厚労省の3600~5600人というHPVワクチン(2価ワクチン)による子宮頸がん死亡減少の「予測値」の問題点について、コメントさせていただきます。
この「予測値」は、ワクチンによるHPV持続感染とCIN1+(子宮頸部異形成:前がん病変)の減少を報告した臨床研究等を拠り所にして、ワクチン推進派が主張している数字とも言えます。
しかしそれは、以下の解明・検証されるべき重要な課題が捨象された、都合のいい安易な想定だけに依拠した誇大な数字だと言わなければならないでしょう。
① HPVワクチン接種によってCIN1+(子宮頸部異形成:前がん病変)が大きく減少したと報告する論文は複数あるが、どれも発見されたCINの経過観察期間が短い。
例えば第3相臨床試験の「Vivian Study」では、検出されたHPV感染や発見されたCIN1+は6ヶ月で経過観察が打ち切られており、CIN2、CIN3からCIN1+への縮小が見られたケースであっても発見時の診断としてカウントされている。
また、6ヶ月以降に消失する可能性も十分にある。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(14)60920-X/abstract
http://www.thelancet.com/journals/laninf/article/PIIS1473-3099(16)30120-7/abstract
CIN1、CIN2はその大多数が消失、退行縮小するという諸家の報告があり、より進行したとされるCIN3(高度異形成~上皮内がん)であっても、「長期観察(日数中央値は952(368-2398)日)を行った212例のうち151例が消失した」という日本の研究が最近、報告されている。
http://kcon.expcp.jp/jsog68/?comm=/Search/Abstract/Detail&abstract_id=4934&exec=outputAbstract
また、がん研有明病院のWebページには次のような報告もある。
「がん研の患者さんについて調べてみると、HPV18型が見つかった扁平上皮異形成でがん化したものは1例もなく、すべて無治療で自然消失、治癒しています。」
「HPV52型、58型は欧米の報告ではがんから見つかることが少ないとされ、あまり注目されていません。しかし、日本ではHPV52型、58型ががん組織から高率に見つかる傾向があり、私たちはこれらHPV52型、58型を高危険型HPVと考えています。」
http://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/type/womb.html
② 下記リンク先の「10歳女性の子宮頸がん累積死亡リスク」のデータを見れば分かるように、子宮頸がんによる死亡の過半は60歳以上の高齢者である。
http://gdb.ganjoho.jp/graph_db/gdb1?showData=&dataType=20&graphId=106&totalTarget=40&year=2011&years=2013&avgStep=&ageSybt=0&ageSt=009&ageEd=A85¤tAge=10&smTypes=17&smType=17&sexType=0&stage=0
つまり、339万人が接種して子宮頸がん死亡が3600~5600人減少するという「予測値」は、10代女子がHPVワクチンを接種することによって、一生涯持続する免疫(終生免疫)が確実に得られることを前提にして導き出された数字である。
しかしそれを実証したデータはない。
そもそも、ワクチン接種によって感染を確実に予防できる抗体価の値でさえ明らかになっていない。
また、個人間で抗体価に非常に大きなバラツキがあることも明らかになっている。
(追加接種をすれば免疫を永続的に持続させられるという「補強意見」があるが、追加接種が必要となる条件や時期といった問題は殆んど検証されていない)
③ HPVワクチンによってCIN1が減少したとする複数の臨床試験や疫学研究では、接種によるHPVのタイプ(型)の置換(ワクチンが標的とするHPVタイプ以外の型によるHPV感染の相対的増加)による病変の全体像や予後が十分に観察、検証されていない。
https://jameslyonsweiler.com/2016/06/29/high-risk-hpv-type-replacement-follows-hpv-vaccination/
海外の被害者の親である医療関係者から、マスト細胞が関係している説が今のところ一番ありそうだと教えてもらいましたので、マスト細胞関連の論文をあたっています。
https://www.hindawi.com/journals/mi/2015/246126/
Mediators of Inflammation
Volume 2015 (2015), Article ID 246126, 8 pages
http://dx.doi.org/10.1155/2015/246126
Review Article
Mast Cell and Autoimmune Diseases
Yunzhi Xu and Guangjie Chen
Abstract
Mast cells are important in innate immune system. They have been appreciated as potent contributors to allergic reaction. However, increasing evidence implicates the important role of mast cells in autoimmune disease like rheumatoid arthritis and multiple sclerosis. Here we review the current stage of knowledge about mast cells in autoimmune diseases.
