長野県木曽町にやって来ました(2021/4/30)。
木曽町の中心地は、木曽福島です。江戸時代、ここに中山道が走っていて、福島宿がありました。福島宿には、四大関所の一つが置かれましたから、幕府にとって重要な場所でした。
木曽福島の中心地は、木曽川と中央本線に挟まれた一帯です。ここはさらに、八尺川によって南北に分けられます。八尺川の北が古い町で、福島宿もそこにありました。
地図(「木曽福島ぶらりマップ」より)に黄色い線が引いてあります。これが旧中山道です。木曽福島駅は、地図の左側にあります。駅から中山道を歩いてくると、地図の左下の中八尺橋にやって来ます。
橋を渡ると、中山道は細い上り坂になりました。右に「漆の館」、突き当りに「木地(きじ)の館」。ここは木曽漆器の発祥地なんですね。
さらに上り坂を進むと、古い町並みが残っていました。ここを「上之段」地区といい、高台になっています。観光駐車場があり、なまこ壁の古民家を利用した和洋レストランもあります。
上之段の突き当りで、中山道は右に直角に曲がっていました。これを枡形(ますがた)といい、外敵の侵入をここで防ぎました。枡形の先の左側に、木の茂みがあります。江戸時代、ここに高札場があって、福島宿はここから始まります。
高札場の坂を下ってさらに進むと、中山道は大きな通りに出ました。そこを右折し、さらに進むと、軒下に堂々とつりさげられた杉玉です。これは呑み助に対する挑戦状です。への次郎は避けて通ることはできません。で、七笑酒造にイン。「蔵隠し特別限定酒」の8文字に惹かれ、純吟を買いました。
4号瓶をさげて中山道をさらに進むと、細い上り坂を登る人がいました。旅人でしょうか?後をついて行くと。
門がありました。この門を出たこちら側に、かつて福島関所がありました。この関所までが福島宿です。門の左奥に見える建物は、福島関所を忠実に復元した福島関所資料館です。
資料館には、関所の通行に関する資料や関所におかれていた武具などが展示されています。前の小道をこちら側に歩いてくると、お隣です。
お隣は高瀬家住宅でした。高瀬家は、ここ福島の代官に仕えていた家で、島崎藤村の姉の嫁ぎ先です。現在は資料館として公開されており、前の小道は藤村にちなんで「初恋の小径」というそうです。
日帰りで、中山道の福島宿を回ってきました。木曽福島は「谷底の町」といわれますが、標高は800mに近いです。もうすぐ5月だというのに、山にはヤマザクラが咲いており、市街地ではウコンザクラが満開でした。コロナの第4波が拡大しているので、楽しみにしていた地元ランチは中止。ただ、地酒を買ったから、最後に味をみてみましょう。
正しくは「純米吟醸 無濾過 しぼりたて 山笑」といい、春限定だとか。箱を開けると、うす緑色の4号瓶が出てきました。栓を開け、ぐい飲みに注いで鼻を近づけると、やさしい吟醸香です。口にふくむと、ラムネに似た爽やかな味がしました。舌の上でころがすと、かすかな酸味です。
木々がやっと芽吹き始めた山深い木曽福島の春によく似合うお酒です。ぐいっと飲み干すと、「うまい!」