金の脳みそを持った男(38)[最終回]
——————————【38】———————————————
Malgré ses airs de conte fantastique, cette légende
est vraie d'un bout à l'autre...Il y a par le monde
de pauvres gens qui sont condamnés à vivre de leur
cerveau, et payent en bel or fin, avec leur moelle
et leur substance, les moindres choses de la vie. C' est
pour eux une douleur de chaque jour;et puis, quand
ils sont las de souffrir...
..——————————(訳)————————————————
幻想的な話の呈たらくではあるが、この物語は何から
何まですっかり真実なのです.世の中には自分の脳みそ
で余儀なく生きている人たちがいるのです.彼らは自ら
の精髄や身体という物体を使って、僅かな生活の糧でさ
え、その素敵な純金で、支払いをするのです.それは彼
らにとって日々の苦しみです;そして彼らが苦しむこと
に疲れたら...
——————————《語句》———————————————
air de ~:(m) ~の様相、~の呈、雰囲気
malgré:(前) ❶~にもかかわらず、(in spite of)、
~を無視して
❷(人の)意に反して、不本意ながら
malgré ses airs de ~ / ~の呈でありながら
par le monde:partout dans le monde の意味
「世の中には至る所に」
être condamné à ~:~することが余儀なくされている
cerveau:(m) 脳
en bel or fin:素敵な純金で
moelle:[ムワル](f) ❶ 髄、骨髄; ② 精髄、エッセンス
substance:[スュプスタンス](f) ❶物質、物体; ②実質
moindres:(petit の比較級) 乏しい、わずかな
les moindres:定冠詞がついたので最上級ですが、
こういう場合「最も乏しい」ではなく
「わずかな~さえ」と訳します.
les moindres choses de la vie
わずかな生活の糧にさえ
avec leur moelle et leur substance: en bel or finの言いかえ
「彼らの精髄や身体物質でもって」
こういう言い換えの場合は、「すなわち」というような
言葉を付け加えて訳してもいいと思います.
『素敵な純金で、すなわち彼らの精髄や身体物質で
もって(ささいな生活の糧にもそれで)支払いをする
のです』
douleur:[ドゥルール](f) ①苦しみ、苦痛、痛み、
②苦悩、つらさ
douleur de chaque jour:毎日の苦しみ
c'est pour eux une douleur de chaque jour:
それは彼らにとって日々の苦しみなのです.
las, (lasse)[ラ ラース](形) 疲れた
souffrir:(自) 苦しむ、気分が悪い
————————≪お疲れ様でした≫———————————————
『金の脳みそを持った男』はこれで終了です.
学習お疲れ様でした.そしてお付き合いいただき
ありがとうございました.
学習が終わったので座談会をしましょう.
みなさん最後のセンテンス、「...」で終わっています
が一体「疲れたら」どうだというのでしょうか?
「疲れたら、疲れたときが、この世を去るときだ」と
言いたいのでしょうね.