(全文あり)
4.1 多発性硬化症
4.2 関節リウマチ
4.3 インスリン依存性糖尿病
4.4 慢性蕁麻疹
KOのバックグラウンドはC57BL/6であり、交配させたマウスは、BALB/Cであることがわかりました。
本実験では、ホモノックアウトを用いていますが、MHC(自己抗体を産生する過程に関与する受容体、ヒトのHLAに相当)については統一されていないので、実験に使用されたマウスは、最後に引用した論文にあるように、免疫応答に違いがでてくるようです。
マウスの系統毎のMHCは、このリンクから
(再実験の際は、系統をそろえて、かつすべて雌でお願いします)
Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa 2016-06-23 20:26:54
Innate immune response in Th1- and Th2-dominant mouse strains.
Abstract
C57BL/6 and BALB/c mice are prototypical Th1- and Th2-type mouse strains, respectively. In the present study, we attempted to characterize the innate immune response of macrophages from these mouse strains. Macrophages from C57BL/6 mice produced higher levels of tumor necrosis factor-alpha (TNF-alpha) and interleukin (IL)-12 than those from BALB/c mice after stimulation with macrophage-activating lipopeptide-2 (MALP-2, a synthetic TLR-2 ligand) or lipopolysaccharide (LPS, a TLR-4 ligand). The augmented IL-12 production by C57BL/6 macrophages increased interferon-gamma and, in contrast, decreased IL-13 production by CD4+ T cells. On stimulation with MALP-2 or LPS, C57BL/6 macrophages produced lysosomal enzyme and nitric oxide, effector molecules for bacterial killing, whereas BALB/c macrophages did not. Bactericidal activity of BALB/c macrophages was impaired relative to C57BL/6 macrophages when cells were infected with live bacteria in vitro. In a murine model of septic peritonitis induced by cecal ligation and puncture (CLP), BALB/c mice failed to facilitate bacterial clearance relative to C57BL/6 mice despite an augmented peritoneal leukocyte infiltration that was associated with increased peritoneal levels of cytokines/chemokines. BALB/c mice exhibited increased plasma and hepatic levels of cytokines/chemokines, resulting in an exaggerated systemic inflammation as determined by acute-phase proteins. Finally, BALB/c mice were vulnerable to CLP-induced lethality relative to C57BL/6 mice. Altogether, innate immune response of macrophages is different between these mouse strains, which may affect the development of Th1 and Th2 adaptive immunity in these strains. Reduced systemic inflammatory response in C57BL/6 mice that may result from an eminent local response appears to be beneficial during sepsis.
岩田健太郎さんがbokemontaroをリツイートしました
ぼくより年上の医者の半数以上は「基本」を知りませんから。
岩田健太郎さんが追加
http://www.jacionline.org/article/S0091-6749(14)02927-3/abstract
209
A New Disease Cluster: Mast Cell Activation Syndrome,
Postural Orthostatic Tachycardia Syndrome, and Ehlers-Danlos
Syndrome
Ingrid Cheung, Peter Vadas, MD, PhD; St. Michael’s Hospital, Toronto, ON, Canada.
RATIONALE:
Patients with postural orthostatic tachycardia syndrome (POTS) and hypermobility often describe symptoms suggestive of mast cell activation. Herein, we describe a new, unique phenotype, characterized by the co-segregation of three disorders: POTS, Ehlers Danlos syndrome (EDS) and mast cell activation syndrome (MCAS).
METHODS:
Participants with diagnoses of POTS and EDS were recruited from throughout North America through a patient support group and evaluated by questionnaire and supporting documentation. A formal diagnosis of POTS by a cardiologist included confirmation via tilt-table test. A formal diagnosis of EDS required assessment by a dermatologist, a Beighton score of >= 5/9 and a diagnostic skin biopsy. A questionnaire for MCAS was based on diagnostic criteria and validated symptoms as reported by Akin, Valent and Metcalfe (2010).
RESULTS:
15 participants completed questionnaires with required documentation. All eligible participants were female. 12 of these people had formal diagnoses of POTS (80%), 9 were diagnosed with both POTS and EDS. 6 of 9 patients with both POTS and EDS had validated symptoms of a mast cell disorder (66%), suggestive of MCAS.
CONCLUSIONS:
From these pilot data, it appears that a mast cell disorder may frequently co-segregate with POTS and a collagen disorder such as EDS.
