コロナウイルスが最初にヒトに感染した時、
動物から感染したコロナウイルスの数は、1000個程度ではないだろうか。
これら1000個のウイルスは、すべて同じゲノムを持っているとは考えられない。
なぜなら、この動物の身体の中で、ウイルスが増殖するとき、
つまりRNAが複製されるとき、それぞれのRNAに2から3個の変異が生じるからである。
それも、ランダムなので、1000個のウイルスの変異がすべて異なると予想できる。
コロナウイルスのゲノムは、30000個のRNAが直線で結合している。
30000個のRNAのそれぞれの位置は、GCAUのどれかなので、その組み合わせは、4の30000乗になる。
4の100乗が、1606938044258990275541962092341162602522202993782792835301376
とうことなので、
30000のRNAウイルスの組み合わせは無限である。
最初にヒトに感染したと予想される1000個のウイルスは、すでにそれぞれ3つの異なる変異がある。
そのヒトから感染した武漢に住む人に感染したウイルスも、さらに3個の変異を持っているはずである。
複製時にエラーが修正されないRNAウイルスの存在は、無限に危うい存在なのである。
ひとつの細胞の中で複製されたRNAウイルスであっても、複製の過程で生じるエラーは、化学熱力学的な確率なので、それらはほぼランダムで起こっている。