サーバリックスのアジュバントはAS04ですが、これは、接種した人の中の何人かに、IgGでなくIgEを大量に作ってしまうアジュバントです。
その理由は、非メチル化CpGが不在で、TLR9に配位しないために、B細胞がIgGを作るために必要なサイトカイン(インターフェロン)を産生できないからでしょう。
これを回避するためか、AS15というアジュバントには、非メチル化CpGが入っているということです。
サーバリックスが、接種されると、まず、抗原アジュバント複合体が好中球により貪食され、好中球からサイトカインが出て、異物の侵入を他の免疫細胞に知らせます。樹状細胞が、炎症サイトにやってきます。
抗原のHPVカプシドとMPLが、樹状細胞の表面にあるTLR4に配位して、細胞の中に取り込まれ、次に、HPVが細胞の中で分解されて、HPVのDNAをTLR9に配位させる必要があるのですが、HPVのDNAが無いので、TLR9が活性化されず、インターフェロンの産生ができない状態で、中途半端に活性化された樹状細胞が炎症サイトからリンパ節を漂うことになります。
この樹状細胞は、HPVカプシドを分解してペプチドとし、細胞表面上のMHCクラスII分子上にのせて、リンパ節でヘルパーT細胞に提示し、ヘルパーT細胞を活性化させます。
活性化されたヘルパーT細胞は、同じ構造のペプチドに対する抗体を持つB細胞を活性化するのですが、このとき、インターフェロンがあると、抗体はIgGとなるのですが、他のサイトカイン(インターロイキン4)だと、IgEになってしまうようなのです。
もしこの理解が正しければ、もっと多くの人に副作用がでてしまうと思いますが、そうならないのは、おそらく、制御性T細胞が働いているためだと考えています。現在、この部分を勉強中です。
アレルギー体質の人に、副作用が出やすいこと、
姉妹でも(イギリスでは双子でも)、副作用が出る場合と出ない場合があること、
被害者の趣味が屋内での活動であることが多いことと、欧州では北の国が方が被害が多そうだということでビタミンD欠乏が背景にあるかどうかなど、考えています。