下記をiRONNA (iRONNA http://ironna.jp/theme/590)の「子宮頸がんワクチンは危険なのか」コメント欄に投稿しました。数値のところが、バラバラになっているので、調整可能なら修正してください。
読売新聞の記事の内容が、バランスが取れていて、秀逸でした。この記事に触発されて、書き起こしたものです。副作用の図表がわかりやすくてよかった。
子宮頸がんワクチン副作用の頻度と子宮頸がん死亡者の減少との比較について
100万接種あたりの副作用報告数 重篤なもの (インフルエンザとの比較)
サーバリックス 335.2 (45倍) 186.6 (49倍)
ガーダシル 311.0 (42倍) 154.7 (41倍)
インフルエンザ 7.4 3.8
(2016年12月19日子宮頸がんワクチン…安全性評価論争絶えず yomiDrからの図表から抜粋し、筆者が計算)
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20161219-OYTET50030/
339万人が接種し、低く見積もって3600人の子宮頸がん死亡者数を減少させると厚労省は推計する(筆者コメント:まだ、直接的なエビデンスはないが)。3,600/339万=0.00106=約0.1% 10,000人接種すると、10人の子宮頸がん患者の死亡者が減少する。しかし、重篤な副作用の頻度は、単回投与と仮定すると、(335.2+311.0)/200万=0.00017=0.017%。重篤な副作用を呈する患者は、10,000人接種すると、1.7人となる。10人の子宮頸がん死亡者を減少させるために、1.7人の重篤な副作用患者を生み出すことは、倫理的に許されるのであろうか?
別のデータでは重篤な副反応の頻度は41人/10万人(厚労省2015年9月22日)、すなわち、 実数は41x33.9=1,390人である。3600人の子宮頸がん死亡者を減少させるのに、1,390人の健常人の犠牲者が出ることになる。
また、鹿児島大学の論文(神経内科2016年11月号)によると、鹿児島県での重篤な神経症状を呈する患者の頻度は0.1%前後であると述べている。
そうすると、実際の重篤な患者数は、339万X0.001=3,390人となる。これが正しいとすると、3,600人の子宮頸がん死亡者を減少させるのに、健常人であった3,390人の犠牲者が出現することになり、非常に驚くべき数字である。
厚労省が積極的勧奨を初めてから2か月後に全国からの副作用報告が相次いだことはこの推定からも納得でき、また、厚労省が積極的勧奨を中止したことは正しい選択だった。
国際的に後れを取ったHPVワクチン接種の勧奨再開に向けて―HPVワクチン接種の積極的勧奨中止勧告以降、池田班の発表内容に関する厚労省の見解までの経緯―平成28年12月8日公益社団法人日本産婦人科医会会長木下勝之がん部会担当常務理事鈴木光明周知のごとく、HPVワクチン接種は、本ワクチン接種後の少女に発生したCRPS(複合性局所疼痛症候群)を含む広範な慢性の疼痛や運動障害等の多様な症状のために、平成25年6月に、厚生労働省による積極的な接種勧奨の一時中止が勧告されました。それから、はや3年以上が経ち、接種は事実上中止の状態が続いています。この間、日本産婦人科医会では世界各国のHPVワクチン接種の現状とその副反応の有無、そして、それぞれの国及びWHOのHPVワクチンに対する姿勢を調査してきました。その結果、何れの国でも我が国で生じている本ワクチン中止を勧告するような事態は発生していないことが判明しました。そこで、平成25年6月の厚生労働省からHPVワクチン接種の「積極的な勧奨中止」勧告通知発出以降、平成28年11月24日に池田班研究成果発表(平成28年3月16日)1)に関する厚生労働省の見解2)がホームページに発表されるまで間の、重要な出来事を経時的に以下にまとめました。1HPVワクチン接種の積極的な勧奨の一時中止勧告後の厚生労働省の対応(1)平成25年、厚生労働省に設置された副反応検討部会において、HPVワクチンの安全性に関する議論が重ねられました。その結果、本ワクチン接種後のCRPS(複合性局所疼痛症候群)を含む広範な慢性の疼痛や運動障害等の多様な症状と本ワクチンとの明らかな因果関係は認められず、「接種から一定期間以内に発症した多様な症状は接種後の局所疼痛が惹起した機能性身体症状とするのが適切」との結論に至っています3)。(2)厚生労働省は、本ワクチン接種後に生じた「運動障害」や「慢性の痛み」などの症状について、被接種者とその家族に対して、「適切な医療を提供する」ことに資することを目的として、平成25年度から、厚生労働科学研究事業で2つの研究班を設置して研究を進めてきました2)。厚生労働省により進められた研究のうちの一つは、「子宮頸がんワクチン接種後の神経障害に関する治療法の確立と情報提供についての研究(代表:信州大学池田修一教授)(以下、池田班)」であり、他の一つは、「慢性の痛み診療・教育の基盤となるシステム構築に関する研究(代表:愛知医科大学学際的痛みセンター牛田享宏教授)(以下、牛田班)」です。その後、それぞれの研究班ごとに研究が進められ、平成28年3月16日に、これら研究班の研究事業成果発表会が開催されました2)。2池田班研究の研究事業成果発表会の結果に対する反響(1)研究発表会の後、池田教授の発表内容をもとに、マスメディアより「子宮頸がんワクチンを打ったマウスの脳だけに神経細胞を攻撃する抗体が作られた」4)、「子宮頸がんワクチン・国研究班『脳に障害』」5)と報道がなされたのです。(2)この報道に接した、日本産婦人科医会会員からも懸念の声が多数寄せられただけでなく、医会と学会の多くの専門家からも、池田教授の実験内容には、科学的に基本的な問題で、確認すべきことが多いとの指摘がありました。3池田教授の実験と発表に対する調査委員会の設置と調査結果この池田教授の研究報告は、社会的に極めて影響力が大きいだけに、その実験内容に関して正確性と信憑性に重大な問題があるとの一部報道を重視した信州大学は、外部有識者による正式な調査委員会を9月に設置し、調査を進めました。