ICUROK!!

/^o^\/^o^\/^o^\/^o^\

ぱんつのあほ

2017年12月29日 16時21分02秒 | 映画
2017年の私的映画10選など。何事も義務感を感じ始めると辛いものだが、年に1度くらい駄文を取り纏めるくらいのことをしないとオツムの経年劣化が止まらないので……。

『ガールズ&パンツァー最終章(第1話)』
のっけからこれは映画扱いで良いのか……?というのはお許し願いたい。すべての発端はVODサービスにどっぷり漬かってしまった寂しい田舎暮らしから。「どぉれ、この際全話無料だから観てみんべ……」などと超絶今更ながら軽い気持ちで戦車道に手を染めてしまったが最後。気づけば「女子高生になりたい」などとうわ言を言うようになり、毎日毎日戦車道のことで頭がいっぱいで仕事も手に付かない有様(元々やる気ない説はさておき)。
何が良いって、とにかく清清しくて、爽快で、痛快で、卑屈な奴なんか誰一人いなくて、辛い日々を忘れさせてくれるんすわ。出てくる子は一人一人生き生きと個性豊かでとても可愛くてね、こんな生活していたら駄目だ!一刻も早く快活な女子高生にならないと!ってなるんですよ。もう、何を言っているのかわからないけど、そういうことなんですよ。やたらリアルで迫力満点な轟音を響かせる戦車に、楽しいキャラクター達に、そして野暮な突っ込みなどハネ返すあの堂々とした世界観に魅せられてどっぷりハッセル17式の履帯が漬かってしまい、そのままあれよあれよという間に最終章が公開されてという、今おもえば完璧な流れが出来上がっていたのですね。
さて、肝心の最終章の幕開けは桃ちゃんがもはや虚勢を張りもせず完全にポンコツになってるところで先ず以って心鷲掴み。そして大洗のヨハネスブルグに菱形戦車登場という熱い展開。新キャラはね、とりあえずムラカミにマウント取られたいですよあたしゃあ。などとここまでつらつら書き続けて終わりが見えなくなってきてしまったので、とりあえず、来世は爽やかな女子高生になれるよう、徳を積んでいきたいとおもいます。

『イップ・マン 継承』
ドニーさんの葉問シリーズ三作目にして、個人的に最高傑作かと。今回ウーピン先生印のアクションは言わずもがな最高レベルのクオリティで、夜襲された学校での戦い、エレベーターでのムエタイ対決が個人的に大好き。んで、なんといっても最後のドニーさんVSマックス・チャンとの詠春拳VS詠春拳の激しくも美しい一進一退の攻防戦に尽きる。最後は素手で互いの技をぶつけ合う中で見せるチーサオみたいな組み手の動きは脳汁吹き出るかとおもった。劇場出て家帰ったらずっと詠春拳の構えしてたよね。もう万年ボンクラ魂。
今回はアクションは勿論だけれど、夫婦愛をベースにした話も良くってね。ガンになった奥さんを想い、自分の力ではどうにもならない辛さや、夫として、武術家としての様々な葛藤をぶつけながら叩く木人の音が泣いているという。あそこは本当に名場面で、背中で演技するドニーさんにこっちも泣けてきてしまう。
その他、細かいところだと成長した青年李小龍がダンスが得意なところ見せてくれるとこなんかニンマリしちゃうよね。マイク・タイソンとのタイマンも思いの外良くできてて全編見所満載だった。今後は続編のほかマックス・チャンが演じた張天志のスピンオフも計画されているようで大変楽しみでありますね。

『キングコング:髑髏島の巨神』
怪獣映画のアイコンの一つとなってから散々リメイクやら二次創作やらでいじくり回されてきたキングコングをどう料理するのかというのがまず最初に重要なわけだが、余計な説明は省略し、初っ端から出し惜しみせずドーン!と登場させてきた時点で勝負あった。旧作を今更焼直しする必要はないわけで、みんなキングコング観に来たんだよね!オラ、召し上がりやがれ!ってな具合で完全に割り切って独自の世界観で推し進めたのは正解。爆音で流れるパラノイドとヘリのローター音のコラボレーションでテンション爆上げにしておいて闘いのゴングを鳴らす憎い演出に全編キメ画尽くしの大怪獣プロレス。巨大タコの足を引きちぎって今宵の酒の肴にとお持ち帰りするキングコング先輩の漢の背中に惚れ惚れ。あと、最後のスカルクローラーとのバトルで鎖に巻きつけた船のスクリューを空飛ぶギロチンの如くブン回すコング先輩本当に大好きです。そして、マザファッカ大佐は本当に相変わらず最高のマザファ……!!

