第2章 治験での薬害:デンマークからの証言
この章は、2017年12月の「スレート誌」の記事でインタビューを受けた Kesia Lyngさんの体験から始まります。
2002年にメルク社のFUTURE2という治験に参加しました。この治験(プロトコールV501-015)は、世界中で行われました。
デンマークでは、国内の複数の病院が拠点となり、18歳から23歳の女性を募集しました。パンフレットには、「安全性は既に確認されているワクチン」と書かれていしたが、実は、この治験が安全性を確認するためのものでした。(メルク一つ目の嘘)
副反応の調査は、接種後の2週間のみでした。その2週間の間に発症した症状を記録するためのカードは、この治験に参加した女性の中で、アメリカの女性にのみ配布されました。つまり、FUTURE2の治験で実際に副反応の記録を残したのは、参加者の一部だけでした。(メルク2つ目の嘘)
Keisa Lyngさんが副反応に気が付いたのは2016年、患者会に入り、同じ治験に参加した Sesilje (セセリア)さんと知り合います。
セセリアさんは、プラセボを接種されました。1回目の接種後、注射箇所がかなり痛かっただけで他に異常はなかったのですが、1ヵ月後の生理のときの出血量が異常でした。
6ヶ月後の3回目の接種後、生理が重いだけでなく、皮膚の痛み、頭痛が発症、重度の胃痛、数週間の間に、5キロ以上体重が減少しました。
症状は、その後も続き、更に、制汗剤や化粧クリームなどへのアレルギーが発症しました。皮膚専門医にブランドを変えるようにいわれ、そうしましたが、アレルギーは収まりませんでした。
2007年に、婦人科で子宮頸部細胞の異常がみつかり、手術するかどうか決めるために2002年の治験開始時のHPVテストの結果を問い合わせたところ、データはメルクの所有物であり開示できないといわれました。
治験が終了し、プラセボであることを知らされた後、ガーダシルを3回接種しました。
パンフレットにはプラセボは生理食塩水であると書いてありましたが、実際のプラセボは、アルミアジュバントAAHSでした。(メルクの三つ目の嘘)
セセリアさんは、AAHSを6回接種したことになります。
2007年の秋に、脳下垂体に腫瘍が見つかり、セセリアさんは、体調の不良がこの腫瘍の所為だったのかと少し安堵したということです。
体調不良は続き、身体のバランスがとれなくなりサッカーを止め、生理は異常であり続けましたが、臨床研究分野の仕事に就き、結婚し、2012年に妊娠しました。妊娠中は、重度の頭痛が発症しましたが、医師に単なる偏頭痛だと言われました。
息子が産まれてまもなく、腫瘍が破裂し、ゆっくりと消失しました。医師らはみな驚きました。
腫瘍のために痛みや疲労があると思っていたので、腫瘍がなくなった後、それらの症状もなくなると期待していましたが、症状は悪化しました。