その調査結果は、11月15日に当該調査委員会より発表されました。<調査委員会による発表内容>2)・マウス実験は、各ワクチン1匹のマウスを用いた予備的なものであった。・予備的な実験であったため、結果の公表に際しては特段の配慮がなされるべきであった。・池田氏が発表で用いたスライドには、マウス実験結果を断定的に表現した記述や、自己抗体の沈着、といった不適切な表現が含まれていた。・前述より、マウス実験の結果が科学的に証明されたような情報として社会に広まってしまったことは否定できない。・池田氏に対し、混乱を招いたことについて猛省を求める。4厚生労働省の見解本年11月24日に,厚生労働省は調査委員会の結果発表を受けて、ホームページ上に以下の見解を発表しました。<厚生労働省による見解の要旨>『厚生労働科学研究費補助金という国の研究費を用いて科学的観点から安全・安心な国民生活を実現するために、池田班へ研究費を補助したが、池田氏の不適切な発表により、国民に対して誤解を招く事態となったことについての池田氏の社会的責任は大きく、大変遺憾に思っている。』また、『この度の池田班の研究結果では、HPVワクチン接種後に生じた症状がHPVワクチンによって生じたかどうかについては何も証明されていない、と考える』。5日本産婦人科医会のHPVワクチンに関する活動状況本年3月の池田班による厚生労働科学研究結果に関して、上述のような不安を煽る報道があったことから、第68回日本産科婦人科学会(4月24日:東京)、次いで、第43回日本産婦人科医会学術集会(11月13日:沖縄)の場で、HPVワクチンに関し、正確な科学的検証に基づく判断をすべきであることを、会員へ伝えてきました。また同時に、ワクチン接種後の疼痛等の症状で苦しむ患者さんへの対応についても、日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会は率先して取り組んでまいりました。現在は、厚生労働省とも連携し、全国47都道府県に設置された89施設の協力医療機関が窓口になり、必要があれば専門医療機関(27施設)への紹介ができる体制整備が出来上がっていること6,7)についても周知を図っております。日本産婦人科医会は、11月24日の厚生労働省の見解を踏まえ、引き続き厚生労働省へHPVワクチン勧奨再開を要望してまいります。会員各位におかれましては、日々の診療の中で、不確かな情報に惑わされることなく、あくまでも科学的・理論的な判断のもとに、HPVワクチンの接種に向けた対応をよろしくお願いいたします。≪参考資料≫1)池田修一子宮頸がんワクチン接種後の神経障害に関する治療法の確立と情報提供についての研究/ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状に関する厚生労働科学研究事業成果発表会平成28年3月16日(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000116634.pdf)2)平成28年3月16日の成果発表会における池田修一氏の発表内容に関する厚生労働省の見解について/厚生労働省平成28年11月24日(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/tp161124.html)3)第15回副反応検討部会(平成27年9月17日開催)におけるHPVワクチンに関する議論の概要/ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に症状が生じた方に対する相談窓口設置に係る説明会平成27年11月2日参考資料2(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000103094.pdf)4)毎日新聞朝刊:平成28年3月17日5)TBS放送NEWS 23:平成28年3月16日6)HPVワクチン接種にかかる診療・相談体制/第15回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、平成27年度第4回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会資料5(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000097685.pdf)7)ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関/厚生労働省(平成28年11月17日現在)(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/medical_institution/dl/medical_institution.pdf
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Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa 2016-06-21 09:42:50ウェッジの記事の件で補足説明をしておきます。僕もNF-kB p50 KOマウスを用いた(全く別件での)共同研究をしていた関係上、村中先生、大江さんらによる取材に同行しました。池田班のマウス研究の問題はたくさんあるわけですが今回わかったことで大きいのは二つあると思います。
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Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa 2016-06-21 09:43:33@tsuyomiyakawa まずワクチン投与したマウスの脳を染色したのではなくその血清を別のマウスの脳にかけ染色していること。マウスでは自己抗体は脳血液関門を通りにくく自分の脳には普通達しない。研究を行った先生も、投与したマウスの脳も見たが染色されなかったと明言されてました。
