今回のテーマ: 「現場力、職場力、組織力を生かす」シリーズ①
この記事は(一社)日本経営士会発行の「環境CSRニュース」で配信した記事の一部です。
日本経営士会 環境CSRームページはこちらへ。http://www.compact-eco.com/
今回のテーマは「現場力、職場力、組織力を生かす」ですがシリーズとして発信します。この原稿は経営士の小守孝様の原稿を掲載させて頂きます。
私が昨年小守様にこの環境CSRニュースに生産管理とか工場管理などのテーマでシリーズもので原稿を依頼しました。
それから2月後位に督促したら、亡くなられたとの話でびっくりしました。
テクニカルショウヨコハマで日本経営士会が十数年に渡って出展していますが、途中から2ブースの片側でミニセミナーを開催しています。
このミニセミナーにほとんど毎年小守先生に依頼していましたが、彼の話はいつも満席になりました。
話の内容と話術、何故か人を引き付ける能力が備わっていました。彼はソニー㈱に勤務後経営士になられ主に関東地区で生産管理、工場管理関係のコンサルタントを実施、高い評価を受けておられました。彼のノウハウ(セミナー資料等)を経営士とか環境経営士のために日本経営士会の本部に「小守 孝文庫」として残したいと小守家にお願いしたら快諾されました。このような経緯ですが、今後小守文庫からそのエキスを環境CSRニュースで発信してゆきます。
「現場力、職場力、組織力を生かす」シリーズ①
日本企業は、自らの競争力の根源は「現場力」にある、「現場の知恵や創意工夫が企業の優位性をもたらし、イノベーションの端緒もまた現場にある」、ということを再認識する必要がある。
中小企業の中には、現場に活力がない、5Sや無駄どり改善がマンネリ化、ISOや提案制度が生かされていない、品質が悪く顧客クレームが減らない等々多くの問題や悩みを抱えている。要因の一つとして、環境の変化に対して企業の現場や職場の組織が変化に対応出来ていない場合がある。それぞれが持つ「力」、即ち「現場力」「職場力」「組織力」が考えられそれぞれが強かったとしても全体の力が分散され、それぞれの力に「隔り」があっても、企業全体の強さは損なわれてしまう。
現場力のある「強い現場」、職場力のある「強い職場」、組織力のある「活性化した組織」の3つの「力」のバランスがあって、活力のある強い企業が構築できる。
現場力・職場力が存在する(認識できる)場とは
(1)現場・職場(人々が共同し、働く場所)
(2)人々が共同し働いている意識やアイデンテティ(意識性)を共有する
(3)作業を遂行する場所や物理的道具を使用している
(4)人々が相互にコミュニケーションすることを可能にする共通言語やコミュニケーションツールを持つ
現場力・職場力は、現場で働く人の意識や行動を通して理解出来たり、その場にいた人が理解することもある。
現場では、働く人(単一の要素)がいて、共同して働く場として現場・職場が形成される。そして仕事を通して「共同して働いている」という意識やアイデンティティを持っている。
現場や職場での仕事の目的を遂行するための道具やコミュニケーションによって、現場力・組織力が出来てくる。
そして現場力・組織力はオペレーションを行う現場が持つ組織能力、現場が自らの知恵やアイデアで問題を発見し解決改善する実行能力が求められる。現場力は、現場にあるのでも、個人にあるのでもなく、現場と個人がマッチした場に存在し具体的な技能ないし具体的な実行能力である。
次回は「現場力として現場・職場に求められる要素」