現していってほしいと思います!

 

 

浅田真央選手は、リベラの歌が好きだったようです。

リベラの皆様と浅田真央選手の共演は、とても良かったですね!

またいつか、生歌で共演してほしいと思いました!

 

イエスは…(中略)…弟子たちに言われた。

「子供たちをわたしのところに来させなさい。

妨げてはならない。

神の国(天の国)は、このような者たちのものである。

( マルコによる福音書10章14~15節   新約聖書: 新共同訳より )

 

 

ジュピター(浅田真央プロデュース)
ウィステリアプロジェクト
ウィステリアプロジェクト

 

 

 イエスは一人の子供を呼び寄せ、彼らの中に立たせて、言われた。

「はっきり言っておく。心を入れ替えて子供のようにならなければ、決して天の国に入ることはできない。

自分を低くして、この子供のようになる人が、天の国でいちばん偉いのだ。」 

( マタイによる福音書 18章 1~4節  新約聖書: 新共同訳より )

 

 

こちらは、キリトルTVで放送された、羽生選手部分だけを動画主様が編集して下さった動画です。

http://www.dailymotion.com/video/x3qwvo4_160207-kritru_sport

羽生選手の無邪気さ全開というか、素直さ全開というか、お調子者全開というか… そんな動画ばかりを集めた感じですね。(笑)

ファンの方は殆どは、一度は見たことのある場面の映像だったり、既にどこかで放送されて知っているものが多いとは思いますが。

特に途中で出てくる、列から飛び出て町田さんのエアギター完全マネっ子状態は、「 殿! 木に登りすぎでごザル!(笑)それではまるで子ザルでごザルよ!(笑)」と申し上げたいほどの吹き出し度。 それでも、直後に映るご本家・町田樹殿の弾けっぷりお手本映像には、負けているような… うぬぬ、恐るべしですな~、町田殿。(笑)  

なかなか面白い内容でした。

 

 

羽生選手も、今はどうやら、忍者のごとく姿を隠しておられるようですが・・・ 

どうか、どこにいたとしても、あらゆることが守られていきますように。

 

たとえもし、今いる場所がまた、「壁だらけ」に見えるような場所だったとしても、あるいは、そんな状況だったとしても、

それこそが何か、「完璧」な 神様のご計画のうちの課題なのだと受け止めて、ぜひとも空を見上げつつ、

周囲が暗いほど、より強く光って見える星の美しさや、その驚くほどの明るさに逆に目を留めてもらえれば、と…。

 

そんな途方もなく美しい自然がこの世に存在する、そんな奇跡に感謝しつつ、

いつもなら決して見えないものが、見えてくる、そんな新たな発見から生じる心の喜びや、魂の自由を味わって、

少しでも無理なく楽しんで過ごしていってほしいなと・・・ そう願っています!!

 

思わぬ形で、白い雪が大量に舞い積もったら、一時的に身動きが取れなくなったり、歩みが遅くなったり、

ちょっとだけ遠回りしたりするかもしれないけど、一歩一歩踏みしめる雪の感触を味わえるし、

白銀の美しいものへと周囲は変わるし、空気はそれまでになく澄み切っていることに気づけます。

 

厳しい寒さと澄んだ空気のおかげで、視界や思考も明瞭になってきたり、 色んな素晴らしさを味わうこともできる・・・ 

 

世界選手権までの貴重な時間が、そんな心豊かな、美しい時間へと変えられていきますように、心からお祈りしております!

 

どのような状況にあっても、幸せを見出すことが出来ますように…!

 

 

「 人間の道は自分の目に清く見えるが、    主は(=神様は)その精神を調べられる。

  あなたの業を主に(=神様に)委ねれば   計らうことは固く立つ。         」

              ( 箴言16章2~3節 : 旧約聖書 新共同訳より )

 

 

 

 


羽生選手の「2014年・中国杯事故」の残した教訓~脳震盪の最前線・アメリカの現状と真実~

2016-01-06 | フィギュアスケート全般について

 2015年12月19日掲載・  2016年 1月6日 コメント返信で再UP

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羽生ファンにとって、グランプリシリーズの記憶で避けて通れないもの、それは、2014年の中国杯の事故です。

なかなか多くのマスコミでは報道されなかったものの、羽生選手本人は、中国杯で体験した脳震盪のリスクを、体験者として伝え、スポーツ界全体に貢献していきたいとの希望をもつようになったようで、最近、時々表明してくれるようになっていたのですが、これをきちんと報道してくれるのは、本当に一部の、脳震盪のリスクをよくわかっているであろう、スポーツ全体を扱うような媒体限定でした。

しかし、羽生選手の袴姿の写真が載った「家庭画報」で、羽生選手がこのことを通して、「使命を頂けた」と受け止めて、脳震盪のリスクについて将来的に訴えていくつもりであることが、明確に表明されていましたので、私個人は、そのことを大変うれしく思います。

以下、載っていた羽生選手の言葉です。

 

「6分間練習は、自分の調整を優先しなければならない時間なんですよね。

中国杯での衝突は、そういった緊張感、不安感の中で起きた事故だと思います。

でも、やはりあの衝突事故は自分でよかったと今は思います。

もちろん、自分の体は怪我をしたし、家族や周りのかたがたにはすごく迷惑をかけましたが、

僕という存在に起きたことで、その危険性を世界に発信し、議論するきっかけになったとも思うんですよね。

また新たな使命をいただけたなと、感じてもいます。」 (家庭画報2016年1月号より)

 

羽生選手の言動は、その考え方がやや欧米的であるがゆえに、一部の人からは、時にちょっと誤解を招いてしまうことがありますが、「皆様が思う以上に、自分の責任だ」などとも何度も言っていましたし、(私は決してそうは思いませんが)

基本的に自分の身に起こることを全部真っすぐに受け止めて、

「反省はしても、決して後ろ向きに後悔はしない」「誰かを責めるくらいなら、その結果責任をも自分で担う」という姿勢が一貫されているように思うので、

誰かを責めるのではなく、誰かに責任を要求するのでもなく、起こった出来事、結果をもすべて感謝して受け止めて、すべて自分で担って前を向いていこうという意欲が表れている言葉だと思います。

最初の2文は恐らく、この事故が、「意図的に引き起こされたものだ」との疑いを持った人々がいたために、そのことへの反論というか、配慮して発言した言葉なのだろうと思います。(私個人は、あれが意図的になされた事故だなどとは、全く思っていません。それこそ双方に死のリスクを生じさせるので、アスリートとしてあり得ません。)

 

 (これを言っている映像はないのですが、今まで他のところでなされてきた羽生選手の言動と合致しているし、言い回しも非常に羽生選手らしいもので違和感もないので、ご本人の言葉が正確に報じられたものとして、私は受け止めさせて頂きます。)

 

KENJIの部屋の第4回で, 中国杯のことに触れていたのですが、そこで羽生選手は、アメリカのドクターから、「英語で100から7を引いた数を順に数えろ」、と問われたのに、パニックで答えられなかったけれども、「意識はあるから大丈夫だ」と自らがドクターに語ったら、アメリカのドクターはそれで出場にゴーサインを出した、と答えていました。 

もともと、この診断に費やした時間が短すぎることから、きちんと診断したのかが疑問視されていましたけれども、これを聞いて、アメリカのドクターとやらの診断のいい加減さというか、無責任さについてはもう、「論外」だったと私は思いました。 

アメリカだったら、本当に訴訟にできるケースだと思います。

アメリカで、フィギュアスケートを放送する放送局NBCは、当時、中国杯での羽生選手の衝突シーンもその後の経過も、キスアンドクライも、得点発表の時の映像さえも、一切何も放送しませんでした。 得点だけを口頭で伝えて、次の選手の映像に移ってしまいました。

放送したら、日本以上に猛抗議が来た可能性が高く、それを許可したのがアメリカのドクターだなどと知れたら、大変でしょうから、流せなかった、流さなかったのも当然ですね。

世間へ与えるマイナスの影響力も考えたでしょうし、自国に追及される責任を回避する目的もあったかと思います。

 

 

アメリカは現在、こういうスポーツ事故の過去の甘い対応の結果、脳震盪になった人たちからの訴訟だらけです。(このことは、下のほうで動画で紹介します。)

そもそも、アメリカは訴訟大国でもあるので、普段から人々は責任を明確に線引きしている国だと言え、自分にいかにして不要な責任から逃れられるか、そういった責任回避の術において、非常に訓練されて長けている国だと私は思います。

そのため、現在ではものすごく慎重に判断して、高いリスクの責任をドクターも取らないで済むように厳しめに判断するはずですが、羽生選手は、なぜかそのように扱われませんでした。

 

そもそも、本当にドクターたちがこれらの診断に責任を取ろうと思っていたのなら、羽生選手の拠点があり、コーチの出身国でもある「カナダ」のドクターが真っ先に羽生選手を見るべきだったと、私は思っています。

そうしたら、万が一の時に、きちんと責任を追及でき、補償もされ得るからです。 それでこそ、本当に安全かどうかがわかります。

国境を越えて責任を追及するのは法律上煩雑でとても大変になるので、うやむやにされやすいですし、仮に後遺症被害が出て責任の追及のために訴訟になっても、費用ばかりが莫大にかかった挙句、訴訟で敗北しやすいです。 結果、多大な犠牲を払って、ただの泣き寝入りとなって終わってしまいます。

でも、この中国杯の時、カナダのドクターは、なぜか中国のハンヤン選手を診察し、カナダを拠点にしている羽生選手を、なぜかアメリカのドクターが診察しました。

これを聞いただけで、普通に知識があれば、「ああ、ドクターに責任を取らせる気がないんだな」と、普通の人は思うでしょう。

 

カナダのドクターが中国のハンヤン選手にこの時に下した診断は、結果的にはミスで、中国のハンヤン選手は、本当は脳震盪を起こしていたと、後から中国のドクターによって最終診断がなされました。 本当なら、恐ろしいことです。 これがもし羽生選手だったら、日本はどうしたでしょうか。

 

私は昨シーズン、既に心身ともにズタズタな羽生選手にさらにショックを与えて追い詰めるだけだったり、多方面をかばおうと気丈にふるまっていた羽生選手の立場を、必要以上に追い込むのは嫌だったので、とても悩みましたが、これらをあえて書きませんでした。 他にも、私を激怒させた、羽生選手が守られていないことの証拠となる情報があったのですが、立場を考えて、それもあえてここでは書きません。

羽生選手は賢いので、自分で本気で調べれば、本来は何が正しい対応だったのか、すぐに分かることだとも思ったからです。

 

 

フィギュアスケート界で、今現在、実際に脳震盪で苦しんで欠場している選手たちがいます。

やはり、うやむやにされてはいけないことなのだと、思います。

 

 個人的に思っていたのは、2014年当時、「五輪王者」であり「3冠王者」でもあった世界ランキング1位の羽生選手が、こういう目にあったことには大きな意味があり、認識の甘かったフィギュアスケート界への、未来に対する重大なる警告であっただろうと思っています。

 

どんな事情があろうとも、あの時、羽生選手は「19歳」であり、「未成年」でした。

守るべき責任は、周囲の大人にあります。

 

未来ある子供たちへ、もし同様な甘い対応を繰り返していれば、いつか必ず、犠牲者が出ます。

私は、そういったことが、羽生選手をきっかけに起こってほしくはないのです。

羽生選手に憧れてマネして、「あのくらい大丈夫!」と思い込んだ子供が、いつの日か、取り返しのつかない後遺症に悩まされたとしたら、羽生選手を応援した結果に起きたこととして、こんなに悲しいことはありません。 

