羽生選手は、よくそのメンタル面の強さを多くの人から指摘されます。
しかし、その感受性の鋭さ、素直さ故に、沢山の涙も流してきたことが解ります。
現在の羽生選手を語るのに、避けて通れないのが、2011年、シニアデビューの翌年に起きた、
東日本大震災です。
既に有名なことですが、羽生選手の出身地・練習拠点は、震源地に一番近く、津波の大被害をも被った「仙台」でした。
その前後の羽生選手の心境・彼の身に一体何が起きていたかなどは、以下の本「蒼い炎」に詳しく書かれています。
羽生ファンなら、一度は読んでみる価値がある、必見の本だと思います。
「蒼い炎」 羽生結弦 扶桑社出版
この「蒼い炎」は、インタビューに応えた形で述べられた羽生結弦さんの言葉を集めたものです。
写真も沢山あります。
幼少期から、2012年の世界選手権に出場する直前までの羽生選手の思いや経歴、心境が詳細に書かれています。
彼が幼少期から、明確な目標をもって突き進んできたこと、数度の試練に見舞われていることなどが解ります。
特に、震災後の状況・心情の変化や苦しみ、乗り越えた彼の考え方には、非常に胸打たれ、考えさせられました。
そして、2011年以降、苦しんだ経験のある人なら多分、とても勇気付けられ、励まされます。
ちなみに、この本の売り上げの印税(羽生選手本人がもらえるはずの収入部分)は、
全て、被災したアイスリンク仙台へ寄付されることになっており、
わずか17歳にしてそういう決断と行動の出来る羽生選手は、本当に天から選ばれた、
正真正銘の天才なのだなと私は思いました。
私利私欲に走ることなく、与えられているものを感謝し、必ず恩返しをしようと考え、
自分の使命を全うしようとする徹底的な姿勢…
その熱い思いを受けて、私も、寄付の意味も込めて、この本を買いました。
絶えず自分や状況を分析出来る冷静さと、炎のような情熱を併せ持っている羽生選手。
この「蒼い炎」というタイトルは、なるほど、ピッタリだと思わされます。
羽生選手の2011年の大躍進の秘密は、これを読めば大体解ります。
そして、その年の集大成となり、彼の名を世界中に知らしめた、2012年3月の世界選手権での、
「ロミオとジュリエット」の奇跡的な名演技がなぜできたのか解りますし、
それを知った上で動画を見ると、羽生選手が演技後に流した涙の意味も、よく解ります。
最近のニュースで、早速、アイスリンク仙台専門のバスが、このお金で寄付されたとの報道を見ました。
スゴイですね…
被災して落ち込んでいる子供達に、どれほどの夢と希望を与えていることか…!!
まさに、日本の希望の星ですね。
しみじみ、10代のこの若者を尊敬します。
写真: 日本スケート連盟公式HPより