韓国の保守メディアが指摘する、東京五輪の本当の敗北者は誰か
8月13日(金)10時0分 JBpress
(羽田 真代:在韓ビジネスライター)
朝鮮日報が8月11日に「東京オリンピックの本当の敗北者」というコラムを掲載した。興味深い内容であったため、少し長いが先にご紹介したい。
ソン・ウジョン論説委員によって書かれたこのコラムには、韓国側の問題点と、本当の敗北者が誰なのかを裏付ける説明が綴られている。彼が問題視した点は大きく下記の3つである。
(1)文在寅(ムン・ジェイン)大統領の訪日断念
「彼はなぜ訪日したかったのか」という問いに対して、以下のように整理している。
・文在寅大統領の訪日を支持する韓国世論はなく、むしろ反対意見の方が強かった。日本からのオファーもなかった。
・北朝鮮は3カ月前に五輪への不参加を表明、韓国が提案した南北平和イベントが霧散していた。南北関係改善の頼みの綱である米バイデン大統領も出席しない。
・訪日の対価として日本の輸出制限の解除を求めるも、一向に対策を講じない韓国に日本が制限を解くはずがない。
その結果、大統領府は五輪開幕4日前に訪日を断念すると発表した。五輪の政治利用は可能だが、一線を越えてはならない。文在寅大統領の失策を尻ぬぐいするために大統領府はその一線を越えた。
(2)大韓体育会が選手村の外壁に李舜臣(イ・スンシン)将軍の言葉を文字った横断幕を掲出
この件では、国際オリンピック委員会(IOC)が警告、横断幕を撤去することになった。「なぜ大韓体育会は横断幕を掲出したのか」という点についても整理している。
・平昌冬季五輪で、韓国のアイスホッケー選手が李舜臣の銅像を描いたヘルメットを着用。IOCから警告を受け、絵を消した過去がある。横断幕を掲出することにより、IOCから指摘を受けることは十分に予測できていた。
・横断幕の2枚目「虎が降りてくる」には右側(東側)に花びらと葉をわざと付け加えている。1枚目に指摘が入ることを事前に予測し、補筆までした2枚目を準備していた。
大韓体育会は2枚目に描かれていた花びらと葉を“独島”と公言しなかったため撤去を免れた。だが、真実を公言する度胸がないのであれば、横断幕を掲出すべきでなかった。
五輪後、続々と選手肯定報道は出るのはなぜか?
(3)日本が五輪のホームページに竹島と表記した際、真っ先にボイコットを主張したのに実行せず
日本に対して「悪い奴らだ」「あいつら」と言っていた人々は、五輪で活躍することになる選手の存在すら知らなかったはず。だが、五輪が終わると、すぐに「誇らしい韓国選手たちの奮闘が輝いた大会として記録される」「MZ世代(1990年代半ばから2000年代初頭に生まれた世代)が価値を見出してくれた」とメディアは報道した。
文在寅大統領も「メダルの色は重要ではない。試合そのものを楽しんだ若い選手たちが多く、新記録まで樹立してくれた」と選手らを称えている。
加えて、韓国メディアは相手国をさげすみ、自国選手に対する批判を封じ込めるかのように、選手を肯定する報道を始めた。
陸上高跳び:メダル獲得よりも挑戦したことに意義がある。カタールのチャンピオンは金と銀の狭間で期待や欲望、緊張と不安で顔が歪んでいた。韓国選手は笑っていたが、笑っている方が良かった。
野球:(3位決定戦で選手がガムを噛んでいたという批判に対して)選手はただガムを噛んでいただけではない。期待にがっくりと肩を落とした絶望の姿があった。それが韓国野球チームを象徴する。
バレー:韓国に負けてコートに座り込み泣き崩れるトルコ選手らの姿があった。
このような政府やメディアらの手のひら返しはいかがなものか。五輪に出場する選手は、幼い頃から熾烈な戦いを勝ち抜いてきた選手ばかり。メダルがすべてではないだとか、MZ世代がどうだとか、ボイコットを謳った政治家たちに選手を評価する資格はない。他国選手に対しても同様だ。
ここまでが、ソン・ウジョン論説委員の主張である。