血清を別の個体の脳にかけ染色する実験は、ごく一般に行われる実験です
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0165247886900301
1986年の論文
The immunofluorescent staining of antibodies specifically binding to rat brain tissue sections was investigated in 95 human sera including 30 cases of Alzheimer's disease. A high incidence of specific antibrain antibody was found among Alzheimer's patients (57% positive) compared to other neurological disease controls (only 8% positive) or normal young and aged healthy controls (none positive).
アルツハイマー病の患者30人の血清中の抗体を、ラットの脳組織切片に結合させ、免疫蛍光染色により、脳に特異的な抗体があるかどうかを検出しています
「投与したマウスの脳も見たが染色されなかった」とのことですが、既に他のエントリーで書いたように、このマウスは抗体のクラススイッチが抑制されたマウスなので、できた抗体はIgMであり、IgMは以下の図にあるように、5量体や6量体を作っているので、血液脳関門は通りませんので、投与したマウスの脳が染色されていないのは当然です
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Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa 2016-06-21 09:44:44@tsuyomiyakawa 「沈着」という言葉は、ある程度の期間脳に定着しているという意を含むので、単に血清を別マウスの脳にかけた後に染色した結果に使う言葉としては不適切。これを説明せず自己抗体が海馬に「沈着」し脳に障害が起こっていると発表されてしまっているいるのはまずいです。
染色の段階で、通常生理食塩水で洗浄後、生理食塩水中でインキュベーションを行いますので、単に付着しているだけの場合は、この段階で落ちます。下記のサイトを参照してください。
http://www.funakoshi.co.jp/download/pdf/vec_elite_ABC%20Kit_web.pdf
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Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa 2016-06-21 09:45:20@tsuyomiyakawa IgGの染色(緑色になる)でHPVワクチンではない他の3条件の実験も含む実験の写真とグラフが発表されてます。mhlw.go.jp/file/05-Shingi… そこではHPVワクチンのみで海馬が緑色になりグラフでもそこだけ突出し他はほぼゼロシグナル。
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Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa 2016-06-21 09:47:18@tsuyomiyakawa しかしこの写真・グラフはすべて一匹のマウスからとれた連続切片に対し、それぞれ異なる条件のマウスからの血清をかけて染色したもの。つまり各バーはN=1。
このN=1は、上記のアルツハイマーの論文のラットの脳組織切片と同じ意味で、N=1であることに問題はありません。
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Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa 2016-06-21 09:48:00@tsuyomiyakawa 実際は、各投与条件から得られた血清をかけたあとの染色を他のマウスでも行っており、なんと結果は他のワクチン投与の血清をかけているものでも、緑色のシグナルがばっちり出るものが複数あったとのこと。
この発言は、名誉毀損裁判に直接かかわることで、これが事実であることは、法廷で証言お願いいたします。信州大学の調査では、発表と矛盾する結果はなかったということでした。
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Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa 2016-06-21 09:48:17@tsuyomiyakawa 「NF-kB p50 KOマウスでは非特異的な抗体が自然にできやすく、そもそもワクチンなど投与しなくてもそのような非特異的抗体ができることがあるんですよ」とマウスの研究を行った先生はおっしゃってました。
NF-kB p50 KO マウスは、加齢がしやすいマウスのようですが、1年齢までは、野生型マウスと同じように育つと書いてある論文がありました。非特異的な抗体に関しても、野生型マウスと比較して、できやすい臓器とできにくい臓器があるということです
http://www.nature.com/icb/journal/v94/n1/fig_tab/icb201566t1.html#figure-title