 

 

2014年時点で、アメリカの「脳震盪」リスクの認識は、日本よりも進んでいて、訴訟大国でもあるアメリカでは、すでにスポーツ事故を甘く見た結果の脳震盪に絡んだ訴訟だらけになっていたのです。 

ですから、アメリカでは、公立学校でも、ほんのちょっと頭を軽く打っただけでも、「あなたのお子さんは今日頭を打ちましたので、24時間は安静にしていてください。安静にしていても、ちょっとでも異変が見られたら、直ちに医者に行ってください。これを守らなかった場合、どのような(後遺障害の)結果を招いても、こちらは一切責任を負いませんので、よろしく。」というような手紙が直ちに親に来ます。

それが実態です。

 

この記事のタイトルには「最前線」とは書いたものの、これからご紹介するのは「2012年のアメリカの実情」を特集した、NHKの番組であり、既に3年も前のもので、もはや全然最前線ではありません。(苦笑)

2014年時点で、羽生選手を診察したはずのアメリカのドクターの出身国”アメリカ”が、「脳震盪」に対して、どんな態度をとっている国で在り、どれほど敏感であり、どのような状態だったのかを知っておくことは、フィギュアスケートファン、または羽生ファンなら、とても意味のあることだと私は思いますので、ご紹介します。

 アメリカの脳震盪問題の最前線を扱った、日本のNHK番組の動画で、2012年のものです。

できれば、全ての人に見て頂きたいですね。  15分程度です。 後半が特に重要です。

 

 

全米で、後遺症により400人以上が訴訟を起こしているという、大変な実態。

ライステッド君の悲劇、彼の脳震盪への警鐘活動により、「ライステッド法」が成立し、教育現場でも非常に慎重になっています。

最初の24時間が最も重要です。 

アメリカンフットボールだけでなく、サッカーや陸上などでも、脳震盪が疑われる生徒がいれば、試合や練習を中止させます。」

 

9分30秒から、日本の脳神経外科の権威の先生が、スポーツの現場における注意を呼びかけています。

競技中に、選手が脳震盪を起こしたかどうか、その場で診断するためのシート。 

国際競技団体が作った、とのことです。

ここでは、24項目があって、一つでも当てはまれば、「脳震盪の疑いあり」だと言っています。

その中に、「いつもより感情的」「感情的になりやすい」というのがあります。 

あの時の羽生選手の様子を見て、そう感じなかった関係者、観客や視聴者がいるのかどうか、私には大いに疑問です。

 

 

 こちらは、その、日本ラグビー協会が出している、非常に詳細にまでわたった説明と警告、啓蒙の動画。

約30分あり、ちょっと長いですが、わかりやすいです。

安全が確保されていなければ、ラグビーを楽しむことはできない」と、安全を第一にしています。

安全が確保されていなければ、フィギュアスケートも楽しむことはできません。

 

 

「安全推進講習会2012ラグビーの脳震盪」

 

 非常に詳しく解説されています。 難しさについていけるかたは、ご覧ください。 ↑

7分20秒過ぎに、「決して脳震盪の診断を、厳密にする必要はありません。つまり、脳震盪を厳密に考えるのではなく、より広く安全性を求められることになります。(中略) つまり、一番大切なものが、安全性の確保なのであり、その試合の勝敗ではありません。」 と語られています。

勝敗を第一にするとき、いつか誰かに、死を招く危険性があるからです。

その人の実績や利益、勝敗、名誉、関係者の利益、などよりも、「誰にも死を招かないようにする」そのことを最優先するためのルールなのです。

11分50秒過ぎに、「これらの中の一つでも該当する異常があれば、「脳震盪の疑い」だと判断され、プレーヤーは退場となります」と説明されています。 例外を認めません。

 

 

さて、こちらは、「全国柔道事故被害者の会」のホームページ。 → http://judojiko.net/news/1595.html

 

ここのページで、アメリカのホワイトハウスで開かれた、「脳震盪会議」のことを紹介しています。

http://abcnews.go.com/Politics/video/president-obama-delivers-remarks-kids-safe-sports-23913511

↑  上のリンクは、「脳震盪サミット」の様子をABCニュースが放送した映像。

このホワイトハウスでの「脳震盪会議」では、サッカーで活躍していたけれども、脳震盪を起こしたことのある少女が、その後、大きくなるにつれてさまざまな症状に苦しめられるようになってきたことを、大統領とみんなの前で証言している映像が出てきます。(英語です)

 

このようにして、アメリカでは、スポーツ事故や脳への衝撃と、その後の脳震盪のリスクについて、大々的に報道され、一般にも知られてきていました。

 

さらに、「全国柔道事故被害者の会」の、「脳震盪の怖さ――対応マニュアル」のページです。 → http://judojiko.net/news/1299.html

 

 

 日本スケート連盟は、羽生選手の昨年の中国杯の事故を受けて、医師の帯同を増やす決定をしました。 

良かったですね。

 

 

羽生選手の大事故を、フィギュアスケート界は、最後の教訓としてほしいです。

羽生選手にあこがれて、模範にしたり真似したりした子が、手遅れな事態に陥ったりしないうちに。

 

また、そのようなことが少しでも起きなくなるような環境を、そもそも整えていく必要があるでしょう。

6分間練習のあり方、人数の妥当性は、前からずっと疑問視されています。

ルールの変化や、ジャンプの進化、スピード評価の時代の変化に合わせて、きちんと本番で評価できるスケートの状態を練習できる環境を与えるべきだと思います。

 

羽生選手が、あの事故当時、ドクターに何を聞かれ、どのような経緯で出場に許可が出たのかを、「KENJIの部屋」で、たとえ一部でも正直に語ってくれて、本当に良かったと私は思っているし、そのことは本当に感謝しかないです。

 

今後、同じような事故が起こったり、同じような対応が繰り返されることが、決してありませんように…!!

そして、今後の羽生選手の身体が、守られていきますように。

 

あの事故が、どこかの誰かの命を、奪うことにつながっていくような結果を決して招かないよう… 

そして、羽生選手自身の体を、将来にわたって苦しめることに決してならないように、本気でお祈りしております。

 

 

あのような中、羽生選手の命が守られましたことを、ファンの一人として、神様に感謝したいと思います。

また、当初から、羽生選手の立場を考慮しつつも、問題点をハッキリと指摘して下さっていたプルシェンコ選手にも感謝します。

さらに、当時、このことの問題点をよくご存じで、この事態について問題提起したり、警鐘を鳴らしたり、応援メッセージや援護射撃をしてくださっていた、他選手のファンの方々や、他選手の応援ブログのブログ主様等が、私の知る限りでも、複数いらっしゃいました。

私が全然気づかないところにも、大勢いらっしゃったかもしれません。

その方々にも、心から感謝いたします。 

 

心強かったです。 ありがとうございました。

 

羽生選手は、羽生ファンからだけでなく、真剣に真実を見極めようとされておられる「フィギュアスケートファン全体」の中でも、守られているなと、私は感じています。

そのお一人お一人の、生命や健康への真摯な思いが、未来へと活かされますように。

 

昨年の一字に「生」を選び、今年の一字に「成」を選び、

このことを使命と受け止めてくれた前向きな羽生選手に、その思いを託しつつ…

 

羽生選手!  どうか無理なく、賢く、希望をもって歩んで下さいね!(笑)

 

 


羽生結弦選手の原点を知る!2 ~闘志と気迫の演技派・初代三冠王・「アレクセイ・ヤグディン選手」~

2015-08-05 | フィギュアスケート全般について

 

羽生結弦選手の原点を知る! の「その2」 は、史上初のグランプリ・ファイナル、五輪(オリンピック)、世界選手権の3冠を達成した、初代3冠王の「アレクセイ・ヤグディン」選手です。(羽生選手は、ソチ五輪シーズンに、史上2人目の3冠達成となりました。)

プルシェンコ選手と同じロシア出身で、同じ時代に「2大天才」と呼ばれた伝説の選手であり、ソルトレイクシティ五輪(2002年)の男子シングルの金メダリストです。

プルシェンコ選手の先輩であり、強力なライバルでもあった彼と、その名演技について少しだけご紹介してみたいと思います。

 

ヤグディン選手とプルシェンコ選手は、元々は同じ、ミーシン・コーチについていましたが、ミーシン・コーチが年下のプルシェンコ選手のあまりの才能に惚れ込んでいったことや、互いの性格的な相性もイマイチだったことなどが影響し、

長野五輪(1998年)で金メダリストになったイリヤ・クーリック選手が引退したことから、彼のロシア人コーチであったタラソワさんにコーチを変えて、タラソワコーチが当時拠点としていた、アメリカに渡りました。 (タラソワコーチはロシア人で、今はロシアにいます。)

それ以降、その才能を余すところなく発揮し出し、芸術性も高く評価されて、天才少年と呼ばれて注目されていたプルシェン選手に本気の勝負を挑み続けて、熱い闘いを繰り広げるようになりました。

 

一般的に最も有名なのはもちろん、ソルトレイクシティ五輪での演技対決なのですが、その前から「ヤグディン選手対プルシェンコ選手」で盛り上がっていました。

 

そのお二人を見ながら、心熱く燃やしていた少年だった羽生選手は、どちらが好きかと問われれば、思いっきり「プルシェンコ派」だったようですが、

今までも度々、ヤグディン選手への尊敬も口にしてきました。 

「惹きつけられる演技だった」と、世界選手権2015の後に羽生選手がちょこっとだけ語ってくれました、ヤグディン選手のその演技が、一体どんなものだったのか、ここに少しだけご紹介してみたいと思います。

 

まず最初に紹介するのは、今の羽生選手と同じ、20歳の時の演技、 2000年の世界選手権でのフリーである、「トスカ」です。 

ヤグディン選手、20歳。 

 

この時、試合では初めて、4回転トーループ+3回転トーループのコンビネーション・ジャンプを成功させます。(といっても着氷は難ありですが。)

そして、2度目の単独4回転トーループも成功させ、二つの4回転を成功させたのが、この時が初めてだと解説は言っています。

 

 

次にご紹介するのは、私の印象に最も残っているものの一つ、2001年世界選手権のショートである、「革命のエチュード」です。 

痛み止めを、なんと5本も打ってから出場したと言われる、奇跡の演技です。

(選手ってそんなものなの?などとは思わないで下さい。彼はこの1年半後には、引退をせざるをえない身体状況になってしまいましたので…。)

 

 

ヤグディン選手の演技の特徴は、非常に力強くてパワーのある動き、激しい闘志、非常に高い「演技力」と演技への没頭能力。 

そして、一つ一つの技の正確さというか、一つ一つが美しく豪快なのが持ち味です。 

衣装を着て氷の上に立っただけで、観る者を惹きつけて別の世界を作り出せるほどの雰囲気と気迫があります。 

この演技の衣装は、私は非常に好きです。

この「革命のエチュード」の見どころは、冒頭の、非常に高くて力強い、4回転トーループ+3回転トーループのコンビネーション・ジャンプ。

二つ目のジャンプは3回転アクセルですが、なんといっても3つ目のジャンプ、3回転ルッツが、ものすごくゴージャスです。

また、今の選手では滅多に見られないほどに、パワフルで高くて「ド派手な」 デス・ドロップ。(シット・スピンの前にやっています。)

