魔法遣いのいろりの中で
火あぶりにされた運命達が
ごうごうと そしてキラキラと
溶け合って流れるから
目指した道も
素敵なアドバイスも
それは全部スパイスで
微塵切りにした
蜥蜴の尻尾だけが
いつまでもいつまでも溶けずに残って
何度噛んでも飲み込めない
「ありがとね、ありがとね」
「忘れないで、忘れないで」
腕も足も髪の毛も
煮詰めれば全部 呪いの形で
鏡に塗ったら全てが溶け出して
明日を伝える魔法になる
「ありがとう、ありがとう」
「また会おう、また会おう」
そうだね、わかったよ。
胸が痛むから きっとまた会えるよ。
寂しくて楽しくて
嬉しくて苦いから
きっとこのスープは、僕の味だ。