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Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa 2016-06-21 09:49:05@tsuyomiyakawa で、別のワクチンで海馬が緑色に染まった写真のスライドも池田教授に渡したが、HPVワクチンのみで海馬が緑色になっているスライドのみをご発表されてしまった、とのこと。厚労省の発表資料では「サーバリックスだけに自己抗体(IgG)沈着あり」と明記されてます。
繰り返しになりますが、この発言は、名誉毀損裁判に直接かかわることで、これが事実であることは、法廷で証言お願いいたします。信州大学の調査では、発表と矛盾する結果はなかったということでした。
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Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa 2016-06-21 09:52:01@tsuyomiyakawa これら意外にも既出で指摘されている点も含めて不十分な点はいくつもあります。池田班のマウス研究関連の発表は、あまりにもプレリミナリーで何か結論できるようなものではないことは、マウスの研究をされた先生もおっしゃってます。この様に公表されて困っている、と。
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Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa 2016-06-21 09:52:37@tsuyomiyakawa さらに、このマウスの研究を主導されていらっしゃる先生は、仮にこのマウスの研究が今後Nを増やして統計的に有意になった場合でも、特殊な遺伝要因を有するマウスでの結果であり、ヒトに安易に一般化はできないとおっしゃってました。
つまり、実験計画に欠陥があったということでしょうか?
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Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa 2016-06-21 09:53:28@tsuyomiyakawa そもそも、ワクチンの真の重篤な副反応が現れてしまう方々が仮にいらしたとして、その方々は何らかの特殊な体質を有している可能性が高い。そういう特殊な状況をモデル化しようということでこのような特殊なマウスを用いられたとのことです。
因みに、NF-kBp50に変異のある人は、全世界で3家系だそうです。特殊すぎませんか?
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5046658/
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Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa 2016-06-21 09:55:25@tsuyomiyakawa また、このマウスの研究を主導されていらっしゃる先生(信州大産婦人科に所属;現在、本務は他大学だが兼任)は、「信州大学医学部産婦人科の意向は、日本産婦人科学会の意向と同じで、「子宮頸がんワクチンの接種の推奨」です。」と明言されてました(原文そのまま)。
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Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa 2016-06-21 09:56:58@tsuyomiyakawa なお、「捏造」という言葉については、狭い意味 mext.go.jp/b_menu/shingi/… では当てはまらないかと。この先生がおっしゃっていることがすべて事実であるとすると、ある種の「不正行為」の範疇に入ってくる可能性はかなり高いように思いますが。
不正行為と呼ぶことも、名誉毀損ですね。
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Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa 2016-06-21 09:58:11@tsuyomiyakawa 論文になっていないとしても、厚労省から正式に発表されている資料なわけで、複数のマスメディアで報道され、訴訟に影響しているとも言われてます。社会的に大きなインパクトを与えているわけです。池田教授がきちんとした説明をされることが期待されます。
宮川先生もご自分の発言に責任をもって、裁判に臨んでいただきたいと思います。
@narumita 古くから吉原で働いて来た女の子達、現在60才等で熟女系CSWの女性は全員子宮けい癌で子宮全摘出していると説明。更に咽頭癌で手術、術後療法を行っている女性が約2割ほどいて、そういう女性は稼げなくなっているから喉のパピローマウィルス感染も診なくてはいけないと注意。
「サーバリックスのアジュバントには、看過できない量の不純物が含まれている」ことを証明する
1.サーバリックスのアジュバントAS04に使用されているMPLは、LPSのリピドA(LIPID A)からリン酸基を2つ除去したものである
2.MPLは、細胞膜にあるTLR4受容体に結合して、TRIF/TICAM/TRAMシグナル伝達経路を介して、I型IFNを産生する (下の図の左側)
一方、LPSは、TLR4受容体に結合して、MyD88依存性TIRAPシグナル伝達経路(下の図の右側)とTRIF/TICAM/TRAMシグナル伝達経路(下の図の左側)の両者を介して、IL-1β, IL-6, TNFα(炎症性サイトカイン)およびI型IFNを産生する
MPLが非毒性であるのは、MyD88依存性TIRAPシグナル伝達経路を介したIL-1β, IL-6, TNFα(炎症性サイトカイン)の産生がないからだと報告されている (https://www.researchgate.net/publication/252323618_TLR4_agonists_as_vaccine_adjuvants_A_chemist's_perspective)