いつもラストのほうで魅せてくれる、ものすごいスピードで疾走する、「とても情熱的な」と称されるステップ。

ヤグディン選手の最大の魅力は、このステップだという人も多いのですが、スケーティングも非常にキレイです。

 

「氷の芸術家」を目指していて、実際にそのように高く評価されていましたが、時に、まるで戦場の戦士のようだったヤグディン選手。

彼との比較のせいで、プルシェンコ選手は当時、「女性的過ぎる」などと言われて批判されてしまうほどでした。(今ではちょっと考えられませんが。(笑))

選ぶテーマ、曲、衣装も、激情、闘い、悲劇、等をイメージさせるものが比較的多く、そういうものが高く評された印象です。 

プルシェンコ選手が明るさ・楽しさを含めた、くるくると変わるような七変化の多彩さをも沢山見せるのとは対照的に、

ヤグディン選手は、何かの運命を感じさせるような重い、緊張感のあるテーマ曲を多く使い、気迫と闘志が半端でなく、息を呑むような演技をします。

確執の生まれたミーシン・コーチの元を離れて、芸術性の高い演技指導で有名なタラソワ・コーチ (浅田真央選手の、ソチ・フリー演技の振付師であり、バンクーバー五輪当時のコーチ兼振付師)についたのは大正解だったようで、その影響は大きく、観るものをその世界観へ惹きこんで、あっという間に演技が終わってしまうところはさすがです。

この時代は、今とは全然違う採点制度の、6点満点時代の中でも、本当に最後の時代です。

(6点満点時代とひとくちに言ってもその歴史は長く、採点制度は途中で何度も変更されてきています。 その中でも、新採点制度に激変する直前の、最後の時代。)

 

 次のものは、プルシェンコ選手との対決・名演技で有名な、2001年グランプリ・ファイナルでのフリー「グラディエーター」。

転倒は大きなミスだった時代にあっても、これほどの表現力と気迫を見せながら演技を最後まで全うすると、拍手喝采・絶賛の嵐となる、典型のような感動的な演技。

旧採点法である、6点満点時代を、「転倒すると絶対にダメだった」などと勘違いする人もいますが、技術点は確かにマイナスされますが、総合的に見ればそんなことは決してなく、細かいミスがあっても、それを上回る表現力というか、魂の気迫がある演技は、表現面で非常に高く評価されていました。

むしろ、表現力のない選手がトップに来ることはできなかった、と言っても良いかと思います。 

 

 衣装に注目です。 こんなの似合うの、ヤグディン選手だからでしょうね…。(笑)

ここでヤグディン選手は、冒頭で、4回転トーループ+3回転トーループ+2回転ループという、プルシェンコ選手の得意の大技をやりますが、

最後の2回転ループで転倒してしまいます。 

その他にも、もう一度4回転トーループを単独で跳びますが、わずかに片手を氷についてしまいます。

ただ、そこから後が凄かった! 

転倒等のジャンプミスを忘れさせるほどの、ものすごい気迫で演技を全うし、今の羽生選手の、超・得点源である、「3回転アクセル+3回転トーループ」の大技も、

同じく今だと非常に高得点となる、「3回転フリップ+ハーフループ(今の1回転ループ)+3回転サルコウ」という3連続の大技も成功させ、得意の猛烈ステップで、ラストまで人々を惹きつけたまま、ド迫力のうちに終了。

転倒を忘れさせるほどの演技で、会場を熱狂させています。  これぞヤグディン! という感じですね。

私はこのヤグディンを見て、すごく感動したのを覚えています。

 

 

次は、ヤグディン選手の、最も有名な演技とも言える、2002年ソルトレイクシティ五輪 (金メダル) の時の、ショートの演技、「Winter」 です。

私はこれがかなり好きでした。 フリーの「仮面の男」より、そしてプルシェンコ選手のSPよりも。

見事にノーミスで決め、金メダルに王手をかけます。

 

 

同じく、最も有名な演技の一つ、2002年ソルトレイクシティ五輪金メダル獲得時の、フリー「仮面の男」です。

冒頭の4回転トーループ+3回転トーループ+2回転ループを、見事に決めたヤグディン。 

それまでは、4回転のコンビネーションは、後続ジャンプで着氷がイマイチになることも多かったのですが、五輪本番では文句なしの出来。

次の単独4回転トーループも決まり、金メダルを確実なものにしていきます。 

プルシェンコ選手のショートでの失敗により、全ジャンプを終えたあたりから、勝利を確信している様子で、ちょっと気が抜けたのか、持ち味の気迫が明らかにダウンしたように見えたのが私には非常に残念でしたが、ほぼノーミスで、文句のつけられない金メダルとなります。 

最後に、得点が出る前に感極まって泣いているヤグディン選手や、銀メダルとなって表彰台でショックで放心気味のプルシェンコ選手の姿が映っています。

当時の羽生選手は、どんな気持ちで見ていたのでしょうか。 

 

次は、ソルトレイクシティ五輪で金メダルをとった時の、エキシビションである、「Overcome」です。

音楽といい、演技といい、これがヤグディンという強烈なイメージを確立しました。 よく覚えている方も多いと思います。

ド派手な劇場型衣装も似合うヤグディンですが、一つ一つの技も動きも演技も美しいので、このようなシンプルな衣装も似合うし、逆に印象に残ります。

パントマイム的な動きが非常に得意で、それが多すぎるとの声もあったりしましたが、ズバ抜けた演技力の高さを見せました。

 

 

五輪の翌シーズン、2002年のスケートアメリカでのSPだった、「Racing」。

私はこれがかなり好きです。

非常に速いスピードで独創的で個性的な動きを多用し、ヤグディン選手の高い身体能力、見事なステップ、フットワークの解る、楽しいプログラムです。

当時のコーチ&振付が、ロシアのタラソワコーチ(浅田真央選手のバンクーバー&ソチ五輪の振付師)と、この後有名になるモロゾフ氏(荒川静香さん金メダルの時の立役者的コーチ、安藤美姫さんが世界選手権金メダルの時のコーチ)です。

冒頭の4回転T+3回転Tも成功しているし、素晴らしいプログラムなのですが、最後の3回転ルッツを珍しく失敗して2回転になったことから、Technical score(技術点)が伸びませんでしたが、非常に印象に残る演技。

しかし、この翌日には、ヤグディンは身体が動かなくなってしまい、フリーを棄権し、その後も、試合には出場できなくなってしまいました。

1年後には、引退を表明。 股関節疾患が原因だと言われています。  でも、その後のアイスショーでこのプログラムを何度も披露したようです。

 

 

 

ヤグディン選手は、今でも驚異の現役を続けているプルシェンコ選手とは違って、ソルトレイク五輪で金を取った翌シーズンに事実上の引退をしてしまいます。

人工股関節になってからも、プロとして滑りますが、ただ滑っているだけなのに、スケーティングの上手さが際立っていてものすごいという、凄い演技が、これ。 ↓

最初のほうは、もはやサーカスでしかありませんし、見ていてちょっと怖いです。 ただスケートを見たいとい方は、真ん中まで飛ばして後半から見て下さい。

ニコニコ動画から。(動画主様、拝借します!)

25歳のヤグディンさん。

  

 

さて、最後に、こんなヤグディン選手ありなの?!という衝撃的な、エキシビションを。  こんな時代もあったのか!という。

楽しめるか、ひたすら脱力するかは、人によるかと思います・・・ (笑)

ヤグディン選手に非常に憧れていた方の気持ちが、これを観た後どうなるのかは、個人差があると思われ、私にはわからないので、見るかどうかは各自でご判断下さい。

 

ヤグディン選手、17歳の時のエキシビション。「One Banana (ワン・バナナ)」  (←タイトルからしてもう、笑うしかないような…)

(注意: コーチは、前コーチのミーシンコーチ時代のものです。 プルシェンコ選手の爆弾エキシビションと同じ!)

 

 

真面目にコメントし続ける解説者と、こんな姿を世界に披露できるヤグディン選手を、ある意味では「凄いな!」と私は思います。

ロシアからどんなに優れたトンデモナイ天才が出てきても、どんなに深く感動しても、どうしてもこういう、ロシアの奇抜な演技を見ると、

自分が日本人であることを自覚してしまいますね。(笑)

 

情熱の氷上戦士ヤグディン選手でしたが、 羽生選手にも負けない位のものすごい情熱が備わっていると、強く感じます。

その燃えるような情熱を大切に、是非とも今後も頑張ってください!

 

さらなるヤグディン選手の魅力は、バリバリのヤグディンファンの方々に、是非お聞き下さい!

 

 ※ 一応慎重に書いたつもりではありますが、このページのヤグディン選手の情報等に誤りがあった場合、遠慮なくご指摘下さい。 謹んで訂正させて頂きます。


新フリー「SEIMEI」への羽生選手の思いと、歴代日本代表選手たちによる「和風」演技動画

2015-06-17 | フィギュアスケート全般について

ドリームズ・オン・アイス2015が、新横浜で行われました。

羽生選手は、ここで新シーズンのフリーの、ほんの一部を発表。

その名も、「SEIMEI 」。

 

まずは、こちらをどうぞ。

ドリーム・オン・アイス関連のニュース映像を、動画主様が集めて下さった動画です。 演技の一部映像が含まれています。→ http://www.dailymotion.com/video/x2ttbw9_2015-doi%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9_sport

(冒頭でデス・ドロップをやった直後に、いきなり転倒してしまうという、ちょっと珍しい失敗の仕方で、(羽生選手大丈夫かな?)、と思いましたけど…)

 

今シーズンの羽生選手はどうやら、

 

わ!と驚く、「和」 のプログラムにしたいようです。 (笑)

 

映画「陰陽師」の音楽を使い、主人公・安倍晴明の名前「せいめい」に加えて、このタイトルに複数の他の意味を込めたと語ってくれた羽生選手。

→ http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150612-00000208-jij-spo

 

ハッキリとわかるのは、「生命」(いのち)の「せいめい」をかけていることで、これは誰にでもすぐにわかりますけど、

他にも恐らく、「声明」(世間に意見や意思を訴え表明すること)、「盛名」(立派な評判)等の、「せいめい」をかけているのでは、と思われます。

他にも、あるかもしれませんけれども。

 

 

こちらが、NHKのテレビで羽生選手がその思いを語ってくれた、動画です。 

その1→ http://www.dailymotion.com/video/x2u39w6_150616-%E5%BD%BC%E3%81%8C%E8%AA%9E%E3%82%8B%E6%96%B0%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%B3%E3%81%B8%E3%81%AE%E6%B1%BA%E6%84%8F_sport

その2 →http://www.dailymotion.com/video/x2u36sl_20150616-%E3%81%8A%E3%81%AF%E3%82%B9%E3%83%9D_sport

 

私も、「和風」プログラムをやってもらいたかったファンの一人です。(笑) しかし、試合のプログラムではなかなか難しいので…。

「暑いのは、大っ嫌いです」だそう。「スケーターなので」、と笑いながら言っています。 ・・・ 自称「氷上の生物」ですものね、羽生選手は!(笑) 

 

羽生選手は、「日進日歩」が目標だそう。 「日進月歩」では遅すぎるので、「日歩」なのだと。

フィギュアスケートはアスリートの中では、現役でいられる期間がそう長くはない、と…。 (とても長い方も、羽生選手のおそばにいらっしゃいますが…(汗))

