2012年のヴィンセントのウイルス学の講義を聞いていたら、D型肝炎ウイルスの話をしていた。日本は、世界屈指の感染国であるらしい。
ウィキペディアによると、このウイルスはマイナス鎖RNAウイルスであるのに、RNAポリメラーゼがウイルスのゲノムにコードされていないのに、なぜか複製できるという不思議なウイルスだと書いてあった。
「しかし、D型肝炎ウイルスが、宿主の細胞の持つRNA合成酵素では合成できないはずのマイナス鎖のRNAウイルスのゲノムを、一体どうやって宿主に合成させているのかは、1998年現在、謎となっている[8]。」
ヴィンセントは講義中、宿主の細胞がRNAポリメラーゼを持っているはずだと言っている。
英語のウィキペディアには、この部分の説明として、以下のように、ウイルスのRNA ゲノムが折り畳まれた棒状の構造をしているため、つまり、部分的に二本鎖になっているので、(宿主の)RNA ポリメラーゼが、このRNA ゲノムを二本鎖 DNA として扱うことができるのだと書いてある。
そして、これが、『DNA 依存性ポリメラーゼを RNA 依存性ポリメラーゼとして使用できる唯一の既知の動物病原体となる』と例外を設けている。
ウイルス学では、ウイルスの存在を肯定するために、たくさんの例外を設けている。新型コロナウイルスの翻訳や複製にもたくさんの例外が設けられていた。一番最初に発見されたウイルスであるタバコモザイクウイルスの病態と、土壌の亜鉛、マグネシウム、マンガンなどの微量金属元素の不足による病態が酷似していること、ウイルスの増殖にがん細胞を使用すれば、様々な遺伝子を含むエクソソームが生成されても不思議ではないこと、80年代にHIVに感染していつの間にかHIVが消えている人がたくさんいたこと、ウイルス周辺の科学はものすごくいい加減であることに疑問を持たないのだろうか。
英語のウィキペディア
Since the HDV genome does not code for an RNA polymerase to replicate the virus' genome, the virus makes use of the host cellular RNA polymerases. Initially thought to use just RNA polymerase II,[23][24] now RNA polymerases I and III have also been shown to be involved in HDV replication.[25] Normally RNA polymerase II utilizes DNA as a template and produces mRNA. Consequently, if HDV indeed utilizes RNA polymerase II during replication, it would be the only known animal pathogen capable of using a DNA-dependent polymerase as an RNA-dependent polymerase.[citation needed]
HDV ゲノムはウイルスのゲノムを複製するための RNA ポリメラーゼをコードしていないため、ウイルスは宿主細胞の RNA ポリメラーゼを利用する。 当初は RNA ポリメラーゼ II のみを使用すると考えられていたが [23] [24]、現在では RNA ポリメラーゼ I および III も HDV 複製に関与していることが示されている [25]。 通常、RNAポリメラーゼIIはDNAを鋳型として利用し、mRNAを生成する。 したがって、HDV が実際に複製中に RNA ポリメラーゼ II を利用するのであれば、HDV は DNA 依存性ポリメラーゼを RNA 依存性ポリメラーゼとして使用できる唯一の既知の動物病原体となるであろう。[要出典]
The RNA polymerases treat the RNA genome as double-stranded DNA due to the folded rod-like structure it is in. Three forms of RNA are made; circular genomic RNA, circular complementary antigenomic RNA, and a linear polyadenylated antigenomic RNA, which is the mRNA containing the open reading frame for the HDAg. Synthesis of antigenomic RNA occurs in the nucleolus, mediated by RNA polymerase I, whereas synthesis of genomic RNA takes place in the nucleoplasm, mediated by RNA polymerase II.[26]
(このウイルスの)RNA ゲノムは折り畳まれた棒状の構造をしているため、(宿主の)RNA ポリメラーゼは、RNA ゲノムを二本鎖 DNA として扱う。RNA は、 環状ゲノム RNA、相補的環状アンチゲノム RNA、および直鎖状ポリアデニル化アンチゲノム RNA (これが、HDAg のオープン リーディング フレームを含む mRNAである)の、3 つの形態で作られる。アンチゲノムRNAの合成はRNAポリメラーゼIを介して核小体で起こり、一方、ゲノムRNAの合成はRNAポリメラーゼIIを介して核質で行われる[26]。
HDV RNA is synthesized first as linear RNA that contains many copies of the genome. The genomic and antigenomic RNA contain a sequence of 85 nucleotides, the hepatitis delta virus ribozyme, that acts as a ribozyme, which self-cleaves the linear RNA into monomers. These monomers are then ligated to form circular RNA.[27][28]
HDV RNA は、ゲノムの多くのコピーを含む直鎖状 RNA として まず合成される。 ゲノム RNA とアンチゲノム RNA には、リボザイムとして機能するデルタ肝炎ウイルス リボザイムである85個のヌクレオチドの配列が含まれており、直鎖状 RNA を自己切断してモノマーとする。これらのモノマーが連結されて環状 RNA が形成さる [27] [28]。