3.中山先生の実験報告によると、サーバリックス接種後の接種部位に、IL-1β、IL-6が産生されている
以上のように、サーバリックスの接種により、MyD88依存性TIRAPシグナル伝達経路を介したサイトカインの産生が確認されていることは、サーバリックスの中に、MPL以外のTRLに結合する物質が不純物として含まれていると考えられる
不純物の可能性として考えられるもの
(1) MPLへの合成中間体の、DPL(diphosphoryl lipid A, 一番上の図のオレンジの化合物、毒性あり)(サーバリックスの審査報告書でμgの単位での混入が報告されている)
(2) 昆虫のタンパク質 (審査報告書では、ng未満と報告)
(3) ウイルスのDNA (審査報告書では、pg未満と報告)
NF-κN-Related Genetic Disease より
In the case of Nfkb1 (the gene coding for p105/p50) KO, the mice develop normally and the development of their hematopoietic compartment is not affected, but multiple defects in the immune response are observed.
Mature quiescent B cells are prone to apoptosis and they do not respond properly when stimulated by LPS and CD40L.
As a consequence, Nfkb1 (-/-) are unable to mounte a normal humoral response to various antigens.
This is due in part to defects in heavy-chain isotype switching caused by reduced transcription of gemline CH genes.
この記載からわかることは、p50をノックアウトしたマウスでは、液性免疫応答が抑制されるということです。
IgGができにくくなり、「自己抗体を伴う自己免疫疾患」は発生し難いマウスになります。
以下、2例ともガーダシル
2016年12月16日 デイリーメイル紙の報道から
接種は2年前、接種の数週間後に胃痙攣とめまい
朝起きて、脚の感覚がなくなっていた
Girl, 16, is left paralysed in 3 limbs and in hospital on a drip after having the HPV vaccine, her parents claim
- Ruby Shallom was given the controversial HPV vaccine at school 2 years ago
- But just weeks later she began to suffer from stomach spasms and dizziness
- Her muscles became weaker and in May she woke up unable to feel her legs
- She has since lost all sensation in her right arm and is virtually bed-bound
同じ記事の中に、もう一人、同様の症状に苦しんだ少女の話しがあり、
彼女は、セリアック病と診断され、その後、盲腸を摘出したが、改善せず
ハイドロセラピー(水中運動などによる外科治療法) などのリハビリにより、脚力が回復したと書いてあります
Another girl, dancer Lucy Rebbeck, 15, from Wokingham, Buckinghamshire, suffered the same ordeal after having the HPV jab. Her muscles were so weak she was confined to a wheelchair for six months.
She fell ill with similar symptoms in autumn 2014 and is being treated at the same hospital - Frimley Park in Surrey.
Doctors diagnosed her with coeliac disease and later removed her appendix - but nothing helped.
Her mother, Diane, 47, said: 'Her legs were getting weaker and weaker. They would just buckle and give way and in February she went downhill very rapidly.
'She couldn’t feel them at all and within two weeks they gradually went more and more numb.
'She was in a wheelchair for six months and was having to shuffle up the stairs on her bottom.'
Lucy, who has dropped four GCSEs because of the illness, has regained strength in her lower body after undergoing rehabilitation, including hydrotherapy.