五輪まであと3年しかない。 とも語っています。

 

そして、こちらのニュース記事が、羽生選手の今回のこの選択に対しての思いを詳しく報告してくれています。

→ http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150614-00010002-sportiva-spo&p=2

この中から、羽生選手の言葉の部分だけを、以下に抜粋させて頂きます。

タイトルは羽生自らが『SEIMEI』と名づけた。あえて大文字のローマ字表記にしたのは、安倍清明の名前にちなむとともに

「同じ発音の日本語が持つ、多様な意味を込めたいから

今シーズンは、挑戦というか、自分の幅を広げてみようかなという思いがあって、いろいろな曲を聴いてみました。

でも、なかなかシックリこないまま、自分に合うものは何なのかと試行錯誤しながら考えているうちに、『和ものもいいかな?』という思いが浮かんできたんです。それで日本のテレビドラマの音楽なども聴いて、海外の方々も観られるものがいいと思い(映画)『陰陽師』を選びました」

「たぶん今の日本男子で、”和”のプログラムを表現できるのは自分しかいないと思っている」

「自分だからこそ表現できる繊細さや、”和”の力強さ、体の線の使い方を突きつめ、「自分らしいプログラムにしていくこと」が今シーズンの挑戦のひとつ」

(振付師が、日本人ではないシェイリーン・ボーンさんになったことについて)

「彼女の振り付けのなかで、まだ自分の得意な動きが確実にできていないというか、お互いが完璧に理解し合えているというわけではないと思う。その意味では、ジェフリー・バトルさんに作ってもらった『パリの散歩道』(2013-2014シーズンのショートプログラム)を滑り込んで、自分のものにできたように (このプログラムも自分のものに) したい。

それとともに、本当はこういうテイストの曲は日本人に作ってもらった方がもっと”和”の雰囲気が強くなると思いますが、あまりにも日本らしくしすぎるのはどうなのかな?という思いがあったので、日本人ではなく(カナダ人の)シェイリーン・ボーンさんにこの『SEIMEI』を振りつけてもらって、世界から見た日本の素晴らしいところもピックアップしていければと考えました」

能や狂言を見て、姿勢を振らさずに流れるように歩く動きや滑らかさは「スケートにも通じるものだと感じた」と言う羽生は、そうした動きを「これからの自分の演技の中に取り入れていきたい」と目標を語った。

(衣装について)

「アイスショーのスポットライトを浴びるときの照明と、試合の明るい照明では見え方も違うので完成形ではないです」

平安時代以降、公家の普段着だった狩衣(かりぎぬ)をイメージしたものを選んだそうです。

(プログラムについて)

 「(フルバージョンは)盛り上がるパートもあるし、もっともっとテンポの速いところも入っています。(そこは)あとの楽しみにしていたただきたいという意味も込めて、この長さにしました」

「サルコウの失敗の原因もだいぶつかめてきています。こうやってショーに高いお金を払って見に来てくださる方たちには申し訳ないところもあるかもしれないけど、僕はこのプログラムをみなさんに観られながら仕上げていきたいという気持ちがあります。

もちろんいつも完璧にできるとは限らないですけど、こういう場をひとつひとつ乗り越えながら、課題を見つけて頑張っていきたいと思います」

「自分の世界に入り込み、自らの感情や体まで、すべてを溶け込ませるものにしたい」

 

こちらのニュースでは、羽生選手の言葉はこうなっています。↓

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150612-00000074-dal-spo&pos=1

「来季何か挑戦というか、幅を広げてみようかなと思った。海外の方も見れるものがいいなと思って。

まずここまで和なプログラムを演じられるのは今の日本男子でたぶん僕だけ

僕だから出せる繊細さ、和の力強さ、線の使い方で、僕らしいプログラムになればと思う」。

 

何やら、和のイメージに対して、自信があるご様子の羽生選手です。

振付は、昨シーズンの「オペラ座の怪人」と同じ、シェイ・リーン・ボーンさんですが、最初から羽生選手もかなり加わって作っているようです。 

羽生選手らしいプログラムにするには、それは絶対に欠かせないでしょうね。

 

私は羽生選手は和装や和風は、衣装でも音でも、絶対に似合うだろうとは思っていましたし、今まであったエキシビションプログラムでも非常に似合っていましたけれども、やはり衣装は今回もかなり似合っていました・・・!

今までの衣装にはなかった色合い「黄緑」「紫」の和風の組み合わせがなかなか新鮮で、若竹カラー&雅なカラーというべきか、枝豆カラーに小豆カラーというべきか、あの色を見て「抹茶アズキ」を思い出しました…(笑)

ただ、羽生選手ご本人も上のインタビューで言及したように、今回はショー用の衣装のようなので、試合での衣装は、色の変更等の試行錯誤はあるでしょう。 今のカラーで試合でも良いのかというと、もしかしたらちょっと暗すぎるかもしれないし…。

カラーの部分に赤が入ってきたりしたら、それだけでイメージがかなり異なってきますし、音楽全体とのイメージの相性もあるだろうし、どうなるのか、色々と楽しみですね。

 

後半にハイドロも入っていて、羽生選手のハイドロが好きな人にはたまらないかも?!

 

いくら和のテイストって言っても、さすがにあの富士山ポーズは出てこない・・・ はず。(笑)

 

しかし、羽生選手のフリーは、2シーズン連続でなかなかオドロオドロしいというか、怖いイメージの音楽のスタートというか…  

何を表現しようとしていて、どのような終わりにするのかが、総合印象を左右するポイントになりそうです。

 

報道では、「陰陽師を演じる」みたいな言葉も書かれていましたけれども、もしタイトルが、「陰陽師」や「安倍晴明」だったら、多分その時点で、2~4位にはなれても、決して優勝はできないプログラムとして確定してしまっただろうと、率直に、私は思いました。

フィギュアスケートでは、あまりにも民族的過ぎる音楽やプログラムだと、スケートの長所が活かしきれずに終わるか、またはその世界観を理解されずに終わる印象があり、そういうプログラムでトップを張れた選手を見た記憶はないので… 

羽生選手が、複数の意味を込めて、大文字のローマ字で、「SEIMEI 」にタイトルをしたということ、他の意味をもかけたということは、間違いなく正解だったと、私は思います!

 

「あまり日本らしくし過ぎるのもどうなのかな?と」

「世界から観た日本の素晴らしいところも、ピックアップできれば」と、語っている羽生選手。

この2点は、すごく大事になると思います。

「生命」などもかけているのであれば、テーマとしては不変的で普遍的なものだから、世界にも通用すると思うし、

羽生選手は「繊細さ、力強さ、線の使い方」等に言及していますので、主に「和」的な「音」を「和風に」カッコよく表現していきたいのかなとも思いますけれども、 注目してみていきたいと思います!

 

ただ、個人的にはちょっと気になることが。

ここ数年の、「ロミオ」、「ノートルダム・ド・パリ」、「オペラ座の怪人」等のプログラムは全て、「架空の人物」で、なおかつ世界中に知られている有名なストーリーだったので、解釈や焦点の当て方によって表現の幅の自由さもあり、役に「なりきる」演技もアリだったと思うのですが、

今回は、映画そのものは完全な脚色だらけの作り話ですが、日本の歴史上の実在の人物の名前が使われていることと、なおかつ史実の実態とはその作られたイメージが離れているとも言われている点が、少し気になります。

その意味で、今回は特に 「なりきり」みたいな演技をあまり目指さないほうが良いだろうと私は思いますし、それを目指すと、色んな意味で極めて危険というか・・・ 危険を招きやすくなるのではないかなと。 

ファントム(怪人)の時もちょっと思ったのだけれども、入り込みすぎると危険な題材というのが、あるような気がするので…。 

 

例えば、「道化師」というオペラの曲が、時々フィギュアスケートで使われますが、音楽はなかなか印象的ではあるし、話の途中までは喜劇調だけれども、あのオペラの内容って、かなり酷いドロドロで、喜劇要素がありながらも、主人公がかなり悲惨で、なおかつラストが、本当に救いようがない終わり方でして、過激な内容も多いオペラの中でも、特にラストに希望も愛も残らない、非常に後味の悪い作品だと私は思っています。 

実際にオペラを見た時の感想で言えば、最後の最後に、それまでの良かった点も全て頭からふっとんでしまい、そそくさと帰りたくなるような・・・(苦笑)周囲の人たちも皆そうだったので、私だけではないと思うのです。普通は、もうちょっと余韻に浸っている人も多いと思うのですが。

その「道化師」の主人公を忠実に再現しようとすると、非常に重苦しくなり、ラストが気分が悪くなる可能性が高いわけですが、オペラと違うのは、フィギュアスケートは「表現したいもの」を選ぶことができる点。 たとえば、「喜劇」や「哀愁」だけに焦点を当て、そこを表現したフィギュアスケートとしての作品にすると、なんとか収まります。(しかし、それでも万人受けするものにするのは難しい印象です。)

ジェフリー・バトルさんの「道化師」 → https://www.youtube.com/watch?v=76vipBaIiiQ(SP) https://www.youtube.com/watch?v=d-BtlrFrqj0 (エキシビション版)は、徹底的に喜劇要素に焦点があてられていて、衣装もそうですが、バトルさんの振付にユーモア要素が多く、ラストも、本当は重苦しい悲劇のラスト音楽なのですが、ポーズもあえて喜劇調でまとまっていて、重苦しくなく仕上がっています。だから、なんとか観ることが出来るし、非常によくできているとも思うのです。 (それでも、私から見るとこのオペラ曲は、心からの感動で、わ~っとスタンディングオベーションをしたくなるような感じの終わりには、なかなかできない作品に思えてしまうのです。)

しかし、やはり勝てる印象のプログラムではないと思ったのか、バトルさんはこのプログラムはシーズン途中でエキシビションに変えてしまい、ショートを前年度のものに変更することで、最終的には世界選手権で優勝できました。

高橋大輔さんの「道化師」は、「悲哀」と「葛藤」に焦点があてられていた印象で、ストーリーを知らなければ、音楽に乗って、感傷的な表現の感動で終わらせることができ、ストーリーのリアルを求めずに済んだというのが、私の印象でした。(それでも私にはちょっとラストは重く感じられましたけど。)

 

羽生選手の「オペラ座の怪人」は、私の印象では、振付師のシェイリーンさんは、「前半は誘惑のファントムで観客を惹き込み、後半は哀愁のファントムでハートをつかむ」という感じで演じさせたかったのではないかという気が私にはしていたのですが、羽生選手本人が最初から言っていた「僕なりのファントム像」は、「ファントムの中にある(知られざる)ピュアさ」に焦点が当てられていて、それを表現したいということでした。

最終的に、羽生選手が本当は何を表現したいのかを私は見たかったのですが、結果的には最初の言葉通りだった印象で、洗脳や狂気、嫉妬、殺意や激情と言った、ストーリーに入っている別の側面を描きたかったわけではなく、人によっては持っているかもしれない、そういったファントム像を表現したかったわけではなさそうだったところは、私から見ると、良かった点というか、とても救いだった点だし、羽生選手の人気が出ている大きな理由の一つだろうと思うのです。(笑) 

 

日本はその地理・地形上、地震等に代表されるような、いわゆる天災を免れない国ですが、それと羽生選手の演技は、直接関係ないのは当然のことです。 (願いや祈りを込めることは出来たとしても…です。)

 

