ロシアと中国は、似ていますね。しかし、似てはいるけれども、両者の間には深い溝があります。
当ブログでのロシア関連は
ロシアの醜聞20 自由とは?〔2016年03月29日〕
以来で、2ヶ月ぶり。
いつもながら不可解な行動をとるロシアですが、これは中国共産党とまったく同じで、何回も指摘した通り
ロシア・中国・北朝鮮
の関係は決して好ましいとまでは言えませんが、共通した何かがありそうです。
そうです、ロシア・中国・北朝鮮には、共産主義というよしみがあったのでした(笑)。
これがわかれば「突然何かをする」という理由がわかってきますね。もともと「共産主義が秘密主義」だったことを思い出せば、「なぜわかりにくい」のか、その理由が「よくわかった」とも言えます(笑)。
「ソ連が崩壊してロシアが共産主義国ではなくなった」は、あまりにも現実を無視した見方。ソ連が崩壊したのは事実ですが、冷戦構造はけっして崩壊してはいないようです。
そう思えば、「よくわかるはず」の国が多いのに、「わからないことが多すぎる」世の中ですから、ロシア・中国・北朝鮮のほうが「よくわかる」と言えるのでしょうか(笑)。
スウェーデン核攻撃を想定、ロシアが軍事演習
ロシア空軍はスウェーデンへの核攻撃を想定して軍事演習を行っている――。先週NATO(北大西洋条約機構)が発表した年次報告書で明らかになった。
2013年3月にロシアがスウェーデンのストックホルム群島の東端で実施した軍事演習は、各メディアが強い関心を示した。スウェーデンのメディア報道の中には、演習内容がスウェーデンへの空襲を想定している、という憶測も見られた。・・・・
ロシアの北欧地域への攻撃性は、冷戦終結以降で最高レベルに達している。:Newsweek日本語版 2016年2月5日
古くさかのぼれば、そのきっかけが何だったかはわかりませんが、スウェーデンとロシアには戦争の歴史が何回かあったようです。それにしても、今の時代、突然ロシアが、スウェーデン国境近くにまで戦闘機を飛ばせ、しばしば国境侵犯しているのは、いつものことながら緊張感をもたらすできごとです。
このことはシリアのトルコ国境付近でロシア機がトルコに「国境侵犯」を理由として撃墜されたのを思い出させ、また自らしばしば国境侵犯する国だからこそソ連時代の1983年には国境を侵犯した大韓航空機を撃墜したのでしょう。
このように周辺国をいつも刺激し続けるのが、ロシア・中国・北朝鮮。
本人はその不法さを、自覚していない、或いは当然の権利と思っていて、おそロシア〔恐ろしや〕とはこのことを言っているのでした。
この不法さについては、しばしば東シナ海で周辺国を刺激し続けている中国や、韓国国境付近でイチャモンをつける北朝鮮など、無数の例を挙げることができます。
世界の多くの国が
「ウクライナ領クリミア半島を武力併合した」ロシアを経済制裁している昨今、日本が北方領土返還のためかロシアに接近していることを欧米が警戒しているらしい。それほど危険視されているロシアでしたが、あのトランプが共和党の大統領候補になりそうなのとどちらが危険なのでしょうね(笑)。
ロシアとスウェーデン、高まる戦争の危機
これに対し、スウェーデン政府は、NATO非加盟国であるにも関わらず、NATOに戦闘機の派遣を要請、NATO加盟のデンマーク空軍の戦闘機2機が、ロシアの演習に対応して現場空域に急行した。・・・・
また、2014年10月にロシアの潜水艦がストックホルム群島近くのスウェーデンの領海に侵入した目的もスウェーデンがNATOに加盟するのを防ぐためだという見方もある。
実際、ロシアに対してNATOは包囲網を築こうとしている。・・・・
また、スウェーデン軍参謀本部長は、「ここ数年のうちにスウェーデンは、戦争状態に陥るかもしれない」との予想を明らかにし、スウェーデンやデンマークなど北欧諸国のロシアに対する警戒感は冷戦以降で最高レベルに達している。ノルウェーやフィンランドも軍事費を増大させている。:2016年2月13日「Platnews」より転載
おなじニュースソースだと思われますが、軍関係者(NATO/スウェーデン軍)の話ですから、慎重に読まねばならないでしょう。
それにしても不可思議なロシアの行動。
まだ破れかぶれとまでは言えませんが、経済制裁が相当効いているのかも知れません。
スカンディナヴィア半島諸国はかなりの軍事費拠出を強いられていて、この付近で近年にない緊張感がただよっています。
スカンディナヴィア半島をめぐるNATO/EU関係を地図でまとめてみました。白地図ありがとうございました。
「○」印が加盟していることを示しています。
これをみると不思議なことですが
となっています。
それぞれに根拠があるのでしょうが、残念ながら、そこまで私は歴史を把握していません。
もし興味があれば、これをきっかけにしてお調べください。きっとあなたの深いヨーロッパ理解へとつながることでしょう。
もしも「きっかけ」になったとするなら、私はそれだけで満足なのです(笑)。
年内の可能性「日露首脳会談で協議」〔毎日新聞2016年5月17日〕
どうなるかわかりませんが
2016年内のプーチン来日の調整をしているとのニュースもありました。
視野を狭くしていると、北方領土返還に期待をもつだけでしょうが、もしもその可能性があるとしても、ロシアが見返りに何を持ち出すかわかりません。
ロシア外相ラブロフ〔在任2004- 〕は、従前通りまるで中国共産党かのように、ウクライナ領クリミア半島や北海道の北方領土などで、自分に都合のいい歪んだ歴史観を繰り返しているだけでした。
ロシアが言う
- 「双方が納得する解決策」とは、「ロシアは決して譲らない」の別表現であることを、お忘れなく!
- また、だだっ広い国の東西で大きなトラブルを起こしている問題児ロシアであることも、お忘れなく!
こういった広い視野が、さてさて吉と出るか凶と出るか!