勝又壽良のワールドビュー
内実は、無害であることを知っていたために、政府の研究予算は朴政権時の18%にまで削減していたのだ。この落差には驚くほかない。ここまで二枚舌を使って、反日を煽り政治利用しているのである。
『朝鮮日報』(9月7日付)は、「日本の汚染水放出に『強い遺憾』なのに、研究予算は前政権の5分の1」と題する記事を掲載した。
現政権は数年間にわたり、日本による「福島原発汚染水」の海洋放出に深刻な憂慮を表明し、強力に対応する方針を示してきたが、海洋水の放射能汚染に関する研究予算は前政権の18%水準と大幅に削減していたことが確認された。
(1)「9月7日、野党「国民の力」のソ・イルジュン議員室が韓国海洋水産部(省に相当)傘下の韓国海洋科学技術院から入手した資料によると、現政権になってからの5年間(2018~22年)で、「海洋放射能汚染研究」の予算は約3億8000万ウォン(約3600万円)だった。これは朴槿恵(パク・クンヘ)政権(2013~17年)時代の20億8000万ウォン(約1億9700万円)の18%水準だ」
日本外務省は、福島原発処理水について外交団に100回もの説明会を開いてきた。
韓国側は、これに納得していたから、文政権も「海洋放射能汚染研究」予算を前政権に比べて18%にまで減少させていた。
無害を知っていたから、研究予算を削減したもの。
(2)「このような研究予算の削減は、韓国政府の強い態度とは相反するものだ。韓国政府は19年から福島原発の汚染水処理問題に関して日本政府に憂慮を表明し、強力な対応を叫んできた。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領も今年4月、日本政府が福島原発の汚染水放出を決めたことに関連し、相星孝一駐韓日本大使を呼び出して憂慮を伝えるとともに、国際海洋法裁判所に放出差し止めを求める暫定措置(仮処分)を要請する案を検討するよう(事務方に)指示していた」
文政権は、悪質である。福島原発処理水が無害であることを知りながら、ソウルの日本大使を呼び出して抗議するという「演技」をしてきたのだ。
とんだ役者であり「食わせ者」である。これでは、日韓関係の信頼感など生まれるはずがない。
(3)「ソ議員室によるとまた、韓国政府は日本が汚染水放出を決めた今年4月以降になってようやく、原発汚染水放出の韓国領海への影響を予測するシミュレーション構築予算を1億3000万ウォン(約1230万円)増額したことも分かった。
18年から昨年までの3年間で、この予算は年4000万ウォン(378万円)ほどだったが、今年からその3倍以上の1億3000万ウォンに跳ね上がったのだ」
日本は、2年後の秋から福島原発処理水の放出を始めると発表した。
韓国も、これに合せて海洋水の調査始める予算を付けた。それでも、約1230万円に過ぎない。
(4)「一部では、日本政府が原発汚染水の放出の可能性に言及し始めたのが18年10月ごろだったことを考えると、現政権が原発汚染水放出のシミュレーション研究にも消極的だったのではないかとの批判が上がっている。
ソ・イルジュン議員は、「文大統領は、世界最高水準の大韓民国の原発については過度に恐怖をあおって国内政治に利用しながら、国民の安全のための海洋放射能汚染研究についてはないがしろにした」として
「今からでも政府は、国民の不安を払拭(ふっしょく)するために、海の放射能汚染に関する充実した研究が行われるよう努力すべきだ」と指摘した」
文政権は、国内原発は危険と煽るために福島原発を悪者扱いしてきた。福島を利用したに過ぎないのだ。科学的な良心の一欠片もない「悪魔的行為」と言える。
『中央日報』(8月26日付)は、「日本の汚染水放出計画の発表に…韓国政府『深刻な懸念を表明』」と題する記事を掲載した。
韓国政府が東京電力の福島原発汚染水の放出計画案に対して「深刻な懸念を表明する」と明らかにした。25日、東京電力は汚染水を原発から1キロメートル離れた海の中に放流するなどの内容を盛り込んだ実施計画を発表した。
(5)「政府はこの日午後、緊急会議を招集して東京電力の発表に対する政府次元の対応策を議論した。ク・ユンチョル国務調整室長は「最隣接国であるわが国の政府といかなる事前協議と了承もなく一方的に推進されていることに対して、もう一度深い遺憾を表わす」と明らかにした。
この日、日本のメディアによると、東京電力は福島原発から約1キロメートル離れた海の中までパイして設置して放射性物質が含まれた汚染水を排出するという方針を決めた。計画通りであれば、2年後である2023年から放流を始めるものとみられる」
下線部分は、白々しいことを言っていることが分かる。事前に無害であることを熟知知りながら、日本の責任を追及する。ウソで固めた韓国政府である。