羽生選手は、あくまでも現代に生きる、一人の、命ある青年で、アスリートであるということを、絶対に忘れないようにしたいです。

羽生選手は羽生選手であって、様々なリスクを背負いながら演技している「フィギュアスケーター」であって、他の誰でもない。 

俳優でもないし、架空のキャラでもない。

 

また、どこまでいっても、フィギュアスケートはフィギュアスケートなのであって、バレエ要素やオペラ的要素の入ったフィギュアスケートはは高く評価されるけれども、バレエそのものでも、オペラそのものでもない。 当然、日本の伝統芸能そのものでもない。

どのような要素を入れていても、スケートの魅力を活かした融合としての完成でなければ、フィギュアスケートとしては評価もされない。 

また、世界で日本のイメージで定着しているものでかなり有名なのに、「すし」「空手」「忍者」 「サムライ」 (番外編で「アニメ」)がありますが、そのどれもが、本来の日本のものとはかなり違った形に変化し、日本から見たら、「なんちゃって」モノになっていることが多いですが、その「和テイスト」「和要素」が受け入れられて、知れ渡っていますが、純和風になると、なかなかそうはいかない。  

宮崎駿のアニメ映画で言えば、「トトロ」「ラピュタ」は外国でも人気があっても、「もののけ姫」にまでなると、たとえアニメとしての質が良くても、世界観がほとんど理解されず、人気が出ない、というように、評価される境目というのが、確かにあると思います。

 

羽生選手本人の言葉通り、あまりにも「日本的すぎる」のを避けて、「和のテイスト」で、世界から観ても「素敵」だと思われる、普遍的な価値を放つような「和的な」音楽とそれに合わせた「動きの美」、「色彩美」の世界を表現することに徹していくほうが、きっと良いのではないかという気がします。 

音楽の全容がわからないので、まだ何とも言えませんが、「動」と「静」のメリハリ、直線と曲線の美の使い分け、剛と柔の切り替え、が、すごくカギになる気がします。それが成功したら、羽生選手は和装は似合うし、かなり素敵な個性的なプログラムになるのでは。

 

もう一つ、ちょっと気になる点があったのですが、これはドリームオンアイスの放送があってから後に、改めて書きたいと思います。

 

さて、今回は過去に、日本人選手による「和」「日本的」なプログラムと呼ばれたものに、一体どのようなものがあったのか、ちょっとだけご紹介してみたいと思います。

「和」と言っても、「衣装が和」なものと、「音楽が和」なもの、「題材が和」なもの、に大きく分かれます。

 

羽生選手本人の演技で言えば、「音楽が和的」な要素を持つものは、「change」や「白鳥の湖~ホワイト・レジェンド」で、つい最近の国別対抗戦で見せてくれた日本チームの群舞「STORM」もそうでした。 しかし、これらは衣装は和ではありませんでした。  

「衣装が和」のものは、言わずと知れた、「花になれ」、 「題材が日本」なもの には、「花になれ」「花は咲く」 があります。(「花になれ」は内容は普遍性をもつものですが。)

 

羽生選手の演技は、今まで散々紹介してあるので、 

今回は、歴代日本代表選手の 「和」風の演技で、パッと思い浮かぶものを、ちょっとだけご紹介してみます。

 

まずは、羽生選手と同じ音源から取った演技。 

アイス・ダンスの、キャシー・リード&クリス・リード組 エキシビション「陰陽師」 

これはなかなか素敵なプログラムで、音楽は「陰陽師」でも、そこで表現されているのは日本的美と日本的な音をふんだんに活かした、アイスダンスとしての世界観であって、そこがとても成功していると思います。

演技を見ていると、陰陽師とは何も関係なさそうだけれども、お二人の動きが音に合わせて、とても素敵です。

音楽も、日本的な静けさの中に光る厳かな迫力があり、こういうタイプのものをもし羽生選手がやったら、すごくカッコイイだろうな、というイメージは確かにあります。(笑)

 

次は同じく、キャシー&クリス・リード組の、ソチ五輪シーズンの演技「SHOGUN」

上に上げた二つの、キャシー&クリス組の和風プログラムの何が良いかと言えば、やはり「静」と「動」 あるいは、「柔」と「剛」のメリハリや切り替えがハッキリとしている、という点です。 観ている側も、気持ちが乗りやすく、観ていて飽きないし、盛り上がります。

 

次は、まだ17歳の本田武史さん(ソルトレイクシティ五輪4位)による、長野五輪シーズン(1997~1998)の、世界選手権の時の演技  

衣装・演技ともに和の要素が入っています。 最初は特に日本的な衣装ではなかったと思いますが、途中からこういう和テイストに変更。

大人気だったプルシェンコ選手やヤグディン選手と同世代で日本代表で闘っていた本田武史さんが、日本的要素を取り入れてきたプログラムで、空手をイメージさせる振付がそこここにあり、当時としては、かなり斬新で面白いと私は思っていました。 外国の方がどう思ったかはわかりませんが、私は(衣装だけでも)、かなり感動した記憶があります。  

 

高橋大輔さんの、バンクーバー五輪銅&2010世界選手権金の時のエキシビション「Luv Letter」(ラブ・レター) 

これは、高橋さんの歴代プログラムの中で、個人的にはベスト5に入ると思う、印象的な名プログラム。 

衣装が思い切り「和」で、これをオリンピックに持ってきたのは、良かったと思いました。この赤・紫・金の、ド派手な色合いがバッチリ似合うのが、高橋選手ですね。 バンクーバー五輪のメダリストのエキシビションの中では、一番良かったと私には思えた演技でした。

この2年後に登場する、羽生選手の「花になれ」の衣装との色遣いの違いや、個性の違いが面白いです。 

 

無良選手の、ソチ五輪シーズンのフリー「shogun」(将軍)

これは、試合での和風プログラムとしては、珍しくかなり成功していた印象のもので、無良選手の良さが出ています。 衣装はあまり和風に感じられないのですが、曲と演技が和風。

羽生選手が、このプログラムの無良選手のラストポーズを真似してやっているのを見て、羽生選手にもとても似合いそうだなと思い、ぜひ羽生選手にも和風のプログラムをやってもらいたいな~と思いました。(笑)

 

織田信成さんのソチ五輪シーズンのエキシビション「ラスト・サムライ」  

本物の織田家の末裔が演じる「ラスト・サムライ」。 織田さんは和のプログラムを複数回やっていますが、これは一番、衣装も音楽も題材も演技も「和」で、しかも本当に、ラスト・サムライとなってしまった演技。

非常に印象的で、私は織田さんのエキシビションの中では、このプログラムが多分一番好きです。 

「ラスト・サムライ」はそもそも外国が作った映画なので、外国視点が最初から入っているため、やりやすかったのではないかと。

織田さんの着氷のしなやかさや柔らかさが活かされている演技です。

これを見てから、織田さんと羽生選手にはぜひとも、「忍者」か「サムライ」をテーマに二人でコラボして頂きたいと思うようになりました。(笑) 着氷の素晴らしい4回転ジャンパーの二人なら、相当見ごたえがあるものが出来るのではないかと思うのですけど…!(笑)

 

もう一つ、織田さんの和風SPだった 「Storm」  羽生選手がシニアデビューした年の織田さんのショート。 

今年4月の国別対抗戦の群舞と同じ曲です。

これもかなり良かったプログラムですが、同じ時期の羽生選手の「白鳥の湖」の和風アレンジがあまりにもあまりにも良かったので…  織田さん、スミマセン。

 

町田樹さんの、和風アレンジ「アランフェス協奏曲」 エキシビション   

(以前もご紹介したことがありますが) 衣装と音楽、題材、演技すべてに「和の要素」を入れた、エキシビションならではの、革新的な面白さ!

これは一度観たら忘れられない強烈さです。 さすが町田ワールド!(笑)

 

男子最後にご紹介するのは、引退してしまわれた、佐々木彰生さんの、「忍者」。

いつも非常に個性的で面白い演技をするので、有名だった選手です。 氷上のエンターテイナー。

 

次は、ちょっとだけ女子選手のものをご紹介。

まず、こちらも引退された村主章枝さん(ソルトレイク五輪5位&トリノ五輪4位)のエキシビション「浜辺の歌」。 作曲が日本の有名なものですが、それの外国アレンジを、美しい優雅な演技で表現したもの。 パッと見は、日本要素があるとは全く感じられないかもしれませんが…。

 

氷上のバレリーナと呼ばれ、究極の繊細美を表現できた太田由希奈さんが、世界ジュニア選手権を優勝した時のエキシビション。

当時日本でとても人気になった曲、加古隆さんの美しい曲「黄昏のワルツ」に合わせて美しい舞を見せます。和風演技ではありませんが、曲が「和」製。

美しさにおいて彼女を超える人はいるのかと思わせるほどに指先まで美しい素敵な選手でしたが、怪我により早期に引退されてしまいます。

 

同じく、太田由希奈さんの、2003~2004年SPだった「ピカソダンス&オモタイ」(ヒロシマ)

和とスパニッシュの要素を融合させたのだそうです。 独特な味がありました。

 

浅田真央選手の、2011~2012シーズンのエキシビション。 衣装が、織姫と彦星に出てくる天女のような…「和風」(やや中国入り?)です。 音楽も和製のものの、外国アレンジ版。 とても美しい、祈りの込められた演技です。

 

 他にも、織田さんの「座頭市」 とか、中野友加里さんの「SAYURI」など、「和風」の試合プログラムがありましたけれども、中野さんの演技は私はいつもとても好きだったけれども、この和風プログラムだけは、全体に高評価されるのはちょっと難しいかな・・・という印象を持ちました。 

和風要素を入れたプログラム特有の難しさというのは、確かにあったように思います。

 

羽生選手の「和」なイメージを活かして、得意技や個性も活かしつつ、総合的に素敵なプログラムになっていきますように…!! 

 

 

最後に、羽生選手の、サッカー日本代表への応援CMの動画をどうぞ。

その1 http://www.dailymotion.com/video/x2u5rc7_150616-%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E5%BF%9C%E6%8F%B4%E3%83%A1%E3%83%83%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%82%B8_sport

その2 http://www.dailymotion.com/video/x2u5rdo_2015-06-16-rio-olympic%E3%81%B8%E9%A0%91%E5%BC%B5%E3%82%8C%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BB%A3%E8%A1%A8_sport?from_related=related.page.int.behavior-only.7c8576607f54ad0735246567210804d7143446409

 

「頑張れ!サッカー日本代表!」って、上の動画で、羽生選手は言っています。

ですので、私はこう言ってみます! 「頑張れ!フィギュアスケート日本代表 ! 」 

 

 


羽生結弦選手の原点を知る!その1~ 「憧れの天才」エフゲニー・プルシェンコ選手・大特集 ~

2015-02-14 | フィギュアスケート全般について

昨年のバレンタインデー(2014年2月14日:日本時間)は、ソチ五輪の男子シングル試合の真っただ中で、羽生選手は、見事に金メダルを獲得しました。(ソチ現地日時は2月13日)

今年は、羽生選手が術後に加えて、右足首ねん挫で、「リハビリ中・怪我療養中」なはずなので、応援と励ましを込めて、「羽生選手の原点」ともいえる存在について、その演技の大特集ページを作って、贈ってみたいと思います!

