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2 元韓国駐在武官が回顧する“伝説の韓国軍大将”白善燁 #2

2020-10-02 16:44:11 | 日記
盧武鉉、文在寅……99歳で他界した“知日派韓国軍人”が危惧していた「反米政権の誕生」

元韓国駐在武官が回顧する“伝説の韓国軍大将”白善燁 #2

福山 隆2020/07/12
source : 文藝春秋

満州軍官学校を卒業し、知日派としても知られた“伝説の韓国軍大将”白善燁(ペク・ソニョップ)氏が、7月10日に死去した。99歳だった。

昨年、元自衛隊陸将の福山隆氏は、文春オンラインに白氏との交流について寄稿していた。年齢や日付、肩書き等は掲載時のまま、同記事を再公開する。

◆ ◆ ◆

冷戦構造崩壊に伴い、私が防衛駐在官として勤務していた1990年~1993年までの間、韓国はソ連(ロシア)、次いで中国と国交を樹立した。

このような戦略環境の中で、韓国政府・国防部首脳の中には、従来のアメリカ一辺倒の安全保障戦略を見直し、「米国離れ」を模索し始める動きもあったが、白善燁(ペク・ソニョップ)大将はこのような動きには極めて批判的であった。

白善燁(ペク・ソニョップ)退役大将 ©文藝春秋


「福山さん、私のように米国と共に朝鮮戦争を戦い、その後も韓米安全保障関係の強化に尽力して来た者は、韓米安保関係が韓国の生存にとって何ものにも代え難い程重要であることを身に染みて理解している。

韓米安保関係は、国防のみならず、政治・経済などにとっても計り知れないほどヴァイタル(生命)である。朝鮮戦争をよく知らない世代になると、このことを良く理解出来ない者が増え、行く末が心配だ」

反米路線に進み始めた韓国
 
白大将の心配は的中した。その後、2003年には盧武鉉政権が誕生し、反米的な政策が浸透した。2017年に発足した文在寅政権が盧武鉉政権の流れを汲んでいることは、言うまでもない。


これは我々にとっても他人事ではない。

白大将が指摘された「韓米関係の重要性」を「日米関係の重要性」に置き換えれば、日本にとっても至言と言うべきであろう。

中国が台頭する中で、今こそ日米関係の重要性を再認識すべき時が来ている。

陸上自衛隊がもっともお世話になっている外国軍人
 
白大将は、韓国陸軍の最長老で、親米・知米派の重鎮と目される。

盧武鉉政権がアメリカから距離を置き始める中、2005年、ブッシュ政権はわざわざ在韓米軍司令官ラポート大将のエスコートで白大将をワシントンに招き、改めて最高の勲章を授与したという。

また、白大将は、韓米関係のみならず、反日感情の強い韓国にあって、日韓関係の重要性を誰よりも良く認識しておられる方である。

白大将には、御多忙の合間を縫って、陸上自衛隊幹部学校や富士学校などで活発に講演などをしていただいた。

また、自衛隊の各種学校の韓国研修の際は、朝鮮戦争の戦跡で、自らの戦争体験を淡々と語られ、戦場の実相と指揮・統率のあり方なども教育していただいた。

陸上自衛隊にとっては、もっともお世話になっている外国軍人と言っていいだろう。

私がソウルにいる時も、「福山さん、日本からお客様が来られているのでお食事でもしませんか」とたびたび御招きいただいた。

実際に行って見ると、久留米の幹部候補学校生や防衛大学校の学生達と、まるで可愛い孫達と語らうが如く和気藹々と会食をしておられた。

政権内で日韓関係の重要性を説き続けた
 
白大将の日韓関係強化への貢献は自衛隊関係だけに留まらない。

白大将は現役時代から「日本との国交樹立と友好関係の必要性」を主張してきたが、1961年に駐仏大使として赴任すると、日本の政治家や外交官との交流を深めた。

当時の韓国政府内部においては、依然として日本との国交回復に慎重なグループもいたが、白大将は日韓国交回復の重要性を熱心に説き続けた。同年に朴政権が誕生すると、これまで停滞していた日韓国交正常化交渉の再開に向け、陰で尽力された。