『ザ・コンサルタント』
ただの会計士とおもっていた相手が会計処理以外もプロフェッショナルスキル逞しい必殺会計士だった。というわけで、ナメてた相手が実はとんでもない奴でしたシリーズに新たな風を吹き込んでくれたベンアフ版イコライザーとでも呼ぶべき作品。ベンアフ演じる必殺会計士が自閉症持ちという設定で、実は社会との関わりや個性を活かした共存など深いテーマ性を持っているのもこの作品の魅力かとおもう。シラットとコンバットシューティングのコラボレーションで容赦なく目前の敵を制圧していき、最後はまさかの兄弟愛炸裂なぶっ飛び展開でオイオイまじかよと爆笑してしまったが、アレは凄く好きなオチです。ここでこの映画の好みが完全に分かれそうよね。
新たな展開を予見させるラストだったので是非とも今作のメンバーを揃えて必殺会計士っぷりを更に全開にした続編をお願いしたいところ。

『ドラゴン×マッハ!』
トニー・ジャー、ウー・ジン、そして獄長マックス・チャンとの夢の対決。これ2015年の作品なんだよなあ…って、葉問3も同じ年の公開なのよね……。まあ、いずれも劇場公開されてソフトもちゃんと出たので良しとしましょうよということで。こっちは何故か変テコな邦題だけど。
もうアクションは質とレベルがケタ違いだよね。葉問より先に公開されたこともあり獄長ことマックス・チャンの魅力にやられたのが本作でして、結構同じような人多いんじゃあなかろうか。髪をきっちりセットしてパリッとしたスーツ姿でトニー・ジャー&ウー・ジンの猛攻を捌く姿に惚れないわけないじゃないの。その他、空港の窓から飛び降りるスタントしれっとやってるの凄いし、刑務所大暴動の長回しの完成度は高いし、前作SPLを彷彿させる特殊警棒、ナイフの絡むバトルを入れてくれたのも嬉しい。今回は救いのある話なのも良いし、エンディングの殺破狼の歌がクソかっこよすぎンよー。

『ヘッド・ショット』
所属組織の仲間に頭を撃たれたシラット使いの必殺処刑人イコ・ウワイスが意識を取り戻すも記憶喪失のまま再びかつての仲間たちに狙われるというどこかで観たようなストーリーはさておき、こちらもハイレベルのアクションで痺れさせてくれた。アクションは引きの長回しでじっくりと見せるという基本を忠実に、役者と一緒にバスの窓をカメラごと突き破って落ちるというちょっと尋常じゃない制作陣の仕事っぷりには脱帽。個人的に一番好きだったのは警察署での闘い。机越しに無駄丸撃ちまくって反撃にあうダイ・ハードオチにもニンマリ。それにしても流石はインドネシア映画といったところか、人の命が軽い軽い。残酷描写も一味違うよね。

『レゴバットマン ザ・ムービー』
合言葉はアイアンマンのバーカ!ベンアフの涙目重量級いぶし銀バットマンより断然こちらに軍配。ヒーロー物として避けられないヒーローVSヴィランの関係の普遍性にスポットを当てつつも、何だかんだそこまで難しく考えずとも楽しめるコメディタッチでノリと勢い重視のバットマン映画。はて、ノリと勢い…どこかで聞いたような……。
さておき、ブロックに指紋やキズ、ホコリも付着させちゃうレゴムービー制作陣様々の細かいこだわりの作り込みは今回もバッチリ。個人的には今回も水の表現はブロックをベースに構築してほしかったところもあるけどね。まあ、いずれにせよ、この後に公開されたニンジャゴーといいレゴ映画はどれも完成度が高くハズレ無しなので、今後どんな作品を見せていただけるのか非常に楽しみでありんすな。