 

 

羽生選手がフィギュアスケートにのめり込む動機となり、「憧れ」であり続けた天才、長きに渡って「絶対王者」と呼ばれ続けた男、 「エフゲニー・プルシェンコ選手」 です。

羽生選手は、プルシェンコ選手の影響をとても強く受けて育ってきたことが、様々な点でよくわかりますので、羽生選手を知りたいなら、まず、そのプルシェンコ選手とその演技について見てみよう!!

 

 

プルシェンコ選手は、男子シングル界の頂点に君臨し続けた、ロシア(旧ソビエト連邦)が誇る、桁違いの天才選手です。

彼の演技は、男子シングルの歴史を、技術面でも芸術面でも、沢山塗り替えました。同時に究極のエンターテイナーであり、徹底したプロであり、超のつく競技者であり、フィギュアスケートのことを真剣に思う、妥協なき王者・・・ そのような方だと私は認識しています。

 

羽生選手は、そんなプルシェンコ選手の「熱烈ファン」だった一人ですが、一方で私は、そのプルシェンコ選手よりもさらに、羽生選手の演技を好きな 「生粋の羽生ファン」ですので、

当然、羽生選手から見た「プルシェンコ選手」と、私の目から見た「プルシェンコ選手」というのは、同じ演技を見ていても、恐らく視点や感想が、色々と違っているだろうと思われます。

その点をご理解いただいた上で、そんな私の視点から見ても、「これは素晴らしい!!」と、強く記憶に残っているほどの演技・・・

あるいは、今見返しても、スゴイなと思える演技・・・

そんな「見る価値のある演技」は、プルシェンコ選手には沢山ありすぎて(笑)、全部は到底無理なのですが、そのうちのごく一部を、ご紹介してみたいと思います。

 

プルシェンコ選手。  1982年11月3日生まれ。 

 

以下、その名演技の数々を、年齢を追って観ていきます。

 

1997年世界ジュニア選手権(1996年11月開催)をわずか14歳0か月で、最年少で優勝した記録を作った、気品漂う、フィギュアスケート王国が生んだ天才少年、エフゲニー・プルシェンコ選手。

下の動画の時は、まだ13歳。 最初の10秒程度で、なるほど!こりゃ天才だ!とわかるような演技です。

幼い頃から、ロシアのダンス界からも散々期待され、スケートを止めるように説得されたというほど、才能を見込まれていたプルシェンコ選手。 

この頃の演技、身のこなし、その華麗さを見れば、それも大いに納得です。 結局彼はフィギュアスケートを選びました。

「ドン・キホーテ」     (羽生選手は、まだこの頃、わずか1歳 です。)

この演技の最後には、両足それぞれでのビールマン・スピンを披露しています。

 

 

次は、シニアデビューした頃の衝撃の演技です。 

プルシェンコ選手は、14歳で4回転トーループを既に跳んだ世界最年少記録をもちます。(羽生選手は15歳で4回転トーループに成功。)

下の動画のプルシェンコ選手は、15歳の時です。 (羽生選手は、まだ3歳頃です。)

でも既に、4回転トーループ+3回転トーループ、さらに、3回転アクセル+3回転トーループ の高難度コンビネーション・ジャンプを次々に跳んでいきます。

さらに、男子でありながら、ドーナツ・スピンも、ビールマン・スピンも入れられるという、驚異的天才の出現。 

(羽生選手はもちろん、この影響を受けて自分も演技に取り入れていきます。)

日本での映像も残っていますが、珍しくジャンプに失敗があったりした回なので、失敗のない回ということでこちらの動画を選びました。

 

 

こちらは、1999年のNHK杯での演技。「黒い瞳・(ジプシーダンス)」  プルシェンコ選手、この時17歳頃。 (羽生選手は5歳で、スケートを始める頃です。)

羽生選手が2012年に「ロミオとジュリエット」で世界選手権で3位になった時と、同じ年齢の頃の演技。

4回転トーループ+3回転トーループ+2回転ループ のコンビネーション・ジャンプを跳びました。

会場が日本ですので、日本語での得点発表が聞こえます。(「6.0」が満点です。) 

 

 

 

2001年の頃の、こちらは、エキシビション。「Pasadena」。 (プルシェンコ選手、18歳。)

氷の上で、トロピカルな衣装。(笑) とにかく、「楽しい」「愉快」で、サービス精神満点なプログラムです。 

コミカルで明るい魅力のプルシェンコ選手が見られます。

観客に向けて、恋に落ちた素振りまで演じてみせたり、おちゃめに帽子で遊んでみたり、エンターテイナーです。  

 

 

 

次が、当時の羽生選手がとても夢中になっていたという、思い出深いはずの、「ヤグディン選手対プルシェンコ選手」で有名な、ソルトレイクシティ五輪(2002年)の演技。

「カルメン」。プルシェンコ選手、19歳。 (羽生選手はまだ7歳ごろ。)

オリンピック直前にフリーの演目を変更するという大胆な決断に打って出ましたが、ショートで転倒してしまったプルシェンコ選手、フリーの「カルメン」も、高度な技で追い上げますが、決して彼のベストとは言えず、ちょうど絶頂期を迎えていた23歳のヤグディンに敗れて銀メダルになってしまいます。

当時、ヤグディン選手対プルシェンコ選手で、どちらの演技がより好きか、どちらが勝つと思うか、で散々話題になりました。

そのあと、エキシビション版で、再び「カルメン」を演じてくれて、私の印象にはこちらが強く残りました。この人は本当に最高のものを見せることに徹底的にこだわっているのだな、と強く感じられた演技でした。

この次のシーズンから、プルシェンコ絶対王者時代が続くようになります。(ヤグディン選手は怪我で引退に。)

 

ソルトレイクシティ五輪・「エキシビション」のほうの、「カルメン」です ↓ 

 

羽生選手をワクワクさせた、試合での、フリー演技・「カルメン」はこちら ↓

 

 

ここで、プルシェンコ選手は、「4回転トーループ+3回転トーループ +3回転ループ」 という超高難度な3連続ジャンプを跳んでみせますが、惜しくも最後がステップアウトしてしまいます。

2度目の単独4回転トーループを跳び、さらに、1分20秒過ぎから、今の羽生選手が超高得点を叩きだしている、「3回転アクセルからの(ハーフループを挟んだ)3連続ジャンプ」を跳ぶプルシェンコ選手の姿が見られます。

今シーズンの羽生選手は、「3回転アクセル+1回転ループ(=かつてのハーフループ)+3回転サルコウ」という超高難度を跳んでいますが、

プルシェンコ選手はこの時、「3回転アクセル+(今の1回転ループに当たる、)当時のハーフループ+3回転フリップ」という、これまたさらに超高難度ジャンプを見事に跳んでいます。

 

注) いわゆるコンビネーション・ジャンプの、後続ジャンプには、普通は「トーループ」か「ループ」ジャンプしかつけられません。

これは、全てのジャンプの着氷が、「右足のアウトサイドエッジで着氷」する(左回り・反時計回りの多くの選手の場合)からで、続けて別のジャンプを踏み切るには、この「右足アウトサイドエッジ」で踏切スタートする、「トーループ」と「ループ」しかつけられないからです。

しかし、このハーフループ(今は1回転ループとして扱われる)を挟むと、その後に、「左足インサイドエッジ」で踏切スタートする、「サルコウ」や「フリップ」ジャンプを続けられます。 

このハーフループを挟むジャンプは、かつては「シークエンス」と呼ばれる(ターン等を挟んだ)ジャンプの扱いでしたが、今はハーフループが「1回転ループ」とみなされて、「コンビネーション・ジャンプ」の3連続ジャンプとして認められるようになっています。

 

 

 

さて、多才で多彩、そんなプルシェンコ選手を語るのに、避けて通れない演技がこれです。 

有名な爆弾エキシビション。(あえてタイトルは伏せます。)

宇宙人と呼ばれたプルシェンコ選手が、ついにその正体をあらわにして(笑)、フィギュアスケート界に爆弾(Bomb)を投下していきました。

常識だけでなく、それまでの王子的イメージやプライドの高いイメージをも、自ら完全に破壊してのけた、このすごい爆弾エキシビションで、うまく「爆笑」できるのか、それとも「重傷を負ってしまう」のかは、多分、観る側の人の感性や年齢、性別等によります。 でも、これはまだ、大丈夫な人が多いと思います。

当時の私は、途中からちょっと硬直しましたが、ラストで爆笑しました。良くも悪くも、もう尊敬するしかないというか。(笑)

当時の羽生選手がどう思っていたのかは知りません。(笑)

小さいお子様と一緒に見るのはあまりお勧めできません。先に一人で見てからご判断下さい。 上半身は、もちろんただの「衣装」です。(笑)

途中で「耐え難いわ~」と思われた、乙女や淑女な貴女様におかれましては、飛ばして最後の1分程度と、ラストポーズを見ることをおススメします。

この方は、徹底的にエンターテイナーなのだな、とわかると思います。

 

上のものは私には許容範囲でしたが、この後、調子に乗りすぎた宇宙人皇帝はさらに、ここから驚くべき発展系変態バージョンまで登場させてしまい、その想像を超えた破壊的爆撃力により女性を中心に重傷者が続出。 私も、当時3日間の激しい精神的ダメージを負った記憶が。(苦笑) でも、当時プルシェンコ選手を本当に大好きだった私の友人の一人はなんと、丸まる1年間以上、フィギュアスケートを全く見られなくなってしまうほどの激しいショックを受けてしまい、それ以来、「プルシェンコ選手は苦手!(苦笑)」とずーっと言っています。 

「天才って・・・」と、真剣に考えさせられた思い出が。(笑)  演じたプルシェンコ選手以前にまず、そのプログラムを作った人がいるのですが。(苦笑)

私の脳の中では、「あれは多分、幻だった!」と思うことにしてあります。 「もしやこれかな?」と思う動画映像をもしどこかで見つけたとしても、それだけは見ないことを私はおススメしたいですね。 触るな危険!(笑)(いや、本当に!)