朴大統領は朝鮮戦争のある戦闘で白大将に助けられ、それ以降、白大将を「命の恩人」と慕い、白大将の助言には謙虚に耳を傾けたといわれる。

また、日韓交渉の韓国側の立役者であった金鍾泌氏は軍人時代、白大将の部下であった関係上、何かと白大将の助言を求めたと言われている。

白大将は、朴正煕・金鍾泌という韓国の2人の首脳との人間関係をベースに、日韓関係の重要性を説き続けた。

1965年に行われた英国チャーチル首相の国葬の際、白大将は駐仏韓国大使として日本大使とも協力しつつ、葬儀参列のため訪英した岸信介元総理と韓国の丁一権国務総理との、条約締結交渉に向けた予備交渉にも関わるなど、日韓国交正常化に裏方として尽力されたと聞いている。

「よど号」事件では人質救出のために……

白大将は、日本赤軍がハイジャックした「よど号」事件の時は交通部長官として、日本人人質の救出に尽力された。

当初、韓国側の事件対応方針は極めて強硬であったが、日本政府の「人質の人命尊重を第一に」という要望を承知すると、白大将は韓国政府内部を説得して強硬方針を転換させた。これまでの軍歴と高邁な人格をもって韓国軍・治安機関などを説得できるのは、白大将しかいなかった。

また、日本側対策本部の金浦空港における現地対応に当たっては、陰日向となって日本側に協力し、当時の金山政英駐韓大使と塚本勝一防衛駐在官をはじめとする多くの日本人現地対策員に対し、電話などの連絡手段や対策室の提供、移動手段(車など)の支援といった便宜を計らい、事件の迅速で円満な解決に尽力された。

韓国駐在は1993年までであったが、私は後任の駐在武官と協力し、白大将の叙勲を上申した。

外務省からも強力に推薦していただき、後に実現した。また、1998年には、当時の藤縄祐爾陸上幕僚長が訪韓の折、白大将に対して直接感謝の言葉を述べられたとも聞いている。


日韓関係は、目下、憎しみが憎しみを生む負のスパイラルにある。しかし、両国が相争っては、何の益も生まれない。私は現在の文在寅政権の対日政策には大いなる疑問を抱いているが、「大きな御恩を頂いた白大将の母国・韓国を憎むまい」といつも自戒しているつもりである。

日韓関係が一日も早く、負のスパイラルから抜け出すことを念じてやまない。

◆ ◆ ◆

福山隆氏も参加した「文藝春秋」2019年4月号の座談会、「『日韓断交』完全シミュレーション」では、元韓国大使の寺田輝介氏、韓国富士ゼロックス元会長の高杉暢也氏、同志社大学教授の浅羽祐樹氏、産経新聞ソウル駐在客員論説委員の黒田勝弘氏が登場し、現実的な「日韓のあり方」を詳細に検討している。






99歳で他界した韓国軍人と日本を繋ぐ物語

2020-10-02 16:20:30 | 日記
文在寅、慰安婦…「反日」ばかりじゃない。

99歳で他界した韓国軍人と日本を繋ぐ物語

7/12(日) 17:00配信

文春オンライン
 
満州軍官学校を卒業し、知日派としても知られた“伝説の韓国軍大将”白善燁(ペク・ソニョップ)氏が、7月10日に死去した。

99歳だった。昨年、元自衛隊陸将の福山隆氏は、文春オンラインに白氏との交流について寄稿していた。年齢や日付、肩書き等は掲載時のまま、同記事を再公開する。

2017年に文在寅政権が誕生後、現下の日韓関係は最悪の状態だ。

文喜相韓国国会議長の天皇謝罪発言、自衛隊機に対するレーダー照射事件、従軍慰安婦問題、徴用工問題、竹島問題など、韓国は反日に向かって暴走している感がある。

7月4日には日本が半導体原料の輸出制限を発動。事態は“日韓貿易戦争”にまで発展しつつある。

1990年から93年まで在韓国日本大使館で防衛駐在官を務め、日韓関係の重要性を深く理解していると自認する筆者でさえも、昨今の韓国政府の反日政策には強い憤りを感じる。

