以前、mRNAを細胞外から導入しても、翻訳されないのではないかという考察をしました。
DNAからmRNAに転写される際に、mRNAに結合するさまざまなファクターが、細胞外から導入した場合にはmRNAに結合していないので、mRNAがリボソームに結合できないのではという疑問です。
今回は、mRNAが翻訳されている証拠として提示されているルシフェラーゼが、翻訳されなくても光るのではないかという疑問を提示しようと思います。
ワクチンに使用されるmRNAは、大腸菌に作らせています。大腸菌などの原核細胞では、DNAからmRNAが転写される際に、転写と同時に翻訳が開始されます。つまり、ワクチン用に作られたmRNAにはすでにルシフェラーゼタンパクがくっついてしまっているわけです。
ルシフェラーゼのmRNAを含むワクチンを注射するということは、ルシフェラーゼタンパクそのものを注射していることになります。
マウスの実験で、mRNAが翻訳されるのかを確かめるために、ルシフェラーゼのmRNAを含むワクチンを注射した後、一定時間後にルシフェリンを注射して、ルシフェラーゼがルシフェリンを酸化することで発光させています。
ルシフェラーゼのmRNAには不純物として、ルシフェラーゼタンパクそのものが含まれているので、実際にmRNAが翻訳されたのか、不純物のタンパクが存在するのでルシフェリンが酸化されて発光したのか、見分けがつきません。
同様に、スパイクタンパクのmRNAを大腸菌で作らせる限り、スパイクタンパクそのものが不純物として含まれる可能性は否定できません。むしろ、原核細胞のmRNA翻訳の機構を勉強すれば、タンパクが含まれると考える方が理論にかなっています。
上記の考察を、いつか時間があるときに図とともに説明したいと思っています。