 

 

 さて、プルシェンコ選手の宇宙的破壊力までもがよくわかったところで(笑)、今度はそれとは正反対な印象の演技を。 

芸術性が高いと言われているプログラム、「ニジンスキーに捧ぐ」から、二つ紹介します。

一つ目は、芸術性重視でのノーミスの演技。 プレゼンテーション・スコア(いわゆる表現力、芸術性を含む)で、「オール6点満点」を出した演技。

最後に、見事な超高速スピンが見られます。

2004年 全ロシア選手権、プルシェンコ、21歳。 (羽生選手は、9歳頃)

 

そして、こちらが2004年の世界選手権の時のもの。こちらは、世界選手権ですので、技の極みをも目指した極限の演技。

 

既にプルシェンコ選手の代名詞にもなっていた、「4回転トーループ+3回転トーループ+2回転ループ」 のコンビネーション・ジャンプはもちろん、2度目の4回転トーループ、そして、上の動画の「ニジンスキーに捧ぐ」の時には入れていなかった、超高難度ジャンプである、「3回転アクセル+ハーフループ+3回転フリップ」(当時はシークエンス扱い、今はコンビネーション扱いで羽生選手の高得点源になっている種類のジャンプ)を跳ぶプルシェンコ選手がまた見られます。

(連続で「トーループ」と「ループ」のコンビネーションを跳んでくれるプルシェンコ選手を見ていると、トーループとループの見分けがしやすく、違いがわかるようになると思います。)

また、男性だから身体はだんだん硬くなるだろうに、「ビールマンスピン」や、「ドーナツスピン(この動画の中ではベーグルスピンと呼ばれている)」を、この頃までこなし続けるプルシェンコ選手。(羽生選手も同じですが。)

しかし、かなりのスタミナと体力を誇るプルシェンコ選手でも、この演技の最中に、足がもつれるようにして珍しく思い切り転倒する姿が見られ、やはりこれだけのプログラムを全力でやるのは、たとえプルシェンコ選手でも、相当の疲労をもたらすのだと、わかるかと思います。

ちなみに、動画の英語解説者は、このハーフループを挟んだ後のジャンプが3回転トーループだと言っていますが、これは動画主様が動画タイトルに書いていらっしゃる通りに、「3回転フリップ」であり、単に解説者が勘違いしただけと思われます。 

( 最後にトーループを跳ぶなら、ハーフループを入れる意味がなくなるし、プルシェンコ選手は動画で、左足のインエッジ踏切で右足のトウをついて跳んでいるので、フリップです。 トーループは、右足のアウトエッジ踏切で、左足のトウをつきます。)

 

 

次は、上の演技よりほんの少しだけ遡って、2003年のグランプリ・ファイナルのフリー演技。 「サンクト・ペテルブルグ300」   (プルシェンコ選手、21歳。)

冒頭で、「4回転トーループ+3回転トーループ+3回転ループ」という、誰も跳んだことのなかった、「4+3+3」のコンビネーション・ジャンプを跳んでいる演技です。 

プレゼンテーション(いわゆる表現力)の点でも、満点の6.0を、10人のジャッジのうち6人が出しています。

この頃のプルシェンコ選手の髪型を、小学生の頃の羽生選手がずっと真似している写真や動画を見た羽生ファンは多いでしょう。

 

 

最後に、私の記憶の中に、最も残っているプルシェンコ選手のベスト演技は、これです!! 

絶対王者時代が続き、頂点極めた頃のプルシェンコ選手。 2006年トリノ五輪 金メダル獲得時の、「エキシビション」です。 

「トスカ」&アンコールの「カルーソ」。 (この時の女子シングルの金メダリストが荒川静香さん。)

プルシェンコ選手、この時23歳。  (羽生選手は、11歳。近くのリンクを失い、遠くまで通って苦労していたという頃です。)

氷上で生演奏のバイオリニストとの共演は、金メダリストのエキシビションならでは。 王者の貫禄、ここに極まれり。 

ステップがとにかく凄い。芸術性も高く、凄すぎて言葉が出ませんでした。 

トリノ五輪では、プルシェンコ選手はどう見ても、やる前から「完全圧勝状態」で、「競技」としては面白くない大会でしたが、このエキシビションはその絶対王者の名にふさわしい貫録で、私の中でも、プルシェンコ選手史上、最も印象に残る演技となりました。

 

 

 

 

いかがでしたでしょうか。

これらは、数えきれないほどあるプルシェンコ選手の名プログラムの中でも、本当にほんの一部です。

上に紹介したのは、2006年トリノ五輪までの時代の演技の、ほんの一部でしかありません。

他にも素敵なプログラム、私が好きだったプルシェンコ選手のプログラムは、いくつもあります。

 

このページ、作っているうちに、なんだか楽しくなってしまいました。

私から見たプルシェンコ選手の魅力は、なんといっても、何が飛び出してくるかわからない予測不能な面白さ、多彩な表現力、あらゆる音楽に対応できる幅広さ、いつも転倒することのない高難度ジャンプ、高いエンターテインメント性、魂を込めた芸術性、です。

 

さらなるプルシェンコ選手の詳細や魅力は、生粋のプルシェンコファンの方々に、どうぞお聞き下さい。(笑)

 

 

 

 * 一応気を付けてはいますが、万が一、上記内容の事実関係や表記に、ミス等がございましたら、どうぞ遠慮なくご指摘下さい。 年月日については、動画をUpしている動画主様の書かれている、大会日時の表記を信用して、それに準じて、年齢を計算して書いたつもりです。 プルシェンコ選手の情報や記録については、間違ったものもネット上に多少流布しているようなので、一応慎重にしたつもりではありますが…。

いつでもすぐに対応できるとは限りませんが、万が一ミスがありましたら、時間のある時に、謹んで訂正させて頂きます。


選手たちへのセクハラ・パワハラ問題と、未来への希望

2014-09-10 | フィギュアスケート全般について

 

先月、フィギュアスケートファンにはショッキングな事件がありました。

驚くべき実態が報じられた日本スケート連盟の橋本聖子会長と、驚くべき認識を露呈させてしまった鈴木恵一副会長。

 

それに対して、どのような対処をなさるのか、どのように責任をとられるのかを見ていこうと思っていましたが・・・

悪しき前例となってしまうように私には見えます。

 

今回、まだかろうじて未成年であった羽生選手は巻き込まれていなかったようですが、このままなら今後、どのような影響があるかわかりませんので、 羽生選手には、あらゆる状況を想定した、まさかの新技・「4回転キック!」の練習までもをお願いしなければならないようで、なんとも残念です・・・ 

そんなことやっている暇は全くないでしょうけれども、護身術を身につけておいて欲しいと切実に思ってしまうファンは私だけではないでしょう。(苦笑)

 

 

さて、この問題については、報じられた問題となる写真をきちんと取り上げて検証して扱っていない報道・・・すなわち、問題の本質から意図的にずらして焦点を外しているような報道がいくつもありました。

 

私が、今回の件で最も怒りを感じた点は、「セクハラ」「パワハラ」についての、連盟幹部の方々のあまりにも酷いレベルの「認識の甘さ」と、結果的には、全選手が侮辱され、傷つけられていることになっている点、そこに対して、何の責任も取っていない点です。

 

 

問題となった写真複数を見ました。

あまりにも鮮明で、特に時系列から先だとされる写真は明らかに「避けようと」しており、私にはどう見ても、権力者が(たとえ酔った勢いとはいえ、)相手の立場の弱みに付け込んだ、「セクハラ+パワハラ」(セクシュアル・ハラスメント+パワー・ハラスメント)の典型的なケースであり、それを周囲がはやし立てた、などという、最も迷惑で厄介な状態に見えます。

これが「セクハラ」「パワハラ」に該当しないのは、弱い立場の側が心の底からそういう行為を望んでいた場合のみで、まさに相思相愛だった場合のみ。

 

選手を守るはずの組織のトップの立場でありながら、守るどころか、そのファンたちを最も激怒させる行為に及んでしまっている、というだけで、もう、それだけで、十分すぎるほど、組織のトップに君臨する資格はないと私には思えます。

誤解を恐れずにいうならば、もし、このお二人が本当に相思相愛で、あれが、「人目もはばからず心から望んで堂々とされたこと」だったのなら、どんなにまだよかったか、マシだったか、と本当に思います。

でも、スケート連盟の幹部の方々に、選手がもし、「望まない行為を事実上、強いられていた」、となったら、その意味は全く違ってきます。

 

私は、高橋選手の本当の好みや、その詳細までは存じ上げません。しかし、「場の雰囲気を読んで、女性でもある相手の立場をも配慮し、自分なりに耐えながら、被害を最小限に抑えようとしている高橋選手の意思」が、あの写真からは見えるように感じられました。

弱い立場に置かれている高橋選手の側は「セクハラともパワハラとも思っていない」とコメントしてしまいましたが、これは本心でしょうか。本心ならまだマシです。そのほうが絶対にいいですよ。

本当に本心なら、私にはビックリではあっても、「あ、そうなんですか」で、羽生ファンの私としては、終わりそうです。

でも、立場や、今までの恩、周囲の状況などを考えて、”そうコメントせざるを得なかった”のなら、ますます「パワハラ」度が高くなり、深刻な問題は残ったままにされていることになります。

 

最も泣き寝入りさせられる「セクハラ」「パワハラ」の状況の一つは、私の知る限り、

仕事がらみで、さらに、「お祝いの場」に乗じてやられる時。

まさに、今回のようなケースです。

 

皆でお祝いしていて、誰もが上機嫌で明るく楽しく・・・という場。 

怒ったり拒否したりしにくい、お祝いの場に乗じてやる、その見えにくい悪質性。 

その現場を、誰も止められなかった、という異常性。

 

今回のことは、対等な選手同士が、お互いに好意をもっていて、ノリで~などという、「対等で自由な関係」の二人の間で起きたことではなく、明確な上下関係や支配関係がある、一方が明らかな権力者、もう一方が弱い立場、の間柄で起きたことなのです。

そこを、絶対に勘違いしてはならない。

 

キスも、頬への挨拶キスはあっても、口どうしのキスなんて、たとえ外国でも、上下関係のある間で「挨拶」や「励まし」としてすることは普通はありません。

仮にどこかの国でそのような習慣がある国が存在したとしても、日本の国会議員でありスケート連盟のトップが、所属している日本人選手とする行動として不適切極まりないのは明らかです。

外国でも、むしろセクハラ・パワハラと取られないよう、誤解を招かないように細心の配慮をして避けるのが、普通であり、そのような配慮の出来ない人は、組織の上に立つ器の人物とはみなされないと思います。

しかも今回の場合、絶えず権力がその背後に見え隠れしている「与党の議員」です。本人に意識があろうがなかろうが、典型的な「支配関係を利用し」調子に乗った結果だった、と見えます。

 

セクシュアルハラスメントは、男から男へだって成立するし、女から男へだって成立します。 

セクハラなどと呼ばず、本来は、本心が伴わなければ「強制わいせつ罪」でさえあることを、もっと認識すべきです。

 

セクハラが悪質なのは、本来は強制わいせつ罪となるにも関わらず、「強制わいせつ罪」は、「親告罪」(被害者が訴え出ることが必要な罪)だから、被害者が告訴しない限り、逮捕されない―――告訴したくても、出来ない状態に追い込まれて泣き寝入りさせられることが繰り返される、という点にあります。

被害者は羞恥心や対外事情その他を考えて、なかなか自分から言えないし、言わない。

その結果、闇に葬り去られる。

さらに、繰り返されることにより、耐えることになれた被害者側も感覚が麻痺してきて、自覚ないままに自尊心を傷つけられ続けるーーーそこにこそ、最大の問題点と、深い闇があると思います。

 

今回、私から見て最悪だと思えたのが、もう一つあります。

鈴木恵一副会長の、「これがもし浅田選手への男幹部からのものだったならどう思うか」という質問に対して、「お前、度胸あんじゃねえか」と思うだけだ、と言ったという報道。 この報道がもし真実なら、本当に、恐ろしいです。 

浅田選手のファンでもある私には、吐き気と眩暈のする言葉です。 

本当にこれが実態だというのなら、悲しくても、浅田選手にも、即・引退してもらったほうが選手のためだと思えるくらいです。

思春期から20代前半のうら若き乙女達を管理・統括する団体としては、完全に失格の発言です。

 

仮に、百歩譲って、今回のお二人が合意だったとします。 それはそれで組織として別の大問題が生じています。

この場合、代表を選ぶ側だった人たちと、選ばれるはずの選手側との「異常な癒着」とみなされるので、ただでさえ大激戦だったソチ五輪代表メンバーについて、納得できていなかった他選手たちやそのファン層が激怒しても当然、という状況です。

特に、昨年のNHK杯で明らかにおかしな点数をつけられた織田ファンの怒りが収まらないのは、私には当たり前に思えます。

あの採点がおかしかったのは、誰の目にも明らかすぎるほど明らかでした。それを受けてか、佐野稔さんが、次のようなコラムを書いています。→http://no-border.co.jp/archives/16451/