「韓国人の中にあれほど偉大な方がいる限り、大丈夫」

白善燁(ペク・ソニョップ)退役大将 ©文藝春秋

そんな時、私は自分の心をクールダウンする術として、ある偉大な韓国軍人を振り返ることにしている。

「韓国人の中にあれほど偉大な方がいる限り、日韓関係は大丈夫」と自分に言い聞かせるのだ。

その偉大な軍人とは、韓国陸軍の白善燁(ペク・ソニョップ)退役大将である。ちなみに、白大将は1920年11月のお生まれで、もうすぐ白寿(99歳)を迎えられる。白

大将が白寿をむかえることは滅多にない語呂合わせでもある。

日本語を流暢に喋り、日韓双方にとって両国関係が極めて重要であることを深く認識しておられる白大将は、現下の日韓関係を深く憂慮されていることだろう。

満州軍官学校を卒業した“西郷隆盛”
 
白善燁退役大将は、筆者の防衛駐在官勤務時代を通じ最もお世話になった方である。帰国後も御厚誼・御指導を賜っている。私が自衛隊を退官する際の小宴には、わざわざソウルから熊本にお出で頂いたほどだ。

第2次世界大戦を戦った帝国陸軍の将帥は「敗軍の将兵を語らず」で、あまり公の席で戦の話をされなかったからか、私は、旧日本軍の有名な将校から教えを頂く機会はほとんど無かった。

しかし、白大将は1941年に満州軍官学校を卒業されており、韓国人ではあるものの、まるで旧日本陸軍の将軍に接するかのような感じがした。

私にとっては国を守るという職業柄、今村均大将など旧日本陸軍の将帥に対する思慕のようなものを抱いていたが、彼らに代わって、しかも彼ら以上に客観的に、心をこめて御指導を頂いた白大将は、まるで父親のような気すらしている。

私だけではない。反日感情が残る韓国において、歴代の防衛駐在官が白大将のお世話になっている。いわば「力強い後援者・後見人」の役割を担って頂いている。

 
1920年生まれの白大将は朝鮮戦争の勃発時は29歳。その際は韓国陸軍第1師団長に任じられた。38度線の西翼にあたる開城の正面約90キロの防衛を担当していた。

 
朝鮮戦争を戦う中で、その作戦・指揮能力などが認められ、逐次累進して第1軍団長、休戦会談韓国代表、参謀総長などを歴任し、1953年1月には、韓国軍初の陸軍大将になった。
 
白大将は、村夫子然とした親しみやすい風貌で、肩書きに強くこだわる傾向が強い韓国人の中にあっては、例外的に極めて謙虚であり、相手の年齢・地位などに関わりなく、対等に、実に自然体で、気軽に対応され、どんな人でも懐に受け入れる器の大きさを実感できるお人柄であった。

明治維新の立役者の一人、坂本龍馬が、西郷隆盛の人物を評して「大きく打てば大きく鳴り、小さく叩けば小さく鳴る鐘の如し」と言ったというが、私は白大将に親しく接して見て、この西郷隆盛評がそのまま白大将の人物評にも当てはまるように思えてならなかった。

朴正煕と全斗煥のクーデターを間近で目撃
 
白大将は、常々シビリアンコントロールの重要性を強調された。

白大将は、旧日本軍の政治関与については、満州軍の少壮将校時代に雰囲気の一端を体感されたことだろう。

また、朝鮮戦争においては、マッカーサー元帥と接する機会もあったと思うが、マッカーサー元帥が朝鮮戦争指導においてトルーマン大統領と衝突し解任されるという事態を見聞され、これを教訓にされたのだと思われる。

さらには、韓国においても1961年の朴正煕少将による軍事クーデター、そして1979年の全斗煥少将による粛軍クーデターが続き、韓国の政治に対する軍の関与を間近で目撃された。

