新幹線に乗るんだ
明日は、新幹線に乗るんだ。
いろいろ用意しなくちゃ。
おやつは500円まで。
バナナがおやつにはいるのかは、永遠に解くことのできない問題。
お弁当は、おにぎり、たこのウインナー、うさぎのりんご、星の形をした卵焼き
水色の水筒に、たっぷりのお茶。それを、たすきがけして。
出掛けのリュックにあらゆるものを詰めこんだ。
楽しい気分といった無形のものまで。
新幹線の軌道が見える畑で祖母は野良仕事。
それについていった俺。
新幹線が通るたびに、祖母は仕事の手を止め
「○○○○(俺の名前)、ほら、新幹線が通るよ」と
俺に見るようにうながしてくれたっけ。
今は昔の御伽噺のような半世紀近く前の思い出です。