しかしここで、織田さんの回転不足判定による得点問題は、なんと、「カメラの角度のせい」「運が悪い」の一言で終わらせられています。

ここでさらに問いたいのは、なぜテクニカル判断のためのカメラを、たった1台しかつけないのか、ということ。角度で判定が変わってしまうくらいなら、数台つければよいことです。そしてそれを公開すれば良い。今の時代、機材が高価すぎて買えない、はあり得ません。競技として最も大事な技術判定に用いることを思えば、通用しない言い訳です。

つい先日あった、テニスの錦織選手の決勝でも、相手の打ち込んだ球がギリギリ「アウト」になったように見えたけど、結局インだったため、錦織選手が点を奪われる結果になった場面が数回ありました。しかし、即座に映像が拡大表示され、コンピューター解析されて、イン・アウトの判定が、万人に判るようにされています。だから、誰も文句つけません。

なぜ、フィギュアスケートも、回転不足判定について、そのようにしないのでしょうか。 

「回転不足ではなく、回転がまともに認定されていたら」・・・としても、結果、あの大会の順位に変わりはなかった可能性は高いです。あの時の高橋選手の演技は、シーズンベストと呼べるほど凄い演技でした。

でも、それ以前に、そもそもそういう「明らかにおかしな判定&低い得点がつけられてしまった」という段階で、織田ファンが、「これは最初から、どのみち勝てないようにされていたのだ」と判断・推測するのは、当然だと思います。羽生ファンの私でさえそう思いましたから。

結果として、両選手共に、本当に素晴らしい渾身の演技をしてくれていたのに、その両選手のどちらに対しても、最も嫌な形の侮辱的な状況を招いてしまった・・・ 私はそう思って、ものすごく残念に思っていました。

(これは私の推測ですが、織田選手の年末の引退決意には、こういうことが大きく影響しただろう、と思っています。)

 

今後は、そのようなことがないことを願います。

人生を賭けて頑張っている選手たちが、本当に気の毒です。

 

(ちなみに私は、高橋選手の怪我がソチまでに治るという診断が本当であった、ということを前提としたならば、ソチ代表3人について異論はありません。)

 

幹部が誰のファンでも構いませんが、立場上、誤解を招かないように、細心の注意を払い、対等・平等に接しなければならない立場のはずです。

今回のことは、夢をもって頑張っている選手たちやファン層、選手を目指している子供たち、及びそのご家族まで、ほぼすべての人が、本当に失望させられる出来事でした。

 

正常に機能している、一般企業や組織なら、一発で左遷となる事例で、それが今の常識だと思います。

リークの裏の政治的意図だの駆け引きだの言われていますけど、「政治が政治が」と騒いで騒動を収めようとすることそのものも、何らかの政治的意図があるとしか見えないのが、皮肉です。

今回のことは、そもそも、政治だの何だの、それ以前の問題で、「こういうことが平気で、スケート連盟の幹部の間で存在すること自体」が大問題であり、フィギュアスケートの未来や選手たちをつぶしていくことに繋がる、本当に悲しいことだと、私は思います。 

 

私が最も問いたいのは、「本当に選手たちを大事に思ってくれているのだろうか?守ろうとしてくれているのだろうか?」 という、その一言に尽きます。

フィギュアスケートを統括する団体の幹部には、これこそが、絶対的に必要な資質です。

選手を、金づるや、己の欲望の対象、ストレスのはけ口に使うような方には、絶対になってほしくありません。

 

「リラックスさせるために色々~」との言い訳が使われましたが、今まで報道されてきた、ソチ五輪フリー前日に羽生選手に向けたとされる、脅迫じみた言葉が真実であったなら驚きですし、どこがリラックスなのかと問いたい。

連盟表彰式の時の動画で公開されていた、金メダリストの羽生選手にかけられた言葉は、むしろ皮肉や嫌味が込められているようにも聞こえますし、およそ表彰の場にふさわしいとは言い難い言葉だと思えますが、あれも、羽生選手は本当に心から笑ってリラックス出来たなどと本当に思われているのでしょうか? 

こういうことに、百戦錬磨の経験をお持ちであろう羽生選手は、もはや大して気にもしていないかもしれません。

でも、あれを言われて嬉しい選手って、果たしているのでしょうか? 

絶対にいないと、私は思います。

フィギュアスケートのコーチによる、選手たちの窮地を救った「名言」とされるような言葉とは、まさに正反対の言葉ですから。

       

それに、高橋選手は、あのようなキス(強要)によって、逆にリラックスするというような、そんな摩訶不思議な精神をお持ちの方だったのでしょうか?これも、正真正銘の相思相愛の場合のみ、リラックスになりえるかとは思えますが。 

 

 

選手たちには、大事にしてくれる組織に所属していて欲しいし、その資質と覚悟のある方にこそ、幹部でいて欲しいと切に願います。

 

幹部お一人お一人が、誰のファンでも構いません。 好みはその人特有のものだし、変えられるものでもないでしょう。

しかし、本当に高橋選手のファンであり、高橋選手を大切に思ってくださっていたならば、このようなことを「すること自体」が、幹部としては、最も避けなければならなかったはずです。

今回、会長と副会長のされた言動は、「選手を軽んじて、欲望の対象とみなしている」と非難されても仕方のない言動です。

 

私は、フィギュアスケートに興味を持ったお子さんをもつお母さんから、フィギュアスケートをやらせるべきかどうか、やらせることについてどう思うか、等の相談を受けることがたまにあります。

その視点から見て、ハッキリいえるのは、今回のことは、日本国内のトップ3人にまでなったところで、こんな風に扱われるのが行き着く先ならば、その親御さんの立場と、将来子供さんが受ける被害を考えたら、たとえそれほどの才能があったとしても、「おススメ出来ないです」・・・ そういうしかなくなるな、という気持ちにさせられるほど、本当に悲しい事件でした。

 

才能のある選手なら、やめたくてもやめられなくて、非常に苦しむでしょう。

仮にそのご両親の立場だったとしても、子供の未来を危惧して、本気でやめさせることを考えるくらいの、そういう事件です。 

他に所属すればスケートを継続できる組織があるのなら、すぐさまそちらに移させるでしょう。

 

こういった私の思いを書くことは、フィギュアスケートの未来を真剣に思う、羽生選手を悲しませることになるとわかっています。 

羽生選手を応援するためのブログには、書きたくもありませんでした。

だから、しばらく考えました。

でも、だからといってこのままなら、その「事実」は変わらないし、放置することで更なる被害が続き、未成年の羽生選手を含む、下の世代に広がっていくのは、もっと避けたい。

セクハラ・パワハラは、認識を改めない限り、絶対に繰り返されます。

 

今回、「セクハラ・パワハラではなかった」などという言葉でうやむやに終焉させられているのを見て、明るい気持ちにはなれません。

しかし、羽生選手の演技や、存在そのもの、他の選手たちの頑張りなどには、強い希望を感じているので、応援は当然続けます。

 

羽生選手には、おかしな実態を見続けさせられて、いつの日か、その豊かな感性・感覚を狂わせて欲しくない。

もちろん、未来ある他の選手たちにも。

そう思って、書いています。

 

スケート界の問題で、おかしいと思えるものは他にも沢山あります。

たとえば、オリンピック前に国際スケート連盟会長が「誰々が金メダルだ、賭けてもいい」と言ったとか言わないとかというような報道があったり、ジャッジ(審判)でありながら、選手に自分との写真撮影を公衆の面前で要求したりする方がいたり、という・・・

「選手の立場や周囲の目線を考えない、あまりにも立場をわきまえない自分本位すぎる言動」は、もう、本当にやめて頂きたい。

選手たちの評判を落とし、結果的には侮辱することに繋がっているだけでなく、それを知った他のすべての選手のやる気と士気を落とす、非常識極まりない行為だということを、本当に認識して欲しいと思います。

 

 

「セクハラ」「パワハラ」についての、あまりにも世間離れした、甘すぎる認識を改めることを要求すると同時に、こういった点について、その他にも存在する沢山のフィギュアスケート界の問題点について、すべてが一つずつ、根本的に改善されていくことを期待したいです。

 

私は、今回のことは、このようなことが内部で起こっていることに強い疑問や問題を感じてきた人たちが、意を決して、選手のためを思ってタイミングを見計らって流したものだと信じたいです。

 

 

写真を流された高橋選手についても、本当に本人が望んで、進んでやっていたのなら何も言いませんが、今後、間違っても「強要されて」このような目に遭うことが、二度とないように願いますし、むしろこれが、そのようなきっかけになってほしいです。

 

心ある周囲の方々・関係者の方々が、現役の選手、及び未来の選手達を、意識して守っていってくださるよう、真剣にお願い致します。

 

 

 

さて、悪い話ばかりでもないよ・・・という、最後に、ちょっと素敵な話題を。

 

かつて、10代の頃、「ガラスのハートの高橋大輔」と呼ばれ続けた高橋選手。 

バンクーバー五輪の2年前に、致命的とみられた大怪我から見事にリハビリで復活し、完全に別人のようになって迎えたバンクーバー五輪。

「ガラスのハート仲間」だった私は、日本人初の、五輪銅メダルを獲得したその演技で見せてくれた強さを見て、「これでもう、高橋選手は完全に「ガラスのハート」ではなくなったんだな」、と確信しましたし、その姿に感動して喜んだ記憶があります。

その舞台裏に貢献した、二人の方を特集した番組です。↓

 

 

 

一人は、天才的な振付師の宮本賢二さん。

以前も書いたように、高橋選手のバンクーバー五輪SPだった「EYE」の、過去に例をみなかった驚異的・独創的・印象的な振付はこの方の、非常に緻密な計算と戦略により練り上げられたものでした。

羽生選手の、「花になれ」もこの方の振付です。 本当にすごい才能だと思います!

 

もう一人、あの音楽編集を担当をされたという、矢野さんという方が登場します。

彼のエピソードに、私は大変、感動しました。

「ガラスのハートと呼ばれていた高橋選手の、その『ガラスのハート』を先に割ってあげよう、という思い」で、あの曲の冒頭に、がしゃーん!という、「ガラスが割れる音」を、演技開始の合図音として入れてあったのだそうです!! 

まさか、あの音に、そんな意図があっただなんて!!

私、当時から、あの最初の音は気になっていたんです。 なぜか非常に印象的で、冒頭でまさに、「殻をつき破る」ようなイメージがあったので・・・。

そのようにして、強い思いで真剣に支えて下さる方たちも、選手たちの周囲には、沢山いるということですね。

 

矢野さんの思いは確かに結実し、あの年、「ガラスのハート」を完全に卒業していったように見えた、高橋選手。

そのハートを、変わらず大事にしていってほしいです。

 

そして、わずか10代半ばにして、氷上における精神面での並外れた強さ、驚異的なしなやかさと天才的な集中力・才能を見せつけ、演技開始後数十秒で惚れ込ませるほどの素晴らしい演技をしてみせた、羽生選手。

羽生選手がいてくれるからこそ、私はフィギュアスケート界にも、その未来にも、まだまだ強い希望を感じることが出来ています。

これから成人式を迎える羽生選手にも、今まで以上に心身を大切にしてもらい、そして今シーズン、ますます力強く、羽ばたいていってほしいです!

 

心から応援しています!!