白大将は、歴史的にこのような軍の政治関与をつぶさに見られ、シビリアンコントロールの重要性を信念とされていたものと思う。だからこそ、韓国の歴代軍事政権とは一定の距離を置かれていたと承知している。

「戦場における指揮・統率の要諦は何ですか?」
 
白大将の指揮・統率能力は朝鮮戦争の実戦を通じ証明され、名将の誉れが高い。私は、この点に関して大将に質問をしたことがある。

「大将、戦場における指揮・統率の要諦は何ですか?」

白大将は、次のようにお答えになった。

「私は、朝鮮戦争の終始を通じ、マッカーサー元帥を始め第2次世界大戦で鍛えられたアメリカ陸・海軍の将軍、提督達の指揮統率をつぶさに見てきたが、共通した特徴は次の通りだった。即ち、彼らは、戦争の最中、最前線にも足を運ぶなどして、自らの耳目で部隊の現況をありのままに把握する努力をしていた。

ただし、彼らは前線視察をする時は、兵士を激励することはあっても、直接個別に戦闘指導するようなことはなかった。

前線を視察して、全軍に徹底する必要があると認めれば、文書により、全軍に布告するというやり方を採っていた。

私にとって、第2次世界大戦を戦い抜き、実戦で鍛えられたアメリカ軍将官達は最高の先生であり、彼らを範として作戦・指揮・統率を学ぶことが出来たのです」

大東亜戦争において、日本陸軍の将星達は、ともすれば現場の状況を無視し、或いは知らないままに教条的とも言える戦争指導を行う傾向があった。

白大将は日本の将星には一切言及されなかったが、かかる事実もご承知の上で、私に対し「正確な現況把握努力の重要性」を特に強調して教えて頂いたのだと理解している。

「地下鉄サリン事件」に活きた至言
 
さらに私はこうも訊ねたことがある。

「白大将、実戦体験の無い我々自衛隊が、有事に本当に戦うことが出来るものでしょうか?」

白大将はこう述べられた。

「朝鮮戦争において韓国陸軍の将兵は、ほとんど実戦体験が無く特別な教育訓練も受けていなかったにもかかわらず、逃亡することも無くじつによく戦ったものだ。陸上自衛隊は、創隊以来の努力の積み重ねで、編成装備はもとより教育訓練も朝鮮戦争当時の韓国陸軍とは比較にならないほど完成されている。


また、私が会った陸上自衛官は人物・能力共に優れた人達であった。実戦体験が無くとも、心配御無用。どうか自信を持ってください。

有事に備えるためには、ただ、それぞれの立場で、『日常やるべき事』を地道に黙々とやっておくことです」

白大将はこのように、温かく、励まされるように諭された。

私は、その後、東京市谷の第32普通科連隊長として「地下鉄サリン事件」に遭遇し、「サリン除染作戦」の指揮を執ることになったのだが、部下の隊員達はサリンの恐怖をものともせず、汚染された地下鉄駅構内に突入し、除染(サリンの中和・解毒)作業を完遂してくれた。