ソン・ウジョン論説委員は「韓国は45年振りの成績不振だった。人口460万人のニュージーランドや経済規模61位のキューバにも負けた。韓国スポーツを汚した政治家と精神病者にかかったスポーツ関係者が本当の敗北者だ。こんな人間が『メダルは重要でない』と選手の肩を叩き、なだめているが、これは選手をなだめることによって『よくやった』と自分自身に言い聞かせているだけだ。また、選手に向かって『文在寅大統領に感謝せよ』と要求していることでもある」と言及している。
大統領への感謝の言葉を選手に強要したスポーツ関係者
実際、8月9日に行われた女子バレーボール代表の帰国記者会見の場で、柳愛子(ユ・エジャ)競技監督官(韓国バレーボール連盟競技運営委員)が金軟景(キム・ヨンギョン)選手に対して、文在寅大統領に対する感謝の言葉を繰り返し強要したことが現在問題視されている。
韓国を牽引する政治家、大韓体育会、それにまつわる関係者には従北精神を持った者が多く、彼らが韓国という国を民主主義から乖離した世界へと導いていることは事実だ。
ソン・ウジョン論説委員のコラムを読んだ読者からは、「韓国スポーツを汚染させた政治家と自称スポーツ関係者を次の世代のために一掃しなければならない」「反日と反米の下に生きる主体思想派のせいで五輪の成績は散々だった。国の経済も駄目になった」というコメントが寄せられていた。
朝鮮日報は韓国では最も歴史が長く、発行部数も最大の新聞社である。保守的なことから現左派政権には辛口だが、このコラムでソン・ウジョン論説委員が指摘した3点は、誠に的を射た指摘だ。
韓国政府、大韓体育会、そして韓国メディアは軸が通っておらず、これら組織を模範とする韓国民ももちろん軸が通っていない。
日韓戦前には韓国企業をはじめとする在韓企業が挙ってキャンペーンを打ち出し、韓国の勝利を祈った。バレーボールや野球の日韓戦が後押しし、あるチキン会社では前年対比25%もの売り上げを記録したという。
しかし、国民の応援も虚しく、韓国は成績不振のまま東京五輪の幕を閉じ、2012年ロンドン五輪で“格下”であった日本にはリオ五輪に引き続き2大会連続で敗北した。おまけに日本は史上最多のメダル数まで記録している。
これは韓国人の感情を落胆から怒りへと変化させた。怒りの矛先は韓国の上をゆく日本、五輪開催国である日本へと向かい、最後の最後まで日本に対し難癖をつけるに至る。
政治家、スポーツ関係者に並ぶもう一つの敗者
五輪閉幕式に韓国選手団は選手4人、役員30人の計34人が参加していたのだが、韓国の選手らが登場する時になると、中継が航空画面に転換されたと主張している。また、各国の選手たちが一体となり踊っている時も、韓国の選手らを日本は意図的に映さなかったと主張した。
これら日本の“陰謀説”を信じた韓国人らからは「日本の奴ら、毛虫より酷い」「日本にこれ以上地震が起きなければ良いと思っていた気持ちが完全に変わった!もう日本の奴らと共存しようとしてはいけない」「みみっちくて偏狭な日本を忘れないでおこう」といったコメントが寄せられている。
ソン・ウジョン論説委員は東京五輪の本当の敗北者に「政治家」と「スポーツ関係者」を挙げたが、筆者はこれに物事の本質を見抜けない「韓国民」を付け加えたい。
人の振り見て我が振り直せとはよく言うが、“仮に”日本がみみっちくて偏狭な人間が集まった国であるならば、韓国は良き反面教師が隣にいるのだから世界に向け模範となる振る舞いをすればいいだけの話だ。それを国家一丸となって横断幕を掲出・賛同したり、ボイコットを謳ったりしていれば、IOCから見放されるのも無理はない。
半年後に控えた北京冬季五輪、そして3年後のパリ夏季五輪で韓国はどのように振る舞うだろうか。今年7月、悲願であった先進国に仲間入りしたのだから、3年後にはさぞかし立派な振る舞いをお見せいただけることだろう。
筆者:羽田 真代
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