しばしば見られる何らかの順位(ランキング)ですが
- 一体何を基準に算出したのか(見落とした基準は何か)
- 突発的な順位かも知れない
よってこの種の記事は、あくまでも参考程度と思うほうがよく、全面的に信頼するべきものではなさそうです。また参考にする場合でも、「都合のいいような利用の仕方」ではなく、前後何回かにわけた比較も必要でしょう。こういうのは多くの場合、記事を一見しただけで分るものです。
今回は、2つの異なる調査機関が算出した、2014年度と2017年度の「世界安全都市指数」を比較してみました。
多分2014年度の調査によるものと思われますが「世界安全都市上位20」です。出典はこちら(Jan. 26, 2015, 7:41 PM )です。
01 Tokyo
02 Singapore
03 Osaka
04 Stockholm
05 Amsterdam
06 Sydney
07 Zurich
08 Toronto
09 Melbourne
10 New York City
11 Hong Kong
12 San Francisco
13 Taipei
14 Montreal
15 Barcelona
16 Chicago
17 Los Angeles
18 London
19 Washington, D.C.
20 Frankfurt
多分、異論をおもちの人も多いと思われます。
「この都市の順位は変だ」とか「この都市が入っていない」など、聞こえてきそうです。
犯罪発生が少ないなどの指数によるものでしょうから、「住みやすさ」とは関係があるのかどうか。そもそも「住みやすさ」にも極端な差があり、病院をしばしば訪れる人なら医療機関が充実しているほうがいいだろうし(尤も受診するかどうか個人差あり)、住居・光熱費の高さを比較する人もいるでしょうし、使用可能な言語の問題も大きそうです。
もしも「この都市は安全だ」と言われても「多くの人が銃を携帯している」ならば引いてしまうでしょうね。自分が利用している宗教施設があるかどうかでも、判断は分かれるでしょう。
3年後の別の組織による「2017年度安全都市」の出典はこちらです。
01 Tokyo
02 Singapore
03 Osaka
04 Toronto
05 Melbourne
06 Amsterdam
07 Sydney
08 Stockholm
09 Hong Kong
10 Zurich
11 Frankfurt
12 Madrid
13 Barcelona
14 Seoul
15 San Francisco
16 Wellington
17 Brussels
18 Los Angeles
19 Chicago
20 London
これを比較すると、驚くことに、なぜか上位3位が
①東京
②シンガポール
③大阪
と同じですが、これだから最初にお断りしたのです(笑)。
- 中には「なぜ大阪が両方とも3位なんだ。もっと下のはずだ」とお怒りになるかたもいらっしゃるでしょう。
- 香港が、11位から9位に上昇していることにも違和感をおもちのかたもいるでしょう。
上記に飛びついたのが、例の韓国。
ソウル、「世界で最も安全な都市」14位…1位は?:2017年10月13日 [韓国中央日報日本語版]
3年前には「11位台北」でしたが、もちろんそんなことに触れるはずがない韓国紙。
北朝鮮問題や中国による経済制裁・日米との大きな摩擦などがあるのですが、そんなの関係ないとばかり堂々と「14位ソウル」となっていることに、いたく感動しているように見えます(笑)。
「奇妙」な愛国的報道で知られる韓国メディアですので、ほこらしげにこれを報道しているのが手に取るようにわかります。
尤も日本語の紙面には、それがあらわれておらず、韓国内向けハングル版で確認したわけでもありませんが。
こういった国内版と海外版で内容が異なるというのは、中国・朝鮮半島ではごく自然なことで、それが信頼性を一層なくさせるのに貢献しています。
そうです、韓国の場合
場合によっては、国内版 ≒ 海外版
場合によっては、国内版 ≠ 海外版
と使い分けていることにご注目を。
そうです
もともとの韓国版を翻訳したものが、海外向けの日本語版
と思ってはいけないということです。
さてさて、皆様はどう思われますか。