部下隊員たちのこのような活躍を見るにつけ、白大将のこのときの励ましの言葉が正しかったことを実感したものである。



戦略兵器になったスーパーコンピューター、日本は韓国の20倍の性能…「半導体集積度1000倍向上・コロナ新薬探し」

2020-10-02 11:07:55 | 日記
記事入力 : 2020/10/02 10:00

戦略兵器になったスーパーコンピューター、日本は韓国の20倍の性能…「半導体集積度1000倍向上・コロナ新薬探し」

KISTI導入「ヌリオン」、国内最高・世界17位の性能

日本が独自開発のスパコン「富岳」の20分の1の性能…1.5兆VS900億

スパコン規模、米中の1-3%…「今後兵器化見通し」

「エネルギー・新素材など産業競争力の核心」

戦略兵器になったスーパーコンピューター、日本は韓国の20倍の性能…「半導体集積度1000倍向上・コロナ新薬探し」


日本が独自開発のスパコン「富岳」の20分の1の性能…1.5兆VS900億

スパコン規模、米中の1-3%…「今後兵器化見通し」

「エネルギー・新素材など産業競争力の核心」

▲時代別の世界最高性能のスーパーコンピューター。今年6月現在では日本の「富岳」がトップ/KISTI提供
 
スーパーコンピューターが単純な研究実行ツールを超え、国家競争力を高めるために「戦略兵器」となった以上、予算支援の充実が必要だという現場の声が上がっている。

日本は韓国に比べ、国家保有のスーパーコンピューターの最高性能と予算投入規模がいずれも20倍以上上回っている。

韓国科学技術情報研究院(KISTI)によると、日本は1兆5000億ウォンの予算を投じ、現在世界最高性能を残るスーパーコンピューター「富岳」を独自開発した。

韓国は2018年に900億ウォン余りを投じ、独自開発ではなく、米国企業から導入した「ヌリオン」を保有している。

ヌリオンの演算性能は6月現在で世界17位だ。1位富岳と比べると、20分の1の水準に相当する。

KISTIは昨年、韓国の国内総生産(GDP)が日本の31.6%なのに対し、韓国のスーパーコンピューターの総性能、台数は日本の3.6%、10.3%にすぎないと指摘した。スーパーコンピューター関連の投資規模だけでなく、予算規模の対GDP比も相対的に低い。

米中もトップクラスの競争力を確保している。一国が動員できるスーパーコンピューティング性能は今年6月時点で米国が最もリードしている。

韓国は米国の3%にすぎない。中国は最多となる226台の国家スーパーコンピューターを保有している。3台を保有する韓国は中国の1.33%にすぎない。

KISTIのヨム・ミンソン・スーパーコンピューティング応用センター長は「現在多くの政府と企業がスーパーコンピューターを全世界の研究者に無償で提供しているが、今後は兵器化させることになる」と指摘し、「戦略兵器という観点で、韓国も先進国に匹敵するモデルを製作し、競争力を確保しなければならない」と述べた。

短期的には経済効果はないが、精密計算能力が日々向上するスーパーコンピューターは今後、単純な研究実行ツールではなく、安全保障・経済・国民の健康などに全体的に影響を与える国家競争力の重要ツールになると予測されている。

KISTIの崔曦允(チェ・ヒユン)院長も「2年前に稼働したヌリオンは多くの成果を上げたが、韓国が行くべき道のりは遠い。(社会の)不確実性が高まり、データに基づく問題解決が必要になっている。スーパーコンピューターの力量が国家的に重要になった」と述べた。

■メモリー集積度1000倍向上、素材・抗がん新治療法・高効率水素生産触媒など成果

ヌリオンは2018年12月から本格稼動し、これまでに延べ61億時間にわたり、163個の研究機関に所属する3037人の研究者が437万件の作業を行ってきた。1秒間に2京5700兆回の

演算が可能な25.7ペタフロップス(PF)の演算速度を誇る。18年に退役した4号機と比べると、演算を実行するコアの数が45倍に増えた。過去2年間に半導体・医療などさまざまな分野の研究開発(R&D)に寄与し、計275本の論文を生んだ。今年上半期からは新型コロナウイルス感染症関連の研究にも活用されている。

KISTIはこのほど、ソウル市内で記者懇談会を開き、こうした成果を説明した。

半導体分野ではメモリー集積度を現在より1000倍以上高めることができる新素材を探す研究に寄与した。蔚山科学技術院(UNIST)のイ・ジュンヒ教授による研究チームは、ヌリオンを活用し、「酸化ハフニウム」という分子を含む酸素原子に電圧を加えると、「原子間弾性」が消え、集積度を高めることができることを示し、今年7月に科学誌サイエンスに発表した。

医療分野では肝臓がん治療の新しい可能性を開いた。梨花女子大の崔善(チェ・ソン)教授とソウル大のイ・ジョンウォン教授による共同研究チームは、ヌリオンを使った分子モデリング研究で「TM4SF5」蛋白質と「アルギニン」の結合方式を特定した。

アルギニンは肝臓がん細胞の生存に必要な栄養分だ。研究チームはアルギニンとTM4SF5の結合を抑制することで、アルギニンが機能できなくなるようにする新治療法を発見し、昨年学術誌「セル・メタボリズム」に発表した。