実験に使用されたマウスが、自己免疫疾患の素因を有するマウスだと述べたのは、このA氏からのメールだと村中被告が主張する文です(実際にA氏からのメールなのかは不明)
村中先生 http://wedge.ismedia.jp/articles/-/7124?page=4
御世話になっております。
私といたしましては、先日御会いした際、御話しをした内容が真実で、だいたい全てです。信州大学医学部産婦人科講座といたしまして、「子宮頸がんワクチンの接種」には賛成です。ただ、ごく一部で、同ワクチン接種後に、副作用が認められます。これが、何かしらの遺伝的素因が原因かもしれません。
ですので、自己免疫疾患の素因を有するマウスを用いて検討を行っておりますが、まだ、パイロット実験の状態で、有意差を認められるような結果は得られていません。将来、何かしらの情報が得られれば、医療機関で同ワクチン接種の際、付加コメントが出来れば良いかと思っています。宜しく御願い致します。
A
宮川先生の発言は、http://wedge.ismedia.jp/articles/-/7080?page=2
動物実験による研究に詳しい脳科学者である、藤田保健衛生大学の宮川剛教授はこう言う。
「池田班の実験で用いられているNF-κBp50(エヌエフカッパービーピー50)欠損マウスは、何もしないで飼っているだけでも、加齢によって海馬で自然に神経細胞死が生ずることが知られているマウス。ヒトの自己免疫疾患を研究するためのモデルとしての妥当性は現状では不明だ」
宮川先生は、「ヒトの自己免疫疾患を研究するためのモデルとしての妥当性は現状では不明だ」と述べている。
A氏とは、このマウスに関しての見解が異なっている。
「加齢によって海馬で自然に神経細胞死が生ずる」と述べているが、信州大学の別の実験では、神経細胞死を誘発するためにNMDAを投与している。
村中被告の記者会見では、(11:14)
このマウスは、加齢で自己抗体を産生すると言っている (this knock-out mouse will produce autoantibody naturally just by aging)
つまり、被告は
「このマウスが何もしなくても自己免疫疾患を発症するマウスなので、食塩水でも他のワクチンでも自己抗体ができるはずであるから、HPVワクチンだけで光ったスライドは捏造したものであるのは明らか」だと主張したいのだと思われる
NF-κBp50を欠損するマウスを使用した緑内障に関する研究論文
このマウスでは、加齢により網膜神経節細胞(RGC)が障害されるということです
(実験では、NMDAを投与して、網膜内層の非薄化を促進している)
この実験結果を、神戸の某先生は、自己免疫疾患としていますが、これは、アポトーシスによる細胞死です
(被告は応援してもらっても嬉しくないと再び思う)
NF-κBp50は、アポトーシスを阻害するタンパク質をコードする遺伝子の転写を行う役目があり、NF-κBp50を欠損しているマウスでは、このタンパク質が作られないので、アポトーシスが促進されるということです(http://www.springer.com/us/book/9783319258485)
信州大学の論文では、以下の図により、p50がないとアポトーシスが促進されることを説明しています
Development of spontaneous optic neuropathy in NF-kappaBetap50-deficient mice: requirement for NF-kappaBetap50 in ganglion cell survival.
Development of spontaneous neuropathy in NF-κBp50-deficient mice by calcineurin-signal involving impaired NF-κB activation.
Author information
Deletion of Nuclear Factor kappa B p50 Subunit Decreases Inflammatory Response and Mildly Protects Neurons from Transient Forebrain Ischemia-induced Damage.
Abstract
Transient forebrain ischemia induces delayed death of the hippocampal pyramidal neurons, particularly in the CA2 and medial CA1 area. Early pharmacological inhibition of inflammatory response can ameliorate neuronal death, but it also inhibits processes leading to tissue regeneration. Therefore, research efforts are now directed to modulation of post-ischemic inflammation, with the aim to promote beneficial effects of inflammation and limit adverse effects. Transcription factor NF-κB plays a key role in the inflammation and cell survival/apoptosis pathways. In the brain, NF-κB is predominantly found in the form of a heterodimer of p65 (RelA) and p50 subunit, where p65 has a transactivation domain while p50 is chiefly involved in DNA binding. In this study, we subjected middle-aged Nfkb1 knockout mice (lacking p50 subunit) and wild-type controls of both sexs to 17 min of transient forebrain ischemia and assessed mouse performance in a panel of behavioral tests after two weeks of post-operative recovery. We found that ischemia failed to induce clear memory and motor deficits, but affected spontaneous locomotion in genotype- and sex-specific way. We also show that both the lack of the NF-κB p50 subunit and female sex independently protected CA2 hippocampal neurons from ischemia-induced cell death. Additionally, the NF-κB p50 subunit deficiency significantly reduced ischemia-induced microgliosis, astrogliosis, and neurogenesis. Lower levels of hippocampal microgliosis significantly correlated with faster spatial learning. We conclude that NF-κB regulates the outcome of transient forebrain ischemia in middle-aged subjects in a sex-specific way, having an impact not only on neuronal death but also specific inflammatory responses and neurogenesis.