独占直撃!国民民主・山尾志桜里氏、国会議員引退を語る 「令和の自由民権運動をやりたい」「世代交代待たず外から永田町変えたい」
国民民主党の山尾志桜里衆院議員は次期衆院選には出馬せず、任期限りで国会を去る。検事出身の論客として注目される一方、メディアの厳しい批判も受けた計約10年間の議員生活だった。夕刊フジの単独インタビューに応じ、これから何を実現したいか、「保守中道」の現実主義路線を掲げてきた国民民主党への思いなどを語った。
「憲法改正や安全保障政策といった国の土台となるテーマを、きちんと論じられる女性議員でありたいと思い、ここまでやってきました」
山尾氏はまず語った。
国民民主党の憲法調査会長として、積極的に憲法改正論議でも発言し、中身の議論に踏み込もうとしない左派野党との違いを際立たせた。
「世代交代が来るのを待つ受け身の議員もいますが、私はこのまま議員で居続けるのではなく、『外から永田町の空気を変えたい』と思いました。安全保障政策も含め、自由に議論しあえるプラットフォームをつくり、改憲を目指す。そんな『令和の自由民権運動』をやりたい」
国民民主党は、外交・安全保障政策でも左派野党とは一線を画すが、最近、山尾氏が疑問を感じることがあった。
同党の玉木雄一郎代表は7月、支持団体の連合と結んだ政策協定内の「左右の全体主義を排し、健全な民主主義を推進する」との文言について、「共産主義、共産党のことだ」と発言した。
これに共産党は猛反発し、志位和夫委員長は撤回を求めた。
すると、玉木氏は今月18日、「(ソ連共産党など)歴史的にあった共産党と(日本共産党を)同一視したのは改める」と釈明した。次期衆院選に向けて「共産党との選挙協力」を意識したように受け取られた。
山尾氏は「選挙協力のために独自色が薄まって、結局、国民民主党がどういう政党なのか国民に伝わらないまま選挙を迎えたら本末転倒です」と指摘し、続けた。
「国民民主党は、党綱領に『日米安保廃棄』や『自衛隊の解消』を掲げる共産党とは、国家のあり方をめぐる哲学が根本的に違います。しかし、それが国民には見えていない。左右両勢力から『あいまいだ』と批判をされるのを封じるためにも、党としての独自の路線を毅然(きぜん)と掲げ続けるべきです。そうした覚悟ある姿勢こそ、国民にも評価されるはずです」
最後に、コロナ禍の現在、「政治に求められるリーダー像」を聞くと、こう答えた。
「予測不可能なことが次々と起きる今、難しい決断を下しながらも方針転換を恐れない。そして、その時々で、国民に力強く自分の言葉で説明できる。そんなリーダーが、与野党ともに求められていると思います」 (報道部・村上智博)