新型コロナウイルスに関連しては、国内の製薬・バイオ企業が保有している既存の医薬品2万種類余りをヌリオンでスクリーニングし、これまでに50種類の医薬品に有効性がある可能性を発見した。

KISTIは韓国化学研究院、ソウル大と共同でこれら医薬品のコロナに対する効能と安全性を検証するための研究を進めている。検証を通過した薬品は本格的な医薬品再創出研究に入る予定だ。

今年6月には米国政府とIBMが主導する新型コロナウイルス研究の国際コンソーシアムに42番目で参加、富岳など全世界のスーパーコンピューターと共にコロナウイルスの構造と特性の究明、治療剤とワクチンの開発、確定患者の診断と追跡などの研究を進めている。

KISTIはこうした国内外の研究内容は社会的にデリケートであり、研究状況や中間成果はまだ公表できないという立場だ。

エネルギー分野では水素燃料の生産効率を現在より17倍高めることができる新しい触媒開発研究に活用された。

UNISTのキム・グァンス教授による研究チームは、白金触媒をばらばらの原子水準で分散して効率を上げる方法を開発。ヌリオンを活用した「密度汎関数理論(DFT)シミュレーション」を通じ、新たな触媒の構造を把握。

水素生産に必要な白金触媒の表面積を最大限広くする構造とその効果を究明した。研究成果は今年4月、学術誌「アドバンスド・ファンクショナル・マテリアルズ」に掲載された。

ヨム・センター長は「予算拡充、後続モデルの自主開発など国家のスーパーコンピュータ競争力を高めるための方策を科学技術情報通信部と話し合っている」と述べた。

KISTIはヌリオンの後続となるスーパーコンピューター6号機の開発に向けた準備作業を進めている。本格的な推進計画は今後関係官庁の協議と予算編成で決まる。


ヌリオンのように外国製品を導入するのか、自主開発を行うのかも協議を通じて決まる予定だ。

〈独自〉日独外相が急遽電話会談へ 中国との経済関係重視から転換 慰安婦像の撤去も求める

2020-10-02 11:00:40 | 日記
〈独自〉日独外相が急遽電話会談へ 中国との経済関係重視から転換 慰安婦像の撤去も求める

2020.10.1 22:42|政治|政策

フランスを訪問中の茂木敏充外相が、ドイツのマース外相と1日午後(日本時間2日未明)にテレビ電話で会談することが分かった。ドイツ側の要請で急遽決まった。

ドイツは最近、中国との経済的関係を重視してきた従来のアジア外交を転換しており、両氏は覇権主義を強める中国をにらみ、日本が主導する「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け連携を確認する。

茂木氏はドイツ国内に設置された慰安婦像の撤去も求める。

茂木氏は9月末からフランスなど欧州を訪問している。

ドイツも訪れる予定だったが、マース氏が新型コロナウイルス感染者と接触した可能性が出たため取りやめた。

テレビ電話での会談は、滞在先のフランスとドイツをつなぐ異例の対応となる。

ドイツは9月初旬、インド太平洋地域に関する初の外交政策の指針を閣議決定した。

同地域への関与を優先事項と位置づけ、「法の支配」や「航行の自由」の重要性を訴えた。

対中政策の転換点となるもので、外務省幹部は「日本のインド太平洋構想と共通点も多く、画期的だ」と評価する。

日本側は英国やフランスに続き、ドイツでもインド太平洋構想への理解が深まれば「欧州全体の世論」(外務省幹部)に発展すると期待を寄せる。

マース氏もドイツの指針を欧州連合(EU)に拡大していく意欲を示している。

実現すれば中国への強力な対抗軸となるだけに、茂木氏はドイツとの関係を深め、安全保障や経済分野での協力を具体化していく方針だ。

一方、茂木氏はテレビ電話会談で、ドイツの首都ベルリンの中心部に慰安婦像が設置されたことも提起する。日本の立場と相いれないとして、撤去に向けた協力を求める。

新型コロナ対策への協力も確認する。