『新感染 ファイナル・エクスプレス』
高速鉄道にゾンビだからとこの邦題。しかし蓋を開けてみれば王道展開を散りばめた傑作ゾンビ映画だった。近年のトレンドのやたら速くて雪崩のように押し寄せるゾンビも取り入れつつゾンビがゾンビに連結して電車ごっこする様は思わず爆笑してしまった。ゾンビ相手に素手で突破する豪腕親父が素敵。あとは終局の物哀しさに連なる美しさに尽きる。
なお、同じく韓国映画でゾンビも登場する呪詛と御祓いサンバに地獄の國村準が舞い降りるコクソンも完成度高かったが、中々にトラウマが過ぎるので今回の10選からは外してしまった……。

『エル』
触手系ゲームを開発する会社の女社長が突如自宅でレイプされ…って、この時点でもうおかしいのだが、我らがヴァーホベン御大久々の新作というだけで嬉しい。レイプ被害からのただの復讐譚では済むはずも無く、どうかしている人間たちが繰り広げるどうかしている展開のオンパレードでヴァーホーベン節も健在。女社長役のイザベル氏は還暦過ぎとはおもえぬ凄まじい色気を見せつけ、オナニーに足コキまで攻めの演技で、これは恐らく御大仕込みの相当の指導があったとおもわれるので是非メイキングか音声解説を所望したいところ。
ヴァーホーベン御大はそろそろ傘寿だけど、まだまだ人がたくさん死ぬ映画やってほしい。ふとスター・ウォーズep9監督して全員殺して欲しいとおもったけど、それって殆どスターシップ・トゥルーパーズだわな……。

『ゲット・アウト』
黒人青年がガールフレンドの白人家庭に挨拶に伺うも、家では不気味に引きつった顔を浮かべる黒人が働き、白人だらけの異様な雰囲気のホームパーティーに招かれる。この集落は何かがおかしいぞ。ってなわけで、レイシズムを根底に置き、スリラー、シニカルなブラックユーモアを織り交ぜつつ最後に畳み掛けるキチガイ展開はおもわず笑ってしまった。引きつった笑顔を見せる家政婦と真夜中に無表情で走るおっさんの異様さがツボ。あとは運輸保安庁TSAの友人が最高。音信不通となった主人公助けるべく名推理「性の奴隷」を繰り広げ、最後は絶妙なタイミングでの登場ですべてを掻っ攫っていく名キャラクター。劇場を出た後におもわずTSAコールしたくなってしまった。TSA!TSA!

さてさて、今回もオマケに女優&男優賞とその他諸々の発表です。例により10選に入れられなかった作品からもいきますわよ。
まずは女優賞から。『ジョン・ウィック チャプター2』では艶かしい手つきの手話を披露し、俺が代わりに酒を奢ってやりたくなる殺し屋ナンバー1を演じ、『トリプルX再起動』では“クリ勃起”という衝撃的な二つ名で大活躍だったルビー・ローズに決定。
お次の男優賞は、漢の背中とはかくありたいものよということでキングコング先輩に決定しました。副賞は巨大ダコの酢漬けです。
それから、番外編。銃撃戦大賞は細巻き葉巻を咥えるJ・K・シモンズが激シブだった『パトリオット・デイ』に。続いて、泣ける映画部門最優秀作品賞はオールタイムベストから外せない人生の大切な一本『ターミネーター2 3D』。そして、今年のベスト・オブ・獄長ニストはマックス・チャンに決定。最後に、ジジイいつまでも元気でいてくれ!大賞はリドリー・スコット御大とポール・ヴァーホーベン御大の二人に差し上げたいとおもいます。皆さん、おめでとうございます!

これで以上となるわけでありますが、なんというかTwitterのほうでもちょくちょくボヤいていましたが、今年は大作系映画が殆ど期待値を超えないという有様で個人的には大不作の一年でありました。まあ、私事で大変恐縮ではあるのだけれども、4月より流刑地での新しい労働生活となり精神的にかなりキていたのも今一つ劇場でノリ切れなかった要因になっていたのかなとはおもいます。
とはいえ、今年はアジア映画の当たり年かなとおもうくらい、上述以外にもアジア圏の良作がいっぱい出てくれたのは嬉しい限り。来年は更に楽しい作品を期待するのは勿論のこと、己の精神状態も整えていかねばなりますまいて……。

それでは、わたくしこれより戦車道の再履修に入りますゆえ。皆